クリミナル・マインド FBI行動分析課(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『クリミナル・マインド FBI行動分析課』とは、アメリカ合衆国の犯罪捜査テレビドラマシリーズ。制作およびプロデュースは、アメリカの作家でありテレビプロデューサーでもあるジェフ・デイヴィス。アメリカの民放テレビ局CBSで放送されていた。FBIの行動分析課(BAU)のメンバーである犯罪プロファイラーたちによる捜査活動を追う。犯人のプロファイルなどの犯罪捜査と共に、個性的な登場人物各々の濃厚なドラマも描かれるところが魅力のシリーズ。
『クリミナル・マインド FBI行動分析課』の概要
『クリミナル・マインド FBI行動分析課』とは、アメリカ合衆国の犯罪捜査テレビドラマシリーズ。アメリカの民放テレビ局CBSで2005年9月22日から2020年2月19日まで放送されていた。BAUは、FBIの国立凶悪犯罪分析センター(NCAVC)の一部門であり、行動分析やプロファイリングを用いて犯罪捜査を行う。ドラマでは、全米の各地で起きている異常な連続殺人事件を、犯人像をプロファイリングや行動分析によって推測し、事件の防止し、解決する。様々な事件の捜査にあたるチームの物語と同時に、メンバーそれぞれの個人的な奮闘も描かれる。
番組には、ある程度決まったパターンがある。冒頭(終わりのこともある)で、格言がナレーターによって読み上げられる。全米各地から殺人事件の捜査協力を依頼する連絡がBAUに届き、BAUメンバーのミーティングの場で、事件についての説明がある。BAUメンバーは、事件の被害者や事件の情報を元に、プロファイリングして犯人像を予測し、犯人の次なる犯行や行動を予測する。BAUが扱うのは、全米各地で起こった連続殺人事件や誘拐事件などで、現場の州警察から協力要請があった事件である。各エピソードの冒頭の格言に続いて、殺人が起こった場面が映しだされることが多い。ミーティング終了後、メンバーは、すぐに荷物をまとめて、BAUの専用ジェット機で現地に向かう。ほとんどの場合、1つのエピソードで1つの事件を扱っており、1話で事件は解決する。扱われる事件は、連続殺人事件が圧倒的に多く、残虐で快楽殺人的な事件も多い。
連続殺人の事件捜査と共に、捜査と同時に進行する登場人物個人のドラマもこのシリーズの大きな魅力の1つである。登場人物のドラマは、事件と密接に絡んで進行することもある。事件解決後はメンバー全員で、ジェット機に乗って帰る場面でエピソードが終わることが多い。ジェット機内での会話は短いものだが、メンバー間で寛いだ雰囲気で交わされることが多く、緊迫した事件捜査とは別の雰囲気が味わえる。メインの登場人物に、一癖も二癖もある魅力的なキャラクターが揃っているところも、シリーズの人気を支えた魅力である。
アメリカのCBS局では、15年間の長期にわたって最も試聴された番組の1つとなった。2005年放送開始のシーズン1から2020年放送開始のシーズン15までの15期。それぞれのシーズンのエピソード数は22~26話だが、シーズン14と15のエピソード数は少なく、それぞれ15話、10話のみ。
シーズン1でのオリジナルのメインキャストは、ジェイソン・ギデオン(マンディ・パティンキン)、アーロン・ホッチナー(トーマス・ギブソン)、エル・グリーナウェイ(ローラ・グラウディーニ)、デレク・モーガン(シェマー・ムーア)、Dr.スペンサー・リード(マシュー・グレイ・ギュブラー)、ジェニファー・ジャロウ(A・J・クック)、ペネロープ・ガルシア(カーステン・ヴァングスネス)の7人である。しかし、シーズンが進んでいくうちに、メンバーの入れ替わりなどキャストに大きな変化がある。シーズン1以降に加わるキャストや、入れ替わるキャストは、エミリー・プレンティス(パジェット・ブリュースター)、デイヴィッド・ロッシ(ジョー・マンテーニャ)、アシュレイ・シーヴァー(レイチェル・ニコルズ)、アレックス・ブレイク(ジーン・トリプルホーン)、ケイト・キャラハン(ジェニファー・ラヴ・ヒューイット)、Dr.タラ・ルイス(アイシャ・タイラー)、ルーク・アルヴェス(アダム・ロドリゲス)、スティーブン・ウォーカー(デイモン・ガプトン)、マシュー・シモンズ(ダニエル・ヘニー)。
