時透有一郎（鬼滅の刃）の徹底解説・考察まとめ

時透有一郎のプロフィール・人物像

性別：男性
職業：杣人（そまびと） ※林業の古い言い方
享年：十一歳

時透有一郎（ときとう ゆういちろう）とは、大正時代を舞台にした吾峠呼世晴の漫画作品『鬼滅の刃』の登場人物で、鬼殺隊の最高位の剣士・柱の一員である時透無一郎（ときとう むいちろう）の双子の兄。
双子なだけに外見は無一郎に酷似しており、先端に行くに従って青みを帯びる長髪をツーサイドアップのような形にまとめている。粗末な暮らしをしてきたためか、年齢を考えても華奢な体つきをしている。

作中には鬼と呼ばれる人食いの怪物が存在しており、鬼殺隊はこれを狩ることを目的とする政府未公認の組織である。数百年前にその鬼殺隊に所属して活躍した剣士の子孫で、両親や弟の無一郎と共に山奥で杣人（そまびと）をして暮らしていた。
どこか言動が浮世離れした無一郎と異なり、その物言いは峻厳で現実的。無一郎にも辛辣に当たっていたが、それは彼がその才能ゆえに無茶をして命を落とすことを危惧したためのもの。本心では誰よりも弟の力を信じ、「無一郎の“無”は“無限の無”だ」と評していた。

両親を相次いで亡くして以降、無一郎と二人で暮らしていたが、鬼に襲われ死亡する。この時、もはや自分が助からないと悟ってからは、ひたすら弟の無事を祈り続けていた。
後にかつて自らが危惧した通り、無一郎が鬼との戦いで命を落とした際、霊となって彼の前に姿を現す。「こんなところで死ぬな」と激しい口調で無一郎を叱責。しかし弟が自分の死に様にも人生にも満足していることを知り、「それでもお前だけは死んでほしくなかった」とようやく本心を打ち明けて泣き崩れた。

時透有一郎の来歴・活躍

杣人の家に生まれる

山奥で暮らす杣人（林業の古い言い方）の家に、双子の兄として生まれる。弟の無一郎は普段からぼんやりとした米炊きもろくにできない少年だったが、剣士として類稀な才能の持ち主で、どのような形でかは不明ながらそれを知ることとなる。「自分の弟は天才だ」と感嘆する一方、杣人として生きる以上は意味の無い力だとあまり気に留めていなかった。

そんな折、母親が病によって息を引き取り、その治療のための薬草を探していた父親も崖に落ちて死亡。弟と二人で生きていくことを強いられる。
絵に描いたような善人だった両親が誰にも救いの手を差し伸べられないまま命を落としたことは、有一郎の大きなトラウマとなり、「どんなに善良に生きたって、結局は神様も仏様も助けてくれない」との極めてシビアで現実的な価値観を抱かせることとなる。

産屋敷あまねの訪問を受ける

一人では家事もまともにできない無一郎を叱咤しつつ、杣人としての生活を続ける。両親を尊敬する無一郎は、二人のように善良に生きることを望むも、「ぼんやりした弟がそんな生き方をしたら、誰かに騙されてひどい目に遭わされる」と考え、罵倒に近い勢いでこれを諫める。このことで兄弟の関係は次第に悪くなっていく。
この頃、鬼殺隊の当主産屋敷耀哉（うぶやしき かがや）の妻である、産屋敷あまね（うぶやしき あまね）が兄弟の暮らす小屋を来訪。二人がかつて鬼殺隊に所属していた剣士の子孫である旨を教え、その才能を世のため人のため活かしてほしい（＝鬼殺隊に入って鬼と戦ってほしい）と頼まれる。

無一郎はこれに乗り気になり、「自分たちの力が誰かのためになるならやってみよう」と有一郎に持ちかける。しかし有一郎は「そんな怪物と戦わされたら、無一郎はきっと殺されてしまう」と考え、徹底的に拒否の姿勢を取る。無一郎に「甘い考えを捨てろ」と辛辣極まる言葉を投げかけ、なんとか兄弟を説き伏せようと再びやってきたあまねには水をかけて追い返す。兄が女性に手を上げたことにはさすがの無一郎も激怒し、二人の仲はさらに険悪化の一途を辿った。

鬼に襲撃されて命を落とす

有一郎と無一郎の仲が決裂寸前まで悪化したとある夜、二人の暮らす小屋を鬼が襲撃する。有一郎は成す術も無く致命傷を負わされて倒れるも、無一郎はその秘めた才能を開花させる。鬼は太陽の光を浴びせる以外にはほぼ不死の存在だが、杣人の仕事で使う刃物で一晩中切り刻み、大地に串刺しにして動きを封じ、ついには朝日の光を浴びせてこれを撃破する。

