07-GHOST(セブンゴースト)のネタバレ解説・考察まとめ

『07-GHOST(セブンゴースト)』とは、雨宮由樹と市原ゆき乃によって、2005~2013年まで『コミックZERO-SUM』にて連載されたファンタジーバトル漫画である。2009年4~9月には、テレビアニメが放映された。
物語の舞台は、厄災を振り撒く死神のフェアローレンと、フェアローレンを倒すために07-GHOST(セブンゴースト)と呼ばれる7人の死神が存在する世界。主人公のテイト=クラインが、失われた自分の記憶と歴史の真実を知るため、様々な人物と出会い、自分探しの旅をする様子が描かれていく。

『07-GHOST』の概要

『07-GHOST(セブンゴースト)』とは、雨宮由樹と市原ゆき乃によって描かれたファンタジーバトル漫画である。2005~2013年まで、一迅社発行の月間漫画雑誌『コミックZERO-SUM』にて連載された。
テレビアニメは、2009年4~9月に読売テレビ等で放映されている。

物語の舞台は、厄災を振り撒くフェアローレンという死神と、天界の長がフェアローレンを倒すために作り出した07-GHOST(セブンゴースト)と呼ばれる7人の神が存在する世界。
フェアローレンが封印されてから長い時を経た世界は、"ラファエルの瞳"と呼ばれる魔石により神の加護を受ける超大国・バルスブルグ帝国と、同じく"ミカエルの瞳"から加護を受けるラグス王国に分かれていた。両国は、平和のために協定を結びお互いを支え合っていた。しかしラグス王国がフェアローレンの体を封印するパンドラの箱を奪い、両方の瞳を得ようと協定を破棄したことで戦争が勃発し、ラグス王国は滅んでしまう。この出来事は”ラグス戦争”として、バルスブルグ帝国の歴史に刻まれていた。

ラグス戦争から約10年後、主人公のテイト=クラインは、陸軍士官学校に通い、軍への入隊を目指していた。幼少期の記憶を失っていたテイトだったが、ある日自分が滅んだラグス王国の王子であることと、父親を帝国軍の参謀長官であるアヤナミに殺害されたことを思い出す。記憶が蘇ったことにより士官学校を脱走し、命からがら逃げた先でバルスブルグ教会に保護されたテイトは、失われた自分の記憶と歴史の真実を知るために自分探しの旅に出ることを決意する。

『07-GHOST』のあらすじ・ストーリー

士官学校からの脱走

バルスブルグ帝国で軍人となるべく陸軍士官学校に通っているテイト=クラインは、卒業試験を間近に控えていた。元戦闘用奴隷であり、理事長のミロクのお気に入りでもあるテイトは他の生徒から疎まれている。しかしルームメイトのミカゲだけは、周りの目線も気にせず親友として接してくれるため、テイト自身も心を許していた。
卒業試験が始まり無事に一次試験を通過したテイトは、試験を視察しに来ていた軍の幹部達が自分を話題にしている声を偶然耳にする。そして突然、自分が10年前に滅んだラグス王国の王子であることと、目の前にいる帝国軍の参謀長官・アヤナミが父を殺したことを思い出した。テイトは記憶が蘇ったことに混乱しアヤナミに攻撃を仕掛けるが、アヤナミの部下であるヒュウガにあっさりと阻止され牢に入れられてしまう。もう帝国軍の下には居られないと悟ったテイトは、事態を聞きつけたミカゲの助けを借り、アヤナミの攻撃を受けながらも命からがら脱走に成功するのだった。

逃走の途中で力尽き気を失ったテイトは、偶然通りかかったバルスブルグ教会の司教であるフラウ、カストル、ラブラドールの3人に発見され保護される。軍や政府すらも介入できない”神の区域”とされるバルスブルグ教会に、帝国軍の領域から出たことがないはずのテイトは、何故か懐かしさを覚え涙を流した。そして自分の過去の記憶が消えていたことと、この国の歴史として知っていた10年前の戦争について疑問を持ち始め、真実を知りたいと考え始める。

