ラブ・ベリッシュ!(ラブベリ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ラブ・ベリッシュ!』とは、『りぼん』(集英社)にて連載された春田ななの少女漫画で、単純明快な物語が魅力のラブコメディである。連載終了後には番外編が掲載されている。
主人公の福島由夜が編入した夏果学園は全寮制の学校だった。女子寮の空きが無いことから、由夜は共同寮の木苺寮に入寮するが、そこにいる住人たちはそれぞれに問題を抱えていた。由夜がやってきたことにより、ミスコンやスポーツ大会、文化祭などの学校行事や寮内で起きるハプニングを通して、寮で暮らす者たちの友情関係や恋愛関係に変化が現れる。

『ラブ・ベリッシュ!』の概要

『ラブ・ベリッシュ!』とは、春田ななによって2005年9月号から、2007年5月号まで『りぼん』で連載されていた青春ラブコメディ漫画である。タイトルは「ラズベリー」をもじって付けられており、通称は『ラブベリ』だ。単行本は5巻まで発行されており、ミニストーリーが収録されているものもある。最終巻では、本編のその後と共に木苺寮のもう1組のカップルである笑佳と紺の話が掲載されていて、たくさんの友情関係や恋愛関係が描かれているため、何度も読み返したくなる。答え合わせの後で読むのもまた楽しい。
ある日、主人公の福島由夜が編入した夏果学園は全寮制で、由夜は何かしらの問題のある人たちが集められた男女共同の木苺寮で生活を送ることになった。初めは、変わった人たちが多く戸惑うが、寮生会長の千葉梓から共同寮『木苺寮』がみんなの家だということを教えてもらい、次第に寮生たちと仲良くなっていく。そして、様々なイベントを通して、最初は毛嫌いされていたクラスメイトにも認められたり、仲良くなったりしながら、人間関係が変化していった。木苺寮生の入居理由や、それぞれの過去が分かっていき、犬猿の仲だったはずの高松渚や梓の過去を通して由夜の恋にも変化が現れる。同寮生の山梨雨芽の実態や、水戸笑佳と宮城紺との関係などの謎も明らかになっていき、木苺寮生を中心に、トラブルやイベントを通して人間関係などが変化していく青春ラブコメディである。

『ラブ・ベリッシュ!』のあらすじ・ストーリー

木苺寮

全寮制の夏果学園に編入した高校1年生の女の子、福島由夜(ふくしまゆうや)は初の寮生活を送ることになった。けれども、その寮は謎だらけだった。校内図にも載っていない上、男女共同であり他の寮と離れていて小さい。案内をしてくれた男子生徒・高松渚(たかまつなぎさ)は、喧嘩をした後のようだ。木苺寮とは、一般の寮にはいられない、何かと問題がある人たちが集められている孤立した場所で、学校内でもいい噂が無い。
学校初日に由夜は、さっそく木苺寮生というだけでクラスの女子に言いがかりをつけられるが、それを救ってくれたのはモテモテの寮生会長、千葉梓(ちばあずさ)だった。彼と一緒にいると由夜のドキドキが止まらない。気づくと由夜は梓に恋していたのだ。けれども、彼女の気持ちを知った同寮生の渚の態度はなぜか急変し、さんざん邪魔した挙句に「梓に近づくな」と一喝される。そのうえ、渚の企みにより由夜との仲を誤解した梓には、「応援するよ」と言われる始末だ。大ショックの由夜だが、今度は渚に「簡単に諦めるな」と一喝され、由夜は復活し、まだ可能性は0じゃないと頑張ることにしたのだった。
そんな中、学園の一大イベント「ミス夏果学園コンテスト」が近づいてきた。木苺寮のメンバーは、同寮生の美人な山梨雨芽(やまなしあめ)を推薦し大盛り上がり。
しかし、木苺寮をよく思わない生徒たちに馬鹿にされた上に雨芽の悪口まで言われて大ゲンカになる。その夜由夜は偶然、梓が雨芽の部屋に入るのを目撃してしまった。

