
水曜日のカンパネラ(水カン)とは、史実や昔話、伝承に独自の想像・妄想を織り交ぜた歌詞を、ダンスミュージックに乗せることで独創的な世界観を展開する音楽ユニットである。2012年ボーカルのコムアイ、作曲・編曲担当のケンモチヒデフミ、ディレクターのDir.Fで結成。2017年日本武道館公演を敢行し、その後海外にも活動を展開。2021年コムアイが脱退し、新たに詩羽が参入。アルバム『ネオン』に収録の「エジソン」はTikTokでバズり、新体制となった水カンは止まることを知らない注目のアーティストである。
水曜日のカンパネラの概要
水曜日のカンパネラ(水カン)とは、2012年に結成された日本の音楽ユニットである。メンバーはボーカルの詩羽、作曲・編曲担当のケンモチヒデフミ、ディレクターのDir.Fの3人。メディアにはボーカルのみ出演しているため、シンガーソングライターと勘違いされることもある。ボーカル詩羽は二代目で、2021年9月から活動している。それまでの2012年から2019年の約7年間初代ボーカルを務めたのはコムアイ。
2012年にYouTubeで作品の発表を始め、2015年にはネットオークションの「ヤフオク!」のテレビコマーシャルに初代ボーカルのコムアイが出演。同年11月には日清食品の「ホワイトカレーメシ」のテレビコマーシャルにアニメ化による出演をするなど、その活動範囲を徐々に広げていった。そして2016年6月にワーナーミュージック・ジャパン・アトランティック・レコードからEP『UMA』でメジャーデビューを果たす。2017年には日本武道館公演を敢行し、その後海外にも活動を展開する。2022年リリースのアルバム『ネオン』に収録されている「エジソン」はTikTokでバズり、新体制となった水カンは止まることを知らない注目のアーティストである。
そんな水カンの楽曲は、千利休やエジソンなどの歴史的人物の史実や、桃太郎や織姫などの昔話や神話・伝承をテーマにしており、子どもから大人までテーマを捉えやすい。サウンドはエレクトロでバレアリックやトライバルサウンドなどダンスミュージックを中心に構成されている、ボーカルを中心とした、暢気でマイペースなもの。そんな題名・テーマのイメージとエレクトロサウンドのギャップに驚くことはもちろん、コムアイや詩羽の紙芝居や絵本を読み聞かせるような表現力に、一気に楽曲に引き込まれる。
歌詞は史実やストーリーに加え、独自の想像や妄想を織り交ぜることで独創的な世界観に仕上がっている。
ユニット名である「水曜日のカンパネラ」は、水曜日に打合せが多かったから…と言う理由があるがその他にも諸説あり、当初はグループを予定して名付けられていたが、現在ステージとしてはコムアイのみが担当する形で始まった。
水曜日のカンパネラの活動経歴
水曜日のカンパネラ結成〜インディーズ時代

インディーズ時代のコムアイ
知人のホームパーティに来ていたDir.Fが初代ボーカルのコムアイに「歌わないか」と誘い、水曜日のカンパネラ(以下水カン)を結成。インディーズ時代は英語表記でSuiyōbi no Campanellaと名乗っていた。その後2012年夏に初のデモ音源「オズ」「空海」をYouTubeに配信し始動。
2013年3月にはライブ活動を始め、5月にミニアルバム『クロールと逆上がり』を下北沢ヴィレッジヴァンガード限定で、同年10月に『羅生門』をタワーレコードと下北沢ヴィレッジヴァンガード限定でそれぞれ発表。同年夏には自主企画イベント「りんご飴音楽祭」にも出演し、同イベントでコムアイが「鹿の解体ショー」を披露して物議を醸すも、マスコットキャラのりんご飴マンと共にステージを盛り上げた。
2014年3月に『シネマジャック』をヴィレッジヴァンガード限定で、同年11月に『私を鬼ヶ島に連れてって』をタワーレコードと下北沢ヴィレッジヴァンガードでそれぞれ発表した。『私を鬼ヶ島に連れてって』はインディーズオリコン週間3位を獲得。このminiアルバムに収録されている「桃太郎」がバズり、子供の間で人気となる。
2015年4月に、OBKRとオオルタイチのプロデュースにより製作された『トライアスロン』を全国のCD店舗で発表。オリコン最高23位となる。同年5月に概要でも紹介したネットオークションの「ヤフオク!」のテレビコマーシャルに初代ボーカルのコムアイが出演。可愛い顔立ちにラップ調の曲というミスマッチな演出で「不思議オーラ全開の女性」というキャラクターに魅了される視聴者が続出し、「あのCMの女の子は誰?」と話題を呼んだ。
同年10月には日清食品の「ホワイトカレーメシ」のテレビコマーシャルにアニメ化による出演を果たし、徐々に水カンの名を轟かせる。11月に『ジパング』を全国のCD店舗で発表した。
EP『UMA』でメジャーデビュー

