チンジャオ（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ

新世界編から30年前。若かりし日のチンジャオは「錐のチンジャオ」という異名で恐れられていた。懸賞金は5億4200万ベリー。自慢の錐頭に武装色の覇気をまとわせて繰り出す全身全霊の頭突き「錐龍錐釘（きりゅうきりくぎ）」を止められる者などいなかった。「錐龍錐釘」という技の名前は、花ノ国の拳法・八衝拳（はっしょうけん）の奥義を極め、氷の大陸を割る力を得た者に与えられる最強の称号である。チンジャオは、一族が数百年かけてためた財宝を分厚い氷床の下に隠しており、チンジャオの「錐龍錐釘」で氷床を割ることでその財宝を手にすることができた。

当時のチンジャオにはライバルとも呼べる因縁の相手がいた。それが『ONE PIECE』の主人公モンキー・D・ルフィの祖父である海軍中将モンキー・D・ガープだ。チンジャオはガープと幾度も戦いを重ねてきた。しかしある日の戦いで、チンジャオはガープの武装色の覇気をまとわせたゲンコツを錐頭のてっぺんから受けてしまう。そのせいで自慢の錐頭はへこみ、ただの普通の頭になってしまった。これによってチンジャオの「錐龍錐釘」はその強力な威力を失った。チンジャオは氷床の下で輝く一族の財宝をただ眺めることしかできなくなってしまい、涙を流す。

この一件からチンジャオは、ガープを「悪魔のような存在」として嫌悪し、ガープの関係者に強い恨みを抱くようになった。その決意は固く、ガープの子々孫々まで恨みぬくと、チンジャオは決めたのだった。

新世界編

ドレスローザ編

花ノ国の王からの命令で、ドレスローザから流れる武器の密輸を潰すため、チンジャオが所属する八宝水軍は偉大なる航路（グランドライン）にあるドレスローザという国を訪れる。そこでチンジャオ、チンジャオの孫サイ、サイの弟のブーは、コリーダコロシアムで行われる剣闘大会に出場することになった。剣闘大会には、白いヒゲをつけて老人に変装し、ルーシーという偽名を使って剣闘大会に出場しているルフィもいた。チンジャオはルーシーの正体がルフィであるとすぐに気づき、声をかける。チンジャオはガープに恨みがあること、それを子々孫々の代まで恨み続けると決めていることを語り、控室で騒ぎを起こすのはご法度であるにも関わらずルフィに襲いかかった。チンジャオはサイとブーに止められ、その場はなんとか怒りを抑えるのだった。

剣闘大会では、参加者を4組みに分けた予選が行われ、チンジャオ、サイ、ブーは同じCブロックとなった。そしてルフィもCブロックである。予選が始まるとチンジャオはルフィを執拗に攻め続けた。本当ならばサイを予選突破させる手筈だったが、ルフィとの戦いがヒートアップし、サイはその時ルフィにやられて予選敗退となってしまう。Cブロックは最終的にルフィとチンジャオの一騎打ちになった。チンジャオは歴戦の戦士ゆえか、ルーキーを見下す態度を取る。そのせいでルフィの怒りを買った。チンジャオは頭が凹んだ状態で放つ「錐龍錐釘」、「無錐龍無錐釘（むきりゅうむきりくぎ）」をルフィに向ける。対するルフィは「ゴムゴムの象銃（ゴムゴムのエレファントガン）」で対抗した。ルフィの拳はチンジャオの頭に直撃。その威力の反動で凹んでいたチンジャオの頭は元の錐頭に戻った。同時にルフィに敗北し、予選敗退となる。予選後、頭を戻してくれたルフィにチンジャオは深く感謝し、ガープの恨みも綺麗さっぱり消えたのだった。