ミス夏果学園コンテストとスポーツ大会

由夜は、梓が雨芽の部屋に入っていく姿を忘れられず、もやもやした気持ちを抱えたままだった。同じ寮の生徒で「不思議ちゃん」と呼ばれている水戸笑佳(みとえみか)は、ふたりの関係を漏らした由夜の言葉を素直に受け取って雨芽に直球で真実を確認しに行く。雨芽は、追いかけてきた由夜に何もないと伝えるが、由夜はその後のやりとりからどうしても雨芽と梓の関係が気になっていた。そしてついに由夜は、雨芽から自分が男だという真実を打ち明けられ一旦安心する。しかし、思わぬ真実に思考が停止する。しかし梓との会話で自分が雨芽に対してしてしまった事の重大さに気づく。由夜は1度は落ち込むが、雨芽に優勝してもらうために奮起する。途中、雨芽の正体を知っていた中学時代の同級生に邪魔されるが、由夜、渚、梓の阻止により無事にエントリーすることになった。そして、学園の一大イベント「ミス夏果学園コンテスト」が開催され、雨芽は見事優勝し、由夜たちは大盛り上がりした。そのうえ、木苺寮に牙を向けていたクラスメイトも雨芽の優勝を認めた。
そして次なるイベント、スポーツ大会が近づいてきた。由夜は大好きな梓と同じ長なわに出ることになったが、実は彼女は、大の運動音痴で1回も跳べたことがない。渚以外の木苺寮のメンバーは徐々にクラスメイトと打ち解けていた。由夜は、木苺寮生を毛嫌いするクラスメイトのボス、清水まりな(しみずまりな) と同じ種目になる。しかし、彼女も梓を好きだということが判明し、由夜のために3人で個人練習を行ううちに距離を詰める。由夜は一生懸命練習するがみんなに迷惑をかけてばかりで、そのうえ、清水に梓との関係を勘違いされ、「あんたなんか足引っ張てるだけじゃんっ」という追い打ちのひと言で落ち込んでしまう。ついに、ずっと練習に付き合ってくれていた梓に対しても自身の種目変更を呟き、彼の励ましに対しても後ろ向きな発言をして、梓との関係も崩れてきてしまう。由夜は、寮生会長でもある彼から、木苺寮のメンバーにとってはこの大会がクラスのみんなと仲良くなれるチャンスであり、それが彼の願いだと聞いていたが、それは由夜も含めてのことだった。

