チョコレートコスモス(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『チョコレートコスモス』とは漫画家、春田ななによる少女漫画。少女漫画雑誌『りぼん』(集英社)で2007年9月号から2008年11月号まで連載され、単行本全4巻が発売された。主人公の桜井紗雪は友人と海に行った際に、ナンパされたところを助けてくれた萩原克弥に恋をする。彼は実は同じ学校の家庭科の先生だった。生徒と先生の禁断の恋と、紗雪の幼馴染の武藤悠士の三角関係の高校生活に「甘い記憶が蘇る」と多くのファンに支持される作品。

『チョコレートコスモス』の概要

『チョコレートコスモス』とは漫画家、春田ななによる少女漫画。少女漫画雑誌『りぼん』(集英社)で2007年9月号から2008年11月号まで連載され、単行本全4巻が発売された。主人公の桜井紗雪(さくらい さゆき)は友人と海に行った際に、ナンパされたところを助けてくれた萩原克弥(はぎわら かつや)に恋をする。彼は実は同じ学校の家庭科の先生だった。紗雪は驚きを隠せず戸惑うが、萩原の彼女になれる可能性が少しでもあることに喜びを感じる。生徒と先生の禁断の恋と、紗雪の幼馴染の武藤悠士(むとう ゆうし)の三角関係の高校生活に「甘い記憶が蘇る」と多くのファンに支持される作品。

作者の春田ななは、2000年に発売された『りぼん12月号(集英社)』で自身の作品の『愛の愛のしるし』を掲載し、漫画家デビューする。その当時は中学3年生だった。翌年の2001年から同雑誌で読み切り漫画を連載し、数々の作品を発表して女子小学生から女子中学生の人気を掴む。恋愛のスリルだけでなく、キャラクターに個性を出して主人公とその周辺の人物の関係に笑いを生むところも、春田ななの作品の特徴だ。

『チョコレートコスモス』では主人公の紗雪のツンデレなキャラと、生徒みんなに優しい萩原の会話にきゅんと面白さと恋の甘酸っぱさを感じられる。どこを切り取っても高校生活の甘酸っぱい恋を思い出させる作品になっている。

『チョコレートコスモス』のあらすじ・ストーリー

海で出会った運命の人

主人公の桜井紗雪(さくらい さゆき)はロマンティックな恋愛を夢見るが、鋭い目つきのせいで男子から敬遠されてきた高校生。紗雪の友人の野村美奈(のむら みな)は彼氏を欲しがる紗雪にチャンスをあげるため、もう1人の友人の原田栞(はらだ しおり)も誘って3人で海に行く。しかし、いざ行ってみると紗雪は自分の好みの人と出会えなかった。試しにナンパしてきた3人組の男性のうちの1人と2人きりになって話してみたが、色々質問してくることに対して腹が立つ。離れようと早歩きをしていた時、紗雪の頭にチョコバナナ店の幟がぶつかってくる。心配してくれた販売員の男性が好みの男性だったため、紗雪は見とれた。ナンパ男は販売員に色目を使ったことを怒ったが、紗雪も言い返したことで呆れられてナンパ男はその場を去る。紗雪は腹が立つばかりだったが、販売員の男性が仕返しに去っていく彼の頭をめがけてペットボトルを投げて仕返ししてくれたおかげで、スッキリした。

紗雪は販売員の男性にお礼しとして、得意のネイルをしてあげる。紗雪は彼との会話を通して同じ高校に通っていることを知る。一目惚れした彼に夏休み後、また会えると思えると嬉しかった。

恋をしたのは先生

夏休み後の始業式の日、紗雪は学校中を回って海で会った男性を探した。しかし見つからない。とその時、生活指導の女教師がネイルをしている男性に指導している怒鳴り声を聞いてピンときた。顔を確認しようと思い、振り返るその男性の顔を見ると、海で会った販売員の男性だった。でも生徒ではなく春栄高校で1年生の家庭科を担当する萩原克弥(はぎわら かつや)だった。

萩原は明るく奔放な性格で、男女両方から人気がある。そんな彼に近づけるのか、紗雪は不安になる。そんな時、幼馴染の武藤悠士(むとう ゆうし)が「料理して食べて野球をする会」を同好会として作ることを提案する。顧問を萩原にする予定であることを聞いた紗雪は入部を決める。萩原と少しでも距離を近づけられるチャンスと思ったからだ。

しかし、同好会の設立を話し合う職員会議で教師の香住和華(かすみ わか)が設立に反対する。新任の萩原が顧問を務められると思っていなかったからだ。しかしそれは建前で、本音は彼が生徒から慕われているのが気に入らず、少し意地悪をしてみようと思ったから。でも萩原は生徒たちのためを思って強引に部員を誘ってグラウンドで野球を始める。香住先生は萩原と部員が野球を楽しんでいるところを見て、萩原が生徒に必要とされていることを感じ、彼の偉大さを目の当たりにする。意地を張るのをやめた香住先生は自分が副顧問になると決意する。

遂に告白

無事に同好会は設立できたが、萩原が顧問ということを知った他の生徒も多数同好会に入部してくる。そのため紗雪は萩原と2人で話す時間が見つけられずにいた。悩んでいた紗雪を援けるため、栞が人に風邪を引かせる呪いを冗談で試してみた。紗雪に萩原のお見舞いに行かせて2人になるチャンスを作るため。冗談だったはずなのに、次の日本当に萩原は休んでしまった。心配になった紗雪は先生の家までお土産を持ってお見舞いに行き、お粥も作ってあげる。萩原にお粥を持って行った時に、まだ寝ていた萩原は紗雪に突然キスをする。紗雪はわけが分からず、その場から立ち去るのだった。