『クリミナル・マインド FBI行動分析課』のあらすじ・ストーリー
シーズン初期(ジェイソン・ギデオンの登場から辞職)
ベテランプロファイラーのギデオンを中心に活躍するBAU
行動分析課(BAU)は、バージニア州クワンティコにあるFBIの一部門だ。犯罪者の特徴や行動を分析することで、犯人の人物像や行動を予測する。BAUのメンバーはプロファイリングや犯罪捜査のエキスパートだ。ドラマで扱う事件は、誘拐絞殺事件、連続放火事件、爆破事件、暴行殺害事件、一家惨殺事件、児童誘拐事件、連続殺人事件など多岐にわたる。
1話で起こったシアトルでの連続殺人事件の捜査で、ベテランのプロファイラーであるジェイソン・ギデオン(BAU上級捜査官)が現場に復帰する。ギデオンは過去に自分の判断ミスで部下を失ったことがあり、しばらく現場を去っていた。シーズン1途中頃から、BAUチームの一員であるデレク・モーガンと、同じくチームの一員のペネロープ・ガルシアの間で、コミカルで思わせぶりなやりとりが見られるようになる。モーガンとガルシアは「ベイビー・ガール」、「チョコレートサンダー」などと呼び合うなど、恋愛関係を思わせるような艶っぽい会話をするが、あくまで冗談であり、2人の間にあるのは友情である。BAUのメンバーのまた別の一員のスペンサー・リードは、ドラマのシーズンが始まった当初は、何事においてもうんちくを長々と語る頭でっかちの人間だった。しかし、射撃の適性試験のためにBAUチームを率いるアーロン・ホッチナー(通称ホッチ)から訓練を受け(第6話)、次第に捜査官らしくなっていく。
第7話でホッチとヘイリー夫妻に男の子が誕生するが、ホッチが多忙すぎるために夫婦関係が徐々に悪化していく。第16話「虐殺の儀式」では、ホッチの弟であるショーンがゲストで登場する。ショーンは父や兄と同じく法の道を進むことになっていたが、料理人になることにしたと兄に伝える。最初は弟を引き留めようとしていたホッチだったが、最後には弟の意志を尊重した。
エミリー・プレンティスのBAU加入
シーズン2の登場人物は、ジェイソン・ギデオン(BAU上級捜査官)、アーロン・ホッチナー(BAUユニットチーフ、通称ホッチ)、エル・グリーナウェイ(エピソード6で辞職)、エミリー・プレンティス(エピソード9から)、デレク・モーガン、Dr.スペンサー・リード、ジェニファー・ジャロウ(通称JJ)、ペネロープ・ガルシアの8人である。シーズン1の最終話にあたる第22話「地獄からの挑戦状(前編)」において、BAUチームの一員であるエル・グリーナウェイは、ジャマイカで休暇中に殺人事件の容疑者として拘束される。容疑が晴れてBAUに戻った彼女だったが、殺人事件の真犯人に撃たれてしまい、生死の境をさまよう。エル・グリーナウェイは回復後トラウマを抱えながらも任務に就くが、第6話「森の中の殺人鬼」でレイプの容疑者を射殺し、その後辞職した。その後で代わりにBAUに入ったのがエミリー・プレンティスである。
第18話「ニューオーリンズの切り裂きジャック」で、BAUチームの一員であるジェニファー・ジャロウは、捜査で出会ったニューオーリンズの刑事、ウイリアム・ラモンテーン・Jrと付き合うようになる。第12話「疑惑のプロファイラー」では、BAUチームの一員であるデレク・モーガンが生まれ育ったシカゴに帰省した際に殺人事件の容疑者となる。そして事件の捜査から、モーガンが少年時代に通っていたユースセンターの関係者から虐待を受けていたことが明かされる。シーズン最終話の第23話では、連続殺人犯フランクが、ギデオンの恋人サラを殺害した。殺されたサラを発見した際のギデオンが血だらけだったことから、ギデオンは容疑者にされてしまった。
シーズン中期(ユニット・チーフのアーロン・ホッチナーの活躍)
ギデオンからホッチナーへとリーダーが代わったBAU
