ラブ・ベリッシュ!(ラブベリ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ラブ・ベリッシュ!』とは、『りぼん』(集英社)にて連載された春田ななの少女漫画で、単純明快な物語が魅力のラブコメディである。連載終了後には番外編が掲載されている。
主人公の福島由夜が編入した夏果学園は全寮制の学校だった。女子寮の空きが無いことから、由夜は共同寮の木苺寮に入寮するが、そこにいる住人たちはそれぞれに問題を抱えていた。由夜がやってきたことにより、ミスコンやスポーツ大会、文化祭などの学校行事や寮内で起きるハプニングを通して、寮で暮らす者たちの友情関係や恋愛関係に変化が現れる。

高松渚「そういうとことがムカつくんだってば。この意味分かる?」

渚の実家にやってきた由夜。しかし、夜眠れなくなり渚と偶然会う。その時に、昼間の海での出来事を聞かれ、梓がムカつくとごまかすが、「本当は梓教の女なんて2度とごめんだと思っていたのにな」と由夜への想いを打ち明けていた。1度目は梓の彼女で幼馴染の亜子。そして、梓のムカつくという話に、由夜は反論。梓を諦めているのは知っているが、梓の優しさを見習うべきと言われ、嫉妬し、渚は「そういうとことがムカつくんだってば。この意味分かる?」と遠回しな告白をする。その後も「逃がさない」「もう誰にもゆずらない」と渚の積極的な言動が続く。渚は由夜を誰にも譲りたくないと思うようになっていた。渚と由夜の距離が近づいていくとても大事な場面。

高松渚「別にいいけどね直球で言ってあげても」

夏休み明け、渚を避けまくる由夜だったが、渚は積極的に由夜に近づいてくる。ふいをつかれた由夜は笑佳からもらったストラップを探していた最中渚と鉢合わせする。それでも逃げようとする由夜を止めた渚は、顔をしっかり掴んで「別にいいけどね直球で言ってあげても」と面と向かって伝える。告白をしているわけではないが、由夜も渚の気持ちに気付いている様子。それを知った渚は「今すぐどうとか思ってないから安心しなさい」と、由夜が必死になっていたストラップ探しを手伝う。渚が由夜に積極的にアプローチしていくことが分かる場面。

水戸笑佳「由夜はそんなことしないよ!」

笑佳の友達豊橋雪乃は友達がおらず、笑佳に執着する。そして、木苺寮で仲のいい由夜が雪乃のターゲットにされ、笑佳との友情を壊そうとはめられる。しかし、笑佳は由夜の事を信じていた。「由夜はそんなことしないよ!」という笑佳の言葉がきっかけとなり雪乃は、笑佳を取られたくないと部室に閉じ込める。由夜と笑佳の信頼関係が分かる大事なシーン。

宮城紺「これ笑佳のでしょ」

雪乃によって監禁された笑佳を助けにクラスから抜け出した由夜、雨芽、紺の3人は雪乃に出会う。そこで紺は雪乃がすっと後ろに隠した手を掴み、持っていた携帯を確認し、「これ笑佳のでしょ」と監禁先を突き止める。いつもはムードメーカーで明るい紺だが、真剣でかっこいい一面。が分かるシーンで、お調子者の紺が、笑佳への想いが本気だと分かる、紺にしては珍しい場面。

福島由夜「私だって笑佳と離れてるのは嫌なんだもん‼」

笑佳の監禁場所までやってきた由夜たちだが、部屋の前に立ちはだかる雪乃。「他にも周りにいるからいいじゃない。私にはえみちゃんしかいない、えみちゃんがいれば他に何もいらない」と泣きながらの雪乃に対し、由夜は真剣な面持ちから涙ぐみながら由夜「私だって笑佳と離れてるのは嫌なんだもん‼」と言い返した。由夜の笑佳への想いがしっかり伝わる大事な場面。

