君に届けの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『君に届け』とは、椎名軽穂により描かれた作品。根暗で控えめな主人公黒沼爽子が、爽やかなクラスの人気者の風早翔太に恋をし、成長していく姿を描いた青春ラブストーリーである。人と関わりを持つことが出来なかった爽子が、風早と出会ったことをきっかけに人間関係が広がっていく。自分の素直な気持ちと向き合い、恋に友情にと奮闘する姿が描かれている。個性溢れる登場人物の感情や想いが交錯し、思わず応援したくなるような作品となっており、故に名言が多い。

龍(画面右)と離れたくないという想いが強かった千鶴(画面左)だったが、その気持ちは変化していった。

高校最後の試合で負けてしまった龍は、千鶴やラーメン店をしているお父さんを置いて地元から離れて大学で野球をすることを決意する。龍と離れることを嫌がった千鶴は、龍の大学進学で野球を続けることを応援できずにいた。千鶴は、いつも慰めてくれた龍の存在の大きさと一途に想い続けてくれたことを知っている。そのことから、千鶴が言ったセリフが「龍...あたしここにいるから。だから...安心して行っておいで」である。今まで、素直に応援できなかったが、千鶴が龍のやりたいことを本気で応援することができたと分かる。龍に対しての溢れる愛情が伝わる名セリフである。

矢野あやね(やのあやね)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「こんなのもう大好きじゃん...友達かって言ったら微妙って言ったけどさ。こんなのもう友達じゃん...だってあたしらこんだけ貞子のことで悩めるんだもん」

爽子と関係が悪くなっている吉田と矢野は、2人で爽子のことを話し合っていた。周りから避けられ続けた爽子は、周りの態度に慣れたり、感情が分かりにくかったり、自分の感情にも鈍くなっていたりする気持ちがあるのではないかと矢野は言う。そして、自然と爽子が、吉田や矢野に笑顔を見せた時には嬉しく感じたことを思い出す。爽子のことで自分たちがたくさん悩んでいることに気づき、矢野が言ったセリフが「こんなのもう大好きじゃん...友達かって言ったら微妙って言ったけどさ。こんなのもう友達じゃん...だってあたしらこんだけ貞子のことで悩めるんだもん」である。友達かどうか分からないけれど、これだけ1人のことで悩んで苦しんでいることは、爽子は吉田や矢野にとって大事な存在であると言うことが伝わる名セリフである。見た目の派手さとは関係なく、爽子を想う気持ちは誰よりも強く2人の優しい側面が垣間見える。

「周りの評判とか関係なくさ それきっと風早も同じだよ」

風早のことが好きだった女子生徒達は、風早と爽子が付き合ったことに信じられない気持ちが強く爽子をいじめていた。その時矢野が言ったセリフが「周りの評判とか関係なくさ...それきっと風早も同じだよ」だよ。周りの評判など気にせずに女を選ぶ風早だからこそ好きになったのではないかと、風早を好きだった女子に共感した。そして、悲しい気持ちを抑えずに悲しんで良いことも伝える。矢野の優しさと友達をいじめたことに対して相手を責めることなく、慰めることができる人間力の高さを感じた名セリフである。

「今まで ちゃんと好きな人いた?」

他のクラスの男子から告白された矢野は付き合うことになった。そして、修学旅行でも会ってキスをするが「好き」という感情が生まれてこない。そんな矢野が担任に聞いたセリフが「今までちゃんと好きな人いた?」である。来るもの拒まずで付き合いだした矢野だが、人を「好き」になるという感覚が分からないでいた。普段はクールで包容力もある矢野だが、自分の気持ちに対しては不器用であることが分かるセリフである。

真田龍(さなだりゅう)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「なぐさめてやろっか」

爽子に「友達じゃない。好きではない。」と言われ、落ち込んでいる千鶴に幼馴染で同じクラスメイトの龍が言ったセリフが「なぐさめてやろっか」である。幼馴染だからこそ、千鶴がへこんでいたらすぐに分かるし声をかける優しさが伝わる。龍は口数は少ないが、龍なりの精一杯の労りの言葉で千鶴の心を軽くしている。実際、考えこんでいる千鶴の背中を後押しして解決に向けて貢献した奥深いセリフである。

「俺は、千鶴ひとすじ 内緒な」

爽子が、野球ボールが当たりそうなところを龍が助けてくれた。そのお礼を言うために体育館用具室で会うことになった。お礼を伝えるのと同時に、恋愛感情ってどんなものなのかということを龍に質問する。それに対して龍が答えたセリフが「俺は、千鶴ひとすじ。内緒な」である。千鶴と龍は幼馴染であり仲は良いが恋愛関係には至っていない。龍は、千鶴のことを「とくべつな好き」と言うことを爽子に初めて伝えたのである。無口な龍だが、真っ直ぐで一途な性格が伝わる優しさが詰まったセリフが印象的である。

「理屈で答えねーとだめなの?気づいたらもうずっととくべつだったよ」

爽子は龍にいつから千鶴のことが好きになったのかが気になり尋ねた。自分が風早に対する特別な気持ちがどこからきたのか分からなかったからである。特別になったきっかけや特別ってどうやって分かったのかを知りたかった。それに対して龍が答えたセリフが「理屈で答えねーとだめなの?気づいたらもうずっととくべつだったよ」である。いつどこから特別っていう気持ちが出てきたのかは龍にも分からないが、他の誰とも比べられないことを伝える。自然と好きになっていたと言う龍の一途な愛情が伝わる名セリフである。

「千鶴がちょっとでも俺の好きな奴を気にしてんのが…うれしかったんだよ。俺が好きなのはずっと千鶴だよ」

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