寸止め海峡(仮題)のネタバレ解説・考察まとめ
『寸止め海峡(仮題)』とは1994年に入場料1万円で行われたライブ。松本人志のほかに、今田耕司、東野幸治、板尾創路が出演している。「引っ張る男」「柳田という男」「ランジェリーヤクザの男」「大病の男」「恩返しされた男」「赤い車の男」と〇〇男シリーズで構成されている内容である。コントライブは滅多にやらない松本人志の渾身の作品である。
車をぶつける大きな音。下着姿をしたヤクザ2人(板尾と東野)とタクシー運転手の今田。運転手は謝っている。すると板尾は「おい、お前、どないしてくれるんや」と問い詰める。運転手は「車の方は弁償させていただきます」と答えると、板尾は「そんなことはどうでもいい、お前が後ろからおかまほったせいでな、こいつ(東野を指差して)のブラのフックがおかしなったんや」と怒る。運転者は「ブラ?」と驚く。運転手にブラが壊れているかの確認をさせるヤクザたち。しかしちゃんとつかない。しかもブラのフックが壊れてしまったことにより、右乳の方が寄せて上げられていないことにさらに怒る。それを運転手に乳を触らせて確認させる。どうしたらいいか分からない運転手は動揺する。
すると運転手は「ホックが潰れてしまったと言うことはそのホックを修理に出してお返しします」という。納得のいかないヤクザたちだったが、下着一式と慰謝料を請求することで話は付いた。
タクシーの客とヤクザが揉め始める
ことが終わりかけたときに、タクシーに乗っていた客の男を演じる松本がやってくる。「終わったん?」と言って、運転手と話をする。客は物件を見にいく途中だったため、「こんなしょーもないことしてて物件を先に取られたら損やで」と話をしていると、その会話がヤクザたちの耳に入る。東野は「しょーもない話?」と客に問い詰める。客は「言うてないですけどねぇ」と誤魔化す。問い詰める東野を突然大きな声で威嚇する。驚いた東野を尻目に、板尾が出てきて「謝らんかい」と言って再び近づいたときに客は奇声を上げながらどさくさに板尾の乳を揉む。乳を揉まれた板尾は顔を赤らめる。そして客は靴を投げたり大きな声でヤクザたちを追い払おうとする。たじろいだヤクザたちにしてやった顔の客。すると急に拳銃を向けて「誰に抜かしとんのじゃ」と言った板尾に急に高い声で「すんませーん」と言って媚び始める客。さっきまでの勢いが急になくなり媚び始める客は滑稽である。しかも問い詰められる客は謝っているのに、横になったり意味不明なことを言って板尾を困らせる。らちがあかなくなった板尾は発砲する。すると、突然変な舞をして弾を避ける。それに驚く板尾。それを見た東野が次に「お前何してんねん、正座して謝れや」と問い詰める。またらちがあかなくなった東野は発砲するも客は舞で避ける。対処できなくなった板尾はバズーカーを客に向けて発砲するがやはり変な舞で避ける。「ほんますんませーん」と言って暗転する。
「大病の男」
ベッドで横になっている今田
ベッドで横たわって、日記を読む病人を演じる今田。
日記に書かれていたのは、「3/18 不覚ながらこの病院に入院して一週間が経った。詳しいことはわからないが、どうやら耳からバイキンが入ったらしい。先生が言うにはヘッドスライディングのやりすぎらしい。なんにせよ、来月には退院できるだろうしゆっくり休もうと思う、勉強の遅れは心配ご無用!ただ修学旅行だけが気になる…」という内容であった。病人が日記を呼んでいると医者と看護師が部屋にやってきて頭の検査を始める。しかし照明があまりついていないので暗くてよく見えない。すると強風が病人に吹き始める。日記に書かれていたのは、「風の時間だ。僕は正直苦手だ。どうやら腐らないようにしているためだとか、一体何が腐るのやら」という内容であった。風が当たっている病人の顔はかなり苦痛の表情をしている。
