北条沙都子（ひぐらしのなく頃に）の徹底解説・考察まとめ

厄醒し編

予定調和

沙都子は梨花が何かに悩んでいることに気づくが、相談してくれず「そんなに頼りにならないのか」と泣き出してしまう。だが、梨花は「これだけは言えない」と沙都子の頭を撫で、慰める。
翌日、沙都子は「誰かに見張られている」と梨花に相談をする。その夜、「怖い。もう止められないわ」と言う梨花の泣き声を聞いた沙都子は、梨花も怖い思いをしている、自分が梨花を助けるしかないと決心する。
翌朝、早起きして自宅周辺にトラップを仕掛ける沙都子。玄関の戸締りの時も、引き戸と冊子の間に葉っぱを挟み、自分たちが玄関を開けるまでに、他の誰かが開けていれば、葉っぱが落ちるという仕掛けをした。梨花と登校中、「忘れ物をした」と沙都子は戻るが入江に相談しようと思い、自宅ではなく診療所へ向かった。だが、診療所には数台のパトカーが来ており、沙都子は入江が睡眠薬を大量摂取し、中毒死したことを知る。沙都子は警察の人に「自分と梨花が何者かに監視されていることを入江に相談しようとしていた」と話すと、「後で駐在員に、見回りを欠かさないよう言っておくから」と言われた。
その夜、沙都子は駐在員を待っていると、朝自分が仕掛けた紐に引っかかると音が鳴るトラップが鳴ったことに気づく。寝ていた梨花を起こして様子を見に行こうとするが、「狙われているのは私だから沙都子は隠れて」と言われ沙都子はその言葉に従った。しかし出ていった梨花は作業服の男たちに連れ去られてしまった。しばらくして梨花を追いかけ本殿に向かって歩くと、賽銭箱の向こうに殺された梨花の死体があった。思わず悲鳴を上げる沙都子を、作業服の男たちが追って来て裸足のまま懸命に逃げる。川の上に架けられた吊り橋に差し掛かり、吊り橋の下にぶら下がって隠れ、追手をやり過ごそうとする沙都子。男たちに捕まらずに済んだが、手を滑らし川に落下してしまった。
河原に流れ着いた沙都子は一命を取り止め、足を引きずりながら分校まで行くと、そこには、防毒マスクをつけた自衛隊員がおり、物々しい雰囲気の分校。その教室内を、窓越しに外から覗くと教室の中には分校の生徒たち、先生、そして魅音、詩音、圭一が死んでいた。雛見沢村に有毒ガスが発生し、住民全員が災害により死亡、後にこの災害は「雛見沢大災害」と呼ばれるようになった。

祭囃し編

ある日、健康相談のために学校に来た入江に、梨花は緊急マニュアル第34号について相談する。入江は女王感染者である梨花が急死するようなことがあったら、緊急マニュアル第34号が適用され、村人の集団錯乱が発生する前に雛見沢は封鎖され、毒ガスで住民は皆殺しにされると伝える。部活メンバーの元に戻ると、梨花は「何の相談だったのか」と魅音に聞かれ、「実は漫画を描いていて、そのネタに困り入江に相談していた」と誤魔化すが、部活メンバーも相談に乗ってくれることになり、事実を漫画の設定として、女王感染者が死ぬと滅亡する村の話をした。
後日、真剣に話していた梨花の話は漫画ではなく、現実の話なのではないかと魅音は思い、圭一、レナ、沙都子と梨花を全力で協力することにする。圭一に「思う存分、手加減なしでトラップの腕を振るえるチャンスを待ってたんじゃないのか」と言われ、「普段仕掛けているトラップなんて、ほんの子供だまし。雛見沢の地理を知り尽くした、本気モードのわたくしのトラップは、軍隊にだって通用しますことよ」と告げた。

祟騙し編

叔父からの虐待

梨花と暮らしていた沙都子だが、叔父の鉄平が沙都子を引き取り鉄平と暮らすことになる。沙都子の担任である知恵留美子は、沙都子が鉄平から虐待を受けていることを知り、児童相談所へ通報するが様子見と言われてしまう。
2年目の祟りで亡くなった沙都子の両親。父親は本当の父ではなく、沙都子と悟史は両親の連れ子であり、良好な親子関係でなかった沙都子は、義理の父を陥れようと嘘の虐待通報をしていた。今回も嘘ではないかという事で様子見になってしまった。
部活メンバーで昼食をとっている途中、圭一は元気そうな沙都子の頭を撫でようとするが、沙都子は圭一の手が暴力を振るう鉄平の手と重なり、圭一の手を払い嘔吐してしまい、教室の隅で泣き叫んだ。

