君に届けの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『君に届け』とは、椎名軽穂により描かれた作品。根暗で控えめな主人公黒沼爽子が、爽やかなクラスの人気者の風早翔太に恋をし、成長していく姿を描いた青春ラブストーリーである。人と関わりを持つことが出来なかった爽子が、風早と出会ったことをきっかけに人間関係が広がっていく。自分の素直な気持ちと向き合い、恋に友情にと奮闘する姿が描かれている。個性溢れる登場人物の感情や想いが交錯し、思わず応援したくなるような作品となっており、故に名言が多い。

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風早と初詣に行き、あまりに幸せすぎて怖くなったと話をした爽子は、風早をひとりじめしたいと思う一方で、嫌われたくないという感情も出ていた。終わることを恐れていては前には進めないので、爽子は前を向き「好き」と伝えることで新しい関係を作ることを決意した。その時のセリフが、「この1年の集大成として…立派にうらめしい演技をするから!きっと役に立つから…」である。この言葉を聞いて爽子の気持ちを受けとった風早は「好きだよ」とみんなの前で大きな声で伝える。この言葉から、2人は初めてお互いが「好き」ということを確認し、両想いとなった印象に残るセリフである。

「あの瞬間私の世界はなにもかもがかわった...名前を呼ばれたあの瞬間私はもう恋に落ちていたんだな...」

球技大会を終えて、爽子は1人で外で涼み、眠っていた。爽子はその時眠りながら感じていたことが「あの瞬間私の世界はなにもかもがかわった...名前を呼ばれたあの瞬間私はもう恋に落ちていたんだな...」である。風早と教室で初めて話をした時に、周りが「貞子」と呼ぶなかで、風早はフルネームで「黒沼爽子でしょ?」と言っていた。そのことが、嬉しかった爽子は風早のことをずっと意識していた。あの時は、まだ恋に落ちている自分に気づかなかったが、今は風早を好きになっていると分かる名セリフである。

「私のことで悩んでた?色々後悔してる?こんな私すきじゃない?」

そっけない態度をとる風早に、寂しい気持ちが強くなる爽子。「もしかしたら嫌われてしまったかも」と不安に思う日々を過ごしている中で、冬休みに近づき会えなくなって、急に関係が終わってしまうのではと憤りを感じていた。そして、爽子は溢れる感情を出して風早に言ったセリフが「私のことで悩んでた?色々後悔してる?こんな私すきじゃない?」である。
風早もその言葉を聞いて、自分の理性が抑えられなくなり、爽子を抱きしめてキスをする。付き合ってからお互い距離の保ち方が分からなかった風早と爽子だが、このセリフで2人の関係が一気に進んだのだった。

「未来が近づくっていうことは、今が終わるってことなんだ」

付き合って1年になる爽子と風早だが「ずっと一緒にいたい」と思う一方で行事がひとつずつ終わっていき、確実に卒業に向かっていることを実感している。今まで、楽しかったことや苦しかったこと、悩んだこと、喧嘩したこと全ての出来事は過去になってしまったと思うようになる。「未来が近づくっていうことは、今が終わるってことなんだ」と爽子は風早と肩を寄せ合いながら感じる。楽しすぎる高校生活の「今」という瞬間が終わってしまうことに対する切なさが伝わる爽子の気持ちである。「未来」に対する期待と「今」というかけがえのない時間を大切にしたいという想いが伝わるセリフである。

「貞子として過ごした日々を、誇りに思います」

卒業生代表として答辞を述べていた爽子は、台本の通り読んでいたのだが、途中からアドリブで言葉を紡ぎだす。
最初は爽子と本名を呼んでくれる人も一緒に過ごす人もおらず、「霊感がある」と思われていたことに対しても、本当は幽霊を見たり感じたりできないと申し訳なく感じていた。
けれど、卒業するときには、霊感があっても無くてもどっちでもいいとそう思えるようになった。
それは、風早の言葉がきっかけで、千鶴や矢野、クラスメイトたち、関わるようになった人たちのおかげだった。

爽子はみんなを前にして、感謝の言葉を届けることを答辞の言葉として締めくくった。

風早翔太(かぜはやしょうた)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「爽子…、黒沼爽子、でしょ?」

爽子から「風早くんのように爽やかな人になりたい」と伝えられ、「風早という名前がもはや爽やか」と言われた風早は彼女に対し、「それを言うなら黒沼じゃない?」と切り返す。
その時のセリフが「爽子…、黒沼爽子…でしょ?」である。自分が伝えたことをそのまままっすぐに受け止めてくれたことに衝撃を受け、それだけでなく、見た目から「貞子」と呼ばれている自身の本名をためらいもなく言ってくれた風早に心を動かされる爽子。
この時を境に、爽子はこれまであきらめていた自分の気持ちをきちんと人に伝えるように努力し始める。2人の始まりとなった大切なシーンである。

「...気づいてないの?...俺を動かしてるのも黒沼なんだって」

いつもクラスで浮いていて1人で過ごしていた爽子は、風早のおかげで周りと打ち解けるようになってきた。風早の言葉があったからこそ爽子自身が動くきっかけとなっていること、動く力をくれていることを伝える。それを聞いた風早が言ったセリフが「...気づいてないの?...俺を動かしてるのも黒沼なんだって」である。いつも力をもらってばかりだと感じていた爽子だが、爽子の頑張りが周りを動かしていることに気づかせてくれた風早の言葉に、自分もみんなの力になれていることを知る。今まで、自分に対しては自信が無かった爽子が、この言葉をきっかけで少しずつ行動に移していくようになる。

「俺だけが知ってたのになぁってほんとはちょっと思ってた...だから今のは俺にちょうだい。ひとりじめ」

クラスメイトに勉強を教え「役に立てた」と喜ぶ爽子。「貞子」と恐れられいつも怒っているような感じだと思われていた爽子は、クラスメイトに初めて笑った姿を見せてみんなを驚かせた。唯一風早だけは、入学式の日に爽子の笑った姿を見ていたので、自分だけが知っていた笑っている爽子のことをみんなが知るようになる。残念がる風早には気づかず、爽子は「風早くんのおかげ」と笑顔でお礼を言う。その時に風早が言ったセリフが「俺だけが知ってたのになぁってほんとはちょっと思ってた...だから今のは俺にちょうだい。ひとりじめ」である。自分だけが知っていた爽子の魅力がみんなに知られてしまったことによる風早の嫉妬と爽子を想う気持ちが伝わる言葉である。自分だけのものにしたいという独占欲の強さが表れた場面である。

「株とか噂とか...そこに俺の意思はどこにもないじゃん!それは黒沼の決める事じゃない 俺が決めることだ!俺は...俺のしたいようにするよ。黒沼と喋りたければ喋るし喋りたくなかったらこんな風に喋っていない!」

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