リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』とは、アメコミ作品『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』を原作とした2003年公開のアクション・アドベンチャー映画。監督はスティーブン・ノリントン、主演はショーン・コネリー。20世紀を代表する名作文学の登場人物を集結させたクロスオーバー作品として話題となった。世界征服を企むファントムの陰謀にアラン・クォーターメインやネモ船長をはじめとする超人同盟が立ち向かう。

『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』の概要

『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』とはアメコミ作品『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』を原作とした2003年公開のアクション・ファンタジー映画。監督はスティーヴン・ノリントン、主演で射撃の達人アラン・クォーターメインを演じる名優ショーン・コネリー、ミステリアスなネモ船長にインドの実力派俳優ナシールディン・シャー、チームを集結させた謎の人物Mにリチャード・ロクスバーグを起用している。20世紀を代表する文学小説のキャラクターたちが一堂に会したクロスオーバー作品であり、映画オリジナルの世界観、ネモ船長操るノーチラス号などの近未来的ヴィジュアル、VFXを駆使した映像に魅了的なキャラクターたちをショーン・コネリーをはじめ名優たちが演じることで話題になった。世界興行収入は1億7926万ドル、日本国内で12億1000万円を記録した。

19世紀末、鉄仮面の男ファントム率いる武装集団がイギリスとドイツを襲撃。世界は大規模な戦争勃発の緊張下に置かれ、元凶であるファントムを捕らえるためイギリス政府は超人同盟を結成させる。伝説の冒険家アラン・クォーターメイン、ノーチラス号を操るネモ船長、一つの体に二つの人格を持つジキル博士とハイド氏、吸血鬼ミナ・ハーカー、透明人間ロドニー・スキナー、不死身の男ドリアン・グレイ、アメリカ諜報部員トム・ソーヤーの7人が集結し、ファントムの次の標的であるイタリア・ベニスへと向かう。ベニスに到着して間もなく、地下に仕掛けられた爆弾が作動し街が崩壊をはじめる。チーム一丸で崩壊を食い止め、ファントムを追い詰めるに至るがその背後には恐るべき陰謀が隠されていた。

『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』のあらすじ・ストーリー

超人同盟

1899年イギリス・ロンドン、静まりかえった夜の街を装甲戦車が行進し英国銀行を襲撃する。鉄仮面を被った謎の男ファントム率いる武装集団は金品に手をつけず、とある海上都市の設計図のみを奪い退散。戦車がドイツ製であることからイギリスはドイツの関与を疑うがドイツはそれを否定。後日ドイツの飛行船製造所がファントムたちに襲撃され、そこに勤めていた多くの科学者たちが拉致されてしまう。世界中で緊張が高まる中、事態を重くみたイギリス政府は古くから世界の危機を救ってきた「超人同盟」の招集を決断する。
アフリカ・ケニアにて、「超人同盟」候補の一人アラン・クォーターメインの元にイギリス政府の使者サンダーソン・リードが彼のいる酒場に訪ねてくる。ソロモン王の秘宝をはじめ、数多くの危険な秘境をくぐり抜けてきたアランは壮年を迎えケニアでの隠遁生活を送っていた。未曾有の危機にチームを率いて世界を救ってほしいと依頼するリードだが、数多くの冒険の果てに大事な人たちを失い続けたアランは、その傷心ゆえに「あの頃の自分はもうここにはいない」とその依頼を断る。リードは諦めかけ席を外そうとした時、突然武装した集団が現れ普段アランの代わりに観光客などを相手している友人のナイジェルに凶弾を放つ。それはファントムの手先たちで、厚い重装備から繰り出す銃撃は店を一気に破壊し尽くしていった。圧倒的不利の中、アランは冷静に一人一人対処していき、年齢を感じさせない肉弾戦を繰り広げファントムの手先を制圧する。一人逃げられてしまうが、アランは愛銃「マチルダ」を持ち出すと「やれやれ歳はとりたくないな」と呟いて眼鏡をかけ、地平線遥か先に逃げ果せた標的めがけて発砲する。見事足を撃ち抜き、倒れた手先の元に駆け寄るアランたちだが、手先は隠していた毒を飲み自害してしまう。直後、ファントムの手先たちが密かに置いていった爆弾が作動し、先程いた酒場が大破する。大規模な戦争が起こればアフリカも危険に晒されることを感じたアランは、超人同盟への参加を決意するのだった。