剣闘大会の敗者は治療と称して医務室に運ばれる。しかしそれは運営側が仕掛けた罠であり、チンジャオ達剣闘大会の敗者は、医務室から地下室へと落とされて閉じ込められてしまった。そしてドレスローザを支配している王下七武海ドンキホーテ・ドフラミンゴ率いるドフラミンゴファミリーの幹部シュガーの、悪魔の実「ホビホビの実」の能力でオモチャに変えられてしまうのだった。オモチャになって自由を奪われてしまったチンジャオ達は、麦わらの一味の狙撃手ウソップがシュガーの意識を喪失させたことで元の姿に戻ることができた。チンジャオを始めとするオモチャにされていた戦士や海賊達は、麦わらの一味への恩返しのため、一味に協力してドフラミンゴファミリー討伐の加勢をすることになる。

チンジャオがドフラミンゴファミリーのラオG（ラオジー）と戦った。善戦するも、ルフィとの戦いの際に再発した持病が悪化し、次第に劣勢へと立たされ苦戦を強いられる。しかし戦いの終盤、隣でドフラミンゴファミリーの戦闘員ベビー5と孫のサイの戦いに首を突っ込んだ。サイが敵であるベビー5に情けをかけ、その上祖国に許嫁がいるにも関わらず、ベビー5を嫁にすることを勝手に決めたからだ。怒ったチンジャオはラオGとの戦闘そっちのけでサイとベビー5に襲いかかる。しかしサイの足技によって復活した錐頭をへし折られ敗北した。自身の錐頭をへし折るほどの覚醒を遂げたサイに、チンジャオは感動して涙を流す。これによって完全に八宝水軍の全権をサイに移譲し、引退を宣言すると共に、自身の技「錐龍錐釘」の技名をサイに与えた。その直後、ラオGの急襲によって倒れ、戦線離脱する。

ドレスローザでの戦いは、ルフィがドフラミンゴを倒したことで幕を下ろす。チンジャオやサイは、共闘した海賊や戦士達と意気投合し、共にルフィの傘下に入ることを望んだ。盃を交わすことを拒むルフィの主張を無視して、八宝水軍の棟梁サイは勝手に”子分盃”を飲み、無理やり麦わらの一味の傘下に入る。くじ引きの結果、サイは麦わら大船団の3番船船長を務めり、チンジャオもまた八宝水軍の一員として麦わら大船団に入るのだった。

扉絵連載「押し掛け麦わら大船団物語」

扉絵連載「押し掛け麦わら大船団物語」では、麦わら大船団の面々がドレスローザを発った後のことが描かれている。

ドレスローザを出たチンジャオ達八宝水軍は、花ノ国へと帰還した。チンジャオの孫・サイの隣には、ドレスローザの戦いを経てサイが妻として娶ることになった元ドフラミンゴファミリーのベビー5がいる。

帰郷早々、サイの許嫁ウホリシアが挙式の日取りについて相談しにやってきた。サイはベビー5のことを話し、婚約を破棄。その落とし前としてサイはウホリシアにボコボコにされてしまった。後日、サイとベビー5は八宝水軍の面々に祝われて結婚式を挙げる。チンジャオは首に蝶ネクタイをつけて、孫の結婚を笑顔で祝っていた。

チンジャオの関連人物・キャラクター

モンキー・D・ガープ

CV：中博史

『ONE PIECE』の主人公モンキー・D・ルフィの祖父。海軍本部の中将であり、「英雄」と呼ばれる海兵である。悪魔の実の能力者ではなく、己の腕っぷしだけで長年大海賊を相手にしてきた猛者。海賊王ゴール・D・ロジャーとも面識があり、ロジャーからは一方的に信頼を寄せられていた。

新世界編の30年前に活躍していたチンジャオと度々戦いを繰り広げていた。ある時の戦闘でガープのゲンコツを頭のてっぺんから食らい、自慢の錐頭がぺったんこに潰れてしまう。錐頭をなくしてしまったチンジャオは、代々受け継いできた宝物庫の扉を開けることができなくなり、それをきっかけにガープに強い恨みを抱くようになる。チンジャオのガープへの恨みはその子孫にまで伝播し、ドレスローザの剣闘大会でルフィが狙われる原因となった。

