薔薇はシュラバで生まれる(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『薔薇はシュラバで生まれる』とは、漫画家笹生那実氏が32年ぶりに描いた漫画。1970年は、少女まんが黄金期と呼ばれ、その頃漫画家のアシをしていた著者は多くの名作と関わりを持っていた。全体の構成を各先生方に送りご承諾をもらい、ネームが出来ると再び先生方にチェックを受け、当時の作品を読み直し、思い出したことを漫画にしていったものである。著者は漫画家のシュラバと呼ぶ過酷な仕事場で、どのように名作が生み出されていくかを見続けた。本書は、その記録である。

60代になった著者は、かつての仲間たちと話をした時、自分たちがアシしていた時代と現代のアシの待遇を比べてみたことがある。今は完全デジタルで在宅勤務なので、みんなで徹夜して描くこともない、更に事務所に出勤でも7時間ちゃんと寝るなど現在のアシの仕事の状況を知る。1970年代の当時寝ない、食べない、座ったままで、仕事していた自分たちはよく死ななかったと感心するばかりだった。しかし、当時の状態をブラック企業のようなものと一緒にできない気持ちがあった。あの頃手伝った先生方の作品は今でも名作として読み継がれている。今でも読み返すと新しい気づきがある。たとえば、美内先生の『ガラスの仮面』には、真澄さんがマヤちゃんの初舞台から紫の薔薇を彼女に贈るシーンがある。これは、著者が美内先生にファンレターを毎月送っていて、先生がそれを大切に思ってくれていたという事実を思い出させる。先生はこの著者の熱いこの気持ちを真澄さんの薔薇を使って読者と共有しようとしていた。

『薔薇はシュラバで生まれる』の登場人物・キャラクター

主要人物

笹生那実先生

笹尾なおこ(笹生那実)主人公であり、この漫画の著者。デビュー作『風に逢った日』。

美内すずえ先生

美内すずえ先生は著者がもっとも尊敬する漫画家の一人であり、また彼女の仕事場がもっとも激しいシュラバであったと記憶する。その著者に『黄色い海賊船』、『みどりの炎』、『人形の墓』、『ガラスの仮面』、『山の月と子だぬき』、『黒百合の系図』がある。

別マ 小長井編集長

『別冊マーガレット』編集長。著者は別マの小長井氏に自分の作品を投稿している。著者が作品を書かなくなってしまった時期には、作品を書き続けるように言い、更に鈴木光明先生の勉強会へ参加することを勧める。

漫画家の先生方々

千亜樹潤先生

1971年別マまんがスクールにて『嵐の中』で銀賞受賞。主な作品『さよならオルフェ』、『嵐の中』。

鈴木光明先生

出典: www.meiji.ac.jp

鈴木光明氏

1936年横浜生まれ。1952年に漫画家としてデビューした。彼は歴史もの、少女もの、ミステリーを得意としており、後進の育成にも尽力した。「三日月会」を主宰。主な著作『江戸大変録』、『織田信長』、『日輪の女王』。

市川ジュン先生

出典: www.cmoa.jp

1949年生まれ、東京出身。女性。1972年にデビュー。多感な少女の心理を描いて人気を得る。主な作品『白い花の涙』、『華の王』。

和田慎二先生

和田慎二先生

1950年生まれ、広島出身。1971年『別冊マーガレット』まんがスクール投稿作で金賞受賞。少女漫画特有の恋愛要素や人間ドラマ系の要素を含みながらも「戦うヒロイン」という分野を誕生させた漫画家。主な作品『スケバン刑事』、『ピグマリオ』。

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