スポーツ大会と岡山亜子

由夜は梓と顔を合わせたくないと思っていたが、そんなときに出会ったのは渚だった。彼が長なわのコツをレクチャーしてくれたうえに、梓との仲介もしてくれたおかげで、無事に仲直りする。
、全体練習でやっと1回跳べた由夜だが、みんなの反応は冷ややかで、そこに清水が割り込んできて、由夜に対して言い過ぎたことも謝罪した。そして、梓のひと言で長なわチームも一丸となった。練習終了後、由夜は、渚の姿を見つけ、3回跳べたことを嬉しそうに報告すると、ただひとりスポーツ大会の練習から逃げる渚を、無理やりチームメイトに呼びかけることが出来るまで元気になり、無事に復活した。いよいよ本番、ガチガチな由夜を最終的に助けたのはまたしても渚だった。結果は総合9位に終わったが、長なわを9回跳べたことで由夜を称える。木苺寮に対するクラスメイトの対応も変化してきていた。
そんなある日、木苺寮付近に不審者が出るとの噂があり、梓と渚は不安な由夜のために彼女が寝付くまで付き添うことになる。しかし就寝の早い梓は先に寝てしまい、渚も帰ってしまう。気がつくと朝になっており、由夜は梓と同じ毛布で床で寝ていた。速攻離れるも、寝起きの梓は猫のミシェルと勘違いした由夜の頬にキスする。そんな衝撃的な朝から始まった由夜は、下校時に梓とばったり会う。雨が降る中、由夜と梓は傘を持っていなかった。由夜は彼のために雨の中、寮まで傘を取りに飛び出した。そして梓も追いかけた。由夜は途中カラスに驚き、思わず梓に抱きつくが彼も受け入れる。今朝のことも含め由夜に謝罪した。そして梓は、由夜に好意を抱いている渚のことを気にかける。しかし由夜には全く心当たりがない。それどころか、梓に誤解されたくない由夜はついに告白を切り出す。しかし、ずぶ濡れのため由夜自身のくしゃみにより途中中断。おまけに告白は梓にはぐらかされ、由夜は落ち込んだ。
由夜はプール清掃中に、長なわを経て仲良くなったクラスメイトの清水と、梓の告白の話で盛り上がっていた。そんな時、どこからか突然水をかけられる。正体は、他クラスの女の子によるホースの暴走だった。持ってきたはずのタオルを途中落としたり、大げさな謝罪をしたりと、少し天然なその子は、木苺寮生と関わっていると彼女を心配して来たクラスメイトに対して、木苺寮というだけでそんな風に思うのはよくないと反論する。まだ他クラスの木苺寮生への印象はよくない中の彼女の発言に対して、由夜は感動し好感度が上がるが、清水はどこかで見かけたことがあると考えていた。
そして、木苺寮では変質者を捕獲するための作戦実行委員会が作られていた。発起人の笑佳は男女ペア作戦を企てた際に、気を利かせて由夜と梓を組ませようとする。自分とは嫌なのではないかと泣きそうになる由夜を助けたのは、またしても渚だった。由夜は渚とのペアでの待機中に、「告白を遮られたから梓には振られただろう」と相談した。「今は返事が出来ない、そうゆう意味かもしれないじゃん」と渚に励まされる。けれども応援しているわけではないと念押しされる。由夜は渚の気持ちがわからなくなり、梓への告白のきっかけともなった「渚が福島の事気に入っているみたいだから」「好きじゃなきゃ、かまったりしないよ」などの発言を受けて、好きなのかと問う。「あんたさ…私を好きなんてことないよね?」との由夜に対して、渚の返事は「そうだったらどうする?」と真剣だった。しかし、「自意識過剰もいい加減にしろ」とからかわれる。由夜は、つい梓から言われた事を口を滑らせると、渚の視線は1番鋭かった。その瞬間変質者が現れる。追いかける由夜だったが、正体を知った瞬間渚はその場に立ち尽くした。
無事に変質者を捕獲するが、その正体はプールで由夜が水をかけられた女の子だった。梓は彼女の名前を呟いた。彼女は、中等部の頃に梓と渚と仲の良かった女の子、岡山亜子(おかやまあこ)。そして、梓と過去に何かあったような空気が漂っていた。渚がいないことに気づいた寮生たちは探しに行こうとするが、亜子は自分に会いたくないのだと引き止め、帰ってしまう。
しかし、渚は外で亜子を待っていた。落とし物を渡すと、彼女の住む女子寮の白桃寮まで送っていった。雨芽は、中等部時代に梓と渚とよく一緒にいたのは彼女なのではないかと推測する。由夜は雨芽だと思い込んでいたため考えていなかったが、余計に彼女と梓の関係が気になり、梓の情報を得るため清水に相談する。彼女もまた、亜子だと分かりスッキリした模様だった。
やはり、中等部時代に梓と渚といたのは、亜子だった。また梓に近づいていた女の子が多かったものの彼女は特別だったという。しかし、いつの間にか彼女は彼らの側からいなくなっていたらしい。噂ではあるが、亜子が梓を好きだった可能性は十分ありえるため本人に事実を確認しに行く。屋上に呼び出された亜子は、プールの件と清水の存在におびえていたが、梓のことを問うとそれは誤解だと弁明。
木苺寮を通っていた真実をはぐらかすも、最終的には泣きながら幼馴染の渚に会いにいったのだという。由夜は協力を試みるが、亜子は、帰り渚に会って仲直りできたとのことで一件落着する。帰りかけた由夜と清水に対し、亜子は変な噂を立ててほしくないこと、誰にも言わないでほしいことを叫んだが、由夜もなにか協力できればと笑顔で答え、何事もなく終わった。しかし、亜子に忘れ物を届けに来た梓にはしっかり聞かれていた。
そして事態は急変し、梓がいきなり由夜に告白した。渚が邪魔しに来るも、梓は由夜と明日の学園の夏祭りの約束をしてその場を去る。幸せを隠し切れない由夜に対し、「梓はお前なんか好きじゃねえんだよ!!」と渚が一喝。渚は亜子が捕獲された日に一緒に居ればよかったと後悔。今度は渚が梓と亜子のことについて口を滑らすも、梓への返事を1日だけ待ってほしいと頼まれる。
そのうえ、「待ってくれたら全部話す、なんでも言うことを聞く」と頭を下げられる。由夜は、なんのために誰のためにここまでするのかを考えるも受け入れる。告白したことを知った渚は、梓を待ち伏せし、由夜の告白について問うが、亜子の想いが渚にあると勘違いした梓は、亜子の落とし物を渚に託すとさっさと行ってしまった。
翌日の学園の夏祭りでは、由夜は未だに渚のせいでもやもやしたままだった。梓と亜子は中学時代に、学校のみんなに隠れて付き合っていたという。そこから渚を好きになった経緯を必死に考えるも、清水はそんなことはないと反論。そこへ梓が登場し、本人が屋上にいた事実を知る。梓は、由夜を誘い、ふたりきりになるが、本当に好きならキスをしてほしいと頼まれる。同時刻、渚もまた亜子とふたりきりになり、亜子に告白し、抱きしめる。梓は由夜に、渚は亜子にキスを迫っていた。

失恋

亜子は、近づいてきた渚に対し、ひどい顔で固まるも、彼の言葉で梓への気持ちを再認識する。そしてそこで梓の気持ちの真相を知る。一方で由夜も梓と近づく顔を阻止していた。由夜は、うっすら気づいていた梓の亜子への気持ちが確信に変わり、本当の気持ちが分かったため、告白してきた理由を聞く。梓と亜子が別れた理由は、渚と梓の木苺寮入寮と関係があった。
中学時代に、渚と梓と亜子の3人は仲が良かった。そんなある日、亜子は梓と付き合うことになったことを渚に報告する。その後、渚はふたりと距離を取るようになり、そのことを亜子は不思議に思っていた。当時から問題児であった渚は、教師の鼻を折る暴力事件を起こしてしまう。しかしその理由は、梓の成績が落ちたことを彼女との交際のせいにし、別れさせてほしいと頼む教師への怒りからだった。渚の退学(強制編入)のうわさを聞いた梓は学園長に直談判し、自分も彼の監視役として共に木苺寮に入るということでこの場を収めた。しかし亜子は失恋する。梓は彼女の中の渚に勝てないと逃げていた。渚の彼女への気持ちを知りながら気づかないふりして横取りをした。
由夜と付き合うのも、亜子への想いを消すためで、どちらも自分のためだと打ち明けた。由夜は、「最後まで自己中を貫きなよ!!」「自分で守れないのが辛いくらい好きなんだったらっ死んでも手放すなよ!!」と一喝。すると同意した渚が現れる。彼も、教室に亜子を残してきたことと、今も昔も亜子が好きなのは自分ではないことを梓に伝え、由夜に1発殴ってお見送りするように促す。しかし由夜は彼に思いきりキスをかまし、「殴られるより痛いでしょ?」と笑顔で見送った。「これでチャラにしてあげるよ」という由夜の言葉に、謝罪とお礼を残し、梓はその場をあとにした。由夜は失恋した。