イギリス・ロンドンに到着したアランは、超人同盟が集う隠れ家へ案内される。そこには超人同盟招集を呼びかけた謎の男M、自由の闘士にしてノーチラス号艦長のネモ船長、謎の美女ミナ・ハーカー、透明人間のならず者ロドニー・スキナーがいた。互いを牽制しつつ軽い自己紹介を済ますと、アランたちは残りの候補者であるドリアン・グレイをスカウトするため東ロンドン埠頭へ向かう。ドリアン・グレイは世界の危機に関心を持たずアランたちを追い返そうとするも、かつて甘い関係のあったミナ・ハーカーを見て気が変わり一同を家に招きいれた。ドリアンは若々しい美青年であり、かつてアランが学生の時に参加した講義から何一つ変わらない容姿をしていた。アランは改めてドリアンに超人同盟への参加を求めると、突然彼らの周りを取り囲むようにファントム率いる武装集団が現れた。ファントム本人も現れ、アランたちに自らと手を組むよう要求する。世界征服に断じて手を貸さないと要求を拒否したアランたちが臨戦態勢に入ろうとした瞬間、武装集団の一人が構えていた銃口をファントムたちに向け発砲。戦いの火蓋が切って落とされ、襲いかかる武装集団にアランたちは圧倒的戦力で返り討ちにし、逃げるファントムをアランと謎の青年が追いかける。ギリギリのところまで追い詰めるもファントムは窓を突き破りまんまと逃げ果せてしまう。残った残党がミナを人質にとり、全員に降伏するよう要求するがミナの目が赤く染まり、目にも止まらぬ速さで残党に喰らいつく。ミナは吸血鬼だったのだ。武装集団に紛れアランたちに加勢した青年はアメリカ諜報部員のトム・ソーヤーと名乗った。彼の若く大胆不敵なところを気に入ったアランは共に同行することを提案し、ドリアンもまた気紛れから超人同盟への参加を承諾する。
最後の候補者を求め一行はフランス・パリへ、ネモ船長自慢の巨大潜水艇「ノーチラス号」に乗り込み出航した。

イタリア・ベニス襲撃

フランス・パリに到着したアランたちは夜の街を徘徊するハイド氏を追跡する。巨大な身体に俊敏さと驚異の怪力を併せ持つハイド氏だが、アランの冷静な対処で罠まで誘導し無事捕獲に成功する。ノーチラス号に運ぶも暴れまわるハイド氏にアランはある条件を提案する。ハイド氏は殺人を犯したことにより故郷であるロンドンに帰れなくなっていたが、超人同盟に協力すれば帰国を許す、という条件だった。故郷への郷愁から了承したハイド氏は突然呻き出すと、身体がみるみる縮んでいき、本来の姿であるジキル博士に戻った。薬による実験で善と悪の人格を分裂させ、同時に肉体をも変化させていたのだった。
ファントムたちが英国銀行を襲撃し奪ったものがイタリアの海上都市ベニスの設計図であり、4日後にベニスで開催される世界会議が次の標的と判明した。開催日までにノーチラス号で間に合うのか疑問をぶつけるトムにネモ船長は「ノーチラス号をみくびっていらっしゃる。神髄をお見せしよう」と絶対の自信を込めて発言すると、全速力で船を発進させイタリア・ベニスへと向かうのだった。
ネモ船長の宣言通りノーチラス号は驚異のスピードで海を渡り、開催日当日にベニスへの到着を果たした。街はちょうど仮装パーティーで多くの人々が賑わっており、最悪の事態を避けるため早速一行はファントムたちの行方を捜す。祭りもフィナーレを迎え大量の花火が打ち上げられた瞬間、巨大な地響きが鳴り街が崩壊しはじめる。海上都市の土台部分に爆弾が設置されていたのだ。街はドミノのように倒壊していく。アランたちは崩壊地点を先回りしてノーチラス号に備えられたミサイルで破壊し、街の全壊防止を試みる作戦を取る。悪の人格ハイド氏への変身を恐れるジキル博士は協力を拒み、アラン、トム、ミナ、ドリアンはノーチラス号に備えられた車「ネモービル」に乗り込んで崩壊していく街を駆け抜けていく。途中ファントムの兵士たちによる妨害に遭い、ミナとドリアンは兵士たちの相手を引き受け、アランは人混みに逃げ込んだファントムを見つけ追跡のためネモービルを降りる。残されたトムは崩壊していく街のなかを全力疾走でネモービルを走らせ、とうとう倒壊地点を先回りし合図である発煙筒を打ち上げる。合図と共にネモ船長はミサイルを発動させ、トムが示した地点に着弾させると街の倒壊を食い止めた。
一方、アランは逃げるファントムを追い詰め鉄仮面の下の素顔を暴いた。その正体はアランたち超人同盟を招集させたMであり、アランは一瞬の隙をつかれ逃亡を許してしまう。アランたちがノーチラス号に戻ると副船長イシュマエルが銃撃された姿で発見される。イシュマエルはドリアンに銃撃されたこと、彼が裏切り者だと伝え息を引き取った。ドリアンはノーチラス号に搭載された小型潜水艇で逃亡しており、全ての黒幕であるMと何かしら繋がりがあると推測した一行は追跡をはじめる。

