赤井秀一／沖矢昴（名探偵コナン）の徹底解説・考察まとめ

赤井秀一のプロフィール・人物像

氏名：赤井秀一
身長：180cm以上
体重：不明
誕生日：不明
年齢：32歳前後
家族構成：父、母、弟、妹
CV：池田秀一

アメリカ連邦捜査局（Federal Bureau of Investigation）、通称FBIの捜査官で、エース的な存在。
高い推理力と操作手腕を持ち、身体能力も高くジークンドーによる格闘技術にも長けている。同僚のジョディ曰く「彼が持ってきた情報がガセだったことはない」。

700ヤード先から小さな盗聴器を正確に撃ち抜いたり、1300ヤード先からキャメルが胸に仕込んだ血糊だけを撃ち抜くなど、スナイパーとしての高い技術を持っており、狼男の息の根を唯一止めることができる銀の弾丸になぞらえて、組織のボスからは組織を壊滅させる「シルバーブレット」になり得るとして恐れられている。
5年前から2年前まで、「諸星大（もろぼしだい）」の偽名で組織に潜入捜査しており、「ライ」というコードネームを与えられていた。

現在の国籍はアメリカだが、出身はイギリス。
日本人の父・赤井務武と日系イギリス人の母・メアリー世良夫妻の長男で、イギリス人のクウォーター。
弟の羽田秀𠮷と妹の世良真純がいる。

いつも黒いズボンに黒いシャツ、黒いジャケットに黒いニット帽という出で立ちで、好きなものは酒とタバコとブラックコーヒー。
酒の中でもウイスキー党で、スコッチも好きだったが今はバーボン一筋。
タバコにはマッチで火をつける。

深緑の瞳と、目の下のクマが特徴。
1年前までは長髪だったが「ゲン直しですよ…恋人にふられっぱなしなもんでね…」と語ってバッサリ切ってしまったため、短髪をオールバックにしている。
学生時代は酒場でアコーディオンを演奏するアルバイトをしていたらしい。

年齢については、本人の17年前の回想シーンにて当時15歳であることが判明。
単純に計算すると15歳＋17年で32歳だが、当時と現在で誕生日を迎えているかによっては1～2歳前後する可能性がある。

名前の由来

日本サンライズ制作のテレビアニメ『機動戦士ガンダム』の登場人物であるシャア・アズナブルの異名「赤い彗星」と、シャアの担当声優の池田秀一から。
赤井の偽名である諸星大と沖矢昴は、シャアの本名であるキャスバル・レム・ダイクンから。

赤井秀一の来歴・活躍

初登場：「謎めいた乗客」

アニメ：File230「謎めいた乗客 前編」
漫画（原作）：第29巻 File3「見えない恐怖」

コナンや少年探偵団が阿笠博士に連れられてスキーに向かうバスに乗り合わせた乗客のひとりとして登場した。
なお、乗り合わせた乗客たちの名前は富野美晴、町田安彦というのだが、それぞれ監督の富野由悠季とキャラクターデザインの安彦良和からと、赤井同様『機動戦士ガンダム』由来になっている。

「謎めいた乗客」の概要

スキー場に向かうためにバスに乗ったコナンたち。バスにはジョディや新出も乗り合わせていた。
ところが乗っていたバスが2人組の男たちにジャックされてしまう。
男たちの要求は拘留中の宝石強盗犯の矢島の釈放だった。
男たちは矢島の共犯で、矢島が隠してしまった宝石の在り処を聞き出すため、あるいは宝石の転売ルートを知っていたのが矢島だけで自分たちだけでは捌けずに困っていた。（どちらが正解かは明かされていない）

コナンはすぐさま外部に連絡を取って状況を知らせようとしたが、男たちに見つかって電話を没収されてしまう。
実はバスの最後列に座っていた富野美晴もバスジャック犯の仲間で、噛んでいた風船ガムの風船が割れたときに取る手の左右と指の数で怪しい行動を取る乗客の座席の位置を教えていたのだ。
例えば、右の三列目なら右手の指3本など。

バスジャック犯の男たちはトンネルの中で自分たちが着ていたスキーウェアを赤井と新出が着るように指示。
自分たちが逃げるための時間稼ぎをしてもらうためであること、他の乗客が犯人じゃないことを証明してくれると説明し、きちんと指示に従ってもらうための人質として富野を連れて行こうとした。

