イゾウ（ONE PIECE）の徹底解説・考察まとめ

イゾウの概要

イゾウとは、集英社の発刊する『週刊少年ジャンプ』の大人気海賊漫画『ONE PIECE（ワンピース）』の登場人物。原作漫画での初登場は海軍本部のあったマリンフォードで勃発した大規模戦争を描いたマリンフォード頂上戦争編だが、後にワノ国編のキーパーソン・光月おでんの家臣だったことが判明した。

ワノ国の鈴後（りんご）と呼ばれる地域出身。舞踊の「花柳流（はなやなぎりゅう）」の家元の子として産まれたが、父が罪人となってしまい一家は離散。イゾウは弟の菊の丞（きくのじょう）／お菊（おきく）と共に必死に生きていた。お腹を空かせていたところをおでんに出会い、そのまま菊の丞と共におでんの家臣になった。

新世界編30年前、ワノ国の鎖国体制に疑問を抱いていたおでんが、浜に漂着した四皇”白ひげ”エドワード・ニューゲート率いる白ひげ海賊団に無理やりくっついて出国。おでん単身の出国にいち早く気がついたイゾウは、おでんを止めようとしがみついてそのまま共に出国する。最初は敬愛するおでんに酷い仕打ちをする白ひげに憎しみを抱いていたが、共に旅する内に白ひげや海賊団の仲間に愛着が湧くようになった。おでんがロジャー海賊団に移動する際は、白ひげへの義理立てと自身が白ひげ海賊団が好きだからと白ひげ海賊団の船に残ることを選択。それ以降おでんと再会することはなかったが、イゾウの心はずっとおでんを慕っていた。

おでんの死から20年経ち、打倒黒炭オロチ・百獣のカイドウとの戦いに参戦するべく30年ぶりにワノ国に帰還。戦いの中で命を落とした。

イゾウのプロフィール・人物像

本名：イゾウ
年齢：43歳→享年45歳
身長：192cm
懸賞金：5億1000万ベリー
所属：光月家家臣→白ひげ海賊団16番隊隊長
所属船：モビーディック号→ノワールキックス2
覇気：武装色、見聞色
出身地：偉大なる航路 新世界 ワノ国 鈴後
誕生日：10月13日
星座：てんびん座
血液型：X型
好きな食べ物：がんもどき
WT100：48位（20940票）

CV：織田優成、小野将夢（幼少期）

女形のような和装を着た、一見女性と見紛うような容姿を持った長身の男性。日本髪が特徴。ふだんは着物で隠れているが、背中に光月家の家紋を背負っている。白ひげ海賊団の中にいると比較的華奢に見えるが、その細い身体つきから考えられないほど勇猛果敢な性格をしており、侍の心を持っている。マリンフォード頂上戦争では当時の海軍三大将に怯むことなく立ち向かっていった。かなりの強さを持っており、白ひげ海賊団の16番隊隊長を任せられている。懸賞金は5億1000万ベリーと高額。

イゾウの武器

もともとは刀を使っていたが、実は刀は苦手であり、銃のほうが扱いに長けている。百発百中の精密さを誇り、白ひげ海賊団で余興として見せたところ、5番隊隊長のビスタに褒められ、本格的に銃に転向。二丁拳銃を使い戦う。

イゾウの必殺技

弾斬丸（だんぎりがん）

二丁拳銃を使った技。描写が少なく、どのような技なのか詳細は不明。

イゾウの来歴・活躍

幼少期

イゾウはワノ国の鈴後という地方に産まれた。家は舞踊「花柳流」の家元で、幼い頃から舞踊の練習に励んでいた。しかし父親が罪人になってから一家離散。弟の菊の丞と共にまだ拙い舞踊で日銭を稼いでいた。ある時お腹を空かせていると、どこからともなくおでんのいい香りがしてきて、誘われるように香りを辿っていくと、そこには大きなお鍋でおでんを作る光月おでんがいた。イゾウと菊の丞はその鍋のおでんを勝手に食い、そして行く当てがないのでそのままおでんの元へ押しかけて家臣となる。

