風ノ旅ビト(JOURNEY)のネタバレ解説・考察まとめ
『風ノ旅ビト(JOURNEY)』とは、Thatgamecompanyが開発したアドベンチャーゲームソフト。PlayStation 3・PlayStation 4、PC、iOS版が配信されている。
スタート画面はどこまでも続く広い砂漠から始まる。赤いマントのような外套を身にまとった「旅ビト」を操作しながら進行していくのだが、ゲーム画面に文章による操作説明は表示されず、「旅ビト」も言葉を発しない。美しいビジュアルと音楽のみで演出されたゲーム世界を、様々な謎を解きながら旅をする。
『風ノ旅ビト』の概要
『風ノ旅ビト(原題:JOURNEY)』とは、ThatgamecompanyとSIEサンタモニカスタジオが開発した、オンライン配信専用のアドベンチャーゲームである。
2012年3月にPlayStation 3専用ゲームとして、ソニー・コンピュータエンタテインメントがPlayStation Storeで配信を開始した。ダウンロード専売ながらも、2012年のゲーム・オブ・ザ・イヤーで6冠を獲得した名作である。2015年7月には、PlayStation 4版が配信された。アンナプルナ・インタラクティブが、原題『JOURNEY』のタイトルで2019年8月にiOS版、2020年6月にPC版を配信した。
『風ノ旅ビト』のサウンドトラックは、第55回グラミー賞のサウンドトラック部門にノミネートされた。
これまでこの賞は、主に映画のサウンドトラックに与えられており、ビデオゲームがノミネートされるのは史上初のことであった。
本作の特徴は、なんといっても一切の言語表現を排した世界観だろう。
画面には操作説明は表示されておらず、プレイヤーは赤いマントのような外套をまとった「旅ビト」を操作しながら先を進む。
最初は何もない広大な砂漠のように見えるが、目の前の丘を目指していくと遺跡と、遠くに高くそびえる山が見え始める。マップや操作説明が全く表示されない状態で、プレイヤーは「旅ビト」になって手探りで砂の世界を進んでいく。遺跡の周りを生き物のように飛んでいる謎の赤い布の群れ、条件を揃えることで遺跡の壁画が復活していく。この世界は何なのか、かつてどのような文明があり、「旅ビト」とは何者なのか。そういった謎解きは全てプレイヤーの想像に委ねられる。
PlayStation版は、ゲーム機本体がオンライン状態であれば、自動的にオンラインプレイとなる。
オンラインプレイ時には、他のプレイヤーが操作する自分以外の「旅ビト」と出会うことがある。オンラインでマッチングしても、必ず出会うということではない。他のプレイヤーがいる方向に視界を向けたときに、白い光が見えることで他プレイヤーの存在が分かるのだ。
マッチング相手を選択することはできず、プレイの間は相手が誰なのか一切分からない。文字や音声による会話もできないため、意思疎通を図る方法は自分のアクションのみである。
協力してゲームを進めるか、別れて1人で進むかは全て自分の選択次第だ。
ゲームに慣れていない初回のプレイヤーは、マッチング相手と一緒に進むことで進行が楽になる場面が多々ある。
また、トロフィー獲得条件として他プレイヤーとの協力が必須の項目もあるが、ゲームクリアにおいて協力プレイが必須ではないので、ペアとして一緒に行くか、単独行動するかは個人の自由である。
ゲームクリア後に、出会った「旅ビト」のPSN ID一覧がエンドロール画面に表示される。進行中にはぐれてしまうこともあるので、その後で出会った「旅ビト」が実は先程まで一緒にいた「旅ビト」とは別のプレイヤーだったということも、このときになって初めて分かる。
自分1人だけでプレイをしたい場合は、サインアウトをしてオフライン状態にすれば良い。
行動以外に相手に意思を伝える方法がないというと、不自由さを感じるかもしれない。
だが、ペアの相手が迷っていたら行き先を先に歩いて示したり、歩くことが困難な場所の通り方を誘導したり、地面にハートマークなどの模様を描くなど、様々な意思表示ができる。ゲームに慣れておらず、うまく先に進めないプレイヤーは、少し先で立ち止まってこちらを待っている他プレイヤーの優しさを言葉がなくても感じられることだろう。
『風ノ旅ビト』のあらすじ・ストーリー
Chapter1 遺跡