しかし、乗客を開放する気は毛頭なく、自分たちが逃げ出した後で仕掛けていた爆弾を爆発させて乗客全員の口を塞ごうとしていた。
バスジャック犯3人の本当の狙いは、解放された人質になりきって嘘の犯人像を語り、爆発したバスから発見されるであろう赤井と新出の遺体を犯人のものと錯覚させることだった。

それを見抜いたコナンはジョディからこっそり受け取った口紅で爆弾に鏡文字で「STOP」と書き、それを運転手にミラー越しで見せることでバスを停車させるよう促した。
急ブレーキに倒れこんだバスジャック犯のひとりをコナンが麻酔銃で眠らせ、もうひとりはジョディの膝蹴りを腹に食らい、何事か囁かれたのち戦意を喪失してしまった。

700ヤード先から正確に狙撃：「ブラックインパクト！組織の手が届く瞬間」

日売テレビアナウンサーの水無玲奈からピンポンダッシュに困っていると相談を受けた小五郎。
小五郎に連れられて水無の自宅を訪れたコナンは、捜査のためにガムに包んだ盗聴器を玄関に仕掛けた。

ほどなくして、ピンポンダッシュの犯人は小学生の男の子で、水無が朝の生放送に出なくなったのは寝坊しているからだと思い、起こすためにやっていたことが分かった。
依頼が解決し帰宅する道中、盗聴器を回収していないことを思い出したコナンはひとり水無の自宅に戻るが、盗聴器から聞こえてきたのはジンと電話で話す水無の声。
その内容から、水無が組織の構成員でコードネームはキールであること、「エディP」という場所で誰かを暗殺しようと企んでいることを知ってしまう。

コナンは暗殺を阻止するべく奮闘。
水無宅を張り込んでいたジョディらFBIとも協力して見事暗殺を阻止することができたが、ジンに盗聴器が見つかってしまう。
そのとき、ジンの後方700ヤードからジンが持っていた小さな盗聴器を正確に撃ち抜いたのが赤井だ。

組織が暗殺しようとしていたのは、衆議院選に立候補していた土門康輝という人物。
土門は犯罪に対する過激な発言で高い支持を得ており、当選前にもかかわらず首相候補とまで言われていたため、組織の障害になり得るとして命を狙われた。

「エディP」のエディは『ジキルとハイド』に登場するハイドのファーストネーム・エドワードの略称で、Pはパーク（公園）を指す。ハイドパーク、つまり「杯戸公園」を意味していた。

コナンとジョディが杯戸公園に駆けつけると、すでに組織のスナイパーのキャンティとコルンが土門に照準を合わせていた。
コナンは咄嗟に、ジョディにスプリンクラーを壊すよう指示。そうすることで噴射した水を雨だと思わせ、土門ややじ馬たちに傘をささせてキャンティたちが狙えないようにした。

その後盗聴器に気付いたジンは、キールが暗殺作戦前に会っていた小五郎が盗聴器を仕掛けたと思い、暗殺のターゲットを小五郎に変更。
探偵事務所でラジオの競馬中継を聞いていた小五郎が、盗聴器の音を聞いていると思い込み盗聴器に話しかけていたジン。その盗聴器が後方から赤井に狙撃された。
赤井の狙撃によって「盗聴器を仕掛けたのはFBI」だと思わせることができ、ジンも深追いはやめた。

FBIと組織の攻防戦：「赤と黒のクラッシュ 侵入～遺言」

キールは前述の事件でFBIからの追跡を振り切ろうとしてバイク事故を起こし、大ケガを負って意識不明になってしまう。そのためにどこかの病院に入院しており、FBIに匿われていることを知った組織は近隣の病院に末端の構成員を送り込み、キールの入院先の病院の特定を始めた。
その情報がキールの入院している杯戸中央病院で組織を警戒していたコナンやFBIの耳にも入る。

やがて杯戸中央病院にも組織の構成員が紛れ込んでいることが分かり、コナンやFBIはその構成員が頸椎捻挫で入院していた楠田陸道だと突き止めた。
しかし、楠田にFBIが病院周辺を警戒していることを気付かれてしまう。組織に連絡される前に捕えようと追いかけるも、追手に赤井がいることを知った楠田は赤井への恐怖から拳銃自殺してしまう。

楠田からの連絡が途絶えたことで、組織は杯戸中央病院にキールがいることを確信。キール奪還作戦を開始した。
病院周辺で地下鉄での異臭騒ぎ、レストランでの食中毒騒ぎ、映画館での火災騒ぎを同時に起こして病院に急患を集中させ、病院内をパニック状態にさせた。
その混乱により荷物のチェック体制が甘くなるのを利用して、爆弾付きのお見舞い品を各病室に送り付けた。

