綾小路文麿（名探偵コナン）の徹底解説・考察まとめ

綾小路文麿の概要

綾小路文麿（あやのこうじふみまろ）とは、名探偵コナンシリーズの登場人物で京都府警捜査第一課の警部。
公家出身であり、それを匂わせる顔立ちと上品な京都弁を使う。第一人称は「私」。
ケータイのホーム画面は、シマリスのシルエットでAndroid携帯を使っている、検索エンジンは「Glegle」というGoogleに似せたものである。原作に登場する際にはコナンたちと面識のある設定であり、劇場版で初登場を果たし準レギュラーだったが原作1000話目を記念して作られた原作エピソードに登場を果たした。
劇場版や原作アニメで登場する際、カッターシャツやネクタイの色や柄が変わったり、髪色が黒から茶色へ変化したりなど注目する点がたくさんある。

綾小路文麿のプロフィール・人物像

性別：男
年齢：28歳
身長：約180cm
所属：京都府警捜査第一課
階級：警部（キャリア組）
ペット：シマリス
担当声優：置鮎龍太郎
警察官系キャラクター人気投票：10位

切長い目と麻呂眉が特徴で、あだ名は「おじゃる警部」。国家公務員1種に合格し、「キャリア組」と言われている。白鳥任三郎（しらとりにんざぶろう）警部とライバル関係にあると言われているが、本人たちはそうは思っておらず、周りから言われるのが少し億劫に感じている。いつもペットのシマリスを散歩と称しては肩に乗せて連れ歩いている為、「変人」と言われているが本人曰く「1番の親友」とシマリスを溺愛している。
初登場は劇場版第7作『名探偵コナン 迷宮の十字路』の、古美術品を狙う窃盗団「源氏蛍」についての記者会見で、その際も胸ポケットにペットのシマリスを入れており佐藤刑事からは「白鳥くん以上の変人ね」と言われる。少年探偵団のメンバー吉田歩美（よしだあゆみ）には「人間のお友だち少ないの？」と疑われる程だ。
仕事においては非常に優秀で、優れた情報収集力で黙認を続ける自衛官の作戦を推理したことから、東の高校生探偵・工藤新一（くどうしんいち）からも「その人ならシマリスを連れてる妙な警部だけど、割と頭の切れる人だから心配ねぇぜ」と信頼されている。

綾小路文麿の来歴・活躍

劇場版シリーズ（出演作）

劇場版第7作『名探偵コナン 迷宮の十字路』（クロスロード）

初登場は2003年4月公開の劇場版第7作『名探偵コナン 迷宮の十字路（クロスロード）』であり、当初は白鳥警部と同様に映画オリジナルキャラクターであったが劇場版シリーズでの活躍を経て原作アニメにも出演するようになった。
『名探偵コナン 迷宮の十字路』の舞台は京都府。古美術品専門とする窃盗団「源氏蛍」のメンバーが東京・大阪・京都の大都市で立て続けに5人も殺害される事件が起き、犯人は翁の能面を被る謎の人物で日本刀や弓矢で殺害後、彼らが持っていた「義経記」を持ち去っていた。京都に縁の深い西の高校生探偵・服部平次（はっとりへいじ）がこの事件を週刊誌で知り個人的な動機から事件を調査。同じ頃8年前に窃盗された薬師如来像のありかを記した絵の解読を依頼された、探偵・毛利小五郎（もうりこごろう）は主人公・江戸川コナンや小五郎の娘・毛利蘭（もうりらん）とともに京都の地へと出向いた。京都を観光していたコナンたちは平次とばったり出会う。薬師如来像を窃盗したのは窃盗団「源氏蛍」だと見立てていたコナンは平次たちと京都で「源氏蛍」とゆかりのある場所を巡る。調査をしている最中、コナンと平次は謎の能面の人物に弓矢を射られ危うく命を落としかけ、平次のバイクで犯人を追うが捕まえることができなかった。京都の繁華街に戻った2人は蘭たちと合流するがまたしても殺人事件が起きてしまった。この殺害された人物も「源氏蛍」の1人であり薬師如来像のありかを書いた謎の絵のコピーを持っていたことを突き止めるが、平次はコナンと解散後、平次の幼馴染・遠山和葉（とおやまかずは）とバイクで帰宅しているところをまたしても襲撃を受け負傷してしまう。その後平次はコナンたちと合流した際、謎の能面の人物から和葉を人質に取ったと電話が入ったが、怪我の悪化で倒れてしまった。コナンや毛利小五郎たちは警視庁、大阪府警、京都府警と一丸となり調査をしていた。事件も終盤に差し掛かり、連続殺人犯が窃盗団「源氏蛍」のナンバー2である西条大河（さいじょうたいが）という男だった。捕らえられた和葉を助ける為、平次は西条とその手下たちと戦い、コナンの助けもあり連続殺人犯の逮捕に至った。

