薔薇はシュラバで生まれる(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『薔薇はシュラバで生まれる』とは、漫画家笹生那実氏が32年ぶりに描いた漫画。1970年は、少女まんが黄金期と呼ばれ、その頃漫画家のアシをしていた著者は多くの名作と関わりを持っていた。全体の構成を各先生方に送りご承諾をもらい、ネームが出来ると再び先生方にチェックを受け、当時の作品を読み直し、思い出したことを漫画にしていったものである。著者は漫画家のシュラバと呼ぶ過酷な仕事場で、どのように名作が生み出されていくかを見続けた。本書は、その記録である。

漫画家淡川まゆみ先生と同一人物。『薔薇はシュラバで生まれる』作成で笹生那実先生をアシストした。

『薔薇はシュラバで生まれる』の用語

インフラ・環境編

シュラバ

締切り前の漫画家とアシたちが夜も昼もなく作画作業に追われる状態のこと。

カンヅメ旅館

実際の旅館名は花月旅館。のちに解体され隣に立っていた錦友館をカンヅメ旅館と呼んだ。漫画家とアシが作品を作った場所。

アシ

漫画家のアシスタント。点、ベタ、トーン、消しゴムなどをする。

まんがスクール選

1966年から始まった「別冊マーガレット少女漫画スクール」。
入門書・投稿作品の評価・賞の授与などにより漫画家の養成システムを成立させ、多くの漫画家を誕生させた。

三日月会

「別冊マーガレット少女漫画スクール」という少女漫画教室の前身で、鈴木光明先生による勉強会。1966年から始まり、月1回ペースで開催された。入門書・投稿作品の評価・賞の授与などにより漫画家の養成システムを成立させ、多くの漫画家を誕生させた。

鈴木光明先生の少女漫画教室

この教室が出来てから、デビュー経験者がアシになるのではなく、デビューを目指す人がアシになる時代となる。1976年設立から16年間続いた。

鈴木光明先生出版『少女まんが入門 初歩からプロになるまで』

白泉社、1979年刊行、438ページ。少女まんが教本。昭和少女まんが家(美内すずえ先生、武宮恵子先生、木原敏江先生、山田ミネコ先生、和田慎二先生など)が当時のまんがの描き方を丁寧に教える教本。現在、まんがの描き方を教える教本は各種出版されているが、当時はなにもなかった。この本が最初のまんがの描き方教本である。

花の24年組

昭和24年頃に生まれた1970年代少女まんがを担った漫画家たちを呼ぶ。
青池保子先生、萩尾望都先生、武宮恵子先生、大島弓子先生、木原としえ先生、山岸涼子先生、樹村みのる先生、ささやななえこ先生、山田ミネコ先生、坂田靖子先生、佐藤史生先生、岸裕子先生など実に豪華な顔ぶれである。

ドジ様

木原としえ先生の愛称。

技術編

ネーム

絵コンテとも呼ばれ、漫画の設計図で下書き。
コマ割り、アングル、セリフ、表情を大まかに描いたもの。

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