雨を告げる漂流団地(アニメ映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『雨を告げる漂流団地』とは、海の上を漂流する謎の団地でサバイバル生活を強いられることとなった小学生たちの奮闘と冒険を描いた長編アニメーション作品。動画配信サイトNetflixで配信されている。
小学6年生の熊谷航祐と兎内夏芽が生まれ育った団地が、老朽化により取り壊されることとなる。航祐と夏芽と同級生たちがそれぞれの理由から団地を訪れたある時、猛烈な雨が一行を襲い、気が付いた時には彼らは団地ごと何もない海洋に飛ばされていた。全員無事に帰るため、航祐たちは力を合わせてサバイバルを開始する。

大海原と最後の地の謎

本作は多くの謎を残しながら、のっぽと別れた航祐たちが現実へと帰還したところで完結する。彼らがいた大海原はなんだったのか、最後に辿り着いた陸地はどこだったのかについて詳しくは明かされていないが、それだけにファンの間では様々な考察が進んでいる。
有力な説としては、「あの大海原は廃墟と化した建物が辿り着く場所で、最後に辿り着いた地は“建物の墓場”なのではないか」というものが挙げられている。航祐たちが最初に乗り込んだ取り壊されたはずのスポーツクラブの中で、彼らに非常用食料を渡して姿も見せずに立ち去ったのも、のっぽと同じく“建物の精霊”とでもいうべき存在ではないかというのがその見立てである。

この説が正しいかどうかは別にしても、現実への帰還後にそれぞれの服が傷んでいたことから見るに、航祐たちが繰り広げたサバイバル生活は間違いなく実際にあったことである。全ての謎が明らかになることはなく、ただ少年少女の冒険だけにフォーカスした本作は、昨今珍しい純粋なジュブナイルだといえる。

YAMAKUZIRA
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@YAMAKUZIRA

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