君に届けの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『君に届け』とは、椎名軽穂により描かれた作品。根暗で控えめな主人公黒沼爽子が、爽やかなクラスの人気者の風早翔太に恋をし、成長していく姿を描いた青春ラブストーリーである。人と関わりを持つことが出来なかった爽子が、風早と出会ったことをきっかけに人間関係が広がっていく。自分の素直な気持ちと向き合い、恋に友情にと奮闘する姿が描かれている。個性溢れる登場人物の感情や想いが交錯し、思わず応援したくなるような作品となっており、故に名言が多い。

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「ピュアホワイト……!!」

爽子が純粋すぎることに対し、感動した千鶴が思わずつぶやいた言葉。
自身と矢野を貶める、良くない噂の出所を確かめるために爽子に状況を尋ねた際に見せた反応が「明らかに彼女ではない」という意味での白と、噂の意味が分かっていない、という「純粋」という意味での真っ白がかかった、ダブルミーニングのセリフと考えられる。
爽子の素直な性格と、千鶴が情に脆いことがよくわかる一言。

「しってる?友達ってね...気付いたらもうなってんの!」

自分が一緒にいることにより、吉田と矢野を貶めるような噂が流れ、彼女たちを傷つけると感じた爽子。せっかく仲良くなったというのに、その噂と、爽子がそれを気に病んだがために3人の間柄はどこかぎくしゃくしたものになってしまう。
しかし「それでも一緒にいたい」という気持ちが強かった爽子は勇気を振り絞り、2人に「ともだちになりたい」と思い切って伝える。そして、爽子の健気な想いを聞いた千鶴は「しってる?友達ってね...気づいたらもうなってるの!」と答えた。爽子が友達になりたいと思う一方で、吉田と矢野は爽子のことをもうすでに「友達」として大事な存在だと思っていたことを伝える。こうして3人は無事に仲直りし、以前よりもぐっと絆を深めることができたのであった。千鶴のこの言葉は、友達に憧れ、まだ友達というにはおこがましいとさえ思っていた爽子に響いたはずだ。そして「なろうよ」と伝えたからなれるというものではなく、いつの間にかお互いを大切に想い合い、かけがえのない存在になるものこそ、本当の意味での「友達」であることを読者にも改めて気づかせてくれた。まさしく、作中屈指の名セリフというにふさわしい一言である。

「...龍!もしあんたになんかあったら その時はあたしがなぐさめてやるからね」

真田龍(さなだりゅう)の兄の真田徹(さなだとおる)が好きだった千鶴だが、徹が結婚することを聞いて落ち込んでいた。その時に、いつも側にいて千鶴をなぐさめてきたのは龍だった。千鶴は、寄り添ってくれる龍に感謝していた。その時に言ったセリフが「...龍!もしあんたになんかあったら その時はあたしがなぐさめてやるからね」である。千鶴らしい龍への日頃のお礼を伝えた言葉であり、なぐさめると表現している2人の深い絆が感じられる名セリフである。

「龍...あたしここにいるから。だから...安心して行っておいで」

龍(画面右)と離れたくないという想いが強かった千鶴(画面左)だったが、その気持ちは変化していった。

高校最後の試合で負けてしまった龍は、千鶴やラーメン店をしているお父さんを置いて地元から離れて大学で野球をすることを決意する。龍と離れることを嫌がった千鶴は、龍の大学進学で野球を続けることを応援できずにいた。千鶴は、いつも慰めてくれた龍の存在の大きさと一途に想い続けてくれたことを知っている。そのことから、千鶴が言ったセリフが「龍...あたしここにいるから。だから...安心して行っておいで」である。今まで、素直に応援できなかったが、千鶴が龍のやりたいことを本気で応援することができたと分かる。龍に対しての溢れる愛情が伝わる名セリフである。

「鈍さに慣れるな!」

風早が爽子のことを好きなのではないかと噂がで、彼からも告白のようなことをされる。
しかし、彼女はこれまでの経験から素直にその言葉を受け入れられず、すれ違うようになってしまう。
そんな状態に、ちづは我慢できなくなり、爽子に目を覚ますように『鈍さに慣れるな!!』と訴えかける。
一緒に過ごしてきた時間までも否定されているように感じてしまったからだ。
この言葉に背中を押され、爽子は風早に自分の気持ちを伝える決心をする。

矢野あやね(やのあやね)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「こんなのもう大好きじゃん...友達かって言ったら微妙って言ったけどさ。こんなのもう友達じゃん...だってあたしらこんだけ貞子のことで悩めるんだもん」

爽子と関係が悪くなっている吉田と矢野は、2人で爽子のことを話し合っていた。周りから避けられ続けた爽子は、周りの態度に慣れたり、感情が分かりにくかったり、自分の感情にも鈍くなっていたりする気持ちがあるのではないかと矢野は言う。そして、自然と爽子が、吉田や矢野に笑顔を見せた時には嬉しく感じたことを思い出す。爽子のことで自分たちがたくさん悩んでいることに気づき、矢野が言ったセリフが「こんなのもう大好きじゃん...友達かって言ったら微妙って言ったけどさ。こんなのもう友達じゃん...だってあたしらこんだけ貞子のことで悩めるんだもん」である。友達かどうか分からないけれど、これだけ1人のことで悩んで苦しんでいることは、爽子は吉田や矢野にとって大事な存在であると言うことが伝わる名セリフである。見た目の派手さとは関係なく、爽子を想う気持ちは誰よりも強く2人の優しい側面が垣間見える。

「周りの評判とか関係なくさ それきっと風早も同じだよ」

風早のことが好きだった女子生徒達は、風早と爽子が付き合ったことに信じられない気持ちが強く爽子をいじめていた。その時矢野が言ったセリフが「周りの評判とか関係なくさ...それきっと風早も同じだよ」だよ。周りの評判など気にせずに女を選ぶ風早だからこそ好きになったのではないかと、風早を好きだった女子に共感した。そして、悲しい気持ちを抑えずに悲しんで良いことも伝える。矢野の優しさと友達をいじめたことに対して相手を責めることなく、慰めることができる人間力の高さを感じた名セリフである。

「今まで ちゃんと好きな人いた?」

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