モンキー・D・ガープ（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

モンキー・D・ガープとは『ONE PIECE』の登場人物。主人公モンキー・D・ルフィの祖父で海軍本部中将。過去の数々の功績から、「海軍の英雄」と呼ばれている。頂上戦争以降は一線を退き、後進の育成にまい進している。ルフィ同様、豪快で自由で明るい性格の持ち主。本人は海軍所属であるが、その親族は海軍の敵が多い。息子のドラゴンは革命軍、孫のルフィとエースは海賊である。海賊に対しては同情の余地なしとしているが、家族に対しては愛情深く海兵という立場との間でせめぎ合う場面もある。

モンキー・D・ルフィ

CV：田中真弓

『ONE PIECE』の主人公の少年。立派な海兵になるために祖父のモンキー・D・ガープに幼い頃からむちゃくちゃな鍛え方をされるが、自由に生きる海賊に憧れ、17歳で海へ出て海賊となった。悪魔の実「ゴムゴムの実／ヒトヒトの実 モデル”ニカ”」を食べた能力者で、全身がゴムのように伸び縮みする。仲間を増やしながら旅を続け、時に強敵と壮絶な戦いを繰り広げ、その首に賭けられた懸賞金はうなぎのぼりに上がっていった。ワノ国編で当時四皇だった百獣のカイドウを倒したことで、懸賞金が15億ベリーから30億ベリーに跳ね上がり、新たな四皇として世界にあらためて名を知らしめた。

ドレスローザでチンジャオと出会い、チンジャオのガープへの恨みをぶつけられる。ルフィにとっては全く関係なく、完全にとばっちりであった。剣闘大会の予選ブロックでチンジャオと戦い、ガープに凹まされたチンジャオの頭を再び錐頭に戻したことでチンジャオと和解する。

モンキー・D・ルフィ（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

モンキー・D・ルフィとは、『週刊少年ジャンプ』の大人気海賊漫画『ONE PIECE』の登場人物であり、主人公。左目の下にある傷と麦わら帽子がトレードマーク。「麦わらのルフィ」という異名を持つ。悪魔の実「ゴムゴムの実」の能力者で、全身が伸び縮みするゴム人間である。
海賊王ゴール・D・ロジャーが残した「ひとつなぎの財宝（ワンピース）」を手に入れて海賊王になるという夢を叶えるために17歳で海に出た。そして愉快な仲間達と共に大海原を冒険するのだった。

サイ

CV：橋本晃一

チンジャオの孫であり、ブーの兄。花ノ国のギャング・八宝水軍の第13代棟梁で、通称「首領（ドン）・サイ」。懸賞金は懸賞金2億1000万ベリー。花ノ国の拳法・八衝拳の使い手である。

チンジャオが高齢になって棟梁を継いでいるが、実力ではまだチンジャオに敵わないところがあった。チンジャオのことを「ジジィ」と呼んでおり、生意気な態度もとるが、嫌ってはいない。ドレスローザでのドフラミンゴファミリーとの戦いで考え方の違いから言い争いになった結果、サイの技がチンジャオを凌駕する。チンジャオは孫のサイの覚醒を喜び、自身の技「錐龍錐釘（きりゅうきりくぎ）」の名を譲った。

サイ（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

サイとは、『ONE PIECE（ワンピース）』の登場人物。西の海（ウエストブルー）の花ノ国出身で、八宝水軍というギャングのメンバー。先代棟梁だった祖父チンジャオが引退し、13代目棟梁を継いだ。懸賞金は2億1000万ベリー。
花ノ国の王の依頼でドレスローザにやってきて、ドフラミンゴファミリーの幹部シュガーの能力によってオモチャに変えられてしまったところを、麦わらの一味に助けられる。ルフィの人柄に惚れ込んだサイは、麦わら大船団3番船船長として、麦わらの一味の傘下に入った。

ブー

CV：高塚正也

チンジャオの孫であり、サイの弟。花ノ国のギャング・八宝水軍の副棟梁である。花ノ国の拳法・八衝拳の使い手である。凶悪そうな見た目とは裏腹に冷静な性格。チンジャオとサイの感情の起伏が激しいので、良き制止役となっている。実力はまだまだ兄のサイに及ばない。