デジモンアドベンチャー02(DIGIMON ADVENTURE 02)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『デジモンアドベンチャー02』とは、フジテレビ系列で放送された前作『デジモンアドベンチャー』と世界観が同じ続編であり、冒険、バトルアクションが詰め込まれた少年向けアニメ。全50話。原作は本郷あきよし。デジタルワールドに現れた、新たな敵デジモンカイザーに、新旧の選ばれし子供たちとそのデジモンたちが挑んでいく。今作は前作と比べて進化方法の多彩さなどが魅力。さらに、前作からの登場人物たちの成長した姿を見ることができる。

『デジモンアドベンチャー02』の概要

『デジモンアドベンチャー02』とは、フジテレビ系列で放送された前作『デジモンアドベンチャー』と世界観が同じ続編であり、冒険、バトルアクションが詰め込まれた少年向けアニメ。原作は本郷あきよし。第1作『デジモンアドベンチャー』に続く2作目であり、世界観を受け継いだ続編。2000年4月2日から2001年3月25日まで約1年間放送された。全50話。前作で主役等で登場した人物や、「デジタルワールド」と呼ばれるコンピュータネットワーク上の擬似電脳空間に生息する人工知能を持った架空の生命体であるデジモンも数多く出演している。今作では、さらに新しく4人の選ばれし子供たち、すなわちデジタルワールドに生じた不具合に対応するために選ばれた子供たちが登場し、前作で選ばれし子供として冒険した2人を加えた6人が主軸となる。前作の選ばれし子供たちは、今作の子供たちの補佐的な役割を担う。

物語の前半は前作同様、主人公たちに、戦闘する回数や進化する回数など、なるべく均等にスポットを当てるというスタンス。しかし後半は、選ばれし子供のうち、大輔と賢を戦闘や物語のメインとしたストーリー展開になっていく。
また、前作のラストは選ばれし子供たちがデジタルワールドから現実世界に帰る場面を描き、その後の展開は視聴者の想像に任せるような余韻を残すような演出だったが、今作のラストでは、大人に成長した子供たちの、結婚、仕事の様子を見せ、大人になった主人公たちの子供も登場させるなど、明確に描いている。

デジモン人気がピークの時の作品であり、アーマー進化、ジョグレス進化といった複数の進化方法が存在する。また、デジモンシリーズの中でもメディアミックス展開が色濃い作品となっている。最高視聴率・12.7%、最低視聴率・6.2%、平均視聴率・11.0%、バンダイ総玩具売上144億円。デジモン人気がピークの最中の作品で、玩具・関連グッズ売り上げ、映画興行などでは高い数字を出した。

ストーリーは、前作から3年後の世界を描いている。前作で選ばれし子供たちとして戦ったヒカリとタケルは今作でも続投し、新たな選ばれし子供たちである、大輔、京、伊織、賢と共にデジタルワールド(現実世界からなんらかの作用によって流れ込んだ情報やデータが、物体として実体化する異世界である。)に迫る新たな脅威と戦っていく。
11歳になった高石タケルは母親の仕事の都合でお台場に引っ越してきた。転校先の小学校で、前作の主人公、八神太一に似た少年、本宮大輔と出会う。教室に行くと、八神太一の妹で同じく選ばれし子供たちだった八神ヒカリがいた。旧交を深めていたタケルとヒカリだったが、同じクラスであり、ヒカリに気がある大輔は面白くなかった。ヒカリと親しげに話すタケルに突っかかる大輔だったが、そこへ1年先輩の京がヒカリを訪ねてやってくる。それは、太一からのSOSだった。
デジタルワールドに迫る脅威を退け、何気ない日常を謳歌していた子供たち。しかし、その裏ではデジタルワールドに再び脅威が迫っていた。その脅威の名は「デジモンカイザー」。デジモンカイザーと名乗る少年は、暗黒の力を持ったイービルリングを使ってデジモンたちを支配し、デジタルワールドの各地を次々と手中に納めていた。デジタルワールドで起こっている異変に対し、新しい選ばれし子供たちとして、本宮大輔、井ノ上京、火田伊織が選ばれる。さらに、前作から引き続き高石タケルと八神ヒカリも加わって、デジタルワールドの危機に立ち向かっていく。