夏休み

1学期が終わり夏休みに突入し、由夜は渚の実家に来ていた。
遡ること数日前、由夜は帰省のためのお金がないから帰らないことを話していた。梓が心配してくれているが、思い出すのは亜子との幸せそうな空間で落ち込む。さらに心配する笑佳は帰るのをやめようかと言い出す。すると渚が由夜を実家へ招待した。
渚は、由夜に実家の部屋の案内をしていた。最初に迎えたのは、渚の双子の弟で、愛想のいい航(わたる)と渚にそっくりな湊(みなと)と渚曰く地上に舞い降りた天使の妹、岬(みさき)。そこに渚の母が現れて、「明日は海に行こう」と誘いにやってくる。渚と由夜のやり取りに嬉しそうな様子を醸し出しながらその場をあとにした。航と岬は盛り上がっており、港は不服そうで渚と由夜は固まったが、気づくと、渚は航を海に投げていた。はしゃぐ航に呆れる湊たちを見ながらも、渚は海に入ってこない由夜を心配していた。両親は、ふたりの関係を気にしているが、そんなことはよそに、渚は由夜を探しに行く。
彼女は人気のない場所へ座り海を眺めていた。心配しに来た渚だったが、「つまんない?」との彼の問いに「面白いよ、特にあんたの家族が」「私1人っ子だし家でこんなに賑やかなことなんてないよ」と話す。それをきっかけに、渚は由夜に帰りたくなさそうだったことを告げる。そして梓も心配していたという言葉を伝えるが、その返事は「嬉しい!!」だった。
渚は、由夜の想いが気になり、まだ梓が好きなのか問うと、「人の彼氏を思うような趣味はない」と言われ、さらには、自分が身を引いていたこと、梓と亜子に上手くいってほしいために由夜の邪魔をしていたことを言い当てられる。渚は、「最初はそうだったかな」「お前マジ邪魔だったなー」「梓梓うるさいし、梓教だし」「そんな女、2度とごめんだと思っていたんだけど」と答えるが、最後の言葉は由夜には聞こえていなかった。のぞき見していた渚一家に気づいた2人は話を終えた。渚は、妹の岬に誘われて一緒に砂のお山をつくっている楽しそうな由夜に見とれていた。
そして夜、寝れない由夜はキッチンで飲み物を注ぐ渚と鉢合わせたが、今日の楽しかったこと、連れてきてくれたお礼を伝えると、昼間に聞こえなかったことを尋ねた。1度はぐらかした渚だったが、由夜が梓を見習うべきだと語りだした途端に歯止めが利かなくなり彼女を押し倒した。「そうゆう所がムカつくんだってば」「この意味わかる?」伝えた。由夜は「分かんないよそんなの!!」「どいて!」と渚に訴えるが、「やだ」「どいたら逃げるだろ」「逃がさない」と強い瞳で見つめ続けた。そして由夜の髪をすくい上げ「もう誰にもゆずらない」と呟いた。一方笑佳は、可愛いストラップを3つ並べてウキウキしていた。お母さんに友達にお土産だと伝えた瞬間、電話がかかってくる。しかし、笑佳はその相手が豊橋雪乃(とよはしゆきの)だと分かり固まった。

