逆転裁判5(逆裁5)のネタバレ解説・考察まとめ

『逆転裁判5』とは、2013年にカプコンからNintendo 3DS専用ソフトとして発売された推理アドベンチャーゲーム。本作は、『逆転裁判』お馴染みの主人公・成歩堂龍一が現代を舞台に巻き起こる数々の事件に立ち向かい、法廷で戦う模様を描く。また、本作は前作『逆転裁判4』で主人公を務めた王泥喜法介や新キャラクターの希月心音も登場し、『逆転裁判』シリーズ初の”トリプル主人公制”を採用。さらに、心理カウンセリングという新しいシステムも導入している。

『逆転裁判5』の概要

『逆転裁判5』とは、株式会社カプコンが開発・発売によるNintendo 3DS専用ソフトである。2013年7月25日にパッケージ版、Nintendo eShopにてダウンロード版が発売された。また、2014年7月9日にiOS、2017年7月27日にAndroid向けに配信された。ジャンルは推理アドベンチャー。プレイヤーは主に弁護士の成歩堂龍一(なるほどう りゅういち)として、次々に巻き起こる難事件に立ち向かい、法廷で戦う。

本作は『逆転裁判』シリーズのナンバリングタイトルで5作目にあたる。本作から3DSになったことで、グラフィックが3D対応になり、アニメパートや有料ダウンロードコンテンツなど、今後のシリーズではお馴染みのシステムやコンテンツを導入した記念すべき作品でもある。また、本作の発売を記念し、京浜急行電鉄とのコラボレーションイベントのミステリーラリーが実施された。

本作からシナリオの制作が複数人体制となり、ディレクターの山崎剛がシナリオの総括を担当。長年本シリーズに関わっている巧舟は関与していない。メインキャラクターデザインは布施拓郎が、BGMは岩垂敬之が担当。アニメーションのキャラクターデザイン及び総作画監督は伊藤嘉之が担当。

本作品は前作『逆転裁判4』の1年後が舞台で、主人公の成歩堂龍一がある理由で弁護士に復帰するところから物語は始まる。また、前作で登場した王泥喜法介(おどろき ほうすけ)やみぬきも引き続き登場。成歩堂、王泥喜、新キャラクターの新人弁護士・希月心音(きづき ここね)がそれぞれ主役となるエピソードが収録され、この3人を中心にストーリーが展開する。

”ある事件”の裁判をしていた地方裁判所第4法廷。そこで突如爆破事件が発生し、その爆発は死者を出す程の被害を与えた。瓦礫の山と化した法廷で王泥喜は一人空を見上げていた。「なるほどうなんでも事務所」の一室、所長の成歩堂は誰かと電話で話していた。「決着をつける」そう電話の相手に告げた成歩堂は、久々のスーツに袖を通し、事務所を出た。再び胸元に光る弁護士バッジは、今蔓延っている「法曹界の闇」を照らす一筋の希望のようであった。