『デジモンアドベンチャー02』のあらすじ・ストーリー

デジタルワールドの新たなる危機「デジモンカイザー」

平和だったデジタルワールドに、新たな危機がやってきた。デジモンカイザーと名乗る少年が現れ、自身の持つ暗黒の力で生み出したイービルリング(デジモンを意のままに操る黒いリング)を使い、デジモンたちを洗脳していったのだ。前作のパートナーデジモンであったアグモン(オレンジ色の爬虫類型デジモン)と太一(たいち。前作の主人公。本作では14歳に成長)が応戦するも、なぜか進化ができず逃げることしかできなかった。逃げた先の洞窟で、太一たちはディーターミナル(無線メール端末)を使い助けを呼ぶ。その洞窟で太一は、勇気の紋章(前作の選ばれし子供たちの心の特性を模して作られた。完全体への進化を補助できる)が描かれたオブジェクトを発見する。太一が紋章に触れると3つの光が現れ、彼方へ飛んでいった。
時間は少し遡り、お台場小学校(おだいばしょうがっこう)へ転校した高石タケル(たかいし たける。前作の選ばれし子供)は、太一の妹であるヒカリ(同じく前作の選ばれし子供、太一の妹)、太一と似た雰囲気を持つ大輔(だいすけ。頭がツンツンヘアの男の子。5年生)と出会う。
放課後、太一からのメッセージを見つけた京(みやこ。メガネをかけた女の子。6年生)に呼ばれ、ヒカリ、タケル、大輔はパソコン室に来ていた。そこにディーターミナルでメッセージを受け取った光子郎(こうしろう。前作の選ばれし子供)が現れる。光子郎が太一に返信している間に伊織(いおり。おかっぱの少年。3年生)に呼ばれた京は部室から出る。光子郎がパソコンを見るとデジタルワールドへのゲートが開き、さらにそこから3つの光が溢れ出して大輔、京、伊織の元へ飛んでいった。その光の正体は、後にD-3(ディースリー。デジタル、ディテクト、ディスカバーの3つの頭文字をとって名付けられる。デジヴァイスより機能が追加、強化されている)と呼ばれる、デジヴァイスに似た小型の端末だった(デジヴァイスとは、前作の選ばれし子供たちが持つ携帯端末で、パートナーデジモンを進化させたり、仲間の居場所を探したりする機能がある)。ヒカリとタケル、そしてサッカー部の後輩だった大輔も太一の為にデジタルワールドへ向かう。
デジタルワールドへ到着した際、なぜか大輔の服装が変わっていた。3人は太一たちと合流するが、そこにデジモンカイザーが差し向けたモノクロモン(サイのような角を持つ鎧竜型デジモン)が現れる。大輔が勇気の紋章が描かれたオブジェクトを持ち上げると、そこからブイモン(頭にVの字がかかれた小竜型デジモン)が現れた。
ブイモンに言われるままに大輔が「デジメンタルアップ」と叫ぶと、ブイモンは炎の力を持つ竜人型デジモンのフレイドラモンにアーマー進化(通常進化とは違い、デジメンタルの力で進化すること)し、モノクロモンを圧倒。つけられていたイービルリングを破壊する。戦闘が終わるとフレイドラモンはブイモンに戻り、勇気のデジメンタル(デジメンタルとは、古代デジタルワールドで創られた、進化を促進させるパワーアップアイテム)は大輔の持つディーターミナルにデータとして保存された。
モノクロモンとの戦闘で、大輔は自分のゴーグルを破損してしまう。太一は、そんな大輔に、新しい選ばれし子供への餞別として自分が使っていたゴーグルを渡した。