シーズン3は第1話「ギデオンの決意」を最後にギデオンがBAUを去る。
シーズン2最終話で、ギデオンは恋人のサラを殺人犯フランクに殺害され、深い心の傷を負っていた。そんなとき、アリゾナ州で女子大生ばかりが被害者となる連続殺人事件が起こった。初期のプロファイルで犯人だと推測された大学の警備員が警察によって拘束されたが、その間に新たな犠牲者が出てしまう。プロファイルで示唆された警備員が犯人だとギデオンは考えたが、物証はなかった。弁護士の要請もあって拘束されていた警備員は釈放された。実は新たな殺人は、自殺願望のある女子大生による模倣殺人だった。自殺願望のある女子大生は、釈放された警備員に接触し、女子大生連続殺人事件の犯人である彼に自分を殺してもらおうとする。BAUは警備員と女子大生を追跡したが、女子大生はBAUチームの制止を振り切って自死する。この事件により、ギデオンはプロファイラーとしての自信を失い、BAUを去る決意を固める。
こうしてギデオンが去った代わりに、BAUにデイヴィッド・ロッシ(監督特別捜査官、特別捜査官の2つ上の階級)が加わる。その後は、ホッチナーがBAUのチーフとなる。デイヴィッド・ロッシが登場するのは、第6話「伝説のプロファイラー」である。BAUチームのメンバーでの大きな動きとしては、BAUのチーフであるアーロン・ホッチナーが多忙な仕事が原因で夫婦関係が上手くいかなくなり、妻ヘイリーが息子を連れて出て行く(第3話「おびえて眠れ」)。
シーズン4第1話はシーズン3の最終話である第20話「ニューヨークに潜む罠」の続きから始まる。ニューヨークで発生した無差別連続殺人事件。その殺人方法は22口径の銃で顔を撃つというもので、BAUによるプロファイリングの結果、犯人は複数おり、テロの準備として警察の動きを把握するために起こした犯行だとわかったのだった。BAUチームメンバーに関連して起きる出来事としては、BAUチームの一員であるスペンサー・リードが、自分の父親が幼なじみの少年の殺害犯ではないかという積年の疑いを晴らした(第7話「悪夢の結末」)ことがある。また、ジェニファー・ジャロウは、交際していたラモンテーン・Jrとの間に男児を出産した。シーズン4、5共に、BAUのメンバーは、アーロン・ホッチナーをチーフとし、デイヴィッド・ロッシ、エミリー・プレンティス、デレク・モーガン、Dr.スペンサー・リード、ジェニファー・ジャロウ、ペネロープ・ガルシアの7人である。ホッチナーの妻ヘイリーは、シーズン4と5に登場するシリアルキラーのジョージ・フォイエット(通称リーパー)によって殺害される(シーズン5第9話「死に神との決着」)。
ジェニファー・ジャロウの異動とエミリー・プレンティスの苦闘
シーズン6の放送開始前に、JJことジェニファー・ジャロウ役のA.J.クックがシリーズから去ると発表されたが、ファンからの要望により、スペシャルゲストとして第1話と第2話に出演した。第2話「JJ」は、JJが国防総省からの異動要請を2度も断っており、そのことをBAU課長のエリン・ストラウスに知られて揉めるところからエピソードが始まる。JJはBAUに残ることを希望していたが、第2話の最後で結局BAUを去って国防総省に異動する。エミリー・プレンティス役のパジェット・ブリュースターもレギュラーメンバーとして18話「もう一人のプレンティス」に出演した後、シリーズから去る。その他のBAUのメンバーはシーズン4~5と同様である。
第10話「シリアルキラーの娘」では、FBI研修生アシュレイ・シーヴァーが登場した。また、プレンティスはインターポール時代の上司から、過去に関わっていた人物(イアン・ドイル)について連絡を受ける(第13話「殺人カップル」)。その後、第14~16話と進むにつれて過去のプレンティスとドイルとの対決が明かされていき、新たに起こる事件にも巻きこまれていく。