『名探偵コナン 迷宮の十字路』はコナンよりも平次が活躍する場面が多く、平次と和葉との恋模様も組み込まれており、京都が舞台なので、大阪府警、京都府警が活躍し綾小路文麿もいろんな場面で登場している。
この時期の綾小路文麿は、よそ者で幼いコナンや平次が捜査に関わることをよく思っていなく「よそ者は事件に首突っ込まんことや」など平次が犯人に襲われた際も「これに懲りて大人しゅうしてる事ですな」と釘をさしている。劇中、京都で発生した殺人事件で、親友のシマリスを置いていったことを逆手に取られ、毛利小五郎に「シマリスを使って証拠を現場から遠ざけた」などと疑われたがそのトリックを再現できなかった。小五郎に翻弄された綾小路文麿は「呆れてモノも言えませんな」と言い放った。

劇場版第3作『名探偵コナン 漆黒の追跡者』（チェイサー）

劇場版第13作『名探偵コナン 漆黒の追跡者（チェイサー）』は2009年4月公開の映画。
ある日東京をはじめ神奈川・静岡・長野の広域で6人の連続殺人事件が発生した。赤い丸印と裏にアルファベット、黒い縦線が書かれた麻雀牌を犯行現場に必ず置いてある事とそれぞれひとつずつ所持品が奪われている事から同一犯によるものと断定した。各県で事件が起きていることがわかり異例の合同捜査本部が置かれ、小五郎も特別顧問としてコナンと同行する。6件目を除く5件は傷口の形状からどれも大型ナイフによる刺殺でありスタンガンを使用していた。捜査に行き詰まっていた捜査員たちに6人目の被害者が「七夕」「今日」というダイイングメッセージを残した。容疑者と思われる人物は深瀬といい、1年前に殺傷事件を起こし逃走中だったが都内米花（べいか）モールにいるとの情報が入り、コナンたちは深瀬のいる現場に向かった。コナン、目暮（めぐれ）警部らが現場に着いた時、深瀬と恋人がちょうど合流している所だった。タイミングを見て確保を試みたが、深瀬は近くにいた女性を人質にし逃走を図るがコナンに捕らえられてしまう。人質の女性はいつの間にか姿を消していた。その女性の正体は、重要人物の暗殺をしている黒の組織のメンバー・ベルモットだった。容疑者は黒の組織とは関わりはなかったが、殺人事件に巻き込まれた被害者の盗まれたモノの中に「スパイ（NOC）リスト」が入ったメモリーカードがあり、処分するためこの事件を追っていた。警視庁の中も変装した黒の組織のメンバー・アイリッシュが潜入していたが誰も気づいていない。最終、真犯人が本上和樹（ほんじょうかずき）という人物と分かり、潜入していたアイリッシュはコナンとの激闘の末、黒の組織のメンバー・ジンによって消されてしまったのである。

綾小路警部は京都で起きた火災事件の捜査に携わっていた。

劇場版第17作『名探偵コナン 絶海の探偵』（プライベート・アイ）

劇場版第17作『名探偵コナン 絶海の探偵（プライベート・アイ）』は2013年4月に公開の映画。
京都府の舞鶴湾の港で海上保安官によって爆弾を乗せた謎の船が発見された。その日は、最新武器システムを乗せた「ホタカ」というイージス艦の一般に向けての初めての公開演習の日だった。蘭がそのチケットを当てたことで、小五郎とコナン、蘭の友人・鈴木園子（すずきそのこ）そして少年探偵団と一緒にイージス艦の公開演習に向かった。コナンはイージス艦付近で、ある海上自衛官・藤井七海（ふじいななみ）と遭遇し、不審な動きをしていたので阿笠博士らに藤井七海の正体を調べるよう依頼した。同時刻この艦のスクリューから人の腕が発見され、コナンは平次に協力を依頼した。事件解決の為、捜査一課らが来るも海上自衛隊は何かを隠しているような素振りを見せる。その頃、少年探偵団のメンバー・灰原哀（はいばらあい）から連絡が入り七海の正体は情報保全局に務める調査員およびスパイで、ある人物を追って海上自衛隊に潜入していたことが判明する。スパイの正体を突き止めたが、蘭にも危険が及びスパイの正体を知ってしまう。空手の有段者である蘭はスパイと対峙する事になり途中までは優勢であったががスパイの卑怯な手口で海へと落ちてしまうのだ。その後、スパイと別にもう1人真犯人がいることに気づき、コナンが時計型麻酔銃を撃ち眠った状態である「眠りの小五郎」を使い犯人を逮捕に至った。その後、海に落ちてしまった蘭の捜索が総出で進められるが17時になっても見つからず、刻一刻と時間が過ぎていく。その時コナンが蘭は少年探偵団のメンバー・円谷光彦（つぶらやみつひこ）から借りた電波時計を持っている事に気づき、船では感知できなかったがヘリコプターに一本の電波が入ったとの事で蘭を無事見つけることができたのだ。