由夜の変化と笑佳の過去

夏休みが明け、登校前の由夜は渚の言葉の意味を考えていた。一方笑佳も、渚へのもやもやした気持ちを抱えて、ぼーっとしていた。
由夜は、そんな笑佳のヘアアレンジをしていた雨芽の元へ行き、渚とのことを打ち明けようとしていたが恥ずかしくなりやめる。女子たちを待っていた木苺寮の男子たちと再会するも、由夜はあからさまに渚を避けてしまう。笑佳は勘付き、由夜に話しかけようとするが、中等部時代からの友人の雪乃に邪魔される。彼女と笑佳は、昔は仲が良かったが今は疎遠になってしまっている。そのことを直接雪乃から告げられた後、笑佳にいつもの元気がなくなっていた。そしていきなり、「えみ…みんなとずっと友達でいたいなぁ…」と言い出し、由夜はいきなりの発言に驚くが、冷静にハグで応える雨芽を追いかけた。
そんな中事件が起きる。由夜は移動教室の準備をしておらず、ひとり教室に戻るがそこには雪乃の姿があった。彼女曰く笑佳に教科書を借りにきていた。しかし、由夜が教室を出た後、脱ぎ捨てられたばかりのベストのポケットからケータイを取り出し、笑佳と雨芽と由夜で3人お揃いのストラップを眺めていた。授業終了後、雨芽は由夜と笑佳を誘うが2人共に振られてしまう。笑佳は雪乃に呼び出された。一方で由夜は、一生懸命ストラップを探していた。渚と鉢合わせして逃げようとするが、彼に捕まり結局2人で探すことになる。しかしそのストラップは、実は雪乃が持っており、ストラップ探しの間に雪乃は笑佳と会っており、由夜のストラップを取り出して、ゴミ箱に捨ててあったと嘘を吹き込んでいた。その後、由夜は笑佳からストラップを渡され、探していたことを伝えるが、「もうつけないくいていいよ」「もうえみに話しかけないで!!」と笑佳は逃げ帰った。
寮に帰ってきた由夜は作り笑いをしながらその場をごまかすも渚にはバレバレで、由夜が本音を打ち明けていると、雨芽が心配しながら笑佳となにかあったのか問う。笑佳は雨芽にもストラップを返してほしいと来ていた。2人で話していると同じ木苺寮生の宮城紺(みやぎこん)が介入してきた。紺曰く「きっと笑佳にも何か…何か事情があるんだと思う」「そんな事で本気で怒るような奴じゃないし」とのことで、2人も紺がそういうなら安心だとその場は落ち着いた。しかし笑佳に声をかけるも、用事があるからと断られたことを話す雨芽と由夜に対して、雪乃の名前をが挙がると紺は過剰に反応した。紺によると、雪乃はこの学園で1番最初にできた笑佳の友人。今では考えられないほど人見知りの笑佳はクラスでもずっとひとりだった。紺はしつこく話しかけ、笑顔が見られたときはとても嬉しかったらしい。実は紺は中等部時代から笑佳のことが気になっていた。笑佳は、紺をきっかけに明るくなりみんなとも話すようになり、楽しそうで安心していた矢先の出来事だった。
そんな話をしている一方、笑佳は雪乃の元に向かっていた。雪乃は高等部でもなじめずに、クラスメイトに利用されていた。そこへやってきた笑佳に対しても、「やっぱり友達もそうゆう系…」と木苺寮生のためとばっちりをくらう始末。雪乃は、逃げるように笑佳と誰もいない部室へ向かうが、彼女の嘘に気づいていた笑佳は由夜のことを信じ、嘘をつきとおす雪乃に反論した。
その時、紺は由夜と雨芽に話し続けていた。雪乃は当時、笑佳が自分以外の友達ができたことが許せなく、裏で彼女の友達に嫌がらせをするようになり、最後には彼女の友達を、目の前で階段から突き落とした。これが、笑佳が木苺寮に入寮した理由になっていた。雪乃はその当時から変わっておらず、自分より由夜を信じる笑佳を部室に閉じ込め去っていく。連続で授業に出ていない笑佳を心配する木苺寮のメンバーはあれやこれやと理由をつけて笑佳の捜索に向かった。抜け出せなかった梓と渚も教室から検討を祈るのだった。捜査途中に、雪乃を見つけ問いただすが、知らないの一点張りで、紺はさっと隠した笑佳の携帯と部室のカギを見つけ、先に向かった由夜にカギを投げが、いそいで先回りした雪乃に遮られてしまう。由夜は、笑佳が離れていくことが耐えられない雪乃に対して同意するも、自分も笑佳と離れたくないと強く訴える。その瞬間笑佳に蘇った記憶は、中学時代に、紺が、一緒に木苺寮に行こうと誘いに来たシーンだった。そのとき笑佳は、保健室で寝ており、紺は理事長の大事な壺を割ってしまったとのことで、自分も木苺寮に入るのだという。しかし、彼女は「もう学校なんて絶対に行かない」「友達も絶対いらない…」と返答した。その言葉に対して、紺は「笑佳にもできるよ。一緒にいると楽しくてそいつらがいるから学校に行きたくなるような友達が。大丈夫だって。俺も一緒に探してやるから」と伝え、彼女はは泣きじゃくった。
その瞬間に現実に戻り、由夜と雨芽が勢いよく部室に入り、笑佳も謝罪。彼女は、雪乃に会うことが決まっていたため、彼女にもストラップをきちんと準備していた。笑佳と雪乃はストラップを交換し、今度寮にも遊びに来てほしいとの言葉を受けた雪乃は去っていった。腹ペコの笑佳たちを迎えていたのは渚の揚げたて手作り海老フライだった。梓は笑顔で「愛情込めて作ったエビフライでーす」と紹介し、「作ったのは俺なんだけど」と反論した渚はこちらを振り返り、由夜たちの帰りを待っていた。そして、その夜笑佳は夕飯のエビフライが美味しかったとテンション高いメールを雪乃に送っていた。