集結する次代の選ばれし子供たち

太一は、選ばれし子供のヤマト、空(そら)、光子郎、丈(じょう)、そしてタケルとヒカリを集め、デジタルワールドに迫る危機を話す。そして新たにデジヴァイスを受け取った大輔、京、伊織も集まり、皆でデジタルワールドを救う決意を固めた。後日、再びデジタルワールドへ渡った選ばれし子供たち。京と伊織も、大輔と同じくデジタルワールドに着くと服が変わっていた。そこにデジモンカイザーが現れ、大輔とブイモンが攫われてしまう。逃げ延びた京と伊織は、D-3が反応した先の神殿で2つのデジメンタルを見つける。知識のデジメンタルを伊織が、愛情のデジメンタルを京が持ち上げると、そこからアルマジモン(アルマジロのような哺乳類型デジモン)、ホークモン(鷹のような嘴を持つ鳥型デジモン)が現れる。デジメンタルの力で、ホークモンはホルスモン(風の力を持つ獣型デジモン)、アルマジモンはディグモン(土の力を持つ昆虫型デジモン)にアーマー進化し大輔とブイモンを救出する。そのままイービルリングで操られていたデジモンを解放するが、いつの間にかデジモンカイザーはいなくなっていた。

後日、デジタルワールドに来た大輔たちの元に、再びデジモンカイザーが襲い掛かってきた。戦うことができないタケルとヒカリは、逃げた先の洞窟で希望と光のデジメンタルを見つける。タケルが希望、ヒカリが光のデジメンタルを持ち上げると、パタモン(大きな耳で空を飛ぶ獣型デジモン)はペガスモン(神聖の力を持つ聖獣型デジモン)へ、テイルモン(猫に似た姿の聖獣型デジモン)はネフェルティモン(光の力を持つ聖獣型デジモン)へアーマー進化した。2人の加勢によりデジモンカイザーを圧倒し、イービルリングを破壊した。

イービルスパイラルの脅威「メタルグレイモン」

大輔たちは、ダークタワー(オベリスクのような黒い塔。デジモンの通常進化を妨げる)の破壊を当面の目標として定めて太一たちと協力して動いていた。
ある日、大輔はサッカーの試合で、テレビでも特集されたことのある天才少年、一乗寺賢(いちじょうじ けん。冷たい目をした男の子)に挑む。試合には負けてしまうものの、チームの中心を担う賢を止めることには成功する。また、その際に賢は大輔のスライディングを受けて脚を怪我する。
その翌日、子供たちはダークタワーに向かい、デジモンカイザーの操るバケモン(幽霊のようなゴースト型デジモン)たちを打ち破る。デジモンカイザーは、大輔に対して2度も自分の計画を崩したことを褒める。戦いの中で、大輔はデジモンカイザーの脚にあった傷跡を見つけ、デジモンカイザーが一乗寺賢であることに気づく。
次の日から賢は現実世界を捨て、本格的にデジタルワールドの征服に乗り出す。デジモンカイザーは、イービルリングをつなぎ合わせてイービルスパイラルを作り、アグモンを捕らえてメタルグレイモンへ進化させる。大輔は救出に向かうも、襲い掛かるメタルグレイモンへの攻撃をためらってしまう。しかし、タケルの言葉によって大輔は勇気づけられる。友情のデジメンタルの力でブイモンはライドラモン(雷の力を持つ獣型デジモン)へアーマー進化し、メタルグレイモンにつけられたイービルスパイラルを破壊。アグモンは無事解放された。

8/1計画

ダークタワーの破壊を続ける中で、京は純真、伊織は誠実のデジメンタルをそれぞれ新しく手に入れていた。
8月1日、前作でデジタルワールドへ初めて行った日に選ばれし子供たちは皆で集まっていた。大輔たちは、3年前にどんな冒険をしていたのか太一たちから聞き、次の日は各々の思い出の地を巡った。そして、8月3日はお台場にあるテレビ局を訪れたが、そこでは幽霊騒動が起きていた。幽霊に向かってテイルモンが呼びかけると、幽霊は正体を現した。それは、3年前のこの日、ヒカリとテイルモンをヴァンデモン(前作に登場。吸血鬼の様なアンデッド型デジモン)から守り死んでしまったウィザーモン(魔法使いのような魔人型デジモン)だった。ウィザーモンは、テイルモンたちに「優しさが黄金の輝きを放つ」というヒントと、さらに強大な力を持つ敵がいることを伝え消えていった。