組織は各病室に送り付けた爆弾を一気に爆発させ、キールを病院もろとも消し去るつもりだと判断したFBIは、そうはさせまいと急いで爆弾の回収を始める。
その最中、病室のテレビには入院着を着てアナウンサーへの復帰宣言をするキールの姿が。捜査官たちは慌ててキールの病室へ向かうが、キールは意識不明のまま。
そこでようやく、爆弾には発信機も内蔵されていたこと、その発信機によってキールの病室を組織に知られてしまったと悟ったFBI。

病室を知られてしまった以上ここにはいられないとキールを移動させることを決意したFBI は、キールを乗せたバンと囮のバン、あわせて3台で病院を後にした。
しかし、赤井の攪乱も空しくキールの乗ったバンを特定され、キールを奪還されてしまう。
ずっと意識のないふりをしていたキール自身も仲間が迎えに来たことを知り、運転していたキャメルを殴って気絶させ、バンからの脱出を図ったのだ。

見事なまでに組織にしてやられたかと思われたが、実はすべてコナンと赤井の計画通りだった。
キールの意識が戻っていることに気付いたコナンと赤井は、前日の夜に秘かにキールと接触していた。

実はキールこと水無玲奈の本名は本堂瑛美で、アメリカ中央情報局（Central Inteligence Agency）、通称CIAの諜報員で、組織への潜入捜査をしていたのだ。
コナンと赤井は組織の情報をCIA本部に報告したのちFBIにも流すよう依頼、本堂は弟の瑛祐を危険なことに巻き込まないために承認保護プログラムを受けさせることを条件に承諾した。
また、本堂はこのとき「いかなる場合でもCIAの任務を優先させるからFBIに不都合なことがあっても悪く思わないで」と言っていた。

かくして、コナンと赤井、本堂、キャメルによる「キール奪還させてやるよ作戦」が幕を開けた。
キャメルは組織の構成員が近づいてきても気付かなかったように装い、赤井はわざと別のバンを護衛しているように見せかけた。
まるで組織がFBIを出し抜いたように見えて、実はコナンと赤井が組織をまんまと出し抜いていたのだ。

殉職：「赤と黒のクラッシュ 殉職」

前述の組織によるキール奪還作戦後、キールから呼び出された赤井。
指定された時刻に指定された来葉峠に行くと、キールに肺を撃たれてしまう。
組織からノック、つまりスパイではないかと疑われたキールは、身の潔白を証明するために赤井の暗殺を命じられたのだった。
その後赤井はジンから命令されたキールに頭を撃ち抜かれ、愛車とともに焼かれてしまった。

その死を不審に思ったジョディだったが、ジョディがコナンから借りていた携帯に残っていた赤井の指紋と、かろうじて焼け残った遺体の右手の指紋が一致したために受け入れざるを得なくなってしまった。

華麗なる復活劇：「緋色の帰還・緋色の真相」

実は、コナンと赤井が企てたのは「キール奪還させてやるよ作戦」だけではなかった。
赤井の殉職までもが作戦の内だったのだ。

キールこと本堂が撃ったのは空砲で、赤井は胸とニット帽に「発砲に合わせて血が噴き出す仕掛け」を仕込んでいた。
また、赤井がコナンの携帯に触れたときには指先にコーティングをしていたため、コナンの携帯に赤井の指紋は付いていない。

では誰の指紋かというと、楠田のものだ。
楠田が組織の人間かどうかを確かめるためにコナンが楠田の病室を訪ねたとき、楠田がコナンの携帯に触れて指紋が残っていた。その後拳銃自殺した楠田の遺体を利用して赤井の死を偽装したのだ。

赤井と同じ服を着せた楠田の遺体と、撃たれたふりをした赤井がタイミングよくすり替わることで、キールが首につけたチョーカーに内蔵された小型カメラから一部始終を見ていたジンをも見事に欺いてみせた。

赤井秀一の関連人物・キャラクター

沖矢昴（おきやすばる）

赤井の仮の姿。大学院生という設定。
顔は変装、声はチョーカー型変声機で変えている。
沖矢のときの声は置鮎龍太郎が担当している。

前述の来葉峠の一件で自らの死を偽装したので、普段はこの姿をしている。
身を隠すことになった始めのうちは木馬荘というアパートに身を寄せていたが、アパートが火事で燃えてしまってからはコナンの伝手で工藤邸の留守を預かっている。

赤井務武（あかいつとむ）