プレイヤーの正面に見える丘を目指して砂漠を歩くと、遺跡が現れる。遺跡の上には光るシンボルがあるので入手する。
光るシンボルを入手すると、「旅ビト」の外套から伸びるマフラーのような布が長くなる。この布が長くなればなるほど、より長距離飛行が可能になるので光るシンボルは入手しておくとよい。
右にみえる建物へ進む。石碑に近付くと内部の壁画が出現する。
壁画には、「旅ビト」に似た白い衣装を着た多くの人(以下、「白ビト」と呼ぶ)が縦4列、横4列に倒れている様子が描かれている。均等に並んだその様子から、埋葬シーンのようにも見える。
建物に囲まれた大きな遺跡に入ると、光るシンボルが2つある。シンボルを入手して、中央の建物にジャンプしながら上がっていく。石碑を作動させるとチャプター1はクリアだ。
Chapter2 橋
開始地点の左下に光るシンボルがある。ゴールの真下付近から左側にある小さな砂の滝の裏側へ行くと、光るシンボルがある。向かって右側にある大きな砂の滝の上に光るシンボルがあり、内部には壁画も存在する。
この壁画は砂に飲み込まれていく都市の様子が描かれている。
長い布に近付き「〇」ボタンを押す(以降、ホールドと呼ぶ)と、布が伸びて橋が完成する。
橋を渡り、奥の石碑を作動させればチャプター2はクリアだ。
橋を全て完成させずにチャプター2をクリアすると、トロフィー「未完」を獲得できる。
Chapter3 砂漠
正面にいる布の生き物をホールドする。右に進むと柱があり、その上に光るシンボルがある。
遠くに見える山に向かって進む。途中でくぼみに花が咲いているのを見つけると、トロフィー「幻想」が獲得できる。
また道中で壊れた遺跡がいくつかあるので、ホールドすると布の生き物が解放されたり壁画が出現したりする。
砂漠のステージにある壁画は2つあり、最初の地点で見つかる壁画には、森の中にいる5人の「白ビト」と空を飛ぶ5羽の鳥が描かれている。
その先にあるもう1つの壁画は、最初の壁画と同じく5羽の鳥が飛んでいる。だが、最初の壁画と違って森の木々は数少なくなっており、描かれている「白ビト」は全員で6人に変わっている。
先頭を機械に乗った2人の「白ビト」が空を飛行し、地上には4人の白ビトが残っている図だ。
さらに山に向かって更に進んでいくと、大きな塔が見えてくる。上まで登り、途中にいる布の生き物をホールドしながら進んでいく。
石碑を作動させるとチャプター3はクリアだ。
砂漠エリアの布の生き物を全てホールドすると、トロフィー「探索」が獲得できる。
Chapter4 沈んだ都市
坂を滑走していくエリア。進むスピードが速く、滑走途中にある光るシンボルを見逃しそうになるので注意。
滑走ルートにあるゲートを15個以上くぐることができると、トロフィー「冒険」が獲得できる。だが、ゲートを優先すると光るシンボルを全て獲得したときに得られるトロフィー「超越」を逃してしまうので、1周で両方のトロフィーの獲得は不可能。1周目は光るシンボルを優先するのが良い。
最初の滑走エリアが終わると、建物に囲まれた場所に出る。逆光で分かり難くなっているが、そこに最初の壁画がある。
この壁画には、空中回廊を利用して「白ビト」が行き来している様子が描かれている。
長い布をホールドすると小さな札のような布がたくさん出てくる。札を利用しながら先へ進み、次の滑走エリアに入る。
山間の小道まで行き、滑り終わった辺りに壁画と石碑がある。
この壁画は「白ビト」達が対立する様子が描かれている。
中央が崩れて左右に分断された橋の上には、背を向け合う「白ビト」達がいる。「白ビト」達の背後に都市が見えることから、陣営をあげて対立しているのだと分かる。
「白ビト」達の頭上には浮遊する布がそれぞれあるが、橋同様に破損した表現で描かれていることから、布は引きちぎられ、この浮遊する布を巡って「白ビト」達が対立したことが推測できる。
石碑を作動させるとチャプター4はクリアだ。
Chapter5 地下道
しばらくの間、真っ直ぐ進んでいくと筒状のブロックの中に光るシンボルがある。
さらに進んでいくと、昆布のような大きな布のあるエリアに出る。布をホールドすると上に登っていくことができる。クラゲのような形をした布に飛び乗りながら先に進んでいくが、失敗するとまたゆっくりと落ちていく。先程までの乾いた砂漠とは違い、海の中にいるようなエリアだ。