決戦!デジモンカイザー

子供たちは引き続きデジタルワールドを探索し、海の中を進むデジモンカイザーの基地を見つける。デジモンカイザーは海に漂う暗黒デジモンのデータを回収し、強い力を持つオリジナルのデジモンを作ろうとしていた。そして、回収したデビモン(悪魔のような堕天使型デジモン)のデータを元に多数のデジモンのパーツを合成してキメラモンを作り出した。キメラモンの強大なパワーに圧倒された子供たちは一時撤退。態勢を整えて再びデジモンカイザーの基地へと向かう。
キメラモンを作り出してからデジモンカイザーは幻聴に苛まれながらも無差別攻撃を繰り返していた。
基地に侵入した大輔とチビモン(ブイモンの進化前。幼年期)は、キメラモンの隙をついて動力炉へと向かう。道中、案内を申し出たワームモン(賢のパートナーデジモン)も同行し動力炉の中央に到着する。そこには大きな力を発する黒いオブジェクトがあった。大輔が近づくと、そのオブジェクトは黄金色の奇跡のデジメンタルに変わり、その光を浴びたブイモンはマグナモン(メタルの力を持つ聖騎士型デジモン)へとアーマー進化した。
キメラモンとの最終決戦に挑むマグナモン。終始劣勢にたたされていたが、ワームモンの加勢もあってどうにかキメラモンを消滅させる。戦いの後、大輔の手元には、奇跡のデジメンタルに変化した紋章が残った。
キメラモンを失ったことで取り乱したデジモンカイザーは、「デジタルワールドをリセットしないと…」と呟く。それを聞いた大輔たちは、デジタルワールドは夢やゲームではなく、デジモンたちにも命があることを伝える。それを聞き自らの過ちに気づいたデジモンカイザーは、賢としての姿に戻り、優しさの紋章を得る。賢に抱えられたワームモンだが、最後に賢にさよならと言うと消えてしまう。タケルからワームモンが死んだことを告げられた賢は、ショックによりおぼつかない足取りで歩き出す。そんな賢の悲痛な面持ちに、痛々しさを感じた子供たちだった。

新たな進化と新たな敵

デジモンカイザーの事件が終結した後、子供たちはデジタルワールド復旧のボランティアをしていた。大輔は、ダークタワーが機能を失ったのでブイモンを進化させることができると考える。戦いのピンチをきっかけに、ブイモンはエクスブイモン(胸にエックスの字がある幻竜型デジモン)へ、アルマジモンはアンキロモン(アンキロサウルスのような鎧竜型デジモン)、ホークモンはアクィラモン(2本の角が生えた巨鳥型デジモン)にそれぞれ進化した。
一方、賢はしばらく現実世界で空虚な日々を過ごしていたが、気付けばデジタルワールドに来ていた。ワームモンを探す中で、賢はリーフモン(ワームモンに進化する。幼年期。)を見つける。再会に喜ぶ賢だが、その夜赤い服を着てサングラスをかけた女が現れる。女は賢に「もうお前は必要ない」と言うと姿を消してしまう。
大輔たちがデジタルワールドでボランティアを続けている時、デジモンが襲いかかってきた。そこに、ワームモンの進化系であるスティングモン(人型の昆虫型デジモン)が現れ子供たちを救う。賢は、赤い服の女を追っていると話す。その女がダークタワーに近づくと、なぜかタワーの機能が復活してしまうというのである。賢は、大輔たちに自分の過ちを謝りながらも、一緒に行動はできないと告げいなくなってしまう。
光子郎は、闇のエネルギーがデジモンカイザーの基地で暴走していることを突き止める。現場に急行した大輔たちだが、賢は、自責の念から単身で基地の内部に侵入しようとしていた。しかし、大輔とエクスブイモンは、賢たちの自己犠牲的な考えを否定する。二人の心と気持ちが重なり合うことで、ブイドラモンとスティングモンはパイルドラモン(ドラゴンをベースに、昆虫の装甲を備えた竜人型デジモン)にジョグレス進化(2体のデジモンが合体し進化すること)した。大輔たちは、パイルドラモンと一緒に基地の爆発を防ぐことに成功する。大輔は、ジョグレス進化時の一体感に感動し、賢に、自分たちは仲間であると言う。しかし、自分の中でまだ答えが出ない賢は、その場から去ってしまう。

