シュレック3(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『シュレック3』は、2007年5月18日に公開されたアメリカ合衆国で製作されたファンタジー映画、アドベンチャー映画、コメディ映画である。フルCGで作られたアニメーション映画である。2008年にピープルズ・チョイス・アワード ファミリー映画賞、キッズ・チョイス・アワード アニメ映画声優賞を受賞している。おとぎ話の悪役達の意外な一面が見所である。ハロルド国王が亡くなり、遠い遠い国の王位を決めなければならなくなった。正しき後継者に王位を引き継ぐ為に、シュレックは仲間と共に立ち向かう。

魂への旅

焚火を囲んでいるシーン。左から長ぐつをはいたネコ、ドンキー、シュレック、アーサー。

シュレックとアーサーが自分の過去のトラウマを知る方法として、マーリンが用意した魔法。マーリンが魔法の砂を焚火にかけると、焚火を見ている人の過去が焚火の煙に具現化して現れる。
シュレックはベビーカーが見え、アーサーはひな鳥とお父さん鳥が巣にいるのが見える。ひな鳥を置いて行ったお父さん鳥の様子こそ、アーサーの過去のトラウマの姿であった。アーサーは過去に父親から捨てられていたのである。

魔法の副作用

アーサーが遠い遠い国に帰る為にマーリンを説得しているシーン。左からアーサー、マーリン。

マーリンの魔法には副作用が出る事がある。「下手すると身を切られるような痛みを感じるが、いずれは消えるはずだから」とマーリンは語る。
実際にシュレック、ドンキー、長ぐつをはいたネコ、アーサーが遠い遠い国にワープしても痛みを感じる事は無かったが、ドンキーと長ぐつをはいたネコの体が入れ替わってしまった。
ドンキーと長ぐつをはいたネコの体を元に戻す際には、「ちょっとちくっとしたり、腹這いが悪くなるかもしれんが効き目はバッチリじゃ」と語った。
魔法は成功したかのように思えたが、次はドンキーと長ぐつをはいたネコの尻尾が入れ替わってしまった。

『シュレック3』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

シュレック「俺が心配なんは自分の事やない。子供の事や」

シュレックの夢の中で、シュレックとフィオナ姫の子供が次から次へと現れているシーン。

「俺が心配なんは自分の事やない。子供の事や」というシュレックのセリフ。
シュレックは遠い遠い国の後継者候補であるアーサーを探しに行く旅に出る際、フィオナ姫から妊娠している事実を告白される。まだ、父親になる自信が無いシュレックは、自宅で子供の世話に手を焼いている所に、大勢の子供が窓から入って来て手に負えなくなるという悪夢を見た。夢から醒めたシュレックは、ドンキーと長ぐつをはいたネコに自分は怪物である身分でしっかりと子育てしていけるのかという不安を打ち明けた。生まれる前から子供の事を考えているシュレックの優しさが伝わるセリフである。

フィオナ姫「皆良い?今からは自分達の力でやっていくのよ」

フィオナ姫達がシュレックを助けに行く途中で、敵に捕まってしまうシーン。左から眠り姫、白雪姫、ドリス、フィオナ姫、シンデレラ、リリアン王妃。

「皆良い?今からは自分達の力でやっていくのよ」というフィオナ姫のセリフである。
チャーミング王子の手下に捕まってしまったフィオナ姫達は、このままではシュレックが危ないと察し、脱獄を決意した。だが、白雪姫、眠り姫、シンデレラは助けを待つポーズをし始めた。そんな3人を見かねたフィオナ姫は、助けを待っているのではなく、自ら立ち向かい敵と戦わなければ何も変わらない事を訴えかけるセリフとなっている。
一見か弱そうな女性だって、いざとなれば強く逞しくなれるという事を教えてくれる。

シュレック「それを被るかどうかは自分で決めたらええ」

アーサーが遠い遠い国の王になるか迷っているシーン。

「それを被るかどうかは自分で決めたらええ」というシュレックのセリフである。
遠い遠い国を支配しようとしていたチャーミング王子を倒し、王冠を取り戻したアーサーとシュレック。これまで惨めな思いばかりしてきたアーサーは、自分は王に相応しくないとずっと思い込んできた。だが、本当は勇敢で賢い少年。その事を見抜いているシュレックが、アーサーの背中を押す為にかけたセリフとなっている。
重要な決断は他者に委ねるのではなく、自分で決めていく事の大切さを教えてくれる。

『シュレック3』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ライティングへの力入れ

左からドンキー、長ぐつをはいたネコ

『シュレック』はライティングにとても力を入れている。グローバルイルミネーションを使ってライティングを行なっているが、『シュレック2』の9倍この技法を使用している。ドリームワークスはショットごとの映像を大変大事にしており、妥協はしないのが売り。
ライティングチームは、アニメーションチームとほぼ同数のスタッフが担当し、良い作品ができあがるまで何度も試行錯誤を繰り返す。照明があるからこそ魅力的な良い絵ができるのである。

火のエフェクトの完成度

火に関しては、日本での制作事情的にフルCGで表現するより、実写を使った方がリアリティがあり、費用的にも現実的と考えるのが現状で大勢を占める。
だが、今ではハードウェアの性能が向上し、実際に映画制作に使えるようになった。テストから戻ってくる時間が、これまでの1/3で済むようになったのである。これまでより多くテストを行える事で、複雑なシミュレーションもでき、完成度も高くなるのだ。