ミカゲとの再会とミカエルの瞳の覚醒

テイトが教会に保護されてから間もなく、彼を探しに来たであろうミカゲも教会に姿を現した。親友との再会に喜ぶテイトだったが、ミカゲはその場で倒れてしまう。テイトはしばらくの安静を言い渡されたミカゲを心配しつつ、彼の目が覚めたら二人で教会を出ていく決意をフラウとカストルに伝える。自分の素性を聞かず親切にしてくれる教会の人々に戸惑い、これ以上の迷惑はかけられないと語るテイトに、カストルは「ここに辿り着いたのもきっと何かの御縁だ」と諭した。

テイトは目が覚めたミカゲに教会の案内をしながら、自分が思い出した過去と帝国軍には戻れないことを伝える。それを聞いたミカゲはテイトを激励し、最後に自分を殺すようにお願いした。様子が豹変し攻撃を仕掛けてくる彼は、アヤナミによって魂を半分奪われ、テイトを連れ戻す命令に背いたためその体をアヤナミに乗っ取られていたのだった。
アヤナミの圧倒的な力を前に、為すすべもなく制御装置の首輪を付けられたテイトは、その身に宿していた意思を持つ赤い魔石”ミカエルの瞳”を無意識に発動させる。それすらも制御装置で抑え込まれてしまうが、異変を察知していたフラウがセブンゴーストの斬魂(ゼヘル)としての姿で駆け付けた。斬魂が現れたことにより、ミカゲの体でこれ以上闘うのは不利だと判断したアヤナミは、「私が憎ければ帝国軍に復讐しに来い」と言い残しその場から去る。それは同時に、ミカゲが死んでしまうことを意味していた。
その後ミカゲの死を自分のせいだと責めるテイトに、フラウは3つの夢を叶えた魂は新たに転生することを伝え、ミカゲと同じ色の魂を持った「導きのドラゴン」と呼ばれるフュールングの子供を授ける。

フュールングのミカゲを連れて教会を出ていこうとするテイトに、カストルは斬魂を見たかと問いかけた。その問いに対して斬魂の正体がフラウだったことと、カストルからも同じ雰囲気を感じ取ったという返答を聞き、セブンゴーストの正体を知られてはいけないという掟に則ってテイトの記憶を消そうと試みる。しかしそれは、同時にミカゲの最後の笑顔の記憶も消してしまうことになる。その事実を許容できなかったフラウはカストルを止めに入るが、掟を破ったことを知られた際のリスクの大きさを指摘される。それは正体を知ってしまったテイトへの処罰はもちろん、掟を破りセブンゴーストの力を剥奪されると、フラウの体に埋め込まれているフェアローレンの鎌が制御できなくなることへの懸念だった。渋々とはいえ頷いたフラウが去ろうとした瞬間、彼の意思に反してフェアローレンの鎌がテイトを襲い、再びテイトの中に眠るミカエルの瞳が覚醒した。10年前の戦争で行方不明となっていたはずのミカエルの瞳をテイトが所持していたことに驚いたフラウとカストルは、同時にこの事実を知る人物が帝国軍側にも存在し、その為にテイト奪還のために軍が介入してくるのだと気付く。

司教試験

アヤナミに復讐するために教会を出ることを諦めないテイトに、カストルは司教試験を受けないかと提案する。試験に合格し司教パスを手に入れると、世界中の宿泊施設や交通機関を自由に扱える上に、帝国警備隊による厳重な検閲も免除されるという理由からだった。帝国軍から追われている身であるテイトはその話を聞き、1ヵ月後に行われる司教試験に向けて勉強と特訓を開始する。受験生はルームメイトと2人1組で行動しなければならないというルールに従い、テイトがペアの相手となったハクレンと共に試験に向けて高め合っている頃、受験生に紛れてアヤナミの直属部隊であるブラックホークに所属するクロユリとハルセが教会に侵入していた。

