あひるの空の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『あひるの空』とは、身長の低い主人公車谷空がバスケットボールで奮闘する姿を描いた青春スポコン漫画。高校で不良ばかりが集まるバスケ部を立て直し、全国大会出場を目指す。仲間やライバルと切磋琢磨しながら成長していくが、途中で挫折も味わうこととなる。高校生達の想いや周りで支える大人達の名セリフは、日々何気なく過ごしている日常を刺激するような、心に深く残るものも多い。

『あひるの空』の概要

『あひるの空』とは、バスケを通して高校生の青春の日々を描いた作品である。2004年に『週刊少年マガジン』で連載が開始された。累計部数が2400万部以上の大人気の漫画であり、連載開始から15年でテレビアニメ化もされている。
身長149cmの主人公車谷空(くるまたにそら)は、バスケが大好きで、幼い時からバスケに青春を捧げてきた。他の大型プレイヤーと対等に戦えるように3ポイントシュートを極めて努力してきた。神奈川の九頭龍(くずりゅう)高校に入学を決めたのは、入院している母の病院が近いという理由であった。バスケの試合で優勝したらすぐに報告し、会いに行けるからである。しかし、九頭龍高校バスケ部は、不良の溜まり場となっており、活動をしていなかった。そんな中でも、みんなでバスケをしようと呼びかけることで徐々にチームとしてまとまっていく。個性豊かなチームメイトやライバルが次々と登場し、九頭龍高校バスケ部は少しずつ前進していくのである。この漫画は、バスケットボールを通しての青春の日々を描いているだけではなく、部活動で起こりうる問題や部員の恋愛、家庭環境やいじめの背景など、登場人物の心情が詳細に描かれており、故に名言が多い作品となっている。

車谷空の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「僕は勝ちたい」

九頭龍高校に入学した空は、不良が集まるバスケ部を立て直し始めての試合に臨む。圧倒的不利な状況での試合の中で、空が口にした言葉が「僕は勝ちたい」である。5人しかいないチームで1人が退場となり、チームみんなが諦めている時に、空だけは諦めていない。売られた喧嘩だから最後まで逃げずに戦いたいと強い気持ちが表れる名場面。この言葉で、諦めかけていたチームは再度戦い続けることとなり、無事に試合を終えチームとして確立していく。ここから九頭龍高校バスケ部の物語が始まっていくのである。

「それでも前に進むしかないじゃん」

監督も一流で、バスケ部専用の体育館もあるが、それでも全国制覇をしたことは1度もない高校を知っているという九頭龍高校バスケ部チームメイトの健二(以下トビ)は、全国大会出場の目標の遠さを実感している。九頭龍高校のバスケ部で、本当に全国大会に行けるのか、不安と迷いがあるトビに空が言ったセリフが「それでも前に進むしかないじゃん」である。今、目の前の目標がどんなに遠くても少しずつ前に進んでいき、目標に近づいていくことが大切であることを簡潔に伝えた言葉である。目標をただの目標として終わらせるのか、目標に向かって前進するのかは、自分の意志次第である。進むことをやめなければ、目標が叶うかもしれないという希望が持てることを教えてくれる名セリフである。

「母さんにありがとうって言いたかったんだ」

公式試合1回戦、新城東和(しんじょうとうわ)戦で惜しくも負けてしまった九頭龍高校。試合の後、空の母親の病気が悪化し死が間近に迫っていた。空は、急いで病院に駆けつけ母親と話をすることとなる。母親の由夏(ゆか)は、バスケをする上で欠かせない身長を持ち合わせていない空に「大きく産んであげられなくてごめんね」と最期に自分の後悔を伝える。それに返した言葉が「母さんにありがとうって伝えたかったんだ」である。小さいからこそ周りに注目されるし、小さいからこそ誰よりも頑張って努力できたことを感謝し、親子での最後の時間を過ごす。2人は病室で涙しながらお互いの素直な気持ちを伝える感動的な名場面である。高校生で思春期の男の子の空は、母親に感謝しながらも恥ずかしくて面と向かってお礼が言えなかった。いつも強がってばかりだったが、この時は空の溢れる感謝の気持ちがはっきりと伝わる。

「これからは自分の足でコートに立つんだ」

空が長い間大切に使っていたバスケットシューズは、亡くなった母親の由夏のお下がりであった。そのシューズに穴が空いた時も買い替えではなく修理に出すほど大事な物であった。由夏が亡くなった後に、空が九頭龍高校バスケ部に戻って来た時、新しいシューズに入れ替えた。その時に言ったセリフが「これからは自分の足でコートに立つんだ」である。母親の由夏と共に歩んできた空のバスケットボール人生は一旦終止符をうち、これからは、自分自身がしっかりとバスケと向き合うという強い決意が表れた言葉であり、今後の空の成長へと繋がっていく名セリフである。

「日本で最高の最小プレーヤーになってやる」

横浜大栄高校との練習試合で、上木鷹山(かみきようざん)と出会った。彼も空と同様身長が低く強豪チームでバスケと本気で向き合い努力していた。シード権がある横浜大栄高校とは、ベスト8以上勝ちあがらないと対決出来ないので、そこまで九頭龍高校が勝ち上がってくるのか疑問を抱いている鷹山。その時に空は、「目指すのはベスト8なんかじゃない。日本で最高の最小プレーヤーになってやる」と伝えるのである。鷹山はわずかだが空より身長は高い。そのことから、自分より身長が高くて良かったと言う。鷹山にバスケを教えたのは、生前はバスケットボールの選手であり、空の母親でもある由夏だと知った瞬間、負けられない存在となった。背の低い者同士、同じ悩みを抱えながらもそれぞれでバスケに取り組む。「ライバル」としてお互いを意識し始めた印象的な言葉である。

「越えて越えてここまで来たんだ」

女子バスケ部員の新見玲(にいみれい)が、試合前に緊張した表情を見せる。その時、空が励ましで言ったセリフが「越えて越えてここまで来たんだ」である。男女合同合宿で、厳しい練習に耐えて頑張ってきたからこそ、頑張ってきた努力が報われるのか試される大事な試合に緊張するのは当然である。そして、以前はメンバー外だったが、メンバーに選ばれたから活躍したい、チームに貢献したいという気持ちがより緊張を作っている。空の一言で緊張がほぐれ、頑張ってきた事実が確かにあることに気づき自信を持つ姿が印象的な名場面である。この言葉で、新見は3ポイントシュートを決めてチームを勝利に導くこととなる。

花園千秋の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「戦わない奴らが戦ってる奴らを笑うなよ!!」

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