やがておでんはワノ国の久里（くり）の大名へと立派に成長する。そのおでんを支えるためにイゾウ達、おでんの元に押しかけた家臣達も立派な侍へと成長するのだった。

白ひげの船で世界へ

新世界編から30年前。ワノ国の浜に四皇”白ひげ”エドワード・ニューゲート率いる白ひげ海賊団が漂着した。かねてからワノ国の鎖国体制に疑問を持ち、海外へ出ることを切望していたおでんは、これ幸いと勝手に白ひげの船に乗ってワノ国を出国しようとする。それにいち早く気がついたイゾウもまたおでんの後を追って、白ひげ海賊団に無理やり乗船した。白ひげはおでんがあまりにしつこいので、イゾウだけを船に乗せた。そして船の船尾についた太い鎖をおでんに持たせ、その鎖を3日間離さずに船についてこられれば乗せてやると条件を出す。荒れ狂う海で鎖は右へ左へ、下へ上へとよく揺れるし、海から頭を出した岸壁にもよく当たる。鎖に遊ばれて負傷していくおでんをイゾウは船の上から見ているしかなく、敬愛するおでんにこのような仕打ちをする白ひげにイゾウは恨みを募らせていった。その後紆余曲折を経ておでんは白ひげ海賊団の船に乗せてもらうことに成功。おでんは道中出会った天月トキと結婚し、息子のモモの助、娘の日和を授かった。イゾウは奥方や子息のためにも早くワノ国に戻るべきだとおでんに進言するが、おでんはなかなか首を縦に振らなかった。

ある日、白ひげ海賊団は後に海賊王と呼ばれる男ゴール・D・ロジャーが率いるロジャー海賊団と遭遇し、3日3晩の戦闘にもつれ込んだ。戦闘後はお互いを称えて楽しく酒盛りをする。その酒の席でおでんが歴史の本文（ポーネグリフ）を読むことができると知ったロジャーは、おでんを1年だけ貸してくれるよう白ひげに懇願。結果、おでんはトキとモモの助、日和を連れて一家でロジャー海賊団に移動する。しかしイゾウはロジャー海賊団へは一緒に行かなかった。白ひげへの義理立てもあるし、何よりイゾウ自身が白ひげ海賊団を気に入っていたからだ。そんなイゾウにおでんは「お互い海賊なんだから自由にやろう」と許しの言葉をかける。おでんがワノ国に帰還した後もイゾウはワノ国へ帰ることなく、白ひげ海賊団に残る。そして以降、おでんと二度と会うことはなかった。

マリンフォード頂上戦争

新世界編から2年前。白ひげ海賊団の2番隊隊長であり、主人公モンキー・D・ルフィの義兄でもあるポートガス・D・エースが海軍に捕まり、公開処刑をされることになった。白ひげやルフィはエースを奪還するために当時海軍本部があったマリンフォードに駆けつる。海賊と海軍の激しい戦いが起こった。これがマリンフォード頂上戦争である。

白ひげ海賊団の16番隊隊長に就任していたイゾウもこの戦争に参加。原作漫画でのイゾウの初登場はこのマリンフォード頂上戦争である。エース奪還のために海軍の戦力に向かってイゾウは臆することなく戦った。そして戦いの中で白ひげとエースが命を落としてからは、ルフィを戦場から逃がすために他の白ひげ海賊団と一丸となって戦うのだった。

落とし前戦争

マリンフォード頂上戦争で「オヤジ」である白ひげが死んだ後、白ひげ海賊団の残党は、白ひげの悪魔の実の能力を奪い、エースを海軍に売った張本人である黒ひげ／マーシャル・D・ティーチ率いる黒ひげ海賊団と決着をつけるために戦う。これが世に言う落とし前戦争である。マルコ率いる白ひげ海賊団の残党は黒ひげ海賊団に惨敗。これを境に白ひげ海賊団の隊長達はどこかへ姿を消したと言われている。

