あひるの空の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『あひるの空』とは、身長の低い主人公車谷空がバスケットボールで奮闘する姿を描いた青春スポコン漫画。高校で不良ばかりが集まるバスケ部を立て直し、全国大会出場を目指す。仲間やライバルと切磋琢磨しながら成長していくが、途中で挫折も味わうこととなる。高校生達の想いや周りで支える大人達の名セリフは、日々何気なく過ごしている日常を刺激するような、心に深く残るものも多い。

「この先どんな結果が待ち受けているとしてもそこに後悔はないと信じている」

高校で空の試合を初めて見た由夏は、素人ばかりで結成されたチームで上がっていくのは難しいことを、由夏の友達であり、横浜大栄高校の監督をしている酒巻呼人(さかまきよひと)に言われる。しかし、その言葉を跳ね返すかのように、このチームでバスケをすることを選んだのは空自身だと伝える。そして、「この先どんな結果が待ち受けているとしてもそこに後悔はないと信じている」と強い気持ちを伝えた言葉である。病気でバスケが出来なくなってしまった由夏であったが、母親として、空のこれからの未来は明るいことを信じているという希望に満ちた言葉である。自身は先が長くないことも知っている中で、空のこれからの未来を見ることは出来ない。だからこそ、誰よりも空の選択を尊重し、応援していることが伝わるのである。

「普通じゃダメなのよ」

空が試合中体力が無くなり、倒れてしまう姿を見て、母親である由夏は「受験で忙しいのを理由に怠けていたな」と言う。それに対して、円は、「それって普通だと思うんですが」と伝える。それを聞いて返した言葉が「普通じゃダメなのよ」である。バスケの選手で身長が小さいことは致命傷であり、他の人と対等に競い合っていくには、みんなと同じことをしていては意味がないと言う。この物語は、小さい選手が努力しながら上を目指して奮闘する姿が描かれている。普通にやっていても普通のバスケプレーヤーにはなれないことを伝え、努力と工夫が必要であることは、物語を通して作者が伝えたかったのではないかといわれている。

上木鷹山の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「今動かずにいつ動けっていうんだ!!」

強豪バスケ部の横浜大栄高校と九頭龍高校との練習試合で、上木鷹山はベンチ外でその試合の行方を見つめている。空とほとんど同じ身長であり、決して体格にも恵まれていない鷹山。空のプレイスタイルが気になる様子を見せる。そして、空が3ポイントシュートを連発し、活躍すると、居ても立ってもいられなくなってしまう。そして、ベンチ外から「僕を使ってください」と監督にお願いする。ベンチ外のメンバーから試合に出せないことを伝えられた時に言った言葉が「今動かずにいつ動けって言うんだっ!!」である。鷹山はずっと控え選手でありながらも、身長差や体格差を埋めようと誰よりも努力してきた。控えめな性格であり、表に出ることは無かったが、空には負けたくない、空と戦いたい、空に自分のプレイを見てほしいと言う強い気落ちを出した瞬間である。気持ちが身体を動かし、行動に移すことが出来て、空とのマッチアップが実現した見応えのある場面である。

車谷智久の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「人がもうダメだっていう限界ギリギリのラインなんてこんなもんじゃない」

女子バスケ部では厳しい合宿練習が行われ、今まで本気で向き合い練習して来なかった部員達は、体力に限界が来ていた。「もう走れません」と言う部員に対して九頭龍高校女子バスケ部の監督である車谷智久(くるまたにともひさ)が言った言葉が「人がもうダメだって言う限界ギリギリのラインなんてこんなもんじゃない」である。自分の思う限界が実際には限界ではなくまだまだやれるということと、目指していた何かを断念する時に人が理由をつけるのは、その方が楽だからということを教えてくれる言葉で心に残る。ダメな時には、理由をつけ、何かのせいにして諦めることが多いが、それでは前に進めないと改めて実感させられる名セリフである。

「走りっぱなしの奴なんてこの世にいない。進んで止まって、止まって進んで、人はそれを歩みと呼ぶのだ」

男女合同合宿が行われている中、練習のきつさに限界がきていた女子バスケ部員は「男子と同じメニューをこなすのはきつい」と監督である智久に伝える。智久は、「人がもうダメだと思う限界ギリギリのラインはこんなものじゃない」と伝えた上で、「まだ走れるな?」と女子部員に問いかける。限界を感じながらも進んだり、止まったりしながら人は生きていく。「走りっぱなしの奴なんてこの世にいない。進んで止まって、止まって進んで、人はそれを歩みと呼ぶのだ」の場面から、走り続けることの大切さ、途中で立ち止まることの大切さ、それを繰り返すことで「歩み」となり、「成長」していくのだと感じられる印象に残る場面である。

「人は悲しい時や苦しい時に一番強くいなきゃいけない」

悩みを抱えていた円は、バスケの試合でも調子が出ずにベンチに下がっていた。その時に、監督である智久が言った言葉が「人は悲しい時や苦しい時に1番強くいなきゃいけない」である。誰でも気になることがあって、体調を崩したり、調子がでないことがある。そんな時こそ、人が強くいないといけない理由は、弱さのせいで心の負担が連鎖していってしまったらこれから先の未来強くあることが難しくなる。苦しい時や悲しい時こそ、弱さを見せずに強くあり続けることが大切だと教えてくれる言葉である。

「毎日必死で練習しているのは、勝つためじゃなく、負けないためにやっているんだ」

バスケでどうやったら勝てるかと女子部員に尋ねた時の答えとして「説明できない」が正解だと語る。しかし、負けることは「向上心を失くす」「努力を怠る」などあらゆる要素が負けに直結すると説明ができる。そのことから、智久が部員に伝えたことが「毎日必死で練習しているのは、勝つためじゃなく、負けないためにやっているんだ」である。頑張るっているのは勝ち続けるためだと思う人も多いが、負けないことを意識することで、どう行動したら良いかを具体的に考えることができる。最後まで負けなかったチームが勝つと言うことは、最後まで負けないように考え、努力し続けたチームが勝つと同義語とも取れる。勝つことではなく負けないことの意味を考えさせられた深い言葉である。

高橋克己の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「自分で選んだんだろ?迷うなよ」

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