『逆転裁判5』のあらすじ・ストーリー

第1話 逆転のカウントダウン

8年ぶりに法廷に立つ成歩堂。

王泥喜法介(おどろき ほうすけ)が弁護をしていた地方裁判所第4法廷で、証拠品として提出される予定だった爆弾が爆発してしまう。その被告人として、希月心音(きづき ここね)の幼馴染・森澄しのぶ(もりすみ しのぶ)が逮捕された。成歩堂龍一(なるほどう りゅういち)と心音は怪我をして法廷に立てなくなった王泥喜の代わりに法廷に立つ。
8年の沈黙を破って法廷に返り咲いた成歩堂が最初に立ち向かった事件は、1人の男の身勝手な欲望のために起こったものだった。今回の事件の真犯人は爆弾処理班の馬等島晋吾(ばらしま しんご)。犯行の動機は、自分の裏の仕事を被害者に邪魔されたことである。彼は日頃から解体した爆弾を外部に横流しをしていた。事件当日も同じように解体した後にその爆弾を横流しをしようと企んでいたが、それを同席していた被害者にバレてしまった。その件で事件現場で問い詰められた馬等島は発作的に近くにあった爆弾で被害者を撲殺。その後、死体を一時的に隠すために、自ら運んでいた爆弾運搬ケースに保管し、爆破事件を起こした。爆破後、隠していた死体を運搬ケースから発見現場に移動させ、あたかも爆発によって死亡したように偽装した。しかし、その裁判後、彼を怪しんだ王泥喜は個人で彼の周りを探り始めた。それが気になった馬等島が王泥喜の行方を追うと、事件現場に安置されていたあの運搬ケースを調べようとしていた。事件の真相を暴かれたくなかった馬等島は、背後から王泥喜を襲い、病院送りにしたのであった。真相を暴かれてしまった馬等島は、最後の悪あがきとして、自分の手元にある爆弾が本物の爆弾であると宣言し、「5分以内に法廷を爆破する」と脅迫してきた。傍聴席の人々や検事は逃げ出したが、成歩堂と心音、裁判長は自分の席で逃げ出さずにいた。そして、成歩堂は手元にある爆弾が実はニセモノであることを証明し、決定的証拠である爆弾運搬ケースの中に付着している血痕を確認したことで、馬等島に引導を渡すことができ、無事この事件は幕を閉じた。
しかし、この事件は1つの謎が残っていた。それは証言にあがっていたリモコンスイッチの行方であった。だけど、今は事件解決を祝う時だということで、入院している王泥喜の元へ成歩堂たちは向かうのだった。事務所に所属する弁護士が3人になって、これから賑やかになると成歩堂が思っていた矢先、王泥喜から突然「しばらくの間、事務所から離れる」と言われる。それは、王泥喜自身が立ち向かわなければいけないことだという。成歩堂たちは何を言わず彼を見送った。そして、心音は崩壊した法廷で1人王泥喜のことを想い涙を流すのであった。

第2話 逆転の百鬼夜行

妖怪・天魔太郎が現れる。

爆破事件の8か月前。成歩堂から頼みたい仕事があると呼び出された王泥喜の任務は、成歩堂みぬきの付き添いで「九尾村(きゅうびむら)」のパーティへ行くことだった。九尾村は妖怪ブームにより人気の観光スポットとなっていた。王泥喜たちが村を巡っている間、九尾村の村長が何者かに刺殺される事件が発生。逮捕されたのは、みぬきの友人の父であり、九尾村の隣にある天魔市の市長・天馬出右衛門(てんま でえもん)だった。
今回の事件の真相は、自分の私利私欲のために起こした裏切りの犯行だった。この事件の真犯人は天魔市の市長秘書・美葉院秀一(びよういん しゅういち)であった。動機は九尾村の言い伝えによって「天魔太郎」として恐れられていた村の財宝であった。借金まみれの彼にはその財宝が必要だった。その財宝は天馬市長の先祖が九尾村に与えた巨大な金塊であった。しかし、それによって村の中で争いが起こったため、先祖たちは村にある屋敷の開かずの間に金塊を封印。「天魔太郎」の言い伝えを村中に吹聴して、誰も開かずの間に立ち寄らせなくした。美葉院は、開かずの間の中にあるものとその鍵を村長から預かっていた。彼がその秘密を知れたのは、彼が村長の奥方の入院を援助していたからである。村長を脅迫して情報と鍵を聞き出した美葉院は、村長と市長を睡眠薬で眠らせ、村長を槍で刺殺、市長を置物で殴打した。その後の彼の計画を成歩堂が推察してみたところ、一命をとりとめた市長を村長殺害の犯人として罪を擦り付け、そして折を見て妖怪ブームの火付け役となった「グレート九尾」の正体が天馬市長であることを発表。「グレート九尾」の人気をも失墜させて九尾村と天魔市の合併を推し進める。そして、合併後、ほとぼりが冷めた頃に現在村の文化遺産である屋敷ごと奪い取り、ゆっくり開かずの間を調べる算段だった。しかし、逃げる際に市長の娘・天馬ゆめみが部屋に入ってきてしまったことで自分が市長と思わせるために「グレート九尾」のマスクを被ったこと、そのマスクに自分の髪の毛が付着してしまったこと、そして、とっくの昔に「大泥棒アズキ小僧」という名で有名な銭洗熊兵衛(ぜにあらい くまべえ)の祖父によって盗み出されていたことにより、美葉院は自滅。真実が暴かれることとなり、天馬市長の無罪を勝ち取りこの事件は幕を下ろした。
閉廷後の控室。市長は自身の無罪を喜ぶと同時に「グレート九尾」の正体がバレてしまったことで複雑な思いを抱いていた。元は事件当日に市長本人から村長に「グレート九尾」の正体を明かそうとしていた。天馬市長は実は、前々から自分の先祖の罪を憂い、九尾村を陰で愛していた。そのため、本心では九尾村との合併は反対であったのだ。しかし、それは今回の事件を計画していた美葉院によって妨害された。「グレート九尾」をやめようと思っていた市長であったが、裁判所のロビーでは「グレート九尾」の復活と今回の活躍を支持する人々で溢れ返っていた。その光景を目の当たりにした市長は、再び「グレート九尾」として戦うことをファンに約束をした。王泥喜たちも今回の事件解決を喜んだ。しかし、この後の事件で心音は法曹界の闇の深刻さに巻き込まれていくのであった。