日記には、「3/24 クラスメイトの岸本と河合がやってきた」と書かれていた。板尾演じる岸本と東野演じる河合が病室にやってくる。岸本の被っている帽子を河合が奪って病人の頭に被せようとする。
学校の先生がやってきたり、雑誌のカメラマンがやってきたり、プロサッカー選手が自分のためにシュートを決めてくれると言ったり、歌舞伎界のスターが顔を見にきたり、母親が泣いていたことを赤裸々に読んでいる。そして歌舞伎界のスターと一緒に写真を撮ったときに一瞬フラッシュが光ると同時に、舞台全体が明るくなり病人の風体が初めてわかる。病人の頭には病人の体よりも大きな腫瘍ができていた。
出血している病人
先生と看護師が慌てて出血している血を拭いている。病人は「今日は出血してしまった。先生曰く出血しているのは病状が良好に向かっているとのことだ!一安心だ!」と話す。次に担任の先生がやってくる話を読むが何度も同じことを言い始める。次にクラスメイトの紹介をする。紹介をしているときの病人はどんどん苦痛の顔をしている。医者や看護師が慌てて病室にやってきて対処している。病人の頭は次第に光りだした。病人は「修学旅行は楽しかったのだ」と行ってもいない話をし始めた。すると、ベッドから起き上がる病人。次第に照明が明るくなり、頭についている大きな腫瘍の全貌がわかりだす。観覧に来た人の悲鳴が飛び交うほどホラーではあるが、体よりも大きな腫瘍が頭についている病人の姿はどこかシュールで面白い。病人は鏡で自分の腫瘍を確認し、興味本位で腫瘍から出ている出っ張りを引っ張り出すと引きちぎれてしまい、慌ててその場から逃げる。そして何かを理解したかのように悟り始める。病人は「はっはーん、俺死ぬな」と言って暗転する。
「恩返しされた男」
男の前に恩返ししにきた女3人
自宅で酒を飲んでいる男を演じる板尾。するとインターホンの音が鳴る。松本、今田、東野演じる女3人が突然やってくる。松本は「3月はどうもありがとうございました。あの時助けていただいた石鹸です」と言った後、続けて「きぬです」と自己紹介した。その次に今田が「ラックスです」と自己紹介し、東野が「エメロンです」と続いた。松本は「何か恩返しができないかとやって参りました」と話す。困惑する男。女3人は男を喜ばすため、舞を始める。舞を踊ったり、変なダンスをしたり歌を歌ったり、胸を見せたり下着を見せたりして男を喜ばせる。しかし男は鬱陶しそうにしている。また、終始1人だけ音程が合っていない東野にツッコミを入れて笑いを誘った。
「赤い車の男」
子供3人と謎の男
今田、東野、板尾演じるお金持ちの子供3人が遊んでいる。そこに「靴下の君。気分はどうかい?」と不気味な顔で聞く謎の男(松本)。気味が悪そうに見つめる子供3人に対して、謎の男は「暑かったのでね、暑かったのでね、寒いところからやってきたからね」と話しかける。すると入る車の音と同時に板尾が指を差しながら「格好いい!真っ赤なスポーツカーだ!」と叫ぶ。それに釣られて今田、東野も見る。謎の男「そんなに赤いかい?」と聞く。不気味な顔で見る謎の男をさらに気味が悪そうに見つめる子供3人。すると怒涛のスピードで意味不明な言葉を話す謎の男。今田が「私たちバイオリンのお稽古が…」と言い、東野が「バイオリンを弾きたいんです」と言うと、謎の男が「弾くねぇ…」とまた不気味に呟く。ひそひそ話で話す子供3人。横で急に水筒についているコップに水を注ぐ謎の男。コップの水は溢れているのに、ずっと水を注ぐ謎の男。すると突然そのコップを東野に向けて投げる。慌てる子供3人。コップを拾おうとした東野に声をかけ、謎の動きをした。訳がわからない東野は謎の男の真似をした。すると謎の男は不敵に笑い始めた。子供3人はまたひそひそ話をする。すると雨が降り始める。
