SCP財団(SCP Foundation)の徹底解説まとめ

SCP財団とは、現代の科学では説明不可能な物品、物体、場所、現象、概念を、一般の人間の目から遠ざけ、「確保」、「収容」、「保護」をすることを目的とする秘密組織「SCP財団」を舞台としたオカルトシェアワールドである。異常存在である「SCPオブジェクト」の詳細をまとめた報告書という形で公式wikiにまとめられており、その数は世界中で10,000を超える。発祥の地であるアメリカを「本部」とし、日本を含め世界中に「支部」を持っている。

現状、そのSCPオブジェクトにのみ付けられているオブジェクトクラス。多くの場合、SCPオブジェクトの持つ異常性が報告書全体に影響を及ぼした結果として、オブジェクトクラスまで変化してしまっていることを表している。「その近くに居続けた者の背中から羽が生え、天使の復活を妄信する存在になってしまう、羽の生えたミイラ。オブジェクトクラスはBeautiful(SCP-2690 天使の舌)」や、「近くに居る人間や存在を知った人間に対して、自分はとても友好的でフレンドリーな存在であると強制的に思い込ませる、小さなイカ。オブジェクトクラスはBFF/ズッ友(SCP-2790 イカした友達)」などが有名。

オブジェクトクラスなし

オブジェクトではない、オブジェクトの異常性によりオブジェクトクラスをつけられない、オブジェクトクラスではない区別の仕方をしている、読者がオブジェクトクラスを決める特殊な報告書である、そもそも財団の報告書ではないためオブジェクトクラスをつける項目がない、などの理由でオブジェクトクラスが「None」、「N/A」になっているSCPオブジェクトが存在している。

削除されたオブジェクトクラス

Decommissioned(デコミッションド)

「収容しておく意味がない」などの理由により、財団によって意図的に破壊、殺害されたSCPオブジェクト。破壊されたSCPオブジェクトのナンバーの後ろには-Dの文字が付けられる(例:SCP-083-D)。

実はこのオブジェクトクラスは、SCP財団黎明期に大量に投稿された、単調でつまらなかったり、既存SCPオブジェクトのパクリだったり、何のひねりもないただの吸血鬼だったりと、読者によって面白くないと判断されたSCPオブジェクトにつけられるオブジェクトクラスで、創作者にとって不名誉極まりないオブジェクトクラスだった。しかし、とある人物が投稿した「DecommissionedクラスのSCPオブジェクトを破壊するために財団職員が奔走する」という内容の短編が人気を博し、「自分のSCPオブジェクトも破壊してほしい」という要望のもとわざと出来の悪いSCPオブジェクトを投稿する人が大量に出てきてしまったため、現在はDecommissionedクラスそのものが削除されている。

アノマリー分類システム/Anomaly Classification System(ACS)

アノマリー分類システム/Anomaly Classification System(ACS)の一例

「アノマリー分類システム(Anomaly Classification System 以下、ACS)」とは、主に3000番台、4000番台の一部のSCPオブジェクト報告書に用いられている、従来のオブジェクトクラス分類法とは別の方法で分類する方法のことである。本来、報告書の上部に記載される情報は、「アイテム番号、オブジェクトクラス」の2つだけだが、ACSを用いられた報告書には、「クリアランスレベル、収容クラス、攪乱クラス、リスククラス、副次クラス」の計5つの情報を持ち、従来よりもより詳細な情報を一目で確認することができるのである。ただし、一目見たときの情報量の多さから「分かりにくい」という声も多くある。

クリアランスレベル

SCPオブジェクト報告書を、閲覧できる範囲を示す。SCP財団職員一人一人にクリアランスレベルというものが設定されており、そのレベルに応じて開示・閲覧できる情報に違いがある。最大クリアランスレベルは5。
以下は記載される要素。

・Level 0:公式用途のみ
全財団職員に開示することが許可されている一番最低レベルの情報。

・Level 1:内部機密
財団施設の管理者や守衛などが知っておかなければならない情報。

・Level 2:最低レベル機密
クリアランスレベル3の職員、またはその職員に許可をもらった人だけが閲覧できる情報。クリアランスレベル3の職員は、SCPオブジェクトを調査する研究員や博士などが該当する。

・Level 3:極秘
クリアランスレベル4の職員、またはその職員に許可をもらった人だけが閲覧できる情報。クリアランスレベル4の職員は、その施設の管理長や財団の運営スタッフなどの幹部クラスの職員が該当する。

・Level 4:最重要機密
O5評議会(クリアランスレベル5の職員のみで結成された幹部組織)のメンバーのみが閲覧を許された情報。それ以下のクリアランスレベルの職員は閲覧しようとする行為そのものが禁止されている。

・Level 5:Thaumiel
ThaumielクラスのSCPオブジェクトに関する情報。この情報にアクセスできるのはO5のみ。

収容クラス

SCP財団の理念である「確保、収容、保護」のうち、「収容」の難易度を示す。EuclidやKeterといった主要なオブジェクトクラスが用いられる。
以下は記載される要素。

・Safe(セーフ)
安全な収容方法が確立しているオブジェクト。

・Euclid(ユークリッド/エウクリッド)
予断を許さないが、一応の収容はできているオブジェクト。

・Keter(ケテル/キーター)
収容は著しく困難、もしくは収容不可能なオブジェクト。

・Neutralized(ニュートラライズド)
何らかの原因により異常性を失ってしまったオブジェクト。

・Explained(エクスプレインド)
もはや異常なものであるとみなされなくなったオブジェクト。

攪乱(かくらん)クラス

SCP財団の理念である「確保、収容、保護」のうち、「確保」の難易度を示す。もしもSCPオブジェクトが脱走し、非収容状態になった時に、どれだけ一般人に露出、曝露する危険性があるのかを示している。一部の報告書では、攪乱クラスではなく「破壊クラス」として扱われている。
以下は記載される要素。なお、すべて「明るさ」に関連する単語である。