原作漫画では落とし前戦争について詳細は描かれていないが、TVアニメ版『ONE PIECE』ではマルコ達が黒ひげに立ち向かう場面が公開された。その中にはイゾウの姿もあり、イゾウもこの落とし前戦争に参加していたことがうかがえる。

ワノ国編

おでんの息子・モモの助がルフィ達心強い味方を連れてワノ国に帰還。年に一度の火祭りの夜を討ち入り決行の日と決めて、着々と準備を進めた。イゾウは自分の居場所を白ひげ海賊団の1番隊隊長マルコから聞いたという、おでんの忠臣・赤鞘九人男の一人であるネコのミンク・ネコマムシが迎えに来たことで討ち入りに参加することになった。白ひげ海賊団でずっと生活をしていてもイゾウの心にはずっと敬愛するおでんがいた。いつかおでんの敵討ちをする時が来て、白ひげの許可が出れば討ち入りに参加する気はもともとあったのだ。

ワノ国に到着したイゾウは、弟の菊の丞と30年ぶりに再会。すっかり侍へと成長した菊の丞を見て、イゾウは「菊…！立派な”侍”になったな…！！」と褒める。菊の丞のほうは久方ぶりの兄との再会に、決戦前だというのに涙していた。そして錦えもん達とも合流し、そのままカイドウの居城・鬼ヶ島城内へと潜入。カイドウがいるイベント会場・ライブフロアの高台を目指し、辿り着いた際には先頭を行く錦えもん達を銃で援護した。そして赤鞘九人男達と共に反撃の狼煙をあげる。

その後鬼ヶ島の屋上で赤鞘九人男達とカイドウの戦いが始まる。イゾウは二丁拳銃を使った「弾斬丸（だんぎりがん）」という技で、菊の丞と共にカイドウへ攻撃をしかける。しかしイゾウ達の力はカイドウに及ばず敗北。そこへ駆けつけたルフィを始めとする最悪の世代達にカイドウとの戦いを託して戦線を離脱した。重症を負ってしばらく伏していたが、動けるようになった赤鞘九人男達はそれぞれ戦場へと向かった。イゾウは赤鞘九人男の河童の河松（かわまつ）と共にライブフロアへ急いだ。ライブフロアでは同じ白ひげ海賊団のマルコが百獣海賊団の大幹部”大看板”達を相手にしており、疲労やらで限界を迎えようとしていた。イゾウはマルコを救出し、その場で戦いに加わる。しかし城内に炎をまとって城を焼きながら進軍する怪物が現れたと聞き、胸騒ぎがしたイゾウはマルコを置いて城内へと向かった。

1階の屋根裏には重症で動くことができない菊の丞と錦えもんがおり、麦わらの一味の狙撃手ウソップが二人を守ろうと百獣海賊団を相手に戦っていた。イゾウはそこへ駆けつけることができ、菊の丞と錦えもんをウソップに任せて、一人で百獣海賊団を相手に戦う。しかし四皇カイドウが率いる海賊団、下っ端と言えどなかなか手強く、イゾウはさらに傷を負う。重たい身体を引きずり、屋根裏から脱出すると、そこで世界政府直属の諜報機関CP-0（シーピーゼロ）と遭遇してしまった。麦わらの一味の考古学者ニコ・ロビンを追っていたCP-0はイゾウを見逃すと言ってその場を去ろうとしたが、麦わらの一味を追うCP-0をイゾウは見過ごすことができなかった。イゾウはCP-0の一人を倒すことに成功するが、自らも倒れてしまう。

ルフィがカイドウに勝ち、戦いは終わった。そしてイゾウが死んだことが明らかになる。錦えもんは「おでんや他の英雄たちと共に（イゾウを）ワノ国に祀りたい」とマルコに懇願。マルコはそれに「故郷の土が一番」だとして承諾した。おでんの敵を討つことは叶ったが、イゾウが弟の菊の丞と再会することはなかったのだった。