ソーセージ・パーティー(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ソーセージ・パーティー』とは、2016年に公開された3DCGアニメーション映画である。コンラッド・ヴァーノンとグレッグ・ティアナンが監督を、セス・ローゲンやクリスティン・ウィグなどハリウッドの人気俳優たちが声優を務めた。スーパーマーケットの世界を楽園だと信じる食材たちが残酷な現実を知って人間に立ち向かう姿を、下ネタや社会風刺たっぷりに描いている。アメリカ合衆国では、初のR指定を受けたCGアニメーションであり、日本でもグロテスク描写や下品な言葉などからR15+指定を受けた。

ショップウェルズ

主人公のフランクやブレンダが販売されている、とあるスーパーの名前。品揃えが豊富で、食材や日用品が取り揃えられている。商品達は、このショップウェルズを舞台に冒険をし、仲間と助け合い力を合わせて人間と戦っていく。

ショップウェルズの商品達は、店の外の世界は天国であると信じて日々陳列されている。その為、スーパーに買い物に来る客に選ばれる事を商品達は望んでおり、そんな天国へと連れ出してくれる客のことを「神」と呼んでいる。

アメリカ独立記念日

作品の騒動はアメリカ独立記念日の前後に起こっている。アメリカ独立記念日とは、約240年ほど前の1776年7月4日アメリカがイギリスから独立を宣言した日の事である。この記念日では、毎年お祭り騒ぎのようなイベントが行われている。そのイベントとして有名なのがホットドッグ早食い選手権なのだ。それ故に、ソーセージ・パーティーの主人公はソーセージとホットドッグパンとされている。

『ソーセージ・パーティー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

衝撃のバリー帰還シーン

ラストシーンでは、フランクとブレンダ達率いる商品達が力を合わせてショップウェルズの店内にいる人間達を倒そうと襲う。ここでは、ソーセージのバリーが青年の家に居た商品達を引き連れて登場するのだが、その登場シーンがなんとも過激である。バリー達はショップウェルズにいる仲間に、人間は簡単に殺すことが出来ると証明するため、青年を殺めてその生首を持って来たのだ。このシーンの衝撃は相当なもので、外の世界が危険だと一切信じていなかった商品たちは態度を一変させた。

商品たちの乱痴気騒ぎに込められた意味

人間達を倒せた喜びでパーティーを始める商品達。そのシーンはかなり下品である。フランクとブレンダを始めとする商品達は、なんと性交渉を始めるのだ。かなり激しく盛大に乱交パーティーが繰り広げられるこのシーン。一見、ただの下品なシーンに見えるが、実は人種や宗教問題、性の問題に関わらず、皆平等であることや世界平和への願いが込められている。LGBTや人種差別、宗教的な問題など現実社会の縮図のような商品達の設定から、最後に皆仲良くしていることから、この作品はしっかりとハッピーエンドを迎えていることが伺える。

『ソーセージ・パーティー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ソーセージとホットドッグパンが主人公なワケ

『ソーセージ・パーティー』は、7月3日から7月4日にかけての物語となっている。アメリカのスーパー・ショップウェルズを舞台に、食材や日用品が人間達から独立しようと奮闘することが、アメリカ独立記念日にかけられていると言われている。

また、アメリカ独立記念日セールが行われるから、客の目に止まりやすい陳列棚に並ぶことが出来るとソーセージとホットドッグパンが喜んでいるシーンがあった。アメリカ独立記念日は1776年7月4日にイギリスからアメリカが独立した記念日である。アメリカ人はその記念日には各家庭でバーベキューやピクニックをしたり、夜には花火を上げてお祭りのように盛大に祝うのが恒例である。その恒例行事の中に、ホットドッグ早食い選手権というものがあるため、『ソーセージ・パーティー』の主人公はソーセージとホットドッグパンとされているのだろう。

下ネタに隠される社会問題

一見、下ネタばかりで下品でふざけたコメディと見られがちな作品だが、この作品ではジェンダーレス問題や人種差別、人類の歴史など社会問題を彷彿させるような描写が多く見受けられる。ブレンダ達の冒険中に助けてくれた、タコスのテレサ・デル・タコはレズビアンであり、ホットドッグパンのブレンダに一目惚れをする。また、タコスはスラング用語で女性の正気を意味するとも言われている。そして、中東のアラブ系の人たちがよく食べるとされているパンのカリーム・アブドゥル・ラヴァッシュと、ユダヤ人の化身であるサミー・ベーグル・ジュニアはいつも喧嘩をしている。これもパレスチナの地を巡ってイスラエル人とパレスチナ人が争った「パレスチナ問題」が元ネタだと言われている。キャラクターのペアリングにも社会問題が反映されており、単なるコメディとしてではなく社会問題を取り込んだ作品として見ても興味深い作品になっている。

『ソーセージ・パーティー』の主題歌・挿入歌

挿入歌:Qulinez『Let's Rock』

フランク、ブレンダ、ラヴァッシュ、ベーグルの4人がお酒コーナーへ向かうシーンで流れている曲である。

挿入歌:Cousin Harley『4 Wheels 9 Lives』

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