第3話 逆転学園

3人の生徒たちが見下ろす先は恐ろしい光景であった。

前話の法廷から数か月後。優秀な法曹を輩出する学園として著名な「私立テミス法律学園」で学園祭が開催される。そこで成歩堂は弁護側の講師として呼ばれ、心音と共に待合室で待機していた。しかし、何か物が壊れる音を聞き、二人が中央ステージに駆け付けたところ、法律学園の教師、道葉の他殺体を発見。殺人容疑で逮捕されたのは、学園の生徒森澄しのぶだった。彼女を救うため、心音は初めての弁護をかって出る。
今回の事件の真相は、正に法曹界の闇を象徴するような内容であった。この事件の真犯人は、弁護士クラスの担任教師・一路真二(いちろしんじ)であった。彼は、以前からワイロを貰い、生徒の成績の操作などをしていた。しかし、ワイロに関して裏で調査していた被害者は報告係からの連絡で一路に目をつけ、事件当日の放課後、ステージで作業している彼を問い詰めた。自分の身の危険を案じた一路はその場で、被害者の持っていた千枚通しで殺害。2枚の旗の上での犯行だったので、大量の血痕を含んだ旗をステージからワイヤーを使って真上の美術室へ運び、あたかも美術室で犯行が行われたかと見せるように偽装工作。そして、偽装に使った旗を焼却炉で処分した。その後、ステージにある死体は、当日ステージに展示するオブジェと思わせるように死体と自分の持ち歩いている大きな槍を組み合わせ、布とロープで固定して隠したことで他の人に中身を確認できなくした。そして、事件発見当日の模擬裁判中に録音の演説で自身のアリバイをつくり、死体の出現と、美術室から白い像を滑り落として、死体を発見させたのだった。しかし、心音の推理によって、死体巻きつけた槍から被害者の血液反応が検出されたことが決定的な証拠となり、一路はあえなく御用となった。
閉廷後、無罪を喜ぶ心音たちの元に、成歩堂から嬉しいニュースが知らされた。事件で中止になっていた学園祭が、前日まで一生懸命準備をしていた道葉の遺志を受け、特例で1日開催することになったのだ。おかげで、学園祭は大盛況の中幕を閉じ、模擬裁判も無事に終了した。この事件を通じていろいろな思いを抱えた生徒たちは、しのぶのかけごえで法の暗黒時代を自分たちの手で終わらせようと決意する。その様子を見た王泥喜と心音は感傷に浸っていた。その会話の中で王泥喜の親友の話になり、心音は王泥喜から近いうちに彼の親友に会う約束をする。しかし、それは1つの悲しい事件によって叶わなくなった。心音は思い出す。「オレ、しばらく事務所を離れます。」そう言った王泥喜の悲しい横顔。心音はその声や言葉から聴こえるノイズが、耳から離れずにいた。