綾小路警部はこの事件の時ヘリで部下・車折（くるまおり）刑事と合流し、他の警部たちと事件を捜査。

劇場版第18作『名探偵コナン 異次元の狙撃手』（スナイパー）

劇場版第18作『名探偵コナン 異次元の狙撃手（スナイパー）』は2014年4月に公開の映画。
コナンは蘭、少年探偵団とともに鈴木財閥が保有する施設ベルツリータワーのオープニングセレモニーに来ていた。高さ635mで、東京スカイツリーのパロディである。景色を楽しんで眺めている所に弾丸が飛んできた。そして弾丸はコナンたちの隣にいた中年男性に直撃する。コナンがベルツリータワーを飛び出しスケートボードで追いかけるが犯人に攻撃されてしまう。絶体絶命のコナンを助けたのが、FBI所属の旧知の中のジョディ捜査官だった。犯人を追い詰めるが、犯人は忽然と姿を消してしまう。その後、FBIと日本警察による合同会議が行われ、犯人と思わしき人物に元海軍特殊部隊の狙撃手・ティモシー・ハンターをあげた。何度か犯行が続き、操作が難航している中、ある衝撃の事実が発覚した。一連の事件はティモシーによるものではなかった。
実はティモシーは何者かにより既に殺されており、真犯人は友人であるケビンだった。ティモシーはケビンに自身の殺害を頼みティモシーの為に復讐を繰り返していたのだ。
そしてケビンとコナンはベルツリータワーで決戦をする事になるが、そこに運悪く蘭も居合わせていたのだ。蘭は空手の有段者でもあるのでケビンの弾丸を避け、ケビンを倒した。
この映画で、工藤邸に間借りしていた沖矢昴（おきやすばる）の正体が、亡くなったと思われていたFBI捜査官・赤井秀一（あかいしゅういち）だったことがわかった。

劇場版第21作『名探偵コナン から紅の恋歌』（ラブレター）

劇場版第21話『名探偵コナン から紅の恋歌（ラブレター）』は2017年4月に公開の映画。
舞台は大阪と京都。この日小五郎は対談の為、蘭とコナン、少年探偵団と共に大阪の日売（にちうり）テレビに行く事になり、その先で爆破事件が発生。会場では百人一首「皐月杯」の収録をしており、テレビ局内が大混乱に陥ってしまう。会場には平次と高校生部門の試合に出る予定の和葉がいた。2人が事件に巻き込まれている所をコナンが間一髪で助けたのだ。爆破事件後平次と和葉が廊下で待っている時、皐月杯クイーン・大岡紅葉（おおおかもみじ）と遭遇。紅葉は平次の婚約者と名乗り平次と和葉、紅葉の三角関係が同時に進んでいく。その裏で、皐月会会員・矢島俊弥（やじまとしや）が何者かに殺され犯行予告メールには「カルタ」の写真が添えられていた。コナンたちは爆破事件と殺人事件の犯行は同一犯と知り捜査を開始する。大阪府警、京都府警とともに捜査協力し真犯人は皐月会会長・阿知波研介（あちわけんすけ）だと知る。5年前に阿知波の妻・皐月が少数精鋭の競技かるた団体「名頃会」の代表・名頃鹿雄（なごろしかお）を殺害した事件を隠蔽したが、カルタに証拠が残っているのを知りカルタと一緒に死のうと思い日売テレビ爆破事件を起こしたのだった。5年前の「皐月杯」で皐月と名頃は試合をする予定であったが、試合前日に名頃から手合わせをしようと持ちかけられ結果は皐月の圧勝だった。皐月は名頃が手を抜いて自分に勝ちを譲ったと思い込んで殺害してしまったのだ。名頃の弟子・紅葉は、阿知波が知らない事実を伝える。彼女によると、当時名頃は目の病気にかかっており、1年後には失明してしまう状態にあった。そうなる前に初恋相手の皐月と真の実力で対戦し、勝って「すごい」と言ってほしかった名頃は、試合前日は本気を出して戦い、試合当日は勝ちを皐月に譲るつもりだったのだ。阿知波は真実を知り悔やむが、和葉と紅葉が優勝試合をする会場の塔に爆弾を仕掛けていることを打ち明けた。しかし2人は試合をする為に会場に入ってしまっていた。建物の支柱が崩れて和葉と紅葉を助ける為平次とコナンが奮闘し、無事に救出され平次と和葉の絆がより深まる物語になっている。

原作アニメシリーズ（出演作）

原作アニメ第965話「大怪獣ゴメラvs仮面ヤイバー」

コナン、少年探偵団と蘭たちは「大怪獣ゴメラvs仮面ヤイバー」の制作発表に招待され、日売テレビへ向かった。そこへ平次と和葉も合流するが、制作発表中に、ディレクターの米倉功人（よねくらいさと）が倉庫で巨大な怪獣フィギュアの下敷きになって絶命する事件が発生する。その後、事情聴取にてコナンと平次が、犯人は三原義人（みはらよしひと）と高内尊（こううちたける）の共犯であると断定。その後、逃走した犯人が乗る車に轢かれそうになった蘭を助けたのが綾小路警部。スマートに助けるところがファンの間では名シーンと言われている。この話では、他のシーンでも綾小路警部の情報収集力の高さが垣間見える。綾小路警部の活躍を見たい人は必見のアニメ。