ダークタワーから生まれた究極体「ブラックウォーグレイモン」

賢、京、ヒカリは、アルケニモンを追跡している中で空間のズレた場所に迷い込み、アルケニモンが作り出したブロッサモン(巨大な花と何本もの触手を持つ植物型デジモン)に襲われる。闇に包まれた環境の中で精神を乱されるヒカリだが、京の支えによって闇を克服する。更に、2人の思いが重なることでアクィラモンとテイルモンはシルフィーモン(鳥と獣の特性を併せ持つ獣人型デジモン)にジョグレス進化しブロッサモンを倒す。

アルケニモンは、選ばれし子供たちを倒すために100本分のダークタワーを束ねてブラックウォーグレイモン(見た目はウォーグレイモンだが全体的に色が黒い。竜人型デジモン)を作り出す。パイルドラモンでさえも歯が立たないほどの強さを持つBウォーグレイモンだが、自分の戦う理由や生まれた意味に悩み、どこかへと去ってしまう。
Bウォーグレイモンは、失われることでデジタルワールドに災いがもたらされると言われる石、ホーリーストーンを破壊して回っていた。
ホーリーストーンを破壊する度にBウォーグレイモンは強力なデジモンの気配を感じており、そのデジモンと戦うことに自分の存在意義を見出していたのである。

最後のホーリーストーンを見つけ出したBウォーグレイモンだが、そこに大輔たちが立ちはだかる。戦いの中でタケルと伊織の心が重なり合い、アンキロモンとエンジェモン(6枚の翼をもつ天使型デジモンの)がシャッコウモン(銀色のボディと翼を持つ土偶のような突然変異型デジモン)にジョグレス進化した。
3体のジョグレス体でBウォーグレイモンに立ち向かうも、まだ敵わない。大輔たちがホーリーストーンを守るためにD-3をかざすと、D-3に光が宿り、空が割れてチンロンモン(四方を司どる青竜のような見た目と役割を持つ聖竜型デジモン)が現れた。チンロンモンは、Bウォーグレイモンがデジタルワールドの調和を乱す為に生まれてきた存在であることを告げる。それを聞き心の悩みが晴れたBウォーグレイモンは、どこかへと去ってしまう。
チンロンモンは、今度は選ばれし子供たち向けて自分がデジタルワールドを守護する4体の究極体デジモンの1体であること、ホーリーストーンの修復が進んでいること、そして最後に、Bウォーグレイモンが去ったことで、自分の力もいずれ取り戻せることを話す。しかし、闇の脅威は全て取り除かれてはおらず、選ばれし子供たちの使命は続いていると言い残して消えていった。

海外の選ばれし子供たちとの共闘

賢の家でクリスマスパーティを楽しむ大輔たちの元に、現実世界でデジモンが暴れているという連絡が入る。現場にはダークタワーがそびえたち、多数のデジモンが暴れていた。大輔たちは、ダークタワーを破壊しデジモンたちをデジタルワールドに返す。賢は、これは現実世界を行き来できるアルケニモンの仕業ではないかと考える。
翌朝、世界各地にダークタワーが立ちデジモンが現れたというニュースに大輔たちは驚愕する。賢の住む街にもデジモンが現れたと知った大輔は助けに向かう。他の子供たちは光子郎の家に集まり、世界中の選ばれし子供たちと連絡してダークタワーと出現したデジモンの情報をまとめていた。デジタルワールドから全ての場所に向かうには時間がかかりすぎてしまう。悩む光子郎たちの元に、チンロンモンの使いであるゲンナイと名乗る男が現れる。
その頃、大輔と賢の元ではパイルドラモン対トリケラモン(二足歩行のトリケラトプスのような角竜型デジモン)、アルケニモン、そしてマミーモンの3対1の戦いが繰り広げられていた。その光景を、及川(おいかわ)という男が邪悪な笑みを浮かべつつビルから見ていた。
戦いの中でピンチをきっかけに、パイルドラモンはインペリアルドラモン(究極体の古代竜型デジモン)に究極進化し、トリケラモンを戦闘不能にする。大輔と賢はノートデジタルワールドのゲートを開き、トリケラモンを送る。更にインペリアルドラモンは世界中のダークタワーを感知して破壊。そのまま大輔と賢を乗せて、日本各地で暴れるデジモンたちの元へと飛んで行った。大輔と賢はノートパソコンからゲートを開き、日本にいるデジモンを全てデジタルワールドへ送り返した。