さすがに精魂尽きて倒れるものの、駆けつけた鬼殺隊の者たちの手で無一郎は救助される。一方の有一郎はもはや手の施しようのない状態で、すでに自分の死を悟っており、ただひたすら無一郎が無事であるよう神や仏への懇願を繰り返していた。
無一郎が鬼を退治したことも、目の前に本人がいることも分からないまま、弟に生きていてほしい一心を吐露しながらも「人助けがしたい」というその願いを踏みにじったことを悔む。兄の本心を知り、もっと仲良くしておけばよかったと絶望と共に涙する無一郎の前で息絶える。

無一郎の魂の前に現れる

その後無一郎は鬼殺隊に入隊し、有一郎も驚いたその才能を縦横に発揮し、ついには最高位の剣士である柱にまで上り詰める。しかし鬼殺隊と鬼との最終決戦の中、鬼の側のナンバーツーにして自身の先祖でもある黒死牟（こくしぼう）と戦い、これに致命傷にも等しい大きなダメージを与えるも自らは力尽きる。

無一郎の魂が死出の旅路に赴く際、その前に現れて「引き返せ」、「なんでこんなに早く来た」と散々に罵倒する。弟の死を無駄死にだと言い切るも、当の無一郎は「兄さんだけは無駄死になんて言わないでくれ」と反論。死という結果にも、自分の人生にも満足している旨を語り、後悔など無いと語る。
弟の覚悟は有一郎も理解していたが、「それでもお前にだけは生きていてほしかった」と兄としての本心を口にし、弟に抱き着いて泣き崩れる。

黒死牟は後事を託された仲間たちによってトドメを刺され、鬼殺隊は全ての鬼の討伐を達成する。約百年後の現代が舞台となった最終回では、有一郎と無一郎が転生したかのような双子の赤ん坊が、両親の下で平和に暮らしている様が描かれている。

時透無一郎の関連人物・キャラクター

時透無一郎（ときとう むいちろう）

鬼殺隊最高位の剣士である柱の一員で、使う技法から「霞柱」と呼ばれている。本格的な剣の修行を始めてたった二カ月で柱にまで上り詰めた天才剣士で、こと剣才に関しては当代の鬼殺隊でも随一の少年。
兄と死に別れた際、ショックからそれまでの記憶を失う。鬼との戦いの中、窮地に追い詰められた際にこれを思い出し、自分に辛辣な言葉しか投げかけてくれなかった兄が本当は自分を心から案じてくれていたことを知る。

兄との絆を心の支えにさらなる飛躍を遂げるも、鬼のナンバーツーにして自身の先祖でもある黒死牟と戦い命を落とす。それでも自身の力を尽くし、黒死牟に致命傷にも等しいダメージを与える。
死出の旅路に赴く際、兄の霊と再会し、なんとか送り返そうとする彼に「僕は幸せになるために生まれてきた」と、自分の人生に後悔は無いことを明快に言い切った。

霞柱・時透無一郎（鬼滅の刃）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

時透無一郎（ときとう むいちろう）とは、『鬼滅の刃』に登場する鬼狩りの剣士である。
鬼殺隊の中で最高位の剣士である「柱」の1人で、「霞の呼吸」を使う霞柱。
柱たちの中で最年少である。鬼殺隊に入って僅か2ヶ月で柱になった天才剣士。無表情で、他者との関わりが薄かったが、炭治郎と出会ったことにより徐々に変わっていく。

産屋敷あまね（うぶやしき あまね）

鬼殺隊の当主である産屋敷耀哉の妻。耀哉は病魔に冒され屋敷から遠くまで出掛けることができないため、遠出する必要がある時はその代理として様々な地に赴いている。
有一郎と無一郎が、戦国時代に鬼殺隊に所属して活躍した継国巌勝（つぎくに みちかつ）の子孫であることを突き止め、その才能を鬼との戦いの中で活かしてほしいとスカウトする。無一郎は「自分たちがそんなすごい人の子孫だったなんて」、「困っている人のために力を振るえるなんて光栄なことだ」と乗り気になるも、有一郎は「いくら才能があっても、弟みたいなぼんやりしたヤツがそんな怪物と戦わされたらきっと殺されてしまう」と焦り、ついには女性に向かって水をかけるという実力行使であまねを追い返す。その後有一郎は鬼の襲撃によって命を落とし、あまねと二度と出会うことはなかった。