21ジャンプストリート(21 Jump Street)のネタバレ解説・考察まとめ
21ジャンプストリートとは1987年から放送されていたテレビドラマをリメイクしたコメディ映画。主演はジョナ・ヒルとチャニング・テイタム。学園に潜入した2人の凸凹警官コンビが勘違いやドラッグによるトリップで騒動を起こしながらも事件を追い、互いの友情を再確認していくバディ・ムービー。
『21ジャンプストリート』の概要
「21ジャンプストリート」とは、2012年にアメリカ合衆国で公開された映画。オリジナルは1987年にアメリカで放送が開始された同名のテレビドラマ。オリジナルの主演はジョニー・デップ。監督は、「くもりときどきミートボール」の監督であるフィル・ロードとクリストファー・ミラー。主演の1人であるジョナ・ヒルは脚本にも参加している。2013年3月には日本でもDVDが発売され、2014年には続編である「22ジャンプストリート」が公開された。
『21ジャンプストリート』のあらすじ・ストーリー
ある高校の生徒、デブでナードなシュミットとイケイケスポーツマンのジェンコは、それぞれ気になっていた女の子にフラれる。成績が悪すぎたという理由で卒業パーティに出られなかった。
数年後、偶然にも警察学校で再会し、友達になった2人は、互いの欠点を補い合いながら無事卒業し、バディとして同じ部署に配置される。しかし、肝心の仕事は公園のパトロールという地味なもの。それでもやる気な2人はなんと公園内で麻薬取引をしている売人たちを発見し、それを追う。
無関係な人間を巻き込んだりとめちゃくちゃな追跡劇の末、遂に2人は麻薬の密売人を捕まえるが、アメリカで犯人を逮捕するときに言わなければならないミランダ勧告を覚えておらず、それが原因で犯人を起訴出来ないという失敗を犯す。
結果2人は21ジャンプストリート署に左遷されてしまう。21ジャンプストリート署はコリアンキリスト教会を改造したボロボロの警察署で、そこで怒りんぼうのディクソン警部の部下になる。そして、警部からそこで「童顔である」という理由だけで高校への麻薬捜査を目的とした潜入調査を命じられる。
運動が出来ずナードだが頭の切れるシュミットは勉強が得意なオタクグループ、運動は出来てイケメンだが頭が悪いジェンコはスクールカースト上位グループでそれぞれ調査するための表向きの役割が与えられるが、現地でそれが勘違いによって取り替えられてしまう。結果シュミットはスクールカースト上位グループで、ジェンコはオタクグループで捜査する羽目に合ってしまう。
しかし、時代の移り変わりで高校ではイケイケなスポーツマンよりナチュラル志向でちょっとナヨナヨした方がモテるようになっており、シュミットはすんなり受け入れられ逆に人気者になってしまう。それが面白くないジェンコは、シュミットとだんだんと疎遠になってしまう。
シュミットも経験したことのない人気者コミュニティの楽しさに夢中になり、2人の溝は深まるばかり。それでもジェンコの知り合ったオタク集団が作った盗聴器や、シュミットが人気グループ内で行われたパーティで集めた情報からなんとか捜査は進み、人気者グループのリーダー、エリックが密売に加担していることがわかった。更に麻薬の取引先であるバイカー集団の存在も判明し、2人はそれを追うことに。
しかし、シュミットは自身が所属する演劇部で、その作戦と同じ日に行われる演劇に気を取られてしまい作戦に集中できない。その上、いざ犯人と対峙しても臆病風に吹かれてしまい、結果大失敗を犯してしまう。2人はそれが原因で警察をクビになるが、エリックから卒業パーティの日に麻薬取引があることを聞いた2人は、名誉挽回のためそこへ潜入。しかし、なんと麻薬取引の元締めは学校の教師で、取引先は以前に捕まえ損ねた密売人だった。
当然顔が割れており警察だとバレてしまい銃撃戦になるが、その際のどさくさに紛れて教師は逃走。密売人と主人公らもそれを追い、3つ巴のカーチェイスになる。
