うたわれるもの(散りゆく者への子守唄)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『うたわれるもの』とは、2002年にLeafによって発売されたアダルトゲームを原点として、PS2用ゲームソフト「うたわれるもの 散りゆく者への子守唄」、そしてアニメ、ドラマCD、コミックと広く展開された作品である。舞台は様々な種族、文化が混在する世界。記憶を失い大けがを負った仮面の青年「ハクオロ」は、とある村の少女「エルルゥ」に助けられる。ハクオロは仲間達とともに国を守り、世界と自分の秘密を知り、自らの過酷な運命に立ち向かっていく。

『うたわれるもの』の概要

『うたわれるもの』とは、2002年に Leaf(アクアプラス)より発売されたアダルトゲームで、PS2用ゲームソフト「うたわれるもの 散りゆく者への子守唄(一般作品)」、そしてアニメ、ドラマCD、コミックと広く展開されているファンタジー作品である。
舞台は様々な種族・文化が混在する世界で、ここではないどこかで、今ではないいつか。記憶を失い大けがを負った仮面の青年「ハクオロ」は、とある村の少女「エルルゥ」に助けられる。ハクオロは仲間達とともに国を守り、世界と自分の秘密を知り、自らの過酷な運命に立ち向かっていく。

本作品は主人公「ハクオロ」の視点による一人称形式で展開し、ゲームの流れとしてはアドベンチャーゲーム部とシミュレーションRPG部を交互に繰り返している。
発売された当初はCD-ROM版だった。のちにDVD-ROM版が発売され、2006年10月にはアニメ版声優を起用した、PlayStation 2版「うたわれるもの 散りゆく者への子守唄」が発売された。

2006年4月から、朝日放送(ABCテレビ)により、テレビアニメ版が放送された。またテレビアニメ放送中に開始されたインターネットラジオ「うたわれるものらじお」が関係者の予想を上回る人気番組となり、さまざまな波及効果が見られたことも話題となった。

「うたわれるもの 偽りの仮面」および「うたわれるもの 二人の白皇」は本作の続編にあたる。

『うたわれるもの』のあらすじ・ストーリー

動き出した物語

記憶を失い、瀕死の重傷を負っていたハクオロに、鏡で姿を見せるエルルゥ

ここではないどこか、今ではないいつかの戦国時代。國は分かれ争い、民草が飢え苦しんでいた。
ある山奥ののどかな辺境の村「ヤマユラ」に、瀕死の怪我を負った男が運び込まれた。

男はヤマユラの少女エルルゥに助けられる。男は以前の全ての記憶を失っていたが、顔にはどうやっても外す事の出来ない奇妙な仮面をつけていた。男は「ハクオロ」いう名を、ヤマユラの村長でエルルゥの祖母であるトゥスクルの息子から借り、名乗るようになった。
ハクオロは自分にはないが、村人達に獣のような耳や尻尾がある事や、記憶がないのに製鉄や化学肥料などの高度な知識を覚えていることに疑問を抱き、戸惑いつつも、おおらかで穏やかな村人たちの雰囲気によってヤマユラでの暮らしを少しずつではあるが慣れていっていた。
次第にハクオロはヤマユラの生活を豊かに発展、村を襲った災厄を退けたなどの功績によって村人達の信頼を得て、ヤマユラに無くてはならない存在となっていた。

穏やかで平和なヤマユラの村にも戦乱と貧困の波が襲い掛かる。ヤマユラを統治する國「ケナシコウルペ」が重い税金を強いてきたことや、ヤマユラが反発したことが原因で起こった戦いによって、村人に強く信頼されていたトゥスクルが殺害されてしまった。

トゥスクルの最期

トゥスクルやヤマユラの民の理不尽な死がきっかけでハクオロの中に深く静かな怒りが生まれる。そしてさらに多くの者が犠牲となったことで、ハクオロの怒りは、取り返しがつかなくなると知りながらも解き放たれてしまった。
ハクオロを指導者としてヤマユラの民は立ち上がり、ケナシコウルペに謀反を起こして打ち崩すのであった。そして新たな國「トゥスクル」を建國し、ハクオロは「皇」となった。