最果ての地へ

ドリアンを追うアランたちはノーチラス号船内に隠されていた謎のレコードを発見する。レコードにはMの肉声が録音されており、真の目的は超人同盟のメンバーが持つ超常的能力、科学力であると明かした。世界大戦を引き起こし、人智を超えた能力を量産させ「戦争屋」として莫大な富を得ようとしていた。その手先としてドリアンを差し向け、ジキル博士の薬、ロドニーの皮膚、ミナの血液、ノーチラス号の構造情報を盗み出していたのだ。レコードが途切れると船内に設置されていた爆弾が作動し、爆発により海水が船内になだれ込み、瞬く間にノーチラス号は浸水で沈んでいく。ジキル博士は皆を救うためにハイド氏に変身し、浸水したエリアへと潜り込み排水弁を起動させる。ジキル博士とハイド氏のおかげでノーチラス号は浮上し、損害は大きいが最悪の事態を回避することが出来た。全員総出で修理に取り掛かっていると、ベニスから行方をくらましていたロドニーから通信が入る。透明人間の特性から密かにドリアンの小型潜水艇に同乗しており、その行き先を教えるというのだ。やがてノーチラス号の修理が完了し、一行はロドニーの教えてくれたMとドリアンのいる地図にない氷の大地へと向かう。

魔の海域バミューダトライアングルを越え、世界の果てに等しい氷の大地へと到着したアランたち。雪で覆われた世界に異質な巨大要塞が建てられており、アランたちはロドニーと近くの洞窟で合流した。要塞のなかでは拉致された科学者たちによるノーチラス号を模した近代兵器や、怪物を生み出す薬が大量に作られており、もう間もなくオークションに競売されるというのだ。アランとトムはMの討伐、ミナはドリアンを、ネモ船長とハイド氏は科学者たちの救出、ロドニーは原子炉に爆弾を設置と各々行動を開始する。
ミナは自分同様不死身の肉体を持つドリアンと対峙し熾烈な激闘を繰り広げる。ドリアンに一瞬の隙をつかれ腹部を剣で貫かれるも致命傷に至らず、ミナは逆にドリアンを剣で貫き壁に拘束する。ミナはドリアンが大事に抱えていた布に包まれた肖像画を持ち出す。その肖像画には醜く朽ち果てた姿のドリアンが描かれており、それを見たドリアンは絶叫し朽ち果てていき、肖像画には美しく若々しい姿のドリアンが戻っていた。老いることを恐れて肖像画に命そのものを捧げたドリアンは不死身の存在となり、Mに肖像画を奪われたことからアランたちを裏切ったのだった。
ネモ船長とハイド氏は人質として囚われていた科学者たちの身内を救出し、次いで科学者たちを救うためMの兵士たちに攻撃を開始する。ハイド氏の圧倒的パワーとネモ船長の洗練された武術で瞬く間に制圧するも、モリアーティの側近ダンテが精製されたジキル博士の薬を大量摂取し、ハイド氏以上の巨体と怪力を持つ怪物に変身する。
ネモ船長たちの襲撃で騒ぎを聞きつけ、急ぎ競売にかけるサンプルを持ち出すMにアランとトムが立ち塞がる。アランはMの正体をかの名探偵ホームズの宿敵であり死んだと噂されていたモリアーティ教授と見抜いていた。透明人間化したサンダーソン・リードがトムに襲いかかり、二手に別れアランはモリアーティと対峙する。トムはサンダーソン・リードをなんとか退けるも、今度は火炎放射を持った重装備兵に襲われ部屋の隅に追いやられてしまう。万事休すと思われたが、爆弾設置を完了したロドニーが助けに入り重装備兵は自らの武器で火だるまとなる。ロドニーも大火傷を負いトムは彼の元に駆け寄るが、後ろからサンダーソン・リードにナイフを首につきつけられる。
ロドニーが設置した爆弾が起動し原子炉を巻き込んで大爆発を起こす。ネモ船長とハイド氏は薬で巨大化したダンテに大苦戦を強いられていたが、ダンテが爆発に巻き込まれたことで科学者たち共々脱出に成功する。アランとモリアーティの一騎打ちはアランがあと一歩のところまで追い詰めるが、捕らえられたトムを人質にとられたことで形勢逆転。彼を救うために透明人間のリードを倒すがその隙にモリアーティ教授に背中を刺され逃亡を許してしまう。外へと逃げ出しドリアンが乗ってきた小型潜水艇へ向かうモリアーティに、トムはアランの愛銃「マチルダ」を持ち狙いを定める。「冷静にじっくり時間をかけろ」というアランの言葉を聞き入れ、放った銃弾は遠く離れたモリアーティに的中し、競売にかけるサンプルも海の底へと沈んでいった。モリアーティを倒し世界征服を阻止した超人同盟だが、背中に受けた傷が致命傷となりアランは命を落とす。

