河松（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ

河松の来歴・活躍

過去

幼少期

河松は幼い頃に母親と共にワノ国に流れ着いた。ワノ国には人外の生き物はおらず、また鎖国体制であるがゆえ、外から来たものを受け付けない。魚人である河松とその母親は人間から迫害されていた。そのせいで母親は怪我を負い、ワノ国を出ることもできない。その内に母親は河松に「決して魚人と名乗ってはいけない」、「”河童”と言い張るように」という言葉を遺し亡くなった。河松は母の遺言通り”河童”として生きるが、”河童”も怪物であることは変わらないため迫害の日々は続き、残飯を食べて生活していた。

ある時河松と同じようにミンク族のイヌアラシとネコマムシもワノ国に漂着する。人外であるため河松も含めて三人、ワノ国の者から迫害を受けた。そこを助けてくれたのが光月おでんである。その後河松達はおでんのもとに無理やり押しかけ家臣になった。最初は河松達家臣の存在を拒否していたおでんも、時を経て考えが変わり、大名になるなら家臣の侍が必要だと思うようになる。そこで河松達に侍になって自分の家臣となれと言った。河松達はおでんの言葉に応え、見た目も中身も立派な侍に成長し、赤鞘九人男としてその名を轟かせるようになるのだった。

おでんの死

新世界編から30年前、おでんはワノ国に漂着した四皇”白ひげ”エドワード・ニューゲート率いる白ひげ海賊団に無理やりくっついてワノ国を出国。ロジャー海賊団へ移動などもしながら5年間世界を旅し、ワノ国に帰還した。一足先にワノ国へと帰っていたおでんの妻・トキや子のモモの助、日和などの尽力もあり、長い間里を空けていたおでんへ冷たく当たる民衆はおらず、平和そのものだった。しかしこの時既に光月家に恨みを持つ黒炭家の生き残り黒炭オロチが海賊・カイドウと手を組みワノ国を乗っ取ろうとしていた。国取り計画は既に始まっており、将軍の座にはおでんの父・スキヤキではなく、オロチが就いていたのだ。おでんはすぐさまオロチとカイドウを討とうと単身花の都の城へと乗り込むが、多くの民を人質に取られたおでんはその場を引くしかできなかった。そして5年間毎日城の前で裸踊りをすれば、ワノ国から出ていくというオロチの言葉を信じ、約束を果たす。しかし5年後虚しくも約束は破られ、怒髪天を衝いたおでんは今度こそオロチとカイドウの首を取るべく、河松達赤鞘九人男と共に討って出た。しかし結果は敗北。おでんは公開処刑され、命を落とすのだった。

日和との生活

おでんが処刑された日、河松や同じ赤鞘九人男の錦えもん達は、おでんの家族を守ろうと久里へと急ぐ。そこでおでんの妻・トキは自らが悪魔の実「トキトキの実」の能力者であることを明かし、その能力を用いて、おでんの子・モモの助と共に赤鞘九人男の錦えもん（きんえもん）、雷ぞう（らいぞう）、カン十郎（かんじゅうろう）、菊の丞（きくのじょう）を20年後の未来に飛ばした。河松はその場に残されたおでんの娘・日和を連れて焼け落ちる城から脱出。家族を一気に失い心を閉ざしてしまった日和を元気づけるため、河松は日和の前で気丈に明るく振る舞った。その甲斐あって日和は少しずつ笑顔を取り戻す。河松にとっておでんを守れなかった後、日和を守ることは生き甲斐でもあった。

しかしそれから7年後、日和が忽然と姿を消した。日和は自分のために食事も何もかもを我慢し、日にやせ細っていく河松を見て「自分のせいで彼（河松）が死んでしまうのではないか」と怖くなり、河松の元を離れたのだ。そんな日和の心も知らず、河松は泣きながら日和を探し続けた。しかし日和を見つけることはできなかった。

鈴後での墓荒らし

おでんに続き、日和も守ることができなかった河松は、失意に項垂れ、鈴後（りんご）という地方を目指す。鈴後には侍達の墓があり、侍が死んだ時に刀を一緒に埋めるという風習があった。来るべきオロチ・カイドウとの戦いの日に武器として刀が必要だと思った河松は、墓を暴いて刀を取り出し隠すことが自分の最後の仕事であると悟り作業を始める。しかし墓には鈴後を治めていた大名・霜月牛マルの相棒だった狛狐・オニ丸（おにまる）がいた。主人亡き後も墓を守ろうとオニ丸は、墓を荒らす河松に攻撃をしかける。しかし河松も後に引けないため、オニ丸の牙を受けながら作業を続けた。その後オニ丸は河松の言葉や信念を理解し、自ら墓を暴くことを手伝うようになる。しかしある日、河松は食べ物を盗もうとしたところを捕まってしまい、兎丼（うどん）という地方にある囚人採掘場に投獄されてしまう。そこから13年、河松は檻の中で毒魚を与えられ続けることになる。河松は鈴後に残されたオニ丸を心配するが、オニ丸は河松が帰ってこない間も墓から刀を取り出して隠す作業をひたすら続けるのだった。

