雨を告げる漂流団地(アニメ映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『雨を告げる漂流団地』とは、海の上を漂流する謎の団地でサバイバル生活を強いられることとなった小学生たちの奮闘と冒険を描いた長編アニメーション作品。動画配信サイトNetflixで配信されている。
小学6年生の熊谷航祐と兎内夏芽が生まれ育った団地が、老朽化により取り壊されることとなる。航祐と夏芽と同級生たちがそれぞれの理由から団地を訪れたある時、猛烈な雨が一行を襲い、気が付いた時には彼らは団地ごと何もない海洋に飛ばされていた。全員無事に帰るため、航祐たちは力を合わせてサバイバルを開始する。

CV:小林由美子

航祐の同級生。同じサッカークラブに所属するチームメイト。歳の割には精神年齢が幼い一方、行動力に優れていて仲間を盛り上げるムードメイカー。
チームのエースコンビである航祐と夏芽が擦れ違っていることを心配しており、何かにつけては仲直りするよう勧めている。

羽馬令依菜(はば れいな)

CV:水瀬いのり

航祐の同級生。実家は裕福で、両親からもかわいがられており、たびたび遊園地に連れていってもらっている。
航祐に好意を抱いており、何かと気を引こうと努力を続ける。その航祐と距離感の近い夏芽には警戒心を露わにしており、団地と共に漂流するようになってからも彼女に対しては仲間内でもっとも当たりが強かった。

安藤珠理(あんどう じゅり)

CV:花澤香菜

航祐の同級生。令依菜の友人で、彼女が航祐を好きなことにも気づいており、陰ながら応援している。
引っ込み思案な自分を嫌い、好きなものに対してストレートに好意を向けられる令依菜を尊敬している。令依菜は令依菜で「自分の友人は自分が裕福な家庭の子だから一緒にいてくれるのではないか」との疑問を抱えているところがあり、純粋に友情を示してくれる珠理のことは大切にしている。

のっぽ

CV:村瀬歩

「鴨の宮団地で長年暮らしていた」と語る謎の少年。しかし鴨の宮団地で生まれ育った航祐は彼に見覚えが無く、当初から何者なのかと訝しんでいた。
その正体は明確にはされなかったが、“鴨の宮団地そのものの意志”とでもいうべき存在。航祐と夏芽のことも幼かった頃からずっと見守っており、己が老朽化して取り壊されるという運命に絶望と諦観を抱いていた。

熊谷安次(くまがや やすじ)

CV:島田敏

航祐の祖父。母親の仕事中1人きりになってしまう夏芽の世話を引き受け、孫の航祐と合わせて2人分の面倒を見ていた。愛情深い人物で、“一家の離散”という子供心にはショッキングな出来事を経験した夏芽を案じ、実の孫のようにかわいがった。
自身が病気で余命いくばくもない中、「お前の家族が死ぬわけじゃない」と言って夏芽を傷つけた航祐に、彼女に謝るよう命じるも、それが最期の言葉となった。

『雨を告げる漂流団地』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

珠理「令依菜ちゃん。”女は先手必勝、好機は食らいつけ”だよ!」

航祐と夏芽が一緒にいるのを見て気後れする令依菜に向けて発した珠理のセリフ。その後に続くセリフによれば、彼女の姉から聞いた言葉であるらしい。
振り回されているように見えて、珠理がただの令依菜の腰巾着ではなく、対等の友人として恋路を応援していることがよく分かるシーン。令依菜の側も珠理のアドバイスを邪険にすることなく、自分なりに受け止めようとしており、2人の友情が感じられる。

航祐「今はケンカより他にやることがあんだろ!」

突然鴨の宮団地と共に大海原に放り出され、途方に暮れてケンカを始める同級生たちを前に航祐が発したセリフ。もともとサッカークラブでも司令塔の役割をしている航祐は、この緊急事態の中でも強いキャプテンシーを発揮し、自分たちにできる限りで仲間を引っ張っていく。
彼がいなければ、一行は早々にケンカ別れして食糧不足などのより悲惨な状況に追いやられていた可能性が高い。小学生たちのサバイバルは本作の見所の1つだが、それを主導したのが航祐であることがよく分かるセリフである。

のっぽ「僕はこのまま行くよ。だから、ごめん」

鴨の宮団地から脱出する時、のっぽは見出しのセリフと共に自分以外の仲間を乗せたイカダを蹴って海に送り出す。「航祐たちがこの世界に巻き込まれたのは自分のせいではないか」という彼の自責の念が強く感じられる。

譲「帰ってみんなに、母ちゃんのコロッケを食わせてやるんだ!」

今にも沈みそうな鴨の宮団地を救うため、海洋を行く観覧車のワイヤーを巻き付ける航祐たち。そのワイヤーも外れてしまいそうな中、必死にそれを補強し、自らの手で支えながら譲が叫んだセリフ。
譲の優しさが現れた名セリフであり、友達を助けるために死に物狂いで奮闘する小学生たちの姿に胸が熱くなること必至の名シーンである。

『雨を告げる漂流団地』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

YAMAKUZIRA
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@YAMAKUZIRA

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