スウィンダラーズ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『スウィンダラーズ』とは、2018年に日本で公開された韓国映画である。監督はチャン・チャンウォン。「夜霧」という詐欺師を父に持つファン・ジソンは、父が稀代の詐欺師チャン・ドゥチルのせいで死んだことを知る。一方、検事のパク・ヒスは贈賄の隠ぺいのためドゥチルの行方を追っていた。ジソンとパクの利害が一致し2人は手を組むことになるが、そこには数々の巧妙な駆け引きが隠されていた。この作品は韓国で実際に起きた詐欺事件を元にした、権力やプライド、家族愛が複雑に絡み合ったサスペンス・アクション映画となっている。
2008年のドゥチルによる詐欺事件の被害者の一人。ドゥチルに自身の父親の遺産をすべてつぎ込んでおり、詐欺によって破産した。テドンの伯父らも同様に破産している。騙されたことがわかった時点で、すぐに母親に「ごめん」と言い、ビルの窓から投身自殺をする。テドンがビルから落ちたところを友人のソクドンが目撃しており、このことによってソクドンはドゥチルへの復讐を誓う。
イ・ジョンソク(演:キム・テフン)
ソウル中央地検の検事総長。パクの上司にあたる。ハンミン党のヨンジェとつながっており、自らの保身や出世のためにドゥチルの国外逃亡に手を貸す。実際に手を汚していたのはパクであり、ジョンソクは主に指示を出していた。ドゥチルの贈賄リストが公表されると自分の立場が危うくなるため、パクにガンソクからリストを回収するよう言いつけた。自分に対して次第に態度が尊大になっていくパクが、気に入らない様子。
ソン・ヨンジェ(演:チェ・イルファ)
ハンミン党に所属する国会議員で、大統領選に出馬を表明する。出馬表明会見では感情に訴えかけるスピーチをするが、ドゥチルから賄賂を収賄しており、ドゥチルの国外逃亡の手助けをするなど裏では汚いことを多々行ってきた。しかし贈賄リストの存在が世に出るとドゥチルを殺そうと画策する。結局パクが捕まったことで自分もそれまでの悪事が明かされることとなり、パクとともに捕まった。
『スウィンダラーズ』の用語
贈賄
賄賂を贈る行為のことを指す。反対に、賄賂を受け取る行為は収賄といわれる。賄賂は職務に関する行為や便宜と同等の価値や利益のものを言い、その内容は金品だけでなく飲食店や娯楽の接待、性的サービス、仕事のあっせんなども含まれる。本作では政治家や検事が賄賂を受け取る代わりにドゥチルの国外逃亡を援助するなどしていた。日本においては公務員が賄賂を贈ったり受け取ったりすることに贈賄罪が適用される。また、「賄賂を受け取る」と約束するだけでも賄賂を要求したことになり、贈賄罪が成立したとみなされる。
検事総長
検察官の最高位のこと。検事は検察官の職務の中の一つをいう。日本同様韓国でも検事総長は最高検察庁のトップとされ、全国の検察庁職員の指揮監督の権限を持つ。また、検察庁の務めをすべて掌握する者でもある。本作では検事総長のイ・ジョンソクがパクの直接の上司として登場し、パクにドゥチルの始末を非公式に命じる。
マネーロンダリング
「資金洗浄」ともいう。違法な方法で得た金を正当な方法で得た金と装うため、偽装することである。土地や有価証券、麻薬、貴金属などを違法な方法で売買することが多い。近年では暴力団やテロ組織などの反社会勢力がマネーロンダリングの手法を複雑化させており、ダミー企業などを用いて発覚を逃れることが多い。また、一般人が精巧に作られた模倣品を知らずに購入してしまい、意図せずマネーロンダリングに加担してしまうケースもある。本作ではドゥチルが8年前の詐欺事件で手に入れた資金を有価証券として保持しており、それをマネーロンダリングにより現金化しようとしていた。
美人局
犯罪行為の一つで、恐喝や詐欺にあたる。男性をターゲットにして、恋人や夫婦などの男女が共謀して行うことが多い。ターゲットの男性と犯人の女性がホテルに入る、肉体関係を持ったなど言い逃れのできない状態で犯人の男性がその場に乗り込み、金品をゆすったり要求を通すという犯行手口が多い。本作ではチュンジャがターゲットのスンゴンにわざと近づき取り入ることで、ドゥチルの情報を引き出そうとしていた。
有価証券
それ自体に財産価値のある証券のこと。債権、手形、株式、小切手などを指し、簡単に大金を移動することが出来る。有価証券を譲渡することで、その証券が持っている財産的価値をそのまま簡単に次の持ち主に移すこともできる。本作ではドゥチルの有価証券を現金化するため、スンゴンがジソンの偽会社に証券を大量に持ち込んでいた。
『スウィンダラーズ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
パク・ヒス「私腹を肥やすのはやめて、自分の務めを果たせよ。立場を守りたいのならな」
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目次 - Contents
- 『スウィンダラーズ』の概要
- 『スウィンダラーズ』のあらすじ・ストーリー
- 稀代の詐欺師チャン・ドゥチル
- 8年後
- 詐欺師と検事のタッグ
- 騙し騙され合い
- 『スウィンダラーズ』の登場人物・キャラクター
- ジソンとその家族
- ファン・ジソン(演:ヒョン・ビン)
- ファン・ユソク(演:チョン・ジニョン)
- パク検事とその周辺の人物
- パク・ヒス(演:ユ・ジテ)
- コ・ソクドン(演:ペ・ソンウ)
- キム課長(演:アン・セハ)
- チュンジャ(演:ナナ)
- ドゥチルとその周辺人物
- チャン・ドゥチル(演:ホ・ソンテ)
- クァク・スンゴン(演:パク・ソンウン)
- イ・ガンソク(演:チェ・ドンムン)
- その他の人物
- チェ記者(演:チョン・ミンソン)
- テドン(演:オ・テギョン)
- イ・ジョンソク(演:キム・テフン)
- ソン・ヨンジェ(演:チェ・イルファ)
- 『スウィンダラーズ』の用語
- 贈賄
- 検事総長
- マネーロンダリング
- 美人局
- 有価証券
- 『スウィンダラーズ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- パク・ヒス「私腹を肥やすのはやめて、自分の務めを果たせよ。立場を守りたいのならな」
- 終盤での大どんでん返し
- 新たな仲間と新たな仕事へ
- 『スウィンダラーズ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 実際の事件を元に壮大なスケールで描かれた作品
- ヒョン・ビンの『スウィンダラーズ』への愛情
- メンバーの活躍を励みに掴み取った役
- 『スウィンダラーズ』の主題歌・挿入歌
- 挿入歌:パン・ジュンソク「달리는 지성」