・Dark(ダーク)
オブジェクトが非収容状態となっても、影響が考慮に値しないレベルで小さい。そのため財団も容易に再収容することができたり、影響を誤魔化したりすることができる。

・Vlam(フラム)
オブジェクトが非収容状態になると、局所的な地域に影響を及ぼす可能性がある。Vlamの由来はオランダ語の「炎(Flame)」から。

・Keneq(ケネック)
オブジェクトが非収容状態になると、1つの都市全体にまで影響を及ぼしかねない。財団も再収容するために相当苦労する。Keneqの由来はアリュティーク語の「キャンプファイヤーレベルの大きな火」から。

・Ekhi(エキ)
オブジェクトが非収容状態になると、1つの国家レベルで影響を及ぼす可能性がある。ここまでくれば当然、全世界に知れ渡る可能性も付随するため、再収容、もしくは無力化するのも相当困難。Ekhiの由来はバスク語の「太陽」から。

・Amida(アミダ)
オブジェクトが非収容状態になると、世界どころか、宇宙全体にまで影響を及ぼしかねない。Amidaの由来は、阿弥陀如来の名前の由来でもある「計り知れない光」から。

リスククラス

SCP財団の理念である「確保、収容、保護」のうち、「保護」の難易度を示す。オブジェクトそのものの危険度を示している。
以下は記載される要素。

・Notice(ノーティス)
危険度がないに等しいレベルのオブジェクト。

・Caution(コーション)
危険がないわけではないが、安全に注意して取り扱えば問題はないオブジェクト。

・Warning(ウォーニン)
近づくだけで軽微ではあるが影響を及ぼすオブジェクト。

・Danger(デンジャー)
近づくだけでかなりの危険を伴うオブジェクト。

・Critical(クリティカル)
回復不能なレベルの影響を及ぼす危険なオブジェクト。なお、ACSを考案した作者による説明によると「死ねるならまだマシ」であるレベルのもの。

副次クラス

主要なオブジェクトクラスではない、副次的なオブジェクトクラスを示す。いわゆる特殊なオブジェクトクラスもここに該当する。また、ACSではThaumielクラスは副次クラスとして扱われている。
以下は記載される要素。

・Apollyon(アポリオン)
世界を滅ぼすほどの力を持つだけでなく、確保も収容も保護も意味をなさない「手遅れ」であるオブジェクト。Apollyonの由来はギリシア語で「破壊者」を表し、ヘブライ神学において地獄に繋がれた堕天使アバドンの略語である「Apollyon」から。

・Archon(アルコーン)
オブジェクトが持つ異常性により、収容は可能だが意図的に収容をしていないオブジェクト。Archonの由来はギリシア語の「統治者」を表す、古代ギリシャでの最高執政官に与えられる称号から。

・Cernunnos(ケルヌンノス)
理論上は収容可能であるが、その収容方法に何らかの問題があり収容ができていないオブジェクト。暫定的なオブジェクトクラスで、収容ができ次第オブジェクトクラスは変更される。Cernunnosの由来はケルト神話における狩猟神および冥府神の名前から。

・Hiemal(ヒーマル)
相互関係のある複数のオブジェクトが、お互いの異常性を抑制しあっているために別々に収容する必要があるオブジェクト。Hiemalの由来は冬気候を表す英単語「Hiemal」から。

・Tiamat(ティアマト)
Apollyon一歩手前とも言われるほどの危険性を孕んでいるが、まだ対処する方法が残されているオブジェクト。Tiamatの由来はメソポタミア神話の海の神ティアマトから。

・Ticonderoga(タイコンデロガ)
「収容済みと未収容の間」を示しており、収容不可能だが、収容する必要もないオブジェクト。暫定的なオブジェクトクラスで、何らかの異変が起こった場合は即Keterへと再分類される。Ticonderogaの由来は「2つの湖の間」を示す、ネイティブアメリカンのイロコイ族の言葉から。

・Thaumiel(タウミエル)
主要なオブジェクトクラスではあるが、ACSでは副次クラスに分類されている。Keter級の危険なオブジェクトに対して、それを無効化、無力化することができるオブジェクト。財団の持つ、最後の切り札であり、財団内でもその存在を知る者は限られている。Thaumielの由来は、キリスト神話に登場するセフィロトの樹の一番上の悪魔「ケテル」と対になる邪悪の樹の一番上の悪魔の名前「タウミエル」から。

SCP財団の代表的なSCPオブジェクト

SCP-173 彫刻 - オリジナル

SCP-173

オブジェクトクラス:Euclid(予断を許さない)

鉄筋コンクリートで作られた彫刻だが生きており、自我のようなものを持っている。この彫刻から一瞬でも視線を逸らすと高速で移動し、視線を逸らした人間の首をへし折り殺害する。直視している間は一切動かないが、瞬き程度でも高速で移動し近づいてくるため予断を許さない。SCP-173は血と排泄物の混合物を垂れ流しており、定期的に収容されているコンテナ内を掃除しなければならない。その際、常に3人の職員が入り、1人が掃除している間は2人の職員がSCP-173を直視し、瞬きする際には合図を出す。

SCP-173は一番最初に執筆された始まりのSCPオブジェクトであり、わかりやすい異常性、不気味な画像、文章の短さなど、SCP初心者でも理解しやすい点が凝縮されている。SCP財団の黎明期に作られたSCPオブジェクトであるため、現在の文体とは当てはまらない点(”財団”というワードが登場しない、実験記録なども存在しない、など)もあるが、一番最初のSCPオブジェクトということもあり残されている。

SCP-682 不死身の爬虫類

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