アランはかつてアフリカを救って祈祷師より加護を受けたことで、「アフリカはアランを死なせない」と云われていた。一行はアフリカの地に墓を建て偉大なるリーダーの死を悼んだ。トムは「マチルダ」を墓に供え、アランから託された信念を胸にネモ船長たちの待つノーチラス号へ戻る。誰もいなくなったアランの墓に祈祷師が現れ祈りを捧げると、空は陰り雷鳴が轟き大地が揺れはじめる。「アフリカはアランを死なせない」という言い伝えが、今奇跡として起きようとしていた。

『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』の登場人物・キャラクター

主人公

アラン・クォーターメイン(演:ショーン・コネリー)

吹き替え:若山弦蔵(ソフト版、劇場公開版)/麦人(機内上映版)

ソロモン王の秘宝をはじめ、各地に眠る秘境を渡り歩いてきた冒険家。ハンターとしての腕前は超一流であり、老眼で眼鏡を必要とするものの、常人では不可能な距離にいる標的を撃ち抜くことができる。経験値からくる洞察力と状況判断に長け、曲者揃いの超人同盟のリーダーとしてチームを牽引する。急遽参加したトム・ソーヤーの若く怖いもの知らずなところを気に入り、加えてかつて亡くなった息子の影を重ねてか銃の手ほどきや戦いの心得などを教える。武器はダブルバレルライフルの「マチルダ」を愛用。原作はH.R.ハガード作『ソロモン王の洞窟』。

超人同盟

ネモ船長(演:ナセールディン・シャー )

敵戦突破するネモ船長(中央)と続くノーチラス号船員たち(後方)

吹き替え:三夏紳(ソフト版)/羽佐間道夫(劇場公開版)/辻親八(機内上映版)

自由の闘士にしてノーチラス号の艦長。優れた発明家であり、ノーチラス号をはじめとする時代を一歩二歩先取りした車、潜水艇などでチームをサポートする。凄腕の武術家でもあり武道と剣技を主に使用。故郷であるインドの植民地解放の為、自由の闘士として活動するも世間からは「海賊行為」と揶揄されていた。チームの参謀として活躍し、リーダーのアランとは強い信頼関係が築かれている。原作はジュール・ヴェルヌ作『海底二万里』と『神秘の島』。

ミナ・ハーカー(演:ペータ・ウィルソン)

吹き替え:高乃麗(ソフト版、劇場公開版)/五十嵐麗(機内上映版)

黒装束の女性科学者。その正体は吸血鬼であり、強靭な肉体にコウモリを使役するなど特殊能力を有する。かつてトランシルヴァニアに現れた吸血鬼ドラキュラに噛まれたことで自身も吸血鬼となってしまった。ドリアンとは過去に恋愛関係があり、再会したことで想いを再熱させるも後のドリアンの裏切りに激高し終盤で一騎打ちを繰り広げる。原作はブラム・ストーカー作『吸血鬼ドラキュラ』。

ロドニー・スキナー(演:トニー・カラン)

吹き替え:北沢洋(ソフト版、劇場公開版)/天田益男(機内上映版)

紳士泥棒を自称する透明人間。かつてグリフィン博士が開発した透明薬を盗み服用したことで透明の身体を得る。透明に加え軽口を叩き掴みどころのない性格で、当初はチームから不信感を抱かれる。実際は裏切ったドリアンの尾行やピンチのトムを救ったりと「紳士」に恥じない行動でチームに貢献する。原作はH.G.ウエルズ作『透明人間』からの翻案キャラクター。

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