日本武道館講演
2016年2月に、音楽業界で功績をあげたアーティストとクリエイターを表彰する「SPACE SHOWER MUSIC AWARDS」で楽曲「ラー」が「BEST ART DIRECTION VIDEOを受賞。同年6月に、ワーナーミュージック・ジャパン・アトランティック・レコードから『UMA』を発表し、メジャーデビューとなった。
2017年3月水カン初となる日本武道館公演を開催。また海外フェスの「Laneway」や「LA MAGNIFIQUE SOCIETY」への出演など活動を海外へも波及させる。
2018年6月に映画『猫は抱くもの』で初となる映画劇伴を手掛けた。
コムアイの脱退と詩羽の参入

二代目ボーカルとなった詩羽
2021年9月6日、コムアイが脱退。脱退の経緯については「特別にきっかけがあったわけではなプロジェクトで活動を続けていくのが想像できなくなった。自分の興味が広がり、もっと自由になりたかった。水曜日のカンパネラの重心をケンモチヒデフミやDir.Fの2人の方に戻すべきと考えるようになった。」と説明している。同日に二代目ボーカル担当として詩羽が加入する。詩羽は知人の紹介でDir.Fに出会い、これまでの詩羽の活動を話していく中で水カン加入への勧誘を受けた。
2021年10月新メンバーである詩羽が加入後の初のミュージック・ビデオ『アリス』『バッキンガム』の配信を開始した。
2022年5月配信限定アルバム『ネオン』を発表。その中に収録されている「エジソン」がTikTokでバズる。
水曜日のカンパネラのメンバー
現メンバー
詩羽

二代目ボーカルの詩羽
2001年8月9日生まれ。コムアイの脱退に伴い、二代目ボーカルに就任。「アメイジングミスiD2021」と「赤澤える賞」を受賞。高校卒業後は大学に通いながらフリーランスモデルとして活動。高校3年間は軽音部でギターとボーカルをしていた。大学の専攻はデザイン。趣味はギターの弾き語り、油絵を描くことや写真を撮ること。Instagramでは「音楽と言葉と時間と私」をテーマに写真や詩などを投稿している。
ケンモチヒデフミ

ケンモチヒデフミ
1981年8月2日生まれ。本名は釼持 英郁(けんもち ひでふみ)。
ギター、ベース、キーボード、サンプラー他、さまざまな楽器を演奏することができる。かつてはHydeout Productionsに所属し、バンドでもDJでもない視点から鮮烈なインストゥルメンタル・ミュージックを展開する新世代アーティストとしての呼び声が高い。水曜日のカンパネラのほとんどの曲を手掛けるトラックメイカー。
Dir.F(ディレクター・エフ)

Dir.F
1982年生まれ。本名は福永 泰朋(ふくなが やすとも)。一般的な音楽ユニットで言うところのマネージャー兼ディレクターにあたる。他のメンバーが担当したこと以外のすべてを担当している、影の立役者。
旧メンバー
Related Articles関連記事

最高の教師 1年後、私は生徒に■された(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』とは、2023年に日本テレビで放送されたテレビドラマである。高校教師が、卒業式直後に担任生徒の誰かに突き落とされ1年前にさかのぼり、運命を変えるため生徒たちが抱える問題を解決していく物語。見る人が「あの時言ってほしかった」と感じる言葉が多くあり、当時の悩みが解消されるような気持になれるところが魅力だ。主演の松岡茉優が教師を演じ、芦田愛菜など注目の若手俳優が生徒役を務めた。ギャラクシー賞2023年9月度月間賞など多くの受賞歴をもつ2023年の話題作。
Read Article

