スプリガン(SPRIGGAN)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『スプリガン』とは、超古代文明の残した数々の超常的な遺産と、それを巡る熾烈な戦いを描いた、たかしげ宙(原作)、皆川亮二(作画)による漫画作品。80年代から90年代にかけてブームとなったオカルト趣味の影響を受けており、それを痛快な娯楽作品へと昇華させた傑作として国内外で高く評価されている。
世界をも滅ぼしかねない、超古代文明の遺産「オーパーツ」。それを守護するための秘密組織アーカムに、御神苗優という少年が所属していた。オーパーツを狙う組織や国家に、優は仲間たちと共に立ち向かっていく。

「魔女」の異名をとる女性スプリガン。幻獣を召喚するなど、実際にその技術は魔法じみている。見た目は若いがかなり昔から外見年齢が変わっていないらしく、実際は相当な高齢である。
その正体は、かつてヨーロッパで活動していた本物の魔女。アーカム創始者の1人であり、その初代会長を務めた人物である。若手に組織を譲り、自身は1人のエージェントとして最前線で活動していたが、ヘンリーの暴挙を止めるために正体を明かし、彼を会長の座から引きずり落とした。

ヘンリー・ガーナム

アーカム財閥の新会長。より安定した秩序と世界平和のため、今までアーカムが集めたオーパーツの力で世界各国により積極的に介入することを目論む。これはそれまでのアーカムの活動とは大きく異なる計画であり、多くのエージェントの離反を招くこととなったが、自身の正義を信じて突き進んだ。
目的のためには手段を選ばず、そのためにどれだけ命が失われようと意に介さない傲岸にして不遜な人物ではあるが、彼なりに真に世界の平和を願っている。自身の夢が破れたことを悟った後は、反抗しようもない武力で脅されている状態でもあったため、潔く負けを認めて会長職をティアに譲っている。

トライデント

暁巌(あかつき いわお)

CV:細谷佳正

トライデントの行動部隊隊長。トライデント製のA・Mスーツを愛用しており、戦闘能力は優とほぼ互角。
「死の無い人生などおもしろくもない」と語り、自ら危険な戦場に飛び込む戦闘狂。それでもどんな過酷な状況に置かれても生きて帰ってくることから、「生還者(リターニングマン)」という異名を持つ。

度重なる任務の失敗により、処刑されることを恐れてトライデントを離脱。富士山麓での戦いで優たちと共闘し、ヘンリーの暴走がトライデントにも影響を与えていたことを察して彼らと共に南極へと赴く。そこでヘンリーの野望が潰えるのを見届けた上で、トライデントに対して自分なりのけじめをつけた。

金谷唱(かねや しょう)

CV:森久保祥太郎

COSMOSの兵士。その高い能力から全体を統率する役割を与えられている。
幼い頃の優によってCOSMOSが壊滅させられた際に生き残り、研究がアメリカ軍から離れた後にトライデントによって改めて人格を破壊される。しかし自分たちを裏切って人間らしい生活を手に入れた優に対する壮絶な嫉妬だけは打ち消されず、彼の中で燻り続け、やがて「優をこの手で殺す」ためだけにトライデントを誘導していく。
部下との完璧な連携で優を追い詰めるも、彼の予想外の奮闘に加えてジャンの援護、暁やボーといった思わぬ戦力の出現によって状況を引っ繰り返される。最期は優に「お前がうらやましかった」と吐露しながら自爆して果てた。

国家社会主義愛国社党

原作では「ネオ・ナチス」という名称の組織だったが、アニメ版では見出しのものに変更されている。

ボー・ブランシェ

CV:稲田徹

国家社会主義愛国社党に所属するエージェント。同組織最強の戦士だが典型的な脳筋で、戦法も言動もどことなく抜けている。日本の文化に興味があるらしく、繰り出す技には忍者や日本のゲームから着想を得たものが多い。
最初に登場した時は薬学的な処置で肉体を強化しており、優をも超えるスピードで彼を驚嘆させた。しかし朧にはまったく歯が立たずに一蹴され、心機一転して薬物に頼らない強さを短期間で身に着ける。才能自体は朧も認めるほどで、優を自身の“宿命のライバル”と位置付けて決着をつけることを熱望する。国家社会主義愛国社党の壊滅後はトライデントに身を寄せ、暁の相棒を自称するようになるが、その暑苦しい言動で終始彼を呆れさせていた。

国家社会主義愛国社党はナチスの流れを汲む組織で、ボー自身も強烈な選民思想の持ち主だが、彼の場合は「強者は強者だからこそ弱者の規範となり、命を懸けてこれを守らなければならない」という思想を同時に持っているのがユニークな点である。“我らこそ上に立つ存在”という前提はあれどそれを別にすれば人種差別的な意識も特になく、COSMOSの作戦により日本が沈没の危機にあった時は「この国を愛する者がいる限り、彼らを守るのが今の自分の使命」と言い切り、己の誇りに殉じて戦い抜いた。

その他

染井芳乃(そめい よしの)

CV:伊瀬茉莉也

優と同年代の高校生にして、世界各国で活動する悪名高いオーパーツハンター。巫女としての高い素養を持ち、洋の東西を問わずあらゆる神霊と交信することができる。状況を引っ掻き回せるだけ引っ掻き回し、自分の手に負えなくなると早々に逃げることが多いため、立場上その後始末を任されることになる優からは白い目で見られている。
オーパーツを求める理由はそれが大金になるからだが、実家はかなりの良家であり、どうしてそこまで金を求めるかは不明。金のためなら悪党とも手を組む一方、根っこのところは善人で、情に絆されて無償で人助けすることもある。

『スプリガン』の用語

超古代文明

現代文明が発祥する以前に栄え、滅んだ文明のこと。いずれも現代の科学を遥かに超越する高い技術力を持っていたが、自滅的な戦争や天変地異により滅んだとされている。

オーパーツ

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