第4話 星になった逆転

ロケット爆破により脱出を試みる乗組員2人。

本作1話開始の前日に起きた事件で、本作のプロローグとなる法廷爆破事件を描くエピソード。
星成太陽(ほりなり たいよう)による「HAT-1号」の奇跡の生還から7年後。「HAT-2号」に、王泥喜の親友・葵大地(あおい だいち)と星成が搭乗することになった。しかし、発射直前にHAT-2号と「大河原宇宙センター」が爆破する事故が発生。HAT-2号から命からがら抜け出す際に、葵は何者かに刺殺されてしまう。殺人容疑者として逮捕されてしまった星成の弁護を決意した王泥喜は裁判に挑むも、証拠品として提出される予定の爆弾がカウントダウンを始めた。
複雑なトリックを以って起こった今回の事件は、真犯人と1人の共犯者の思惑によって行われていたものだった。まず、この事件の共犯者は、この宇宙センターの館長の大河原であった。元々、この宇宙センターは、第1ラウンジ側に発射台、第2ラウンジ側に見学スペースを配置していた。事件当日、大河原は発射台と見学スペースの入れ替えを行った。これにより、第1ラウンジ側に見学スペース、第2ラウンジ側に発射台が配置された。それを確認した真犯人は、無料開放されている第2ラウンジから発射台へ侵入、ロケットに爆弾を仕掛けた。その後、第1ラウンジに潜み、見学スペースから逃げてくる葵を殺害。葵殺害後、意識を失っている星成の指紋を使って見学スペースへ逃げ込み、それを見送った大河原は第1ラウンジの扉横にある安全装置を作動させ、発射台と見学スペースを元に戻した。これにより、真犯人は第2ラウンジから逃亡。しかし、大河原は安全装置作動中に後から現場にやってきた賀来みずほ刑事に威嚇射撃をされてしまい、管制室へ逃げ込む羽目になる。大河原はそのままエレベーターホールを通って、再び第1ラウンジに入り目撃者を装った。発射台と見学スペースの入れ替えが誰にも気づかれなかったのは、入れ替えの際は全員地下シェルターに避難しているからであった。成歩堂の推理により、大河原のウソを見破ることができたが、ここでいくつか新しい謎が浮かび上がった。それは、この入れ替えトリックを葵は気付いていたのか。そして、なぜこのようなことを大河原はしたのかということだ。成歩堂は大河原を問い詰めたが、大河原は震えながらそのことを黙秘した。表情からも彼の恐怖に震える様子が伺えた成歩堂は、その後強く言えなかった。
今までの審理により星成の犯行は不可能だと判断した裁判長は、星成の無罪を宣言。しかし、夕神迅(ゆうがみ じん)検事はまだ納得していなかった。それは、第三者が第2ラウンジから侵入したという決定的な証拠が見つかっていないことだ。万事休すかと思った成歩堂だったが、そこへ今まで現場を調べていた番轟三(ばん ごうぞう)刑事が決定的な証拠を持って法廷に現れた。その証拠とは、真犯人の指紋と被害者の血痕が付着したライターであった。そして、そのライターを見学スペースから発見したということで、星成の無罪が確定した。これで、後は真犯人を探すだけだと安堵していたその時、夕神の言葉で事件は急展開する。それは、指紋鑑定の結果、ライターについている指紋が心音のものと一致していたのだ。法廷内は大混乱のまま終わり、成歩堂たちは更なる謎に巻き込まれていくのだった。