由夜の事情

由夜たちは文化祭の準備に追われていた。通行の邪魔になっている梓と亜子の間に割り込む由夜と清水。由夜は気をつかいながら通るも、清水はまだ梓のことが諦められない模様で、由夜はすっかり清水の扱いに慣れていた。そんな由夜が気になっていたのは電話中の渚で、木苺寮のみんなは文化祭に親が来るという話で盛り上がっていた。招待状をつくるのを笑佳に誘われるも、なんとか理由をつけて断る由夜。すると、渚が招待状を書くと言い出し、驚く由夜も対抗心から書くことになる。文化祭まであと5日、由夜たちはハロウィン喫茶の準備を進めていた。
そんなある日、由夜は突然渚から手紙を渡される。ラブレターと盛り上がるクラスメイトに返却しようとする由夜だったが、送り主は渚ではなく妹の岬だった。招待状の返事と共に、由夜宛の手紙が入っていたのだという。由夜は笑佳からの返事が来たかという問いに、来たけどやっぱり仕事が休めそうにないことを回答し、岬が来てくれるからと笑ってごまかすも、渚はその様子を真顔で見つめていた。
文化祭前夜、由夜は洗濯が終わるのを待っていた。そこへやってきたのは渚で、暇人扱いをするも、自分も隣に座る。「明日文化祭だな」という渚の問いに「そうだね」と返す由夜。続けて「お前…」と問う渚の言葉は寮監の宇都宮純子(うつのみやじゅんこ)に遮られた。寮監の用事は、由夜の宛先がない招待状を渡すためだった。寮監が去っていくと、「聞く手間が省けた」と渚は由夜の手を引き、実家に行こうと提案する。抵抗するも、親に文化祭にきてほしいという気持ちに嘘がつけない由夜は渚とガラガラのバスに乗車していた。渚に母親のことを聞かれ、死んでしまった事を伝えると、色々思い出してしまいやっぱやめると言い出す。一人娘だから父親も心配しているとの渚に対して、お父さんが寮に入れと言ったと涙する由夜。由夜は母親がいなくなったあと、近所の人たちが話していることを聞いていた。「福島さんちのご主人相当参ってるわね」「急に奥様を亡くされてから意気消沈して」「大丈夫かしら」「お子さんもまだまだ手がかかるだろうに」との言葉を聞いていた由夜は、家の事も自分の事も、お母さんがやってきたことを私がちゃんとしなくてはと思い、近くの高校がいいと思っていた。しかし、お父さんは「特に行きたい高校がないなら近場ですますよりここにしたらどうかな」と、全寮制のこの学園を提示した。どこか遠くへ行って2度と帰ってくるなと言われているような気がした由夜。そんな話をしていると着いてしまった。渚はやっぱり父親に来てほしいと話す。そして、「あんたは娘に2度と帰って来るなって思ってますかって聞く」という。「そうだって言われたら私はどうなんのよ!!」との由夜に対し、渚はひと言「俺がもらう」と由夜にまっすぐ伝えた。由夜は顔を真っ赤にして気づかないふりをしていた事実を認める。そして、渚に手を引かれながら、強引にでも私を明るい方へ連れてってくれるのはいつもこの手の渚なんだと気づく。文化祭当日、目覚めた由夜は夢を思い出していた。学校帰りであろう由夜を優しく迎える母の姿。寝た気がしないまま朝が来て、文化祭が開幕した。