クロユリたちの思惑により、フラウは禁忌である黒法術(ヴァルスファイル)を使ったという無実の罪を着せられ、地下牢に投獄されてしまう。フラウの無罪を証明するために奔走するテイトとハクレンは、犯行現場とされている場所に向かうとフラウに司教としての在り方を教えたバスティンと出会った。しかしバスティンは教会の大司教補佐でありながら、帝国軍の諜報部に所属するスパイでもあった。愛国心が強いが故に、ミカエルの瞳を所持したまま逃走したテイトを国家反逆罪とみなし始末しようとするバスティンだったが、斬魂として現れたフラウによって阻止される。一方で、テイトを助けるためにフラウが斬魂となって自身の体を抜けることまで計算済みだったクロユリは、抜け殻となったフラウを始末するために地下牢へ向かうが、先読みしていたカストルとラブラドールがそれを阻んでいた。
アヤナミの力でカストルとの戦闘から離脱したクロユリは、テイトを誘拐しアヤナミたちとの合流を試みる。アヤナミは教会がある第7区を越えた先の戦地アントヴォルトへの救援を名目に帝国の指揮下から離れ、秘密裏にミカエルの瞳及びテイトを奪取するため教会上空まで接近していた。テイト奪還のために現れたフラウたちとアヤナミ率いるブラックホークが衝突する中、ミカエルの瞳はテイトを守るために力を開放し帝国軍に大打撃を与える。しかしバスティンとの戦闘で、黒法術に使用された闇徒(ヴァルス)を取り込んでしまっていたミカエルの瞳は限界を迎え、宿主のテイトの体と離別する。空中戦だったために墜落しかけていたテイトはフラウに救出されるが、体から離れたミカエルの瞳はブラックホークのヒュウガに回収され、帝国軍に奪われてしまうのだった。

司教試験当日、テイトはミカエルの瞳を喪失した影響で、1次試験で使用する特殊能力のザイフォンが使えなくなってしまっていた。試験開始前から窮地に陥るテイトだったが、同じ受験者であり回復系のザイフォンを扱うウィーダがザイフォンを分け与えてくれたことで事なきを得る。無事に1次試験を通過したテイトやハクレンを始めとした受験生が2次試験である法術試験に挑んでいる頃、試験官たちには前日のブラックホークとの接触で発動したミカエルの瞳の使用者の捜索のために、教会内に帝国軍が潜入しているという情報が入っていた。
2次試験の通過条件は「己の闇を知り正面から向き合える者」とされており、受験者はそれぞれ具現化された自分の心に秘める闇との戦いを余儀なくされる。自分自身との戦いとなりミカエルの瞳が現れたテイトは、モニターの映像により試験官たちにも瞳の使用者だとバレてしまう。己に打ち勝ち試験を突破したテイトは、試験官に紛れ込んでいた帝国軍に狙われるが、待ち構えていたフラウと共に教会を脱出した。司教試験に合格したテイトは、この日からフラウに同伴する司教見習いとなり、自分の記憶とラグス王国の真実を知るための旅に出る。目的地は、かつてバルスブルグ教会の司教であり「神父さま(ファーザー)」と呼び慕っていたクロイツが、幼い自分を連れて目指していたゼーレの地。そのためにクロイツが辿った道であり、ゼーレの地へ向かうための切符を渡す役目を担っているというゴッドハウスを巡るのであった。

ゴッドハウス巡りとパンドラの箱の在り処

教会を出てすぐに、奴隷商人から虐待されていた奴隷の少年カペラを救ったテイト。カペラを旅のお供に加え追ってきた奴隷商人を返り討ちにしたテイトたちは、検問に引っかかることのない奴隷商人の馬車を利用し、目的地のある第6区への移動に成功する。
フラウとカペラとは離れ、テイトは1人で第6区のゴッドハウスであるハウゼン家を訪ねた。セブンゴーストの1人であり、カストルが持つ能力である繋魂(フェスト)の紋章が描かれていることに気付いたテイトは、使用人のセイランからゴッドハウスはセブンゴーストの血を受け継ぐ"神の一族"であることを教えられる。そして、ハウゼン家の先代当主の写真を見つけセイランからハウゼン家の過去の話を聞くうちに、亡くなった先代当主のシンルーがカストルであることを確信した。シンルーの服を着ていたためシンルー本人と誤解されたテイトは、闇徒となったシンルーの母親の魂が入り込んでいた人形に捕らわれてしまう。テイトはシンルーの気持ちを代弁して母親の魂を浄化することに成功し、この事実を隠していたハウゼン家の不正を暴いたことで、繋魂として現れたカストルからゼーレの地への行くために必要な呪われた切符を受け取った。