第5話 未来への逆転

幼き日の心音はあるトラウマを抱えていた。

このエピソードは第4話の続きであり完結編である。また、ある場面で「心証ゲージ」を0にすると発生するバッドエンドが2種類存在する。
王泥喜に代わって星成の無罪を証明した成歩堂と心音だったが、その決定的となった証拠のせいで今度は心音が逮捕されてしまう。その頃、大河原宇宙センターではロボットたちが立てこもり事件を起こし、「7年前に起こった”UR-1号事件”で有罪となった夕神迅の再審理」を要求。”UR-1号事件”とは、大河原宇宙センターで起こった殺人事件で、この事件で夕神検事は容疑者として有罪判決を受けたのだ。急遽の開廷により法廷が足りない状況にあったが、成歩堂の提案で爆破された第4法廷で審理を行うこととなった。そして、7年前の事件の真相が明らかになることで、今までの一連の事件の辻褄が合っていくのだった。

7年前の事件から消息不明になっている今回の事件の真犯人"亡霊"。その人物は、ある組織からの依頼でHAT-1号の破壊行為を依頼されていた。しかし、任務遂行中に希月教授に見つかってしまい、口封じのために殺害。その直後、教授の一人娘である心音の抵抗に遭い、手の甲を負傷した。そして、その負傷により近くにあった月の石にまで自らの血痕が飛び散ってしまったことで、数多の国家機関から命を狙われている身である”亡霊”は、自分の正体が明らかにある事を恐れ、心音を気絶させた後、宇宙センターの計画ですぐに打ち上げられる宇宙探査機「みらい」に積み込まれるカプセルにその月の石を隠した。その後の”亡霊”の計画では宇宙空間でHAT-1号と「みらい」のカプセルを爆破させ、本来の依頼と証拠隠滅を図ったが、結局HAT-1号は奇跡の生還を遂げ、「みらい」は7年間宇宙空間を巡り、その使命を終えて地球へ帰還した。計画が狂ってしまった”亡霊”は、「みらい」のカプセルを含む、7年前の事件に関係する証拠品を全て消失させるために今回のHAT-2号の爆破事件を決行。それに乗じて、葵が持っていた「みらい」のカプセルを奪うために第1ラウンジに潜み葵を殺害した。結局殺害後は逃亡することしかできず、「みらい」のカプセルは現場に残す羽目になった。警察によって回収された「みらい」のカプセルを何としても消失したかった”亡霊”は、法廷に持ち込まれる証拠品に爆弾を仕掛け、法廷ごと爆破した。これが本作冒頭の法廷爆破事件の真実であった。結果、「みらい」のカプセルは爆発によって消失、中に入っていた月の石も砕け散ってしまった。
この一連の事件を引き起こしてしまった真犯人”亡霊”の正体は、今まで関係事件でともに事件を調査していた番轟三刑事であった。正確には、番刑事の名を騙ったニセモノである。この事件の調査中に、検事局長の御剣怜侍(みつるぎ れいじ)が登場し、裏で7年前の事件の関係者を調べていた。そこで解ったことは、7年前の事件の第一発見者に番刑事の顔がなかったこと。それどころか、今から1年前の別の事件で”番轟三”という人物が亡くなっていたのだ。追いつめられた”亡霊”は自分自身のことを話した。「自分は数多の機密機関からの依頼を受け、その任務のために沢山の人間に成りすましてきた。」彼は他人に成りすますために、精巧に出来たマスクを被っていたのだ。結果、本当の自分が消えていき、それにつれて感情も薄れ、何もかも「無」の状態となったと言う。さまざまな推理と証拠品で”亡霊”の正体を示すことはできた成歩堂たちだったが、徹底的な証拠である血痕のついた月の石を失ったことで絶望する。しかし、持っていた証拠の写真で爆破された証拠品の中に月の石の欠片が残っていたこと、その月の石の欠片に”亡霊”の血痕が検出されたこと、そして何より、希月教授と心音のおかげでその月の石が7年前の月の石であるということが証明できたことで、今証人席に立っている人物こそ”亡霊”であり、人物の特定が可能であることを証明した。それを受け、今までしまっていた恐怖に急激に押し潰されそうになった”亡霊”は証人席で錯乱。そして、どこからともなく響き渡る銃声と共に月夜に照らされた崩壊した法廷で倒れ果てた。その傍らには、番轟三のマスクが落ちていた。