雨の中謎の男の意味不明な問いに答える子供3人
ずっと何を話しているかわからない謎の男に、何かを聞かれているかわからないがなんとか答えようとする子供3人。すると謎の男はポッケからオルゴールを取り出しそれを今田にあげる。今田は頭を下げる。そして謎の男も頭を下げる。そして暗転する。終始意味がわからない会話劇であり、また発せられる言葉が全てアフレコであり、シュールさを余計に醸し出させていて面白い。
『寸止め海峡(仮題)』の登場人物・キャラクター
「引っ張る男」
引っ張る男(演:松本人志)
家にいろんな人を引っ張ってくる男。引っ張る力はそこまで強くはない。しかもよく失敗している。そのため、引っ張った際の予行練習をするくらいなので失敗から学ぶタイプである。しかしなぜ家に引っ張ってくるのかの理由は明かさないので謎のまま終わるのが面白い。また、失敗した時は音楽をかけて心を落ち着かせたりもする。
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目次 - Contents
- 『寸止め海峡(仮題)』の概要
- 『寸止め海峡(仮題)』のあらすじ・ストーリー
- 「引っ張る男」
- 今田を強引に引っ張ってきた松本
- 板尾を強引に引っ張ってきた松本
- 予行練習をする松本
- 東野を引っ張ってきた松本
- 「柳田という男」
- 三者面談をする担任と生徒と母親
- 高木先生の見解
- 高木先生に殴られる母親
- 「ランジェリーヤクザの男」
- タクシーがヤクザの車に接触事故を起こしてしまう
- タクシーの客とヤクザが揉め始める
- 「大病の男」
- ベッドで横になっている今田
- 出血している病人
- 「恩返しされた男」
- 男の前に恩返ししにきた女3人
- 「赤い車の男」
- 子供3人と謎の男
- 雨の中謎の男の意味不明な問いに答える子供3人
- 『寸止め海峡(仮題)』の登場人物・キャラクター
- 「引っ張る男」
- 引っ張る男(演:松本人志)
- 引っ張られるコンビニ袋を持った男(演:今田耕司)
- 引っ張られるスーツの男(演:板尾創路)
- 引っ張られたメガネの男(演:東野幸治)
- 「柳田という男」
- 柳田(演:東野幸治)
- 柳田の担任(演:松本人志)
- 高木先生(演:板尾創路)
- 柳田の母親(演:今田耕司)
- 「ランジェリーヤクザの男」
- ヤクザ(演:板尾創路)
- ヤクザ(演:東野幸治)
- タクシー運転手(演:今田耕司)
- タクシーの客(演:松本人志)
- 「大病の男」
- 大病の男(演:今田耕司)
- 「恩返しされた男」
- 恩返しされた男(演:板尾創路)
- 恩返しするきぬ(演:松本人志)
- 恩返しするラックス(演:今田耕司)
- 恩返しするエメロン(演:東野幸治)
- 「赤い車の男」
- 謎の男(演:松本人志)
- 子供(演:今田耕司)
- 子供(演:板尾創路)
- 子供(演:東野幸治)
- 『寸止め海峡(仮題)』の用語
- 『寸止め海峡(仮題)』
- 柳田
- ランジェリーヤクザ
- 『寸止め海峡(仮題)』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 予行練習をする引っ張る男
- 担任「タバコを吸うたとか吸うてないとかの話を今してへんやろが!」
- 拳銃の球を避けるタクシーの客
- 『寸止め海峡(仮題)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 緊張する松本人志
- 森三中・黒沢の歓声
- 松本人志の有名な名言
- 『寸止め海峡(仮題)』の主題歌・挿入歌
- 挿入歌:GEISHA GIRLS『KICK&LOUD』