ワノ国編

兎丼から脱獄

ワノ国の外に味方を探して旅に出ていたモモの助達が、主人公モンキー・D・ルフィら心強い味方を得てワノ国に帰国した。ルフィは到着早々、仲間とはぐれ、その間に騒ぎを起こしてカイドウを呼び寄せてしまう。そしてルフィは果敢にカイドウへ立ち向かうが、敗北。ルフィはそのまま兎丼にある囚人採掘場に送られた。

ルフィを助けようと赤鞘九人男・雷ぞうが隠密に行動している時、檻の中に河松が捕らえられていることがわかった。雷ぞうはルフィと河松両方を助けるために奔走する。そしてルフィが起こした騒ぎに乗じて河松は「櫓流桜（やぐらりゅうおう）」という技で檻を壊し、外へと出る。雷ぞうが見つけてくれた愛刀「外無双（そとむそう）」を使い、回転しながら相手を切りつける技「滅南無川（めなむがわ）」で敵を倒す。そして「だが生きも生きたり13年！！いかなる苦業も 主君の無念を思えば”そよ風”！！待っていたぞ！！！河童の河松！！！只今参戦！！！」と声を挙げて登場した。そしてルフィ達と共闘し、見事兎丼を制圧するのだった。

日和との再会

兎丼を制圧後、打倒オロチ・カイドウに向けて本格的に各々が動き出す。河松は少し行く場所があると兎丼を去り、鈴後を目指した。河松が到着した時、ちょうどおいはぎ橋では、麦わらの一味ロロノア・ゾロと、ゾロの刀「秋水（しゅうすい）」を奪った牛鬼丸（ぎゅうきまる）が戦いを終えていた。そこで河松はゾロと行動を共にしていた日和と再会する。日和からいなくなった理由を聞いた河松は、怒ることもせずにただ日和の無事を心から喜び笑った。

一方、ゾロは逃げた牛鬼丸を追いかけ、怪しげな地下室を発見する。そこにはたくさんの刀が保管されていた。河松はそれを見て、自分がいなくなってからもオニ丸が刀集めに尽力してくれていたことを知る。そうして戦のための武器を準備をすることができたのだった。

火祭りの夜

ワノ国で年に一度”火祭り”という祭りが行われる。河松達はその日を討ち入りの日と決めた。河松は錦えもん達と共にハートの海賊団の潜水艦・ポーラータング号でカイドウの居城・鬼ヶ島の裏手から侵入。待ち構えていた裏切り者・カン十郎率いる軍勢と戦った。錦えもんがカン十郎を斬り伏せた後、河松達はカイドウのいるイベント会場・ライブフロアの高台を目指す。そしてカイドウに向かって攻撃を仕掛け、反撃の狼煙を上げた。

戦いの場は鬼ヶ島の屋上へと移され、赤鞘九人男とカイドウの戦いが始まる。二重の円形斬撃を放つ「海野川（あまのがわ）」という技で河松はカイドウに攻撃を仕掛け、カイドウにダメージを与える。他の赤鞘九人男達もカイドウにダメージを与え続けたが、カイドウの力はあまりに凄まじく、河松達は敗れた。そこへやってきたルフィ達最悪の世代にカイドウとの戦いを託し、戦線を離脱した。河松達はしばらくは傷で動けなかったが、何者かが介抱してくれたことにより幾分か回復する。動けるようになった赤鞘九人男達は戦力を分散させるために鬼ヶ島の各地に散っていく。河松はイゾウと共にライブフロアに行き、百獣海賊団の団員を相手に戦った。

ルフィがカイドウに勝利することで鬼ヶ島での戦いが終わる。河松は新たに将軍に就任したモモの助を支え、ワノ国で生きて行くのだった。

河松の関連人物・キャラクター

光月おでん（こうづき おでん）

CV：石丸博也

ワノ国を治める氏族・光月家の人間。オロチ達がワノ国を乗っ取らなければ将軍になっていた男。河松の主君である。豪快で破天荒な性格で、実父で当時将軍だった光月スキヤキの頭を悩ませていた。18歳の時についに絶縁状を渡されて、花の都から追放される。2年後、久里という無法地帯を平定した功績が認められて、絶縁は解消。久里の大名に任命された。久里にはおでんの名を冠するおでん城という城がある。ある時ワノ国の浜に漂着した四皇”白ひげ”エドワード・ニューゲートの船に無理やりくっついて出国。白ひげ海賊団からロジャー海賊団に移動し、偉大なる航路（グランドライン）の最果ての島・ラフテルに到達。世界の全てを知った後、ワノ国に帰還した。しかしその時は既にワノ国はオロチに支配されており、おでんは忠臣・赤鞘九人男達と討って出たが敗北。公開処刑されてしまった。

河松は幼い頃、ワノ国に漂着したイヌアラシ・ネコマムシと3人、ワノ国の人間から迫害を受けていた。そこを助けてくれたのがおでんである。その後行く当てがなかった河松、イヌアラシ、ネコマムシの3人はおでんの元へ押しかけて無理やり家臣になった。最初はおでんも拒否していたが、時を経る内に自分の家臣は河松達、後に赤鞘九人男と呼ばれる面々がいいから侍になれと命じ、それに応えて河松達は立派な侍に成長した。