宮城紺「笑佳にもできるよ。一緒にいると楽しくて、そいつらがいるから行きたくなるような友達が。大丈夫だって。俺も一緒に探してやるから」

中等部時代に紺が笑佳を心配し保健室に来る。当時の笑佳は友達が階段から突き落とされたショックで、学校に行きたくなくなっていた。そして友達もいらないと言い出す。
そんな笑佳に「笑佳にもできるよ。一緒にいると楽しくて、そいつらがいるから行きたくなるような友達が。大丈夫だって。俺も一緒に探してやるから」と紺は語り掛けた。この時、紺は笑佳と同じく木苺寮への入寮が決まったことを報告している。理由は、理事長の大切にしていた壺を割ってしまった事だが、これは笑佳の事を思いわざとやったのか、明らかにはなっていない。紺が笑佳に好意を寄せていることが分かる大事なシーン。本編終了後の伏線にもなっている。

高松渚「行こうお前の実家に」

文化祭前夜、由夜は夜遅くに洗濯できるのを待っていた。そこへ渚がやってくると、タイミングよく寮監が宛先が書かれていない手紙が返ってきたと由夜へ渡しに来る。
その手紙は父親を文化祭に誘うために笑佳や渚と一緒に書いたものだったが、招待を渋っていた由夜は、わざと宛先を書かずに出していた。しかし、本当は父親に来てほしいといいう気持ちもあった。その真実を知った渚は、「行こうお前の実家に」と直接実家に届けようと寮から由夜を連れ出す。今まで由夜を引っ張ってくれていた存在は、渚だったのだと気づき、由夜も渚を意識していることが分かる場面。

高松渚「俺がもらう」

バスに乗車したふたりは、由夜の実家を目指していた。道中に渚は由夜の父親を招待したくない理由や、実家に帰りたくなかった理由を知る。それは、母親の死後、近くの高校希望だった由夜を全寮生のこの夏果学園を勧めた父親への思いからだった。渚は直接真相聞きに行き、父親の本心を聞きたい気持ちが一層強まる。そして「あんたは2度と娘に帰って来るなって思ってますか」と聞くという渚に対して「そうだって言われたら私はどうなんのよ‼」との返事に降車ボタンを押した後に渚は「俺がもらう」と発した。犬猿の仲だった2人が、いつしか惹かれ合う存在になっていながらも足踏みを続けていた由夜と渚の関係が決定的に動き出したシーンであり、物語を読み続けてきた読者にとって待ち望んでいた瞬間。本作において「1番といっていい」ともされるほどの名言である。

福島雄大「初めて聞いたな由夜の気持ち」

文化祭の日、由夜の父親を見つけた渚は、由夜の本心を父親に伝えるため自分の死神の変装をさせる。由夜は、後ろ姿から渚だと思い込み、いつの間にか父親へ本心を打ち明けた。そして、父親が由夜のことを夏果学園に勧めたのは両親の母校で出会い場所であったことが判明。由夜の夏果学園進学は、由夜誕生後、すぐ母親が望んでいたことだった。どちらかというと父親は心配で反対気味だったという。由夜の家族の隠れていた真実が明らかになる大事な場面。

山梨雨芽「渚が離れて行っても平気でいられるの?」

由夜は渚が好きだと認めるが、最近渚がモテてきているところから、素直になれずに渚のデートという言葉にも投げやりになっていた。しかし、雨芽の「渚が離れて行っても平気でいられるの?」というひと言で、由夜の身体は反射的に渚を追いかけていた。由夜の渚への止められない想いが明らかになったシーン。

福島由夜「ムカつくけど好き」

雨芽に背中を押されデートに向かっているであろう渚を追いかけた。姿を捉えると、想いを打ち明けそうになるが、渚本人によって制止され「遅い」とひと言返された。渚も実は由夜を待っていた。デートというのは真っ赤な嘘で、笑佳が企てた渚が誰かとデートに行っちゃうドッキリにも気づき、自らデートドッキリを企てていた。しかしながら、由夜のあわてふためく最高に可愛い姿が見えて満足のご様子。そして、由夜は「ムカつくけど好き」と、言わされるもキスを交わしてハッピーエンドを迎える。この漫画のゴールが分かるシーン。

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