続く戦乱

「トゥスクル」を建國し皇となったハクオロの下に、國も種族も異なる様々な者たちが集まり、穏やかで平和な日々が送られるかに見えた。
しかし、まるで誰かの企みが働いているかのように、次々と戦の業火が降りかかり、どんどん拡大していった。
ただ平和のために行動してきたハクオロだったが、結果として戦渦を広げている事になってしまった。ハクオロの逃げ道はもう何処にもなかった。
ハクオロはトゥスクルの「皇」として、仲間たちといまだ終わる兆しの見えない戦の日々に身を投じる事となった。

ハクオロの最後

物語終盤、ハクオロの正体が、遥か昔から存在する神の如き存在「うたわれるもの」であり、亜人間達から「ウィツァルネミテア」と呼ばれ崇められる存在であることが判明する。
「ハクオロ」とは前の大戦で「ウィツァルネミテア」がトゥスクルに告げた名であり、トゥスクルはそれを自分の息子に貰っていた。しかし実際トゥスクルは、大怪我をして担ぎ込まれた時には既にハクオロの正体に気付いていて、ハクオロにその名前を返還していたのだった。つまりハクオロという「白皇(ハク・オウルォ)」を意味する名前は、借り物ではなくて初めからハクオロの名であったのである。
オンカミヤムカイ國の最深部でハクオロと同じくウィツァルネミテアの分身であるディーと精神の統合を行う。大神である自分がこの世に留まってはいけない存在であることを認識したハクオロは、自ら封印されることを選ぶのだった。ハクオロとエルルゥは最後まで互いを想い合っていたが、その気持ちを伝えることはなかった。ハクオロの決して外れなかった仮面は封印が行われたときに外れ、エルルゥの手元に残るのであった。

エピローグでは、誰かの気配に気づいたエルルゥが背後を振り返って微笑むところで物語は幕が閉じる。その人物がハクオロなのかは明かされていない。

ハクオロが封印され、外れることのなかった仮面のみが残り、抱きしめるエルルゥ

『うたわれるもの』の登場人物・キャラクター

トゥスクル

ハクオロ

CV.小山力也

大怪我を負い行き倒れていた青年。エルルゥに助けられ、ヤマユラの集落で介抱された。決して外れない仮面を身につけているが、記憶を失っているため詳細は不明。
回復後、トゥスクルに「ハクオロ」という名を授けられ、村の発展に尽力する。 物腰おだやかで、理知的で自分に厳しい性分。エルルゥに助けられて以来、エルルゥや村を想うようになる。

正体は遥か過去から存在する神の如き存在にして、本作のタイトルになっている「うたわれるもの」である。つまり人間達から大神「ウィツァルネミテア」と呼ばれ崇められる存在である。ハクオロはそのうたわれるものの半身が顕現化した姿、つまりは「空蝉」である。

エルルゥ

CV.柚木涼香

本作のヒロイン。アルルゥの姉。瀕死の重傷を負っていたハクオロを助けたヤマユラの少女。
薬師の卵で、祖母であるトゥスクルから薬学を学んでいる。トゥスクル亡きあとは、トゥスクルに代わってユズハを診ている。
トゥスクルの遺言によってアルルゥとともにハクオロに預けられる。
ハクオロがエルルゥのことを「家族」と説明したこともあり、当初ウルトリィからはトゥスクルの皇后と勘違いされた。
ハクオロとは家族のような関係だが、ハクオロのことを想っている。そのためハクオロがほかの女性たちと良い雰囲気になるとやきもちを焼いている。

アルルゥ

CⅤ.沢城みゆき

エルルゥの妹。無口で人見知りが激しい。しかし一度懐いた相手にはと甘えたり悪戯をしたりする。ハクオロを「おと〜さん」と実の父のように呼び慕っている。
年齢の近いユズハとカミュとは親友で、「アルちゃん」と呼ばれている。
動物と心を通わすことができる能力を持っているため「ヤーナ・マゥナ(森の母)」と呼ばれる。そのためムックル、ガチャタラなどの動物たちはアルルゥによく懐いている。
好物は蜂蜜。カルラと食材の置かれる倉でつまみ食いをする常習犯でエルルゥの手を焼いている。

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