更にそこでも銃が持ち出され、再び銃撃戦にまで発展する。それでも拮抗する状況の中、ジェンコがオタクグループの化学サークルで覚えた即席爆弾で密売人らの車を爆破。教師もたまらず逃げ出し車に忍び込んでいた女生徒を人質にしてシュミットを撃つが、ジェンコがそれを庇う。息も絶え絶えな状態のジェンコから「お前がやれ」と告げられたシュミットは、偶然出来た隙で教師の股間を撃つことに成功。今度は逮捕時の文句を2人で言うことが出来た。紆余曲折あったものの、2人は互いの友情を再確認する。
『21ジャンプストリート』の登場人物・キャラクター
モートン・シュミット(演:ジョナ・ヒル)
運動の出来ないナードだが頭の切れるぽっちゃり刑事。日陰者だった学生時代の反動で自分が人気者になれる状況に浮かれてしまう。調子に乗りやすく、浅はかではあるが、未成年の学生として振る舞いながらも警察としての身分証を利用して酒を買い込み、ホームパーティを開いたり、嘘を駆使して教師を騙して自分が警察であることを隠すなど、悪知恵は働く。親に溺愛されており本人はそれを疎ましく思っているという一面もある。また、一応立場上はドラッグを取り締まる立ち位置だが、当の本人の両親はドラッグ中毒者。
グレッグ・ジェンコ(演:チャニング・テイタム)
シュミットの相棒。学生時代は頭は悪いがイケメンで運動の出来るスクールカースト上位グループだった。スポーツカーを乗り回し、周囲を威圧するテンプレートなプレイボーイの役を与えられるも、いざ高校に潜入すると、今の若者とのスタイルの違いで、人気者とはほど遠い存在と化してしまう。実際の性格も粗暴で学校の問題が解けないことに逆ギレするなど乱暴な行いが目立つが、いざ実力行使となればその高い身体能力を駆使して活躍する。
ディクソン警部(演:アイス・キューブ)
シュミットらの所属する21ジャンプストリート署の署長。すぐ怒鳴る上にシュミットとジェンコに厳しい。人種差別に敏感。ジェンコとシュミットの遅々として進まない捜査や分かり辛い捜査報告、シュミットの人種差別的な物言いなど、劇中でもその怒りのタネには事欠かない。娘がおり、次回作に登場する。また、演ているラッパーであり歌手のアイス・キューブ本人をギャグにした演出が多い。
モリー(演:ブリー・ラーソン)
学校内の「イケてる」グループに所属する女子学生。シュミットと懇意になる。演劇部に所属しており、それがキッカケでシュミットと仲良くなる。メールやSNSでも彼と積極的にやり取りし、ヒロイン的な立ち位置として振舞う。彼女をキッカケにシュミットは後述のエリックと出会い、捜査の進展に間接的に協力することになる。終盤ではドラッグでトリップした結果、銃撃戦の最中に飛び込むなど命知らずな行動に出る。
エリック(演:デイヴ・フランコ)
学校内の「イケてる」グループのリーダー格。裏でウォルター先生と結託してドラッグの売買をしている。頭は良いがナヨナヨしていて、ドラッグの売買がバレたら大学進学がチャラになるのではないかとビクビクしている。警察高官である父親を持ち、家から拳銃を盗んで持ち出すなどナヨナヨしているわりには大胆な行動に出る。自分のことをイケメンだと自負しており、ゲイに襲われることを危惧するなど自意識過剰気味な一面がある。
ウォルターズ先生(演:ロブ・リグル)
体育教師で陸上部のコーチ。ドラッグでトリップしたシュミットらに散々な目に遭わされる。しかし、その正体はドラッグを流通させていた張本人で、売人ともコネクションを持つ。理科室の器材を使用して良質なドラッグを作成する驚異的な能力を持った人物。追い詰められたときは、人質を取ったり銃撃戦の中でも現金だけは持って逃げるなど狡賢さを見せるが、最後は股間をシュミットに撃ちぬかれ逮捕される。次回作では獄中でオカマになっており、奇しくもエリックの抱く「ゲイに襲われる」被害妄想を実現させてしまっている。
見所
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