”亡霊”は運よく急所が外れていたため命には別状なかった。狙撃手は警察が緊急捜査し行方を追っている。そして、全ての事件が無事に解決し、心音も無事に無罪判決を受けた。閉廷後、成歩堂たちは事件を振り返り、お互いを労った。また、7年前の事件の被告人だった夕神も釈放され、彼を助けるために海外で弁護士資格を取った心音は、「間に合ってよかった」と涙を流して喜んだ。そしして、忌々しい爆破事件からしばらくして、大河原宇宙センターでは新たに「HAT-3号」が開発され、打ち上げの日を迎えた。乗組員は星成を含み2名。成歩堂・王泥喜・心音は管制室でその様子を見守っていた。2度の爆発事故に巻き込まれている星成は、恐怖に負けないように自分に無事を言い聞かせながらコックピットに座っていた。その音声を聞いていた成歩堂たちは星成に声援を送る。そして、HAT-3号は打ち上げられ、星成からは「君たちのおかげで再び宇宙に来ることができた」との通信が入った。無事HAT-3号が宇宙に到着したことを知った一同は大歓声を上げて喜びを分かち合った。HAT-3号はその歓声を聞きながら、目前の月を目指したのだった。

特別編 逆転の帰還

「荒船水族館」の目玉・シャチが登場する”海賊ショー”

有料ダウンロードコンテンツ。このエピソードではバッドエンドが存在する。
シャチの海賊ショーで人気の「荒船水族館」の館長が亡くなった。シャチのトレーナーから弁護を依頼された成歩堂は水族館に赴くが、そこで待っていたのはシャチの「エル」。トレーナーの依頼は前代未聞の「シャチの弁護」であった。館長の死は「事故」として処理されようとしていたが、成歩堂たちはエルを殺処分から救うために、法廷で事件性を証明することとなる。

この事件の真相は、なんとも悲しい結末を迎えた。この事件の実行犯は飼育員の伊塚育也(いつか いくや)である。犯行の動機は1年前、荒船水族館で起こった事故であった。その事故は、シャチのトレーナーがショーの最中にシャチにより命を奪われたという痛ましいものであった。そして、その亡くなったトレーナーは育也と当時恋人関係にあった夏海涼海(なつうみ すずみ)という女性。最愛の恋人を失った育也はシャチに猛烈な憎しみを抱き、恋人を殺したシャチの命を奪うため、この水族館の飼育員となった。犯行当日、シャチのエールの命を奪うため、エールのいるショーステージのプールの水を抜いていた。そこへ、事態を察知した館長・荒船良治(あらふね りょうじ)が急いでプールに入ってきて水を入れようとした。その時、勢い余って足を滑らせあわや転落しようというところで育也が館長の手をつかんで助けようとした。一瞬は館長を手をつかめたことで、引き上げようとしたが、館長は育也が恋人を失った悲しみとシャチに対する憎しみを持っていることに気付いたことで、早く気付いてやれなかった詫びとシャチを憎んでほしくない気持ちを伝えた後、掴んでいた手が離れそのままプールの底に落下。帰らぬ人となってしまった。育也は、館長の言葉も空しく、計画を変更し、館長の殺人容疑をシャチのエールに被せることでエールを殺処分させるよう動くことにした。館長の死体をショーのセットである「ドクロ岩」の中に隠し、現エールのトレーナーの羽美野翔子(うみの しょうこ)に「新しいショーの道具」と嘘をつき、シャチ用プールにドクロ岩ごと運ばせた。そして、1年前の事故を知っているノンフィクション作家の浦鳥麗華(うらとり れいか)を電話で呼び出し、シャチ用プールを調査させているところで、恋人から貰っていた「ホイッスルでエールに指示を出す」動画を使って、あたかもエールが歌いながら人命救助の芸をして館長の死体を口に咥えるところを目撃させた。