翌日、萩原はキスしたことを覚えていなかった。それに腹が立った紗雪は萩原を無視し、ぎくしゃく関係になってしまった。冬休み明けのスキー合宿で2日目の花火を一緒に見た時に、やっと話すことができる。

萩原はその日が紗雪の誕生日と知り、プレゼントとして自分の耳についているピアスを1つあげる。教師から生徒に個人的なプレゼントは許されていないのに、萩原がピアスをくれたことに特別な関係を感じる。紗雪は萩原が少しでも自分に好意があることを期待してバレンタインデーに告白することを決意する。何を渡すか悩んだ挙句、紗雪が選んだのはチョコレートのような甘い匂いがするチョコレートコスモスの花束だった。そしてその花言葉は「恋の終わり」。

紗雪は勇気を持って萩原に告白するも、フラれてしまう。それだけでなく、翌日学校に行くと紗雪が萩原にフラれたことが学校中に広まっていた。時間が過ぎると周りの騒ぎもおさまるが、紗雪の萩原への思いは消えなかった。

萩原の過去

季節は春になり、紗雪たちは同好会の新入部員を集めるために、チラシ配りをする。そしてそのチラシを見て同好会に興味を持った小村由佳子(こむら ゆかこ)先輩が入部する。ある日、紗雪は由佳子先輩の携帯の中の写真を見せてもらった。その時、紗雪は萩原の寝顔写真を見つけてしまう。ハート柄の枕の上で、無邪気な顔で寝ている萩原を見た紗雪は2人が付き合っていたことをほぼ確信した。

紗雪がもやもやした気持ちのまま、同好会のメンバーと同好会の顧問の萩原と一緒に野球を見に行く約束をする。しかし当日になって萩原と由佳子先輩が来られなくなる。2人が一緒にいることを知った紗雪はすぐに場所を特定し、その瞬間にその場から駆け出す。

しかし着いた先にいたのは萩原ではなく、由佳子先輩とその甥っ子だった。萩原と会っているのは由佳子先輩の姉で、姉の子供を由佳子先輩が面倒を見ていたのだ。由佳子先輩の姉は昔、萩原の担任であり彼女だった。萩原は、由佳子先輩から姉はその日しか直近で空いている日がないと教えられ、野球観戦の予定をキャンセルして元恋人の由佳子先輩の姉に会いに行く。萩原は過去に先生と恋をした甘い気持ちを思い出して、紗雪の気持ちに目を背けないと決める。

萩原との甘い恋人関係の始まり

萩原は由佳子先輩の姉と別れたあと、駅で偶然にも紗雪に会う。萩原は紗雪の気持ちを再確認した。先生だろうと紗雪の好きな気持ちは変わらなかった。萩原はその気持ちを受け取り、紗雪にキスをした。2人はその日から正式に付き合うことになるのだった。

それが美奈と栞にもすぐ伝わり、美奈は悠士にも教えてしまう。紗雪自身は悠士に好かれているなんて気づいていないが、他の友人は悠士が紗雪をずっと好きであることを知っていた。そのため悠士の気持ちを気にしていたのだ。

悠士の紗雪への告白

紗雪は幼い頃から悠士に意地悪やちょっかいをされていたことから悠士に嫌われていると思っていた。しかし悠士にとって今までした嫌がらせは好きな紗雪に構ってほしくてしていたことだった。

悠士が紗雪と萩原が付き合うと知った日、紗雪を無視していた。紗雪は悠士の今までの態度も振り返ってみて、自分のことをどう思っているのかはっきりさせようと思う。紗雪の真剣な眼差しを見た悠士も覚悟を決め、紗雪に告白する。仏器乱暴な言い方になってしまい、紗雪も信じられず喧嘩にしかならなかった。授業のチャイムが鳴った時、悠士は自分の誕生日会に紗雪を誘った。紗雪はその日、萩原とドライブデートに行く予定だったため、どちらを優先するか迷う。

紗雪が選んだ人

悠士の誕生日の当日、紗雪は萩原との待ち合わせ場所に行く前に悠士に告白の返事をしに行く。紗雪は中学生の頃、悠士が好きだったが今は萩原のことが純粋に好きだった。正直な思いを伝えた紗雪は萩原の待ち合わせ場所へと向かう。

紗雪は萩原とドライブデートで最初に出会った海へ向かう。萩原と紗雪と会った日のことを思い出しながら砂浜を歩く。両想いになった2人はこれからも先生と生徒で付き合っていくのだった。

『チョコレートコスモス』の登場人物・キャラクター

主要人物

桜井紗雪(さくらい さゆき)

本作の主人公で16歳の女子高生。少女漫画のようなロマンティックな出会いや恋愛に憧れがある。しかし生まれつき目つきが悪く、普通の顔をしているだけで周りから近寄りがたいと思われてきた。付き合ったことはないが、いつか素敵な出会いをしてみたいと密かに願う女子高生。幼馴染の武藤悠士(むとう ゆうし)とは腐れ縁のような仲で、喧嘩をよくしてきた。そんな悠士は紗雪のことが好きである。紗雪の親友は紗雪が少女漫画のような恋をしたいと思っていることを知っているが「その目つきじゃ無理でしょ」といつも笑われてしまい、惨めな思いをしてきた。

萩原克弥(はぎわら かつや)

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@nagashi_mayutaka9

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