文化祭と由夜の父

由夜のクラスは文化祭でハロウィン喫茶を行った。彼女は前半組で、お客として来た後半組の紺と笑佳に冷やかされていた。「由夜のパパたちも見に来れたらよかったのにねー」との笑佳の言葉にドキッとする。結局、郵便受けに入れてきただけだったが読んだかどうかを気にしていた。そんな時背後に現れたのは渚。客を他クラスに取られたとの話を紺としているが、由夜は平常心でいられるわけがなく、昨日の言葉を思い出し再び顔を赤くしていた。なぜサラッとあんなことが言えるのかと窓によりかかると目に飛び込んできたのはお父さんに背格好の似た学園の先生だった。顔を洗おうと蛇口に手を伸ばすと「お前の親父ってどんな人?」と再び渚が姿を現す。その後も父親探しに協力しようと質問するが由夜は直視できない。「クラスまで来てなきゃ来てないんだよ」と一生懸命答えるも、渚は、「可愛くない…」「そんな事言ってるとパパは来てくれませんよ」返事した。そして最後には熱でもあるんじゃないかと後ろから彼女のおでこに手を当て引き寄せる。「なんか顔赤いし、親父が来たのに熱だして倒れてたなんてお前本当のバカだぞ」と渚なりの心配をするが、由夜は勢いよく渚から離れ、「熱なんかないし、、お父さんが来なくたって別にいいんだってば」と思いきり蛇口を捻る。すると閉めるつもりが、反対思い切り捻ってしまい渚はダイレクトに水を受けた。由夜は、通行人の声で彼の状態に気づいたが手遅れだった。渚は怖い顔をして「…分かった」と言って去っていった。
文化祭は後半戦、前半に9組のメイド喫茶に客を持っていかれたが、後半に巻き返すと意気揚々の清水の秘策が投入された。それは、ミス夏学の雨芽とアイドル寮生会長梓のどちらかとデートできる権を差し上げるとのことで、スタンプラリーを行い先着であることを校内放送した。由夜は、デートにおびえる雨芽のためにスタンプラリーに参加することにした。出発前に、スタンプを持っている渚と目が合うが逸らされてしまう。少し落ち込むが雨芽のために奮起する。由夜は、雨芽にお父さんが来たら教えてほしいと伝えようとするも途中でやめてしまい、出発する。雨芽は、誰かくるのかと疑問に思うが手遅れだった。彼女の頭の中は渚を追いかけて謝ることでいっぱいだったからだ。その頃、スタンプを持って客を待ち受けている紺と笑佳は、このデート権をかけた企画の恐ろしさを体感していた。由夜は全力疾走で清水からスタンプをもらっていた。残ったスタンプはあとひとつ、1番探している渚だ。
「まー頑張ったところで1番じゃないけどな。もうゾロゾロ集め終わった人がクラスに来てるって」と清水に言われたが、デート券が梓に使われたと聞いて一安心する。だが、自分だけが渚を見つけられていないことに気づき避けられていると落ち込む。梓が他の女子とデートをするが、岡山亜子に独占されるのよりはましだと話している。だが、梓の彼女を妬んでいる清水の側で、由夜は渚の事で頭がいっぱいだった。一方渚は家族と一緒にいた。渚は疲れた母親の代わりに妹の岬と文化祭をまわることになり、2人で由夜を探す。「ウォーリーをさがせ得意だよ」という岬に対して、渚は冗談で由夜のお父さんを見つけるように指示する。岬が見つけたのは寮監宇都宮だったが、その寮監に話しかける姿があった。一方の由夜は渚を探すために走り回っている。すると岬が笑顔で背後から飛びついてきた。岬は由夜が探している人が分かると引っ張って連れて行く。そこには渚が仮装していた死神の後ろ姿があった。
由夜はその後ろ姿を渚だと思い込み、謝罪をすると父親への本当の思いを打ち明けだした。「お父さんは私が『来て』って言ったらきっと来てくれる。」「いつも私の気持ちを1番優先してくれるんだもん」「でもそれではそれじゃ嫌で…」「「私が」じゃなくてお父さんが一緒がいいって思ってくれなきゃ寂しい…」と涙ながらに本音を打ち明けていた。すると「初めて聞いたな由夜の気持ち」と仮装から出てきたのは、渚ではなく由夜のお父さんだった。いきなりの出来事に固まる由夜。お父さんは、マントを被ってここで待ってろと言われただけだそうで、真相を伝えるべく渚が現れた。岬が宇都宮を見つけた時に話しかけていた相手は由夜のお父さんだった。その理由は、この夏果学園が由夜の両親の母校であり、宇都宮はその時の寮監であったからだ。由夜は驚き、渚も「いくつなんだあいつは」と冷静に考えていた。この校舎には由夜のお父さんとお母さんの楽しかった思い出がいっぱい詰まっていた。そして、この学園を勧めたのはお母さんの方だった。
由夜にも楽しく過ごしてほしいとの思いで、由夜が生まれた時からそう話していたのだ。お父さんの本心は「本当はずっと家にいてほしい。ずっと家にいて外にも出てほしくないそうすればお母さんみたいに事故にあう事もない。なんてこんな事言ってたらお母さんに怒られるな。」と笑いながら締めくくるも、「お父さんとお母さんが望むことは一緒だよ」と真剣な顔で由夜に伝えた。
由夜は涙を流しながら、「毎日楽しいよすごく」と返し、お父さんも「これはたくさん話が聞けそうだね。休みになったら帰っておいで。楽しみに待ってるよ。」と笑顔で答えた。そんな様子に渚は引き込まれていた。