第17話「過去からの暗殺者」の最後でプレンティスはBAUを去る。前話(第16話)でプレンティスはドイルから「お前に大切な物を奪われたから、お前の大切な物を奪ってやる」と脅され、不安に感じていた。しかし、プレンティスはBAUチームのメンバーを巻きこまずに1人でドイルとの決着をつけようと考えながらBAUの捜査にあたる。その捜査とは、ワシントンDCで起きた2件の爆破事件についての捜査だった。当初、一家心中とみられており、2件の爆破事件とは関連がないと思われていたが、被害者の家族にヨーロッパ出身者がおり、死ぬ直前に同じイギリス人に電話をかけていたことが判明する。プレンティスとモーガンは、そのイギリス人宅を訪れるが、すでに殺害されていた。2つの事件のことを報道していた唯一の記者にガルシアが接触したところ、事件にはCWSという名のスイスの民間諜報会社が絡んでいることがわかった。爆破事件で死んだのはCWSの社員と家族だった。CWSは、以前、IRAのリーダーを捕えたことがあった。それがイアン・ドイルだった。CWSによって捕えられたイアン・ドイルは北朝鮮の政治犯収容所に収監されていたが脱獄し、自分の追跡や逮捕に関わった捜査員すべてに対する復讐を行っているとわかった。BAUチームのメンバーは、捜査のかたわら、様子のおかしいプレンティスを心配するが、プレンティスはメンバーに打ち明けない。そしてメンバーに被害が及ぶのを恐れてプレンティスは誰にも言わずにBAUを去る。
その後、プレンティスはBAUメンバーには死んだと思われていたが、実際は生きていた(実はホッチとJJだけは生きていることを知っていた)。プレンティスは、シーズン7でBAUに復帰し、最終話の第24話で再びBAUを去る。一方、JJがBAUメンバーとして再度復帰する。また、JJは、パートナーであり息子の父親であるウィリアム・ラモンテーン・Jr刑事と最終話で結婚する。その他の大きな動きとしては、ロッシが1番目の妻と再会するエピソードがある(第5話「母と子」)。ロッシが、毎年、自分の誕生日に刑務所にいるシリアルキラーと面会をしていることも明かされる(第22話「プロファイラー入門」)。妻の死後、独りでいたホッチに新しい恋人が現れたり(第10話「血に染まった拳」)、ガルシアが恋人からプロポーズされるというエピソードもある(第17話「禁断の果実」)。
天才Dr.スペンサー・リードの悲しい恋
シーズン7でBAUを去ったエミリー・プレンティスの代わりに、シーズン8の第1話で、Dr.アレックス・ブレイクがチームのメンバーに加わる。その他のメンバーは、シーズン4~5と同じである。
ブレイクは、かつてエリン・シュトラウス(BAUセクションチーフ)と共に炭疽菌事件を捜査したことがあったが、シュトラウスに誤認逮捕の責任を押しつけられて左遷された過去がある。ブレイクはそのことをシュトラウスから謝罪された。ブレイクは過去のことと受け流したが、同じくブレイクと共に炭疽菌事件を捜査していて左遷されたジョン・カーティス(犯人レプリケーターとしてBAUメンバーに近づく)はシュトラウスを恨んでいた。カーティスは第23話でシュトラウスが宿泊していたホテルに侵入する。その後、シュトラウスはカーティスに毒入りワインを飲まされて命を落とす(シーズン8最終話第24話)。
シーズン8で大きな見所となっているのが、スペンサー・リードの恋愛である。第4話「神コンプレックス」でリードが捜査中に公衆電話から電話した相手は、想っていながらまだ会ったことがないメイヴという女性だった。第10話「人形遣い」で初めて女性とデートすることになったリード。しかし、デートの待ち合わせ場所のレストランに、メイヴにつきまとっていた元婚約者(リードから見ると、この時点ではストーカー)が来ていることにリードが気づいて忠告したことで、2人のデートと初対面は実現しなかった。その後、メイヴにつきまとっていた本当のストーカーは、メイヴの元婚約者のガールフレンド、ダイアン・ターナーだということがわかる。リードは、ターナーに拉致されたメイヴを助けに向かうが、ターナーはメイヴを道連れに自殺する。リードは初めてメイヴと対面を果たしたその日に、想い人だったメイヴを失うことになった(第12話「ツークツワンク」)。