勇気

沙都子は鉄平からの虐待に耐え、口を紡ぐ事が強さだと思い込んでいたが、勇気を出して「私を助けて」と圭一に言う。それに対し、逆上して暴力を振るおうとした鉄平を、大石が取り押さえ警察署に連行した。

祭りの夜

綿流しの祭りの日、沙都子は圭一に「圭一さんのことを、にーにーと呼びたい」と告げる。戸惑いながらも了承する圭一に抱きつき「にーにー」と呼ぶ沙都子。そして、悟史の持ち物だが今は圭一が「にーにー」だから圭一に持っていて欲しいものがあり、それを渡すためそのまま沙都子の家へ向かう2人。沙都子に促され、家に上がった圭一が照明の紐を引くと同時に、鉄平に金属バットで思い切り殴られる。圭一の声を聞き、駆けつけた沙都子の前で、圭一が反撃し金属バットを取り上げ、鉄平をボコボコに殴る。動かなくなった鉄平を見て、圭一は鉄平の横に倒れ込んだ。沙都子は助けを求めに部活メンバーがいる綿流しの祭りの会場へ向かうが、雛見沢症候群を発症した大石に殺されてしまった。

郷壊し編

雛見沢症候群

沙都子は雛見沢症候群の発症を抑えるため、毎日注射をし定期的に入江診療所に通っていた。昭和59年の6月、中学生になった沙都子が診療所に行くと、「この1年で症状が劇的に良くなっている」と入江に告げられた。1日3本打っていた注射も今では1日1本になり、今回の検査では沙都子の雛見沢症候群は完治したという結果が出た。一度高レベルで発症した雛見沢症候群は完治しない、というのが入江の見立てだったが、病気の原因に変化があったのではないかと推測する入江。理由は、雛見沢症候群の症状が村全体で好転しているためであった。

梨花の夢

ある日、沙都子は梨花に連れられ興宮の書店へ行く。そこで「ずっと内緒にしていた夢がある」と梨花に言われ、聖ルチーア学園の問題集を差し出される。梨花に「そこに一緒に通いたい」と言われ、勉強が嫌いな沙都子だったが、梨花のお願いに渋々了承する。
沙都子と梨花は受験勉強をし、2人共合格する事ができ、聖ルチーア学園に入学した。

聖ルチーア学園

生徒同士の「ごきげんよう」という挨拶に戸惑いながらも、沙都子は梨花と学園での新生活を始める。新学期初日、寮が別棟の沙都子と梨花は別々に登校する。始業ギリギリで登校した沙都子が、梨花に声を掛けようとすると、始業のチャイムが鳴ってしまう。学園にはチャイムが鳴ったら席につき、一切の私語を慎むことという決まりがあり、梨花に声をかける事が出来なかった。自由奔放な沙都子にとって一切の私語を禁じられた授業は、苦痛であり眠るのを我慢するのが精いっぱいだった。一方梨花は、憧れの学園生活にやる気に満ち、そんな様子を教師も察したのか、一日の終わりに「古手さん、号令は貴女に任せます」と級長に任命される。周りから一目置かれるようになった梨花は、クラスメイトたちに「社交界の予行演習に」と、サロンに誘われる。沙都子の方に目を向ける梨花に「行ってくるといいですわ。何事も経験でございましょ」と言い、堅苦しいのは苦手であるため遠慮した沙都子。やっと夢を叶えられたのだから、梨花の好きにすればいい。こんな華やかな世界、きっとすぐに飽きるだろうと思っていた。

ハジマリ

すっかり学園に馴染んだ梨花は、仲の良い友達も出来た模様。一方の沙都子は学園生活に意味を見出せず、成績は落ちる一方。担任の先生に補習を受けるか自主退学か、2択を迫られてしまった。梨花とこの学園に入る事が目的だった沙都子。元々勉強嫌いであり、そこから更に頑張り続けることは難しかった。だが、せっかく苦労して入学したのに退学なんてしたくないと、補習室に向かった沙都子が見たのは、一様に暗い表情で一心不乱に補修に励む生徒たちだった。すると、「あなた、一年生？」と隣の生徒が沙都子に声をかける。上級生である彼女が言うには、補習室にいるほとんどが2年に上がる際に普通のクラスから弾き出されたのだと。何よりも名誉を重んじる学園は、出来損ないに卒業の栄誉を与えない。成績が上向かなければ、補習特化の特別クラス行きになることを忠告された。沙都子が苦しんでいる中、梨花はサロンで楽しく談笑していた。それを沙都子は遠くから眺め「ねぇ梨花、あなた言いましたわよね？私と一緒に学園生活を送りたい。そう言いましたわよね？ねぇ梨花、これはどういうことですの？」と梨花を見つめ呟いた。

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