君に届けの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『君に届け』とは、椎名軽穂により描かれた作品。根暗で控えめな主人公黒沼爽子が、爽やかなクラスの人気者の風早翔太に恋をし、成長していく姿を描いた青春ラブストーリーである。人と関わりを持つことが出来なかった爽子が、風早と出会ったことをきっかけに人間関係が広がっていく。自分の素直な気持ちと向き合い、恋に友情にと奮闘する姿が描かれている。個性溢れる登場人物の感情や想いが交錯し、思わず応援したくなるような作品となっており、故に名言が多い。

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他のクラスの男子から告白された矢野は付き合うことになった。そして、修学旅行でも会ってキスをするが「好き」という感情が生まれてこない。そんな矢野が担任に聞いたセリフが「今までちゃんと好きな人いた?」である。来るもの拒まずで付き合いだした矢野だが、人を「好き」になるという感覚が分からないでいた。普段はクールで包容力もある矢野だが、自分の気持ちに対しては不器用であることが分かるセリフである。

真田龍(さなだりゅう)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「なぐさめてやろっか」

爽子に「友達じゃない。好きではない。」と言われ、落ち込んでいる千鶴に幼馴染で同じクラスメイトの龍が言ったセリフが「なぐさめてやろっか」である。幼馴染だからこそ、千鶴がへこんでいたらすぐに分かるし声をかける優しさが伝わる。龍は口数は少ないが、龍なりの精一杯の労りの言葉で千鶴の心を軽くしている。実際、考えこんでいる千鶴の背中を後押しして解決に向けて貢献した奥深いセリフである。

「俺は、千鶴ひとすじ 内緒な」

爽子が、野球ボールが当たりそうなところを龍が助けてくれた。そのお礼を言うために体育館用具室で会うことになった。お礼を伝えるのと同時に、恋愛感情ってどんなものなのかということを龍に質問する。それに対して龍が答えたセリフが「俺は、千鶴ひとすじ。内緒な」である。千鶴と龍は幼馴染であり仲は良いが恋愛関係には至っていない。龍は、千鶴のことを「とくべつな好き」と言うことを爽子に初めて伝えたのである。無口な龍だが、真っ直ぐで一途な性格が伝わる優しさが詰まったセリフが印象的である。

「理屈で答えねーとだめなの?気づいたらもうずっととくべつだったよ」

爽子は龍にいつから千鶴のことが好きになったのかが気になり尋ねた。自分が風早に対する特別な気持ちがどこからきたのか分からなかったからである。特別になったきっかけや特別ってどうやって分かったのかを知りたかった。それに対して龍が答えたセリフが「理屈で答えねーとだめなの?気づいたらもうずっととくべつだったよ」である。いつどこから特別っていう気持ちが出てきたのかは龍にも分からないが、他の誰とも比べられないことを伝える。自然と好きになっていたと言う龍の一途な愛情が伝わる名セリフである。

「千鶴がちょっとでも俺の好きな奴を気にしてんのが…うれしかったんだよ。俺が好きなのはずっと千鶴だよ」

他クラスの女子生徒が龍のことが好きで告白したが、「好きな人がいる」と言って断った。その噂を聞いた千鶴は幼馴染だが、龍が好きな人がいることを知らないで腹を立てていた。そして、千鶴が龍に「あんた好きな人いるんだって?」と尋ねた時に、龍が言ったセリフが、「千鶴がちょっとでも俺の好きな奴を気にしてんのが…うれしかったんだよ。俺が好きなのはずっと千鶴だよ」である。龍は、気づいたら千鶴のことは特別な存在であり、大好きになっていた。千鶴は、龍の気持ちに全く気づかないまま幼馴染として仲良く過ごしていたが、初めて龍の気持ちを知り焦燥する。千鶴が、自分に「好き」という気持ちが無いのを知っていながらずっと胸に秘めていた想いを伝えた名セリフとなっている。

胡桃沢梅(くるみざわうめ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「友達?ライバルでしょ!」

風早に振られた学年で1番の美人でモテる胡桃沢梅(くるみざわうめ)は、風早が爽子のことを好きだと言うことに気づいていた。「風早が好きになる女は大嫌い」というくるみのセリフを聞いて、爽子はくるみと「友達にはなれないんだよね?」と尋ねる。それを聞いてくるみが返したセリフが「友達?ライバルでしょ!」である。同じ人を好きになって、一緒に戦った爽子のことを「友達」として見るのではなく「ライバル」であると宣言しているくるみのセリフからは、風早に振られた後とは思えない力強さと潔さが感じられる。

「...ちゃんと間違いなく伝えた!!一緒にすんな!!」

爽子は、ライバルであるくるみに風早に振られたことを伝えた。そのことを聞いたくるみは怒って「ライバルじゃない!まだ闘ってない!」と伝える。くるみは振られるのを覚悟しながらも自分の気持ちを風早に届けたが、爽子はまだ気持ちをしっかりとは届けていないことを知っていた。風早の良さを1番近くで感じているのが爽子のはずだが、何も分かっていないことに苛立っていた。その時のセリフが、「わたしはちゃんと伝えたもの...ちゃんと間違いなく伝えた!!一緒にすんな!!」である。言葉足らずだった自分に気づき爽子が意を決して風早に想いを伝えに行くきっかけとなった名セリフである。

「風早がすきになってくれなきゃ意味がないじゃん!!」

かわいい女の子として登場し、爽子の恋のライバルとなったくるみは、壮絶な努力の上にその「かわいい女の子」としての地位を築いていた。
爽子に「かわいい」と言われたくるみからこぼれた本音が、「風早がすきになってくれなきゃ意味がないじゃん!!」である。
この本音は、自らが風早の隣に立つために努力を重ねているその横で、彼に対して何のアプローチもせずにかまってもらえている爽子に腹を立てていた上に、彼女自身から「かわいい」と無神経に言われたことでこぼれてしまったもの。
不特定多数の「かわいい」よりも、たった一人の好きな相手に好かれたいと切望する、「恋する女の子」の主張に、多くの読者が胸を締めつけられた。

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