選ばれし子供たちによって、世界中に現れたデジモンは、数カ所に集められていた。そして、デジタルワールドへのゲートを開くことができる太一たちは、インペリアルドラモンに乗って世界各地へ向かい、デジモンを送り返すことにした。太一とタケルはフランスへ、空と京はロシアへ、光子郎とヒカリは香港へ、丈と伊織はオーストラリアへ、大輔はミミ(前作に登場した選ばれし子供たちの一人)のいるアメリカへ、ヤマトと賢はメキシコへ行き、それぞれ現地の選ばれし子供たちと協力してデジモンたちを全てデジタルワールドへ送り返すことに成功したのだった。
しかし、アルケニモンたちの真の狙いは、日本から大輔たちを追い出すことだった。

デーモン軍団襲来

休息を過ごしていた選ばれし子供たちの元に、子供を対象とした誘拐事件の情報が入る。次の日、東京各地に、マリンデビモン(イカのような職種を持つ水棲獣人型デジモン)、レディーデビモン(黒い衣装の堕天使型デジモン)、スカルサタモン(堕天使の成れの果てのアンデッド型デジモン)が現れ暴れ回っていた。そこへ子供たちが駆けつけ戦闘に入る。チンロンモンからもらった力のおかげで完全体に進化したアグモンたちだが、現実世界に長く居過ぎたせいでこの世界での活動限界が来てしまう。アグモンたちは、デジタルワールドへ帰る間際、残っていた力を全てインペリアルドラモンへ渡す。力を受け取ったインペリアルドラモンは、スカルサタモンを一撃で倒す。そこへ、突如デーモン(多くの堕天使型デジモンや悪魔型デジモンを率いる魔王型デジモン)と名乗るデジモンが現れる。デーモンは、誘拐した子供たちを人質に賢を捕らえる。
大輔たちは、たまたま通りかかった丈の兄、シュウに運転してもらい賢を乗せたトラックを追う。途中、レディーデビモンが現れ、ヒカリと京が迎え撃つ形となった。
一方、賢はトラックの中で父の同僚である及川由紀夫(おいかわ ゆきお)と会う。及川は、賢に植え付けられた暗黒の種を攫ってきた子供たちに移植するという。
トラックを追う大輔たちだが、そこにマリンデビモンが現れる。タケルと伊織が応戦し、大輔はブイモンとトラックを追跡する。トラックに追いついた大輔は、ブイモンとワームモンと協力して賢を救う。それぞれの敵を倒したシャッコウモン、シルフィーモンも合流し、パイルドラモンたちはデーモンを止めようとする。しかし、デーモンは強く、インペリアルドラモンに究極進化してもなお力不足だった。このままでは全滅すると考えた子供たちは、デーモンを現実世界から他の世界へ送る作戦を立てる。デーモンはデジタルワールドと現実世界を自由に行き来できる為、どちらの世界でもない暗黒の海へのゲートを開き、そこにデーモンを送った。大輔たちが安堵していると、遠くからサイレンが聞こえてきた。及川は子供たちを置いてすでにその場を離れていたが、暗黒の種の移植はすでに終わっており、あとは、種から芽が出て花が咲くのを待つだけだった。

蘇った脅威「ベリアルヴァンデモン」

及川の足取りを掴むことができなかった大輔たちは、攫われた子供たちを見張り及川が接触する時を待つことにしていた。
ある日、太一とヒカリはBウォーグレイモンが再び現れたとアグモンから聞かされる。Bウォーグレイモンは、及川たちが根城にしている別荘へやってきた。時空を超えて旅をしても自分を必要としてくれる世界を見つけられなかったBウォーグレイモンは、自分はこの世界に存在してはならないと結論付け、自分を生み出した及川、アルケニモン、マミーモンを道連れに倒そうとする。
そこへ太一、ヒカリ、アグモンが駆けつける。アグモンは、Bウォーグレイモンを止めようとウォーグレイモン(クロンデジゾイドの鎧に身を包んだ竜人型デジモン)に進化して戦闘を始める。ヒカリは大輔たちにウォーグレイモンの加勢を依頼し、自身は及川の追跡を試みる。大輔と賢、そしてインペリアルドラモンはウォーグレイモンと共闘し、Bウォーグレイモンを倒す。敗北したBウォーグレイモンはとどめを刺すよう命じるが、ワームモンに諭され生きることを選ぶ。