壁を乗り越えて先へ進むと、地中から巨大な怪物が出てくる。怪物に見つかると攻撃されるが、当たるとスカーフが短くなってしまうので怪物のライトに当たらないように隠れながら進む。
最初の怪物がいるエリアを抜けた通路の先に壁画がある。
壁画の左側には巨大な機械と、そこから「砂漠」ステージで「白ビト」が乗っていた飛行する機械が次々に出てくる様子が描かれている。
この壁画にいる「白ビト」は巨大な機械の頂上に立っており、飛行する機械は起動せず地上に停まっている。
さらに2体の怪物がいるエリアを見つからないように慎重に進む。
最後は一気に坂を滑り降りて、石碑を作動させるとチャプター5はクリアだ。
Chapter6 寺院
東南アジアの寺院建築のような建物のあるエリアに出る。
向かって左側にある1つ目の壁画を作動させると、エリア内に光を帯びた水が溢れる。
この壁画は砂漠の丘の上に立つ「旅ビト」が描かれている。その姿はプレイヤー自身である「旅ビト」と同じ姿であり、これまで「白ビト」は他の絵と色を分けて白い線で描かれていたが、この「旅ビト」は風景と同じ一色で描かれている。
小さな札を利用して、ジャンプしながら移動すると2つ目の壁画があるので作動させる。
ここでの壁画は空を飛ぶ布に導かれるように、遺跡に向かって歩く「旅ビト」の様子が描かれている。
ここに来るまでの「旅ビト」の道中の様子が描かれているのが分かる。
クラゲのような布を利用して先へ進んでいくと、3つ目の壁画がある。
壁画を作動させると、建物の地下道を進む「旅ビト」の姿と、左側には怪物の姿が描かれている。
壁画が作動すると、クジラのように泳ぐ大きな布の生き物が出てくる。
布の生き物が出てきた部屋に、4つ目の壁画と光るシンボルが隠されている。
4つ目の壁画は、これまでのステージで作動させた壁画と同様、「白ビト」の歴史を描いたものだ。
この壁画は何を表現しているのか見る人によって解釈がそれぞれ分かれる難解な絵だ。
左側には塔のような建物が描かれている。最下層部に横たわる「白ビト」と頭上に光るシンボルと同様の模様がある。
塔の右手には宙に浮遊する3つの建物とその下には8人の「白ビト」が一列に並んでいる。
建物の配置から、現在の「寺院」のステージと同じ場所だと思われる。
布の生き物の背中に乗って先へ進むと、5つ目の壁画がある。
この壁画は布の橋を渡って歩く「旅ビト」の姿が描かれている。壁画の順番と、これまで進んだステージの順は同じではないようだ。
壁画を作動させて、細い布の道を通ると、6つ目の壁画を作動させる。
右手には遺跡、そこに向かって傾斜が急な砂の山を滑走する「旅ビト」の姿が描かれている。
6つ目の壁画が作動すると、中央の塔の下層の部屋の中に謎の生き物がいる。この生き物の出現でトロフィー「祖先」が獲得できる。
中央の塔の頂上まで進み、石碑を作動させればチャプター6はクリアだ。
Chapter7 雪山
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目次 - Contents
- 『風ノ旅ビト』の概要
- 『風ノ旅ビト』のあらすじ・ストーリー
- Chapter1 遺跡
- Chapter2 橋
- Chapter3 砂漠
- Chapter4 沈んだ都市
- Chapter5 地下道
- Chapter6 寺院
- Chapter7 雪山
- 『風ノ旅ビト』のゲームシステム
- 基本動作
- 移動
- カメラ操作
- 光と音を出す
- 飛行
- 特殊動作
- 転倒
- 瞑想
- オンラインプレイ
- オンラインプレイにおける意思疎通の方法
- 同行を提案/拒否する
- 喜びの気持ちを伝える
- 感謝の気持ちを伝える
- 別れの寂しさを伝える
- トロフィーについて
- 未完
- 幻想
- 探索
- 冒険
- 試練
- 祖先
- 発見
- 同行
- 再誕
- 親友
- 瞑想
- 脅威
- 復帰
- 超越
- 『風ノ旅ビト』の登場人物・キャラクター
- 旅ビト
- 『風ノ旅ビト』のアイテム
- 光るシンボル
- 『風ノ旅ビト』の用語
- シンボル
- 白の巨人
- 壁画
- 裏世界
- 『風ノ旅ビト』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- マントの模様
- チャプター6の壁画
- 世界観の考察