悪趣味・狂気・悪意の天才な映画監督まとめ!ラース・フォン・トリアーなど

ここでは作品に悪趣味・狂気・悪意をこめて視聴者を最悪の気分にさせる映画監督をまとめた。胸クソ映画の傑作『ファニーゲーム』を生み出したミヒャエル・ハネケや、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『ドッグヴィル』などで視聴者のメンタルをズタズタにしてきたラース・フォン・トリアーなどを紹介している。

▼ミヒャエル・ハネケ

出典: ja.wikipedia.org

ドイツ生まれで、オーストリア育ち。俳優兼映画監督と女優という映画一家に生まれる。ウィーン大学で哲学、心理学、演劇を学んだというキャリア故か、常に挑発的な独自の哲学に基づいた作品を手掛ける。1989年に初の長編映画『セブンス・コンチネント』を監督、以降、一貫して観る者の精神を逆撫でして、更に強烈な余韻を残すキワどい内容の傑作映画を数多く作り出している。その深淵には、描いた内容に対するアンチな姿勢、問題提起や現状の破壊といった意図が隠されているのだが...。『愛、アムール』は、外国語映画としては異例のアカデミー監督賞にノミネートされた。

[主な監督作品]
セブンス・コンチネント(1989)
ベニーズ・ビデオ (1992)
71フラグメンツ 71 (1994)
ファニーゲーム (1997)
カフカの「城 」(1997) テレビ映画
コード・アンノウン (2000)
ピアニスト (2001)
タイム・オブ・ザ・ウルフ (2003)
隠された記憶 (2005)
ファニーゲーム U.S.A. (2008)
白いリボン (2009)
愛、アムール(2012)

『ファニーゲーム』予告編

平和で楽しい日常が、ほんの些細な出来事により地獄と化す。「世界一酷い暴力映画」はダテじゃない、理不尽な暴力が繰り返される作品。後にハネケ自身でアメリカでリメイクされたが、こっちも異常(色んな意味で)。監督は映画で暴力を使用する事へのアンチテーゼと語っているが...。

『ベニーズ・ビデオ』予告編

1992年の作品。豚の屠殺を収めたビデオに触発された少年が、全く関係のない少女を家に連れ込み、殺害する様子をビデオに収めていた...。その行動自体もヒドイが、ラストの後味の悪さも特筆もの。その心は、映像という虚像を現実と認識してしまう事の危険性に警鐘を鳴らしているのだと言う。

『セヴンス・コンチネント』

コレも救いようのない作品。お金にも生活にも困っていない家族の日常が、ある日突然絶望的なものに変わり、破壊と廃棄を繰り返した後、家族は破滅へと旅立つのだった...。1989年の長編デビュー作で、いきなりコレを作れる人はハネケだけ!喪失よりも破滅を選ぶ人類への警鐘か?

どの作品も穏やかに鑑賞する事を許されない作品ばかりで、観終わった後に心の底にズッシリと響くものばかりです。

出典: d.hatena.ne.jp

疎外、孤独、絶望、暴力…人間の内面に秘められた感情を、凍りつくほどの冷徹さで鋭く抉るミヒャエル・ハネケの世界。思わず目を背けたくなるほど、今まで出会ったことのない映像体験。

出典: www.eurospace.co.jp

破滅や暴力を淡々と描写し、後味が悪く不快感を誘う作風が特徴的だが、人間の内面に潜む本質を鋭く抉り出す独特の手腕は秀逸。

出典: info.movies.yahoo.co.jp

ハネケの作品は、マスコミ試写においても極端な賛否両論に分かれ、試写室が“暴動”寸前になる異常な事態が起こっている。

出典: eiga.com

▼ラース・フォン・トリアー

出典: eiga.com

デンマークはコペンハーゲン出身の映画監督。初期作品『エレメント・オブ・クライム』や『ヨーロッパ』などはヨーロッパの退廃的なロマンが色濃い作風だったが、『奇跡の海』以降は、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『ドッグヴィル』『アンチクライスト』等、この人は無神論者なのか?と思わせるほど、破滅的で残酷でスキャンダラスな作品を作り出している。出演者の急死により未完に終わったテレビドラマ『キングダム』や、ハードコア・ポルノ作品の製作会社を起こした事でも知られる。

[監督作品]
エレメント・オブ・クライム(1984)
エピデミック (1987)
ヨーロッパ(1991)
奇跡の海(1996)
イディオッツ(1998)
ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000)
ドッグヴィル(2003)
マンダレイ(2005)
ディア・ウエンディ(2005)
Direktøren for det hele(2006)
アンチクライスト(2009)
メランコリア(2011)

スキャンダルな作風でカルト的人気を集める映画作家。公の立場でブラックユーモアや不適切な発言を繰り返す人物としても有名である。

出典: d.hatena.ne.jp

極限まで女性を虐げる趣味の悪い脚本演出と、意図的に多用していると思われるハンディーカメラのぶれた映像、そして決定的なまでにに残る鑑賞後の後味の悪さ...!

出典: blog.livedoor.jp

観終わったら嫌な気分になるのは分かっていても、それでも観ずにいられないのが彼の作品の魔力の一つだ。

出典: blog.livedoor.jp

▼デヴィッド・フィンチャー

出典: gqjapan.jp

18歳でカメラを持ち、ジョージ・ルーカスのILMのアニメーターや、音楽ビデオの製作を経て、1992年に『エイリアン3』で映画監督デビュー。その後『セブン』『ファイト・クラブ』といった作品で一躍人気監督となるが、その明らかに観客を挑発する醜悪でダークな部分を表出させる手法は、喝采と共に非難も浴びているが、その映像表現は常に冷静だったりする。『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『ソーシャル・ネットワーク』『ドラゴン・タトゥーの女』といった作品を手掛けている。

[監督作品]
エイリアン3(1992年)
セブン(1995年)
ゲーム(1997年)
ファイト・クラブ(1999年)
パニック・ルーム(2002年)
ゾディアック(2007年)
ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年)
ソーシャル・ネットワーク(2010年)
ドラゴン・タトゥーの女(2011年)

『セブン』日本版劇場予告

後味の悪さ満点、監督の悪意を込めたラスト近辺のプロットがあまりにも有名な作品。悪の権化ジョン・ドゥにされたのは、かのケヴィン・スペイシーだった。

「得体の知れない悪意」のようなものを演出するのはうまい。最後にドッキリだと言えば、どんなひどいことをしても許される、という「悪意」に満ちた世界を作り上げている。

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見終わった後、もう2度と見たくない、と思わせる作品であるにも関わらず、何度も繰り返し見てしまい、その度にショックを受け、トラウマを深くする。

出典: www.geocities.jp

▼ダーレン・アロノフスキー

出典: news.ameba.jp

ハーバード大学で人類学やアニメーションを、AFI Conservatoryで映画制作を学び、美術修士号を取得したというインテリ映画監督。1997年の『π(パイ)』)で映画監督デビュー。以降『レクイエム・フォー・ドリーム』『ビロウ』といった物議を醸す作品を作り出している。『レスラー』『ブラック・スワン』といった作品で一般的に評価を高めるが、陰鬱で精神的にかなりクる作風は、相変わらず挑発的だ。

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