大輔たちが引き続き暗黒の種を植えられた子供たちの様子を伺っていると、伊織が見張っていた子供の家に及川たちがやってくる。しかし及川は、伊織が唯一の友人であった火田浩樹(ひだ ひろき)の息子であることを知るとその場から撤退する。及川と浩樹は2人でデジタルワールドに思いを馳せていたのだった。
ある日、賢が見張っていた女の子に植えられた種から芽が出て花が咲いてしまう。そしてそこに及川たちが現れ、花を刈り取り力を吸収してしまう。力を増大させる及川の前に、Bウォーグレイモン、そして伊織の祖父の主税(ちから)が現れる。浩樹の父である主税の言葉に笑顔を見せた及川だったが、突如苦しみだしたかと思うと暴走を始め、全ての花を吸収すべくその場から立ち去ってしまう。暴走した及川に致命傷を負わされたBウォーグレイモンは、及川の中にいる邪悪な存在に気づき、その野望を阻止すべく、残された命を使って光が丘にあるゲートを閉じたのだった。
次の日、暗黒の種を植えられた子供たちの元にやってきた大輔たちと及川が対峙する。そこで及川は、デジタルワールドに行くことが自分の目的であったことを明かす。そして、前作でヴァンデモンがデジタルワールドと現実世界を行き来した際に使ったカードと同様のものを使ってゲートを開き、子供たちと一緒に入っていく。念願が叶い喜ぶ及川だが、そこはデジタルワールドではなかった。
混乱する及川、そして後を追ってきた大輔たちに向けて謎の声が響く。それは、3年前に太一たちに敗れたヴァンデモン(吸血鬼のようなアンデッド型デジモン)の声だった。太一たちに敗れ消滅したと思われていたが、及川に寄生していたのだ。
ヴァンデモンは及川から離れると子供たちから花を吸収し、ベリアルヴァンデモン(ヴァンデモンの最終形態と言われる、魔王型デジモン)として復活した。アルケニモンとマミーモンを消滅させ、更には選ばれし子供たちを夢の中に送り込む。そこでは各々が望む幸せな世界が広がっていた。しかし、目の前の敵を倒すため、子供たちは誘惑を払いのけ戦いに戻る。デジモンたちの総攻撃によりベリアルヴァンデモンを追い詰めていくが、攻撃によって夢の世界に穴が開き、ベリアルヴァンデモンはデジタルワールドに逃げてしまう。デジタルワールドで闇の力を自在に操れるようになったベリアルヴァンデモンは巨大化し、力を放出して現実世界を闇に染めてしまう。
そこへ、世界中の選ばれし子供たち、そしてパートナーデジモンたちの協力によりデジタルワールドへ太一たちがやってくる。その際にデジヴァイスから放たれた光は、ベリアルヴァンデモンが放出する闇の力を打ち消していった。

一方、種を植え付けられた子供たちは、選ばれし子供たちと違いパートナーデジモンを持たないことに引け目を感じていたが、大輔たちに勇気づけられ、次第に立ち上がる。すると、そんな子供たちの心に答えるように、次々とパートナーデジモンが現れる。パートナーデジモンが増えるにしたがって、ベリアルヴァンデモンの闇の力は弱まっていく。ついに存在を保てなくなったベリアルヴァンデモンは逃走しようとするが、インペリアルドラモンによって消滅させられた。デジタルワールドに迫っていた脅威は消え去ったのだ。
戦いの後、伊織は及川の元へ向かい、デジタルワールドへ連れていこうとする。しかし、ベリアルヴァンデモンに全てを奪われた及川は、夢の世界でしか存在を保てなくなっていた。及川は、自分の最後の力を使い、先の戦いで荒れ果てたデジタルワールドを元通りにした。

25年後、タケルはデジタルワールドでの自分の冒険を小説に書いていた。あれから、デジタルワールドへのゲートは世界中に開き、全ての人がパートナーデジモンを持つようになっていた。そして選ばれし子供は大人になって結婚し、自分たちの子供をデジタルワールドへ連れてきていた。子供たちは、平和なデジタルワールドを元気に駆け出していった。

『デジモンアドベンチャー02』の登場人物・キャラクター

iwashin
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