BANANA FISH(バナナフィッシュ)のネタバレ解説・考察まとめ

『BANANA FISH(バナナフィッシュ)』とは、『別冊少女コミック』で連載されていた吉田秋生によるバイオレンスサスペンス漫画。1980年代のニューヨークを舞台に、バナナフィッシュというドラッグをめぐる、ストリートキッズ、アッシュの戦いを描く。ハードな抗争を繰り広げる一方、孤高に生きてきたアッシュが英二との友情を通して人間らしさや愛を覚えていく姿が描かれている。かねてより名作として人気を博していたが、2018年に吉田秋生40周年プロジェクトでアニメ化され、人気が再燃した。

かつてドースン兄弟と医学部の後輩エディ・フレデリックが小遣い稼ぎのためにドラッグを調合していた中で偶然生まれた薬物。投与した人間を意のままに操ることが出来る効能がある。
南米に生息するブルグマンシアという植物の突然変異株が原型。

「クラブ・コッド」

ディノがオーナーを務める会員制の高級魚料理店。
しかしそれは表向きの姿であり、公人や有力者たちが集う美少年の売春斡旋宿である。アッシュもかつてこの店の商品であった。

華僑(かきょう)

海外に移住している中国人やその子孫のこと。李一族はニューヨークのチャイナタウンにおける一大財閥。

国立精神衛生センター

コルシカ財団が経営母体となっている施設。表向きは、精神疾患を持つ犯罪者の治療及びリハビリテーションを目的としている。だがその実態はバナナフィッシュの人体実験研究所であり、犯罪者たちをモルモットにその改良を重ねていた。

『BANANA FISH(バナナフィッシュ)』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

謎の男「ロスアンジェルス…ウエストウッド42…バナナフィッシュ…」

第一話。ニューヨークの裏路地で、最近部下達の様子がおかしいと街を歩き回っていたアッシュ・リンクスが銃撃された男と出会う。その男がアッシュに小さなロケットを手渡した後に「ロスアンジェルス…ウエストウッド42…バナナフィッシュ…」と言う。このロサンジェルスのとある住所と、バナナフィッシュという謎の言葉がアッシュがバナナフィッシュの謎を追い始めるきっかけとなる。

アッシュと英二のキス

ディノの罠により刑務所に収監されたアッシュが、英二に秘密裏にメッセージを渡し、バナナフィッシュとグリフの移送を依頼するシーン。
面会に同席していた市警のチャーリーや伊部に言付けがバレないように、薬のカプセルに細長いメモを仕込み、親愛のキスを装い英二に渡した。

アッシュと英二の深い絆を描く当作は、時としてBL(ボーイズラブ)作品だと言われることもあるが、表面的な接触があるのはこのシーンのみ。

かぼちゃが怖いアッシュ

戦いの合間、アッシュと英二は一緒にご飯を食べながらお互いのことについて話す。滅多に自分のことを語らないアッシュが、カボチャ嫌いになったきっかけである幼少期のハロウィンの話を英二に教える。
命がけでマフィア相手に立ち回るアッシュからは想像できない可愛らしいトラウマ話に英二は思わず吹き出す。
アッシュの年相応の少年らしさと、英二に対して心を許している様子が窺える。

月龍の救済

これまで誰にも心を許せず、孤独に戦い続けてきた月龍が、シンと本音をぶつけ合い、絆を芽生えさせるきっかけとなるワンシーン。
シンは「生きて罪をつぐなってもらうぞ」と叱咤激励するとともに、月龍はずっと心に傷を負っている怪我人だといい、恨むことができないと告げた。
月龍は自分に深く同情するシンの優しさに触れ、段々と心を開いていく。

なお、月龍はその後李一族の当主となり、シンのサポートを受けながらチャイナタウン再建のために尽力する。その様子は『光の庭』にて、シンとの電話越しに語られる。

アッシュ・リンクス「でもあいつは親友だ たとえ一生会えなくても…思うことぐらい許されるだろう?」

ディノとの長い戦いを終えたアッシュは、ニューヨークを去るブランカに会いにいく。

英二が明日帰国することをブランカに教えられたアッシュは、「おれはあいつの人生にかかわっちゃいけない人間なんだ」と言いながらも、英二との出会いでどれだけ自分が救われたかをブランカに語った。
そして、英二ともう2度と会えずとも、心の中で思い続けることくらい許されるだろうかと呟くのだった。

奥村英二「君は1人じゃない ぼくがそばにいる ぼくの魂はいつも君とともにある」

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