テイトたちが旅に出てから、司教試験に合格しカストルの下で司教見習いとなっていたハクレンにはバルスブルグ王室から書簡が届いていた。それは軍人か政治家しか認めないオーク家の生まれであるハクレンに、王女の教育係を務めるようにと記された命令書であった。父や王室への嫌悪感から司教になる道を譲らないハクレンに対して、カストルは王室へ断りに行く前にとある病院への同行を提案する。第7区で最も古いと言われるその病院は、不治の病や末期患者が穏やかに最後を迎えるための施設だった。そこで帝国が軍事資金を確保するために、このような病院に火を放って税金で賄っていた弱者を消していた歴史を知ったハクレンは、司教として弱き民に寄り添う決意をより一層強くする。しかし患者の声を聞き、教会で学んだことを活かし教育係として王室に民の声を届けることこそ最善だと考え直し、王室に仕える道を選んだ。

ゴッドハウス巡りの旅とアヤナミとの接敵を繰り返すうちに、テイトはクロイツがセブンゴーストの契魂(フェアトラーク)であることを思い出し、アヤナミの正体が世界に厄災を振り撒くとされる悪しき死神・フェアローレンだということに気付く。段々と明らかになっていく自分の記憶と歴史の真実に様々な思いを抱えるテイトの次の目的地は、第5区のゴッドハウスであり故郷でもある旧ラグス城であった。ラグス城内に契魂の紋を見つけたテイトは、幼き頃バルスブルグ教会の教皇に手によって、フェアローレンの体が封印されているパンドラの箱を自身の体に埋め込まれた記憶が蘇る。これはテイトだけではなく、教会にとっても「フェア=クロイツがパンドラの箱を持ってラグス王国に逃亡し、戦争のきっかけを作った」という歴史が塗り替えられる衝撃の事実だった。

オウカとの邂逅

第4区のゴッドハウスであるクラート家を目指す道中で、テイトは医者を目指していると話す少女のオウカと出会う。街はずれで変わったお香の煙が充満していることに気付いた2人は、突然現れた闇徒に襲われ、気付くと氷の中に閉じ込められていた。姿を現したレムと名乗る闇徒は、テイトたちを閉じ込めた氷漬けの空間を「楽園」と呼び、自分の宝物を守るために生贄として人間を氷漬けにしていることを明かす。
オウカと協力し氷の中から脱出したテイトは、自分を探しに来ていたフラウと合流する。テイトたちの力により浄化されかけているレムの魂は子供の姿に戻り、「イリューシャ」と呼び執着している自らの宝物の元へと駆け寄っていた。レムの魂を完全に浄化するために後を追ったテイトは、預魂(プロフェ)の刻印と、イリューシャと呼ばれるレムの宝物がラブラドールであることに気付く。テイトたちが捕らわれていた場所は、偶然にも次の目的地であるクラート家であった。テイトはレムの意識が入り込んできたことにより、病に侵されたレムの妹を助けるためにイリューシャが咲かせてはいけない禁断の植物"エデンの花"を咲かせてしまい、レムは自分が関与が知られてしまうことを恐れイリューシャを裏切ってしまった過去を知る。レムの浄化が成功し預魂として現れたラブラドールは、テイトにゼーレへの切符を渡し、クラート家がエデンの花を使って作成したお香で信者を洗脳していることを告げ、エデンの花の栽培をしていた温室の焼却をお願いした。レムを利用してイリューシャがエデンの花を咲かせるように仕向け、一般人を生贄にして花を培養していたクラート家の現当主は、フラウによって処断された。そしてラブラドールの意思を受け取ったテイトが温室を焼却したことで、クラート家での事件は幕を閉じた。

無事にクラート家から脱出したテイトとオウカは、別れ際に互いの本当の名を告げる。ロゼアマネル=オウカ=バルスブルグと名乗る彼女は、バルスブルグ帝国の王女であり、ラグス戦争の際に戦ったラファエルの瞳の宿主であった。すぐにその場を去ったテイトは、去り際に受け取ったオウカからの書簡が、バルスブルグ宮殿で行われるオウカの誕生パーティの招待状だったことを確認したことで彼女の正体を確信する。テイトが去った直後オウカのラファエルの瞳が反応し攻撃態勢に入るが、間一髪のところで王女の教育係となっていたハクレンが現れたことで瞳の発動は抑えられ、大きな騒ぎになることなく王室へと帰還していくのであった。