しかし、この事件にはいくつか隠された真実があった。1つ目は1年前の事故の真相である。実は亡くなった涼海は以前から心臓病を患っていて、処方箋も服用していた。事故当日、ショーの最中に突然発作が起こってしまい、そのまま溺死してしまった。異変に気が付いたエールは数回頭突きしたのち、涼海の反応がないのを確認し、自己判断で人命救助の芸を行い、涼海をステージまで運んだ。よって、涼海はシャチに襲われて亡くなったわけでもなく、エールもただ助けようとしただけだったのだ。2つ目はそのエールについて。これはこの水族館でも一部の人間にしか知らない秘密だが、元々この水族館にはシャチが2頭存在していた。それは「エル」と「エール」の姉妹のシャチで、ある時砂浜に打ち上がっているところを館長が発見し保護された。しかし、発見当時妹のエールは命の危険があった。そこで、エールが療養中に、姉のエルは水族館のショーに参加することになった。そしてそのトレーナーとして涼海が担当することになった。しかし、あの痛ましい事故が起こったことで、姉のエルは殺処分になってしまった。そこでこのことを隠すために、妹のエールも体調が戻ったことで彼女を「2代目エル」としてショーに参加させることに決めたのだった。これらの真実を育也は何も知らなかったのだ。そして、今までの自分の計画がとても空しいものだと知った育也は、素直に罪を認め、前向きに償う事を証人席で発言した。
殺人犯は存在せず、ただの不幸の連鎖が起こした悲しい事件は幕を閉じた。エールの殺処分も回避することができ、事件は無事解決した。そして、嬉しい報告はまだあり、審理中に明かされた殺処分されたシャチのエルのことだが、実はまだ生きていることが獣医の話からわかった。1年前の事故の後、専門機関から殺処分の命令が下りたのだが、館長と獣医は元々殺処分はするつもりはなく、睡眠薬を投じてカモフラージュをし、頃合いを見て別の水族館で匿ってもらっていたのだ。今回の事件の解決もあり、近々「荒船水族館」に戻せそうだと話してくれた。成歩堂はその話を聞いてとても喜んだ。そして、裁判から数か月後。姉のエルは水族館へ帰ってきていた。育也も真面目に刑に服したことで釈放となり従業員として復帰、ショーの敵役として参加するとのこと。成歩堂はこれからの自分の「弁護士」の道を見つめつつ、王泥喜と心音たちと水族館のショーを楽しんだのであった。

『逆転裁判5』のゲームシステム

探偵パート

Tori8705
Tori8705
@Tori8705

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【君の嫁は】逆転裁判シリーズの女性キャラまとめ その7【誰だ】

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ここでは、カプコンの大人気ゲーム、逆転裁判・検事シリーズに登場する女性キャラクター達をご紹介します!今回は、シリーズの中でも名作と名高い「逆転裁判3」に登場する女性達が中心です!魅力的なキャラが揃う中、あなたの推しは誰ですか?キャラクターによってはネタバレを含んでいる場合がありますので、未プレイの方は十分に注意してくださいね。

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逆転裁判シリーズの女性キャラまとめ その6

逆転裁判シリーズの女性キャラまとめ その6

さて、どんどん紹介していきますよ!逆転裁判・検事に登場する女性キャラクター達!魅力的なのは決してレギュラーキャラだけでないのが逆転シリーズの醍醐味ですよね。こんなにズラリと揃ったら、推しを決めるのにも一苦労!性格だけでなく、コスチューム、愛称、得意技(?)なんかにも注目して見ていくことにしましょう!キャラによってはネタバレを含んでいる場合もありますので、未プレイの方は十分に注意してくださいね。

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「逆転裁判」各シリーズ別面白さまとめ(ネタバレ)

「逆転裁判」各シリーズ別面白さまとめ(ネタバレ)

「逆転裁判」はカプコンが制作・販売をしている法廷バトルゲームです!裁判に関する勉強はもちろん、独特の操作方法や「異議あり!」と叫ぶ爽快感!そして独特のコニュニケーションやハラハラとした緊迫感など、面白さ満点です。今回は各シリーズごとにそれらの面白さや、ポイントをまとめてみました。

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