シーズン8でBAUセクションチーフだったシュトラウスが死んだため、後任としてホッチがつく可能性があったが、ホッチは捜査員である現職に留まる(シーズン9第1話、第2話「インスピレーション前編・後編」)。BAUセクションチーフには、マテオ・クルーズが就任する。じつはJJは国務省に勤務していたときにマテオ・クルーズと任務を共にしたことがあった。そのときの任務の関係でクルーズとJJは拉致され(第14話「200」)、BAUはインターポールにいるプレンティスに助けを求める。また第12話「ブラッククイーン」は、元ハッカーで、ブラッククイーンと名乗っていたガルシアの過去が関わる事件である。動物実験を行っていた化粧品会社をハッキングしたことでガルシアはFBIに逮捕されるが、その際にホッチにリクルートされたという、ガルシアがBAUに加わった経緯が明かされる。シーズン8からメンバーに加わっていたブレイクは、シーズン9の最終話でBAUを去る。
シリーズ後期(次々とBAUを去っていくメンバーたち)
デレク・モーガンを襲う危機
シーズン9最終話でBAUを去ったブレイクの代わりに、第1話からケイト・キャラハンがチームに加わる。キャラハンは第17話「禁断のプレイ」でメンバーに妊娠したことを告げているが、第23話「人身売買」で、生まれてくる子と姪のメグのことを考えてBAUを去る。第9話「宿命のナイフ」では、ロッシが自分に娘がいたことを知る。それは外交官だった2番目の元妻との間にできた娘で、娘はすでにイタリア人と結婚しており、彼との間に男の子まで授かっていた。第11話「永遠の人々」では、JJが国防総省時代の任務が原因で(第14話「200」)PTSDを発症していたことが明かされる。第13話「ギデオンの遺言」では、シーズン3でBAUを去ったギデオンが自宅の山小屋で死んでいるところを発見される。その殺害犯は、40年前にギデオンとロッシが捜査した未解決事件の犯人だった。BAUメンバーは執念で犯人をつきとめる。
シーズン11の第1話からタラ・ルイスがBAUメンバーに加わる。シーズン11はBAUチームの中でも存在感が大きいモーガンが去るのが最大の出来事だといえる。第7話「危険なキャンパス」では、モーガンが服役中の犯人から次の殺しのターゲットを聞き出し、それが「ダーティ・ダズン」であるとわかる。それがガルシアのことを意味すると考えたBAUチームは、ガルシアの安全を保証するためにガルシアをBAUチームの施設内に寝泊まりさせる。第16話「デレク」では、第15話の最後に電話で恋人のサヴァンナとの会話中に誘拐されたデレク・モーガンをBAUチームが救出する。この事件でモーガンは激しい拷問を受ける。その後モーガンは復帰するが、次は恋人のサヴァンナが狙われる(第17話でサヴァンナの妊娠を知ったモーガンはプロポーズし、サヴァンナはこれを受け入れてモーガンの妻となった)。サヴァンナは重傷を負い、モーガンはサヴァンナと生まれてくる子のことを考えてBAUを去る(第18話「美しき惨事」)。第19話「模倣犯」で、インターポールにいるプレンティスが自らの追う模倣犯(コピーキャット)がニューヨークで事件を起こしたと考え、ホッチナーに連絡してBAUメンバーと共に捜査を行う。最終話第22話では、突然、ホッチナーが爆破テロの疑いで逮捕される。それは、過去のシーズン10第21話「かぎ爪の悪魔」でホッチナーが関わったスクラッチ男ことピーター・ルイスが計画した大規模爆破テロだった(第22話「嵐」)。それにより、3つの刑務所から合わせて13人のシリアルキラー(連続殺人犯)が脱獄に成功していた。
スペンサー・リードの困難とエミリー・プレンティスのリーダーシップ