こだわりぬいた髪の毛とクロス

4Hayama
4Hayama
@hym900st

Related Articles関連記事

長ぐつをはいたネコ(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

長ぐつをはいたネコ(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『長ぐつをはいたネコ』は、2011年に公開されたドリームワークス・アニメーション製作によるコンピュータアニメーション映画である。ジャンルはアドベンチャー、アクション、コメディ、ファンタジー映画に分類される。長ぐつをはいたネコとキティの真剣さの中に面白さが混ぜ込まれているダンス対決は魅力の1つである。長ぐつをはいたネコは幼少期にハンプティ・アレクサンダー・ダンプティと魔法の豆を探していた。中々見つからない為もう諦めていたが、魔法の豆が実際に存在する事を知る。そして、魔法の種を探す旅に出たのだった。

Read Article

シュレック(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

シュレック(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『シュレック』は、2001年に公開されたアメリカのフルCGのアニメーション映画である。ジャンルはファンタジー、アドベンチャー、コメディに分類される。公開年にはアカデミー長編アニメ賞を受賞した。大人向けに制作された作品で、ユニークなセリフが数多く盛り込まれている所が魅力の1つである。 ある日、シュレックという怪物が人里離れた沼で平凡に暮らしている所に、おとぎ話の主人公達が押し寄せてきた。自分が再び平凡に暮らせるよう、ロバのドンキーと共にフィオナ姫を探す旅に出たのであった。

Read Article

シュレック2(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

シュレック2(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『シュレック2』は、2004年のアメリカ合衆国のファンタジー、アドベンチャー、コメディ映画。2001年に公開された『シュレック』の続編。アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、アニー賞にノミネートされたが、受賞は逃す結果となった。 本作で新しく登場する長ぐつをはいたネコの、殺し屋モードと甘えモードのなんとも言えないギャップが、本作の魅力の1つである。 幸せな結婚生活を送っていたシュレックとフィオナ姫は遠い遠い国から結婚を祝う舞踏会の招待状が届いた。そこで2人は、様々な困難に立ち向かう事となる。

Read Article

シュレック フォーエバー(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

シュレック フォーエバー(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『シュレック フォーエバー』は、2010年に公開されたアメリカ合衆国でフルCGで制作された子供向けコメディ映画。『シュレック』シリーズ最後の作品であり、初の3D映画となっている。ランプルスティルスキンと契約を交わし、違う世界に飛ばされたシュレックは、24時間以内に運命の人とキスをしなければ永遠に消えてしまう事になってしまった。元の世界に戻る為、フィオナ姫を探す旅に出る。シュレックのいた世界と飛ばされた先の世界では、キャラクター達の性格も異なっており、今までの作品とは違った楽しさがある。

Read Article

21ジャンプストリート(21 Jump Street)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

21ジャンプストリート(21 Jump Street)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

21ジャンプストリートとは1987年から放送されていたテレビドラマをリメイクしたコメディ映画。主演はジョナ・ヒルとチャニング・テイタム。学園に潜入した2人の凸凹警官コンビが勘違いやドラッグによるトリップで騒動を起こしながらも事件を追い、互いの友情を再確認していくバディ・ムービー。

Read Article

長ぐつをはいたネコと9つの命(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

長ぐつをはいたネコと9つの命(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『長ぐつをはいたネコと9つの命』とは、2022年にアメリカで公開されたコンピュータアニメーション・アドベンチャー・コメディ映画。日本では2023年3月に公開された。『シュレック』シリーズのスピンオフ作品で、主人公は長ぐつをはいたネコ/プス。前作『長ぐつをはいたネコ』から10年以上を経た続編だが、映画批評家の評価は概ね高評価である。 長ぐつをはいたネコは、9つ持つ命の内8つを失った。そのため引退を決意。しかし何でも願いを叶えてくれる「願い星」の存在を知り、命を取り戻すための冒険に出るのだった。

Read Article

『シュレック』「常識」や「お約束」をぶち壊す爽快感

『シュレック』「常識」や「お約束」をぶち壊す爽快感

「ドリームワークス」制作のアニメ、『シュレック』。元々は絵本なんですが、内容を膨らませ、しかも皮肉をてんこ盛りにして主役のシュレックに関西弁を喋らせるなど、「突き抜けた」感があります。爽快さを覚えるほどに「絵本」や「物語」のお約束、常識をぶち破ってくれたり、パロディしてくれたり。もうどこまでも行っちゃって!といった感じです。

Read Article

映画『シュレック』の制作元はディズニーじゃなかった!多くの人に間違われる理由

映画『シュレック』の制作元はディズニーじゃなかった!多くの人に間違われる理由

ビデオ・DVDなどのレンタル店でもなぜかディズニーコーナーに陳列してあるアニメーション映画『シュレック』。しかし、制作会社はハッキリと「ドリームワークス」と書いてあり、実は「ディズニー映画」ではありません。なぜシュレックがこんなにもディズニーを感じさせるのか。そこにはある大人の事情があったからなのです。

Read Article

【美女と野獣】カップルにおすすめなおしゃれハロウィン仮装まとめ【シュレック】

【美女と野獣】カップルにおすすめなおしゃれハロウィン仮装まとめ【シュレック】

秋の風物詩として、海外だけではなく日本でも定着してきたハロウィン。どうせ仮装するなら、周囲も巻き込んで一緒に楽しんじゃいましょう!この記事では、カップルや夫婦におすすめなおしゃれハロウィン仮装についてまとめました。誰もやらなさそうなやつを選べば、周りの目を釘付けにできるかも!

Read Article

目次 - Contents