1/11 じゅういちぶんのいち(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『1/11 じゅういちぶんのいち』とは、中村尚儁による日本の青年向けサッカー漫画。第一部は『ジャンプSQ.19』(集英社)で連載された。とある出来事から主人公・安藤ソラは大好きだったサッカーから遠ざかっていた。そんな時、小さい頃の友人でプロのサッカー選手であるツヨシこと若宮四季と再会し、サッカーの楽しさを思い出す。しかし、ツヨシは突然この世を去ってしまう。ソラはそんなツヨシの遺志を継ぎ、プロサッカー選手を目指す。その過程で、ソラの熱意に心を動かされ成長する人々も描いた感動のサッカー物語。

桐海高校との試合で、SBの加瀬は相手のパスをうっかりスルーしてしまい1点を取られる。その後も焦りからオウンゴールしてしまい、加瀬は「もう勝てない…自分のせいで…」と落ち込んでいた。
そんな中、ソラは「自分達が諦めたら終わりだ!俺たちはやれる!!!」と叫び、チームメイトを励ました。加瀬は医者になる夢を諦めていたが、ソラのこの言葉と「勝つことを諦めない」姿勢に感動し再び医者を目指すようになる。

青柳 大貴「もう一度だけCBをやらせてください!」

青柳は土下座をして「もう一度だけCBをやらせてください!」とコーチらにお願いした。

横浜チームの青柳は根っからのFWであったため、コーチから「CBへ行け」と指示されても受け入れられず、自分が思った通りのプレーができないままだった。不本意なポジションに、ついにはコーチやチームメイトに「やってらんねぇよ!」と不満を述べて謹慎を命じられてしまう。

しかし、妻の藍に「どんな環境でも自分らしい花を一生懸命咲かせることが大事、私は大くんの隣で咲くことを決めたの」と強い気持ちを伝えられたことから、心を入れ替える。今自分が置かれている状況で、必死に頑張ろうと腹を括る。
そして青柳はチームに戻り、「もう一度だけCBをやらせてください!」と土下座をしてチームに復帰した。

藪田 冬汰「今までずっと…ありがとう」

大神に「今までずっと…ありがとう」とお礼を伝える薮田。

薮田は高校に入ってから、大人数による陰湿ないじめを受けていた。それが学校一凶暴な大神と絡まれてから、ぱったりとなくなった。大神を恐れたクラスメイトが、薮田を虐めなくなったのである。
自分のために大神はそばにいてくれたことや、漫画家という夢を笑わずに応援してくれた大神に対し、薮田は「今までずっと…ありがとう」と感謝を伝えた。

安藤ソラ「他の誰かが見限ったとしても、俺は絶対に諦めない」

安藤ソラ「他の誰かが見限ったとしても、俺は絶対に諦めない」と御手洗に宣言した。

ソラがプロ入りし、横浜チームを経てアメリカのフィラデルフィア・ユナイテッドへ移籍した。そこでソラは練習中に怪我を負ってしまう。
そのことにより「安藤選手はもう終わった」と世界各国から来ていた記者たちは皆、ソラから興味を失い去っていく。ソラを取材していた御手洗も「日本に戻ったらどうだ」とソラに提案するがソラは「他の誰かが見限ったとしても、俺は絶対に諦めない」と強い意志を見せた。

安藤ソラ「俺がもっと上手かったら…チクショウ…チクショウ…!!」

実力不足を悔やみ「俺がもっと上手かったら…チクショウ…チクショウ…!!」と泣くソラ。

ランベスでオーナーであるジェイコブに楯突き、ソラはジェイコブから「2度と試合に出さない」と言われていた。
そんな時、フォワードの1人が怪我をしたため、ソラが代わりにチャンピオンズリーグの準決勝へ出場することになる。ソラは「ここでいいところを見せてランベスにアピールし、チームに復帰する」とは考えておらず「ただチームを優勝させる」ことだけを考えていた。その試合途中でサイドバックのチームメイトが怪我で倒れる。ソラは監督に「FWの俺をサイドバックで使ってください」と嘆願。ソラはサイドバックとして後半の試合に望むことになる。
試合が再開し、敵チームがボールを獲得。ゴールしようとソラの前にやってくる。体力の限界が来ていたソラは、敵を止められず、それでも点数を入れさせまいと敵のユニフォームを引っ張った。ファウルをくらいソラは一発退場、その後の試合も出場停止となる。ソラはそこまでして相手のゴールを阻止し、チームが勝つことしか考えていなかった。
結果的にチームは勝ったが、ソラはその後の試合は出場停止となる。ソラはフィールドを去った後、「俺がもっと上手かったら…チクショウ…チクショウ…!!」とトイレで泣いていた。

『1/11 じゅういちぶんのいち』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

若宮四季の名前は旧若宮町から拝借

若宮町は、作者の中村尚儁の出身地でもある福岡県にあった町である。2006年2月11日に宮田町と合併したため宮若町となった。
自然が美しい町だったことから、中村尚儁はキャラクターに「若宮四季」と名前をつけたと語っている。

単行本に収録された特別読み切り一覧

エロメガネ男子×女子

「かけると服が透けて見えるメガネ」を得た女子学生。

『1/11』1巻に収録。アフタヌーン四季賞佳作受賞作品。『月刊アフタヌーン』2008年1月号掲載。当時の名義は吉原十であった。

とある博士が開発した「掛けると着衣が透けて見えるエロ眼鏡」を手にした研究員の物語。エロ眼鏡を手に入れた研究員の男は、同じ研究員の女性を眼鏡越しに見つめると確かに全裸で見えた。しかし、背中に不思議なスイッチがあることにも気づく。研究員に近づく博士は「やれやれバレてしまったか」と言って、研究員の背中にあるスイッチをオフにして電源を切った。
もとは服部昇大から「一緒に同人誌作らないか」と誘われたことから制作。その時は『エロメガネ男子』というタイトルだったが、アフタヌーンに送る際にページ数が足りなかったため『エロメガネ女子』を加筆し、『月刊アフタヌーン』に持ち込んだ。

枯尾花幽霊探偵事務所(かれおばなたんていじむしょ)

『1/11』2巻に収録。『ジャンプSQ』2009年1月号掲載。

探偵である枯尾花 九太郎(かれおばな きゅうたろう)と、その助手である霊幻寺 有栖(れいげんじ ありす)が「美少女連続殺人事件」の解決に挑む作品。
シャーロックを目指す枯尾花は、幽霊が見える有栖の力を借りながら探偵事務所を営んでいた。そんな時、世間を賑わせていた美少女連続殺人事件の被害者である女子高生の霊から犯人の重要な特徴を聞く。
その特徴から犯人を追い詰める2人だったが、先に枯尾花が犯人に切り付けられる。そして犯人が「有栖を殺す」と宣言したため、枯尾花は自ら命を絶ち幽霊となって有栖を守りに行く。犯人を逮捕後、幽霊になった枯尾花と共に有栖は探偵事務所を続けていく。

当時、作者の中村はサッカー漫画で結果を出すことに限界を感じていた。ジャンプで発表していたサッカー漫画3作品ともアンケート結果が芳しくなかったため、サッカー以外のジャンルで勝負しようと考えた。
この作品のアンケート結果は過去一好評で、「幽霊」という部分をサッカーに活かした結果、『1/11』につながった。

ロープレ

主人公は引きこもり中の勇者。

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