シーズン12第1話「クリムゾンキング」では、逃亡者追跡専門の捜査官だったルーク・アルヴェスがBAUチームに加わり、シーズン11最終話で脱獄したシリアルキラーのうち8人が逮捕された。また、これまでのシーズンでBAUチームのユニットチーフだったホッチナーは、第2話「深夜の語らい」を最後に、BAUを去る。第3話「タブー」から、特別任務としていなくなったホッチナーに代わるユニットチーフとして、プレンティスがBAUチームに復帰する。第8話「案山子」からスティーヴン・ウォーカーが捜査官としてチームに加わる。第13話「スペンサー」では、リードがメキシコで逮捕され、プレンティスとロッシとアルヴェスは現地に向かう。第15話「獄中の洗礼」で、リードは定員オーバーの拘置所から刑務所に移送され、一般棟に入れられて新人いじめに遭う。第21話「グリーンライト」では、過去にBAUが捜査した事件の被害者リンジー・ヴォーンが連続殺人犯として登場し、リードの母親ダイアナを誘拐する。またこの21話でリードは疑いが晴れて釈放される。シーズン12最終話第22話で、リードとガルシア以外のメンバーは、車2台に分かれて捜査に向かう途中で、犯人が道路に仕掛けた罠によって事故を起こす。
この事故でBAUメンバーがどうなったかは、シーズン13の第1話「出発」で明らかになる。ルイスは重傷で、スティーヴン・ウォーカーは死亡していた。また、プレンティスは誘拐されていた。ロッシとJJも怪我を負う。ルイスはプレンティスを連れ去った犯人の顔を目撃しており、それは過去(シーズン10第21話「かぎ爪の悪魔」)にBAUが逮捕した、薬物を使って被害者の記憶を奪うスクラッチ男ことピーター・ルイスだった。この事件を機にホッチナーが証人保護プログラムに入りBAUを去る。また、死亡したスティーヴン・ウォーカーの代わりに、シーズン13からBAUに、国際犯罪特別捜査員だったマット・シモンズが加わる。
第5話「ラッキー・ストライク」では、捜査中の殺人事件の被害者が、10年前に捜査した殺人犯を思いださせるものだったため、ガルシアがPTSDを起こす。ガルシアはその10年前の捜査の頃、デートした相手に撃たれたことがあり(シーズン3第9話「ペネロープ」)、そのときのことを思いだしたのだった。そんなガルシアを元気づけるために、JJがモーガンを呼び、ガルシアは元気を取り戻す。第13話「杖とヘビ」では、捜査後にJJが国家保安部のリンダ・バーンズ副部長から呼び出され、プレンティスが内務調査の対象になって休職となるため、JJがBAUセクションチーフの職務を代行するようにと言われる。第14話「悪霊の棲む家」では、事件の捜査と並行して、プレンティスに対するバーンズによる聴取が行われる。じつはリンダ・バーンズには、BAUを支配下に置いて出世に利用するという野望があった。プレンティスはバーンズから、リードがメキシコで容疑者となった際の捜査で見過ごせない点があったと追及され、ウォーカーの死についても責任を問われる。プレンティスはチームを守るために身をひく決意をしてBAUから離れる。BAUチームのメンバーは、バーンズによってプレンティスが異動、リードは教鞭を執る役職に異動、JJはBAUのセクションリーダー、ガルシアとタラは異動、ロッシは引退を無理強いされる。リードはチームから身を引いたプレンティスの自宅を訪れ、復帰するように説得する。プレンティスはリードの説得に感じ入ってバーンズと戦ってチームへの復帰を目指すことを決意する(15話「シェアハウスの殺人」)。第16話「最後の抵抗」は、BAUのメンバーそれぞれの配属先でのスタートとなるが、同エピソード最後ではプレンティスがリーダーに復帰し、BAUチームは完全復活する。第18話には、ロッシの3番目の元妻であるクリスタル・リチャーズとその娘が登場する。シーズン13最終話第22話「信じる者たち」ではカルト教団が関与してガルシアが人質に取られる。
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目次 - Contents
- 『クリミナル・マインド FBI行動分析課』の概要
- 『クリミナル・マインド FBI行動分析課』のあらすじ・ストーリー
- シーズン初期(ジェイソン・ギデオンの登場から辞職)
- ベテランプロファイラーのギデオンを中心に活躍するBAU
- エミリー・プレンティスのBAU加入
- シーズン中期(ユニット・チーフのアーロン・ホッチナーの活躍)
- ギデオンからホッチナーへとリーダーが代わったBAU
- ジェニファー・ジャロウの異動とエミリー・プレンティスの苦闘
- 天才Dr.スペンサー・リードの悲しい恋