由夜の気持ち

模擬店部門は見事1位を獲得し、クラスメイトは乾杯して盛り上がっていた。由夜はそんな様子をよそに、外でひとりベンチに座っている渚を心配して話しかける。「食べないの?」と優しく問うも、「あー昼間航に付き合っていろいろ食べたから腹へってないし」との答えが返ってきて、その後に「お前ってファザコン?」と返ってきたため、由夜はつい古典的にベンチから転んだ。渚は、「だって、お前の親父梓に似てるし」と話すと「…似てないよ」という由夜に対して、優しそうなのが好きなのかと渚は心の中で呟く。梓がお父さんに似ている似てない論争から一転、「でもまあよかったじゃん」と優しく微笑む。由夜は渚の名前を呼ぶも、返事に対してなんでもないと返した。由夜はお父さんとの会話を思い出す。「運命の出会いだったんだね」と由夜がお父さんに話すと「じゃ、由夜も出会っちゃうかもしれないな」と返答し、声にならなかったこの気持ちは今までどこに隠れていたのか、由夜は自分の事なのによく分からなかった。いつからこんなに渚の事を好きだったのかと、渚への好意を認めていた。由夜が夏果学園に来てからもうすぐ1年が経過しようとしている。お父さんは、由夜からの封筒に微笑んでいた。
一方、いつものように由夜と渚は痴話喧嘩を繰り広げていた。渚が好きだと自覚したものの、散々罵倒してきた手前、今更笑佳たちにすら打ち明けにくい状況だ。今さらどうすればいいのか悩む由夜だったが、もどかしい2人を見ていた木苺寮生は、2人の想いに気づいていたことが笑佳の発言により判明。笑佳は2人をくっつけようとなにやら企んでいる模様で、一方の由夜は渚への対応に悩んでいた。いつか愛想をつかれてしまうと心配する由夜の元に、笑佳がやってくる。楽しそうにやってきた彼女は今週の土曜日に渚がデートをすることを由夜に伝える。笑佳は、「最近渚に猛アタックしている女の子がいるらしくてね。最初は渚もその気はなかったらしいんだけど、紺が言うにはと好きな子とうまく行かずに自業自得に陥ったんじゃないかって…」と伝えた。正解は自暴自棄だが、言い間違えたかと考えを巡らせている笑佳に気づくはずもなく、渚はそんなにモテない、嘘だと笑ってごまかしていた。嘘じゃないと頑張って反論する笑佳。「じゃ、渚にも春が来たんだねー良かったじゃん!!」と交わされ、嘘とバレたかと心配する笑佳だが、様子を見に来た梓たちは、由夜の様子から結構効いていると傍観していた。
由夜は委員会まで全力疾走で向かっていた。走っている最中は、頭の中はもちろん渚のデートのことでいっぱいで、そんな本人に遭遇する。2人の女子が彼の元へ向かうとお互い携帯を出している。由夜は固まった。そんな魂の抜けた由夜を発見した渚は、何しているのかを問われ、通りかかっただけだと勢いで応え、急にモテだしていると心配する由夜だが、「木苺寮生にも普通に話しかけてくる奴増えたけどそれだけだし」とサラッと渚は答える。ついに由夜は「土曜日は…」と言いかけるが渚は復唱するだけで、彼女はうつむいてしまう。
心配する渚に対してみぞおちに拳を入れて拗ねてしまった。渚がモテていることにモヤモヤして、由夜は罵声を浴びせて逃げて行った。笑佳は、うまくいかないまま土曜日になってしまったと悩んでいて、由夜に「渚、止めなくていいの!?」と焦るが、絶賛不機嫌な由夜には「なんで私が止めなきゃいけないの。デートでも何でも好きにすればいいじゃん」と言い返され逆効果だった。そんな中私服でどこかへ出かける渚。笑佳は由夜と渚をくっつけるため直接相談を持ち掛けるが、今日が補習だと思っていた笑佳だったが渚の補習は来週だと判明。「あれ?じゃあどこに…」と、不思議そうな笑佳に対して渚は不敵な笑みを浮かべる。由夜が自分にうんざりしていると、笑佳が泣きながら飛び込んできた。笑佳は渚が本当にデートに出かけて行ってしまったと由夜に伝える。「この前聞いたけど…」という由夜に対して、笑佳は「違うのアレは嘘だったの!!えみが悪いこと考えたから本当になっちゃったんだーっ」と泣きながら伝えた。すると後ろから雨芽が登場し、「由夜はどうするの?渚が離れて行っても平気でいられるの?」という言葉を放つと、それを聞いた由夜の体は反射的に走り出していた。
由夜は、本当にバカだと反省しながら走っていた。「渚はいつも助けてくれたのに、素直になれないこの気持ちはきっとそれに甘えているからで、でもこのままじゃダメで」伝えなければと必死に渚を追いかける。そして、由夜は渚の姿を捉えると大声で「行くなバカー!!」と叫んだ。「俺がもらうって言ったのは誰だ…。私は、私は…渚のことが」と涙を浮かべながら言いかけた由夜を制した渚は「遅い」とひと言。結局デートは嘘で、笑佳に持ち掛けられた作戦は渚にはお見通しだった。しかし、慌てふためく最高にかわいい由夜が見れたと満足そうな様子の渚に、結局由夜は続きを言わされ、「ムカつくけど好き」とキスを交わした。ふたりは恋人繋ぎを見せつけながらみんなの元へやってきた。その夜由夜は夢を見た。それは、憂鬱な気持ちを消したくて無理にはしゃいで木苺寮に来た1年前の由夜だった。「大丈夫だよその先には楽しい毎日が待ってるから」と由夜は幸せそうに笑顔で呟く。みんなはふたりを祝福した。

『ラブ・ベリッシュ!』の登場人物・キャラクター

主要人物

福島 由夜(ふくしま ゆうや)

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