テイトの記憶喪失

フラウとテイトは検問を受けずに第1区へ向かうために変装し、バルスブルグ帝国の一大イベントであるホークザイルレースに参加した。レースの途中で「神の瞳」と呼ばれるラグス戦争の跡地を通過したテイトは、ラグス戦争時の記憶が蘇りゼーレの地へ向かう決意を新たにするが、レースに紛れ込んでいたアヤナミとブラックホークに襲撃される。テイトと共にいたフラウだけでなく、有事に備えレースに参加していたカストルとラブラドールも応戦するが、それぞれがブラックホークのメンバーに足止めを食らい、テイトはアヤナミに連れ去られてしまった。

帝国軍内の病室で目覚めたテイトは、アヤナミの能力によって士官学校の卒業試験以降の記憶が失われ、彼の補佐役であるベグライターとしてブラックホークに所属していることになっていた。違和感を感じながらも何も思い出せないテイトは、軍の任務で頭を強打し記憶が退行しているという偽りの説明を信じ込んでいた。そして、記憶を戻すための脳の検査と称したミカエルの瞳の洗脳と実験を受けながら軍務に励む日々を送る。本来軍のトップとして、瞳を自在に扱う権限を持っているはずのオーク元帥はアヤナミが始末しており、表向きには泥酔による溺死とされ葬儀の案内が届いていた。
ブラックホークの一員としてテイトが葬儀のために訪れたオーク家は、遺魂の紋章を掲げる第2区のゴッドハウスであった。軍に潜入しパンドラの箱を狙う敵の情報を掴んでいた遺魂(レリクト)のランセは、記憶を失くしたテイトに真実を伝えるために接触を試みるが、アヤナミに阻止され失敗に終わる。軍の内外を問わず自分にとっての邪魔者を排除したアヤナミは、毎日行われるテイトの検査でミカエルの瞳さえも洗脳し、パンドラの箱を開放しようとしていた。

テイトは第1王女であるオウカの誕生パーティで婚約者候補に扮し、王女の護衛の任務に就くように言い渡される。当日の会場には、テイトを奪還するため貴族に扮したフラウ、カストル、ラブラドールの3人も潜入していた。記憶を失くしたままのテイトはオウカと出会ったことも忘れており、オウカはテイトの記憶を呼び戻そうと語りかけるが、そこにオウカの命を狙う不気味な仮面を付けた人物が現れる。テイトの奪還を試みるフラウたちの潜入に備えていたアヤナミにとっても予想外だったその人物は、教皇を操りパンドラの箱を奪おうとしていた真の敵でありセブンゴーストの1人でもある消魂(ランドカルテ)だった。消魂の攻撃から守るために現れたフラウと接触し、ミカエルの瞳が発動したことでテイトは全ての記憶を思い出し、ミカエルの瞳の洗脳からも脱することに成功した。

フェアローレンの復活

テイトとミカエルの瞳の力によって洗脳を解かれたオウカは、ラファエルの瞳の実験と洗脳を施していた張本人であるナナセと、父であり皇帝のヴォルフラム=アイフェラー=バルスブルグとの決別に成功する。皇帝の背後に黒い影がいることに気付いたテイトの前にセブンゴーストの醒魂(エア)が現れ、影の正体が自分のかつての同胞である消魂であることを告げる。教皇だけでなく皇帝をも唆し操っていた消魂は、ブラックホークのカツラギ大佐として軍に潜入しながらフェアローレンであるアヤナミさえも欺き、パンドラの箱の封印を解き自らがフェアローレンに成り代わろうとしていたのであった。