- シリーズ後期(次々とBAUを去っていくメンバーたち)
- デレク・モーガンを襲う危機
- スペンサー・リードの困難とエミリー・プレンティスのリーダーシップ
- BAUチーム内にあった衝撃的で密かな愛
- 『クリミナル・マインド FBI行動分析課』の登場人物・キャラクター
- BAUユニットのメンバー
- ジェイソン・ギデオン(演:マンディ・パティンキン)
- アーロン・ホッチナー(演:トーマス・ギブソン)
- デヴィッド・ロッシ(演:ジョー・マンテーニャ)
- エル・グリーナウェイ(演:ローラ・グラウディーニ)
- エミリー・プレンティス(演:パジェット・ブリュースター)
- デレク・モーガン(演:シェマー・ムーア)
- Dr.スペンサー・リード(演:マシュー・グレイ・ギュブラー)
- ジェニファー・ジャロウ(演:A.J.クック)
- ペネロープ・ガルシア(演:カーステン・ヴァングスネス)
- Dr.アレックス・ブレイク(演:ジーン・トリプルボーン)
- ケイト・キャラハン(演:ジェニファー・ラブ・ヒューイット)
- タラ・ルイス(演:アイシャ・タイラー)
- ルーク・アルベス(演:アダム・ロドリゲス)
- スティーヴン・ウォーカー(演:デイモン・ガプトン)
- マット・シモンズ(演:ダニエル・ヘニー)
- BAUユニットおよびFBI関係者(チームの主要メンバー以外)
- エリン・ストラウス(演:ジェイン・アトキンソン)
- マテオ・クルーズ(演:イーサイ・モラレス)
- アシュレイ・シーヴァー(演:レイチェル・ニコルズ)
- ジョーダン・トッド(演:メタ・ゴールディング)
- ハロウェイ(演:リサ・ペッシャ)
- グラント・アンダーソン(演:ブライアン・アップル)
- ケヴィン・リンチ(演:ニコラス・ブレンドン)
- リンダ・バーンズ(演:キム・ローズ)
- BAUユニットメンバーの家族など
- ヘイリー・ホッチナー(演:メレディス・モンロー)
- ウイリアム・ラモンテーン・Jr(演:ジョッシュ・スチュワート)
- サヴァンナ・ヘイズ(演:ロシェル・エイツ)
- ダイアナ・リード(演:ジェーン・リンチ)
- ジャック・ホッチナー(演:ケイド・オーウェンス)
- ヘンリー・ラモンテーン(演:メカイ・アラン・アンダーソン)
- マイケル・ラモンテーン(演:フェニックス ・スカイ・アンデルセン)
- エリザベス・クレモンズ(演:ベラミー・ヤング)
- ジョイ・ストラザース(演:アンバー・スティーヴンス)
- 『クリミナル・マインド FBI行動分析課』の用語
- アメリカ連邦捜査局(FBI)
- プロファイリング
- シリアルキラー
- 『クリミナル・マインド FBI行動分析課』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- メイヴ「抱きしめてほしいの。記憶のカケラになる前に」
- モーガン「何が何でもと頑張ってたとえどんなに一生懸命やっても どれだけ上手く事件を解決したとしても これには終わりがないんだ」
- リード「人は理論を事実に合わせず、理論に合わせて事実を歪める。シャーロック・ホームズも言ってました」
- 『クリミナル・マインド FBI行動分析課』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 作品の暴力性を嫌って役を降りたジェイソン・ギデオン役マンデイ・パティンキン
- シーズン16にあたるクリミナルマインド・リバイバル版の配信決定
- 自ら役を降板したシェマー・ムーア
- ホッチ役トーマス・ギブソンの降板理由は解雇
- 実子と共演したA・J・クック
- 視聴率低下による番組終了
- 『クリミナル・マインド FBI行動分析課』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):M. A.Mancina/M. R.Fantini/S. E.Gordon/S. Fantini「Theme from Criminal Minds」