鹿の解体からエロスまで!音楽ユニット『水曜日のカンパネラ』を徹底紹介!
下北沢を中心に噂を呼んでいる音楽ユニット、『水曜日のカンパネラ』。メロウで本格的なエレクトロ・サウンドに、女性ヴォーカル・コムアイの脈略のないラップが組合わさり、奇妙な中毒性を醸し出す曲が注目されている。自主企画イベントでは、鹿の解体を行なうなど、インパクトのある催しにも挑戦。 不思議な魅力に溢れた彼女たちの歩みをまとめてみた。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 水曜日のカンパネラの概要
- 水曜日のカンパネラの活動経歴
- 水曜日のカンパネラ結成〜インディーズ時代
- EP『UMA』でメジャーデビュー
- コムアイの脱退と詩羽の参入
- 水曜日のカンパネラのメンバー
- 現メンバー
- 詩羽
- ケンモチヒデフミ
- Dir.F(ディレクター・エフ)
- 旧メンバー
- コムアイ
- 水曜日のカンパネラのディスコグラフィー
- インディーズ demo版
- 水曜日のカンパネラdemo
- 水曜日のカンパネラdemo2
- 水曜日のカンパネラdemo3
- 水曜日のカンパネラdemo4
- 水曜日のカンパネラdemo5
- 水曜日のカンパネラdemo6
- 水曜日のカンパネラdemo7
- インディーズ シングル
- ノルウェイの盛り
- モスラ(幼虫ver.)
- ラオウ
- ミツコ(セーラー服ver.)
- ニキータ(若気の至りver.)
- 金曜日の花魁 / 水曜日のカンパネラ×カワムラユキ
- インディーズ アルバム
- クロールと逆上がり
- 羅生門
- シネマジャック
- 安眠豆腐
- 私を鬼ヶ島に連れてって
- トライアスロン
- ジパング
- メジャー シングル
- SUPERKID
- メロス
- えいせい
- ピカソ
- ガラ
- 生きろ。
- YAKUSHIMA TREASURE
- アリス / バッキンガム
- 招き猫 / エジソン
- ティンカーベル / 鍋奉行
- エジソン - From THE FIRST TAKE
- バッキンガム - From THE FIRST TAKE
- 赤ずきん
- マーメイド
- 聖徳太子
- 幽霊と作家
- たまものまえ
- 四天王
- アルキメデス
- 赤猫
- シャルロッテ
- 願いはぎょうさん
- 動く点P
- サマータイムゴースト
- シャトーブリアン
- 怪獣島
- メジャー アルバム
- UMA
- SUPERMAN
- 猫は抱くもの(オリジナルサウンドトラック)
- ガラパゴス
- ネオン
- RABBIT STAR ★
- POP DELIVERY
- 映像作品
- 水曜日のカンパネラ 日本武道館〜八角宇宙〜
- 日本武道館単独公演~METEOR SHOWER~
- 水曜日のカンパネラの代表曲とミュージックビデオ(MV/PV)
- 桃太郎
- 一休さん
- カンフー・レディー
- 千利休
- ナポレオン
- マリー・アントワネット
- ミツコ
- 小野妹子
- ラー
- お七
- エジソン
- コムアイとケンモチヒデフミが配信していたラジオ「国立FM 水曜日のカンパネラ」の動画(音声のみ)
- 水曜日のカンパネラの名言・発言
- コムアイ「その時やりたいことをやるのが私のルール」
- 詩羽「自分が自分のことを好きでいられること」
- 水曜日のカンパネラの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 水曜日のカンパネラの名前の由来は水曜日に打ち合わせが多かったこと
- コムアイの逸話「JRのポスターにステンシル・アート」
- 物議を醸した「鹿の解体ショー」を活動当初から計画していたコムアイ
- 「解体ショー」に対するネットの声
- 伝説となった渋谷駅から渋谷WWWまでのゲリラ路上ライブ
- 詩羽のエピソード「高校1年で行った奇抜なスタイルの真相」