フラウと合流したテイトは消魂との戦闘で、パンドラの箱を自分の体に埋め込むように仕向けラグス戦争のきっかけを作ったことや、フラウの体にフェアローレンの鎌を埋め込み斬魂になるきっかけを作ったこと、その全ての元凶が消魂であったことを知る。僅かに残っていた消魂の良心を探し出し浄化することに成功したが、ラファエルの瞳の洗脳を解く際にパンドラの箱の封印を守る役目をしていたミカエルの瞳が壊れたため、不完全ながらもフェアローレンの体が復活してしまった。フェアローレンの中に取り込まれたテイトは、天界の長の娘であり良心を司る神のイヴに導かれ、フェアローレンの魂を据えるための玉座に辿り着く。そこでは、フェアローレンの鎌と一体化したフラウが鎌の姿で玉座に突き刺さっており、テイトの身代わりにフラウ自らがフェアローレンとなって打ち倒されることを選択したことを知った。テイトは深層心理に入り込み幼き日のフラウを説得することでその選択を阻止し、自分が鎌の持ち主になることで一緒に戦うことを決意する。フラウの深層心理から抜け出しフェアローレンの玉座に戻ったテイトは、フェアローレンとして完全復活するために現れたアヤナミに最後の戦いに挑むこととなる。

かつてフェアローレンはイヴを愛していたが、死神として存在するが故に魂を奪うことでしか愛を手に入れることができなかった。そのためイヴを殺してしまい天界から地上に堕ちたフェアローレンは、共に地上に堕ちたイヴの魂を探すために復活しようとしているのであった。現在はアヤナミとして存在している彼が、ラグス王であった父の弟であり自分の血族であるという記憶も思い出していたテイトは、人間として生きている以上死神だからという理由で魂を奪うことには納得できないと語りかける。テイトは鎌をアヤナミの体に突き刺したがアヤナミの体に吸収され、フェアローレンの玉座にアヤナミが座ることを阻めなかった。

フェアローレンが完全復活したと思われた瞬間、世界中の人々の体から光が溢れ、その光と呼応していたフェアローレンの手元の光からイヴが現れる。フェアローレンが探し求めていたイヴの魂は、天界から堕ちた際に世界中に散らばり、全ての人々の良心としてその心に溶け込んでいたのだった。テイトの良心と共鳴したことで発露したイヴに諭されたフェアローレンは、己の鎌で斬られると死ぬという理の通り、テイトから受けた鎌の傷が原因で体の消滅が始まっていた。フェアローレンとしての体が崩れ救出しようと手を差し伸べたテイトを振り払い、地獄にすら行けずに無に還ることを受け入れたアヤナミだったが、その体は翼を散らしながら消滅する。それは、天界の長の赦しを得て天界に戻れるという証であった。パンドラの箱を消滅させ、世界中の人々だけでなくフェアローレンのことも救う偉業を成し遂げたテイトは、アヤナミに吸収されていたクロイツと再会し契魂からのゼーレの切符を受け取る。そして最後に斬魂としてフラウからも切符を受け取り、フェアローレンの鎌を返すためにゼーレの地へと旅立つのであった。
ゼーレの地へ行ったテイトの魂は天に還ってしまったが、2年後に再び実母のミレイアの子供として転生したテイトは、「ヴァールハイト=テイト=クライン」の名を授かり、ラグス王国の復興に貢献する人物となる。

『07-GHOST』の登場人物・キャラクター

主要人物

テイト=クライン

CV:斎賀みつき
本作の主人公。不器用だが芯のある真っ直ぐな性格で、人を惹きつける魅力がある。本当の名を「ヴァールハイト=ティアシェ=ラグス」といい、滅ぼされたラグス王国の王であるクロムと側室のミレイアの間に生まれた王子である。
幼少期にフェアローレンの躰を埋め込まれ生きたパンドラの箱となり、フェアローレンから魂を守るためにミカエルの瞳もその身に宿す。狙われる身となったため、司教であり叔父のクロイツの教会の孤児としてテイト=クラインの名をもらい、ゴッドハウスを巡る旅をしていた。その後ラグス戦争が激化し、帝国軍に捕らわれた場合のことを考えたクロイツにより、ラグス王国での記憶を封印されることとなった。記憶を失い帝国軍の戦闘用奴隷として育てられた後は、バルスブルグ帝国の士官学校に通っていたが、アヤナミと接触したことにより一部の記憶が蘇り士官学校を脱走する。その後逃走中にバルスブルグ教会の司教であるフラウに保護され、自分の記憶と歴史の真実を辿る旅に出るため司教見習いとなった。
フェアローレンの復活を阻止した後はゼーレの地へ行ったため1度死んでしまい、その2年後に再びミレイアの子として転生し「ヴァールハイト=テイト=クライン」の名を授かる。

フラウ

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