SCP財団(SCP Foundation)の徹底解説まとめ

SCP財団とは、現代の科学では説明不可能な物品、物体、場所、現象、概念を、一般の人間の目から遠ざけ、「確保」、「収容」、「保護」をすることを目的とする秘密組織「SCP財団」を舞台としたオカルトシェアワールドである。異常存在である「SCPオブジェクト」の詳細をまとめた報告書という形で公式wikiにまとめられており、その数は世界中で10,000を超える。発祥の地であるアメリカを「本部」とし、日本を含め世界中に「支部」を持っている。

SCP-682

オブジェクトクラス:Keter(収容困難、もしくは不能)

その名の通り不死身のごとき回復力と生命力を持ち、すべての生命体に対して激しい憎悪と殺戮衝動を持つ巨大な爬虫類のような生物。高い知能を持ち、人語を話す。幾度となく収容所で暴れまわり、多くの職員を殺害して脱走を試みている。その有り余る危険性から、財団内でも特例である破壊命令を出されているSCPオブジェクトであるが、あらゆる方法を試してはことごとく失敗している。

SCP財団の黎明期に執筆されたSCPオブジェクトであり、「ただ強いだけのSCP-682の上位互換のようなSCPオブジェクトを作ってはならない」という一種のボーダーラインのようなものになっている。また、SCP-682の報告書は今なおアップデートが続けられており、最近ではSCP-682へのインタビューを記録した実際の音声データが添付されている。

SCP-871 景気のいいケーキ

SCP-871

オブジェクトクラス:Keter(収容困難、もしくは不能)

最初に発見されたSCP-871は、237個のケーキのコレクション。見た目や大きさ、種類は多種多様で、市販されている一般的なケーキのコレクションとそん色ない見た目、味である。このケーキコレクションが持つ異常性は、あらゆる生物がいずれかのケーキを一口食べると、およそ24時間後にその周囲に欠損したケーキとほぼ同じケーキが出現するというもの。ただしこの時、食べられなかったケーキも同様に同じケーキが24時間後に出現する。さらに、この時欠損したケーキも24時間後には完全な状態で復活する。つまり、ケーキのかけらが一かけらでも消費されずに残った場合、24時間後にはそのかけらから元のケーキが完全な状態で復活してしまう。ケーキの総数のおよそ90%を完全に消費することができれば、増殖を止めることができる。報告書執筆現在、ケーキの総数はおよそ20,000個以上。もしこのまま増殖を繰り返していけば、ネズミ算的に総数が増えていき、およそ80日後には地球全体がケーキによって埋め尽くされてしまう。財団は増殖を止めるために毎日ケーキを消費している。

「景気のいいケーキ」というなんともコミカルなタイトルからは想像できないほどの破壊力を持つSCPオブジェクト。性質は、ドラえもんの秘密道具である「バイバイン」と同じである。

SCP-2000 機械仕掛けの神

SCP-2000の報告書に隠されていた画像

オブジェクトクラス:Thaumiel(財団の切り札)

イエローストーン国立公園の地下に建設された巨大な建物。財団が作ったSCPオブジェクト。人類の滅亡、あるいはそれを避けられない事態になった時に起動させることで、新たな人類を生み出し、その人類に技術を与え、半自動的に文明を再建する能力を持つ。SCP-2000内には最大で1万人の人間が1000日間生活していくだけの備蓄と、世界中の生活様式に関するデータや建築器具、工場機械、農場機器のほか、著名な芸術品、音楽、文学作品、さらにワールドワイドウェブの完全なバックアップデータを有し、最長50年ほどで2000年代初頭までの文明まで再生させることが可能となる。SCP-2000は記録によると少なくとも2回、起動された痕跡がある。また、現在は原因不明の故障により修理中である。

SCP-2000はThaumielというオブジェクトクラスの代表的な存在である。SCP-2000が持つその能力から世界規模のリセットボタンと揶揄されており、まさしく財団の最終手段である。しかし、人類の滅亡を再生させる能力を有すが人類の滅亡の原因となったものに対する対処能力は無いため、決して万能というわけではない。
また、財団がSCP-2000内を調査したところ、死後450~700年ほど経っている白骨化した死体を発見し、死体の主は「前回の財団」の研究員である「クレフ研究員」であることが判明した。その死体が着用していた白衣の胸ポケットには、「我々を忘れないでほしい(Remenber Us...)」と書かれたメモを発見。「今の財団」が、何を犠牲にし、何を忘れて今を生きているのかを問いかけていた。

SCP-3519 静かなる日々

SCP-3519のイメージ画

オブジェクトクラス:Keter(Neutralized)(無力化されている)

SCP-3519は、「2019年3月5日に世界が終わるから、その前に自殺するのが望ましい」という情報である。この情報をありとあらゆるメディア(テレビやラジオ、インターネットや新聞、口頭など)を介して知ることで、「2019年の3月5日に世界が終わるから、その前に自殺しよう」という思想に取りつかれ、本当に自殺してしまうというもの。この情報に感染した者が40日以上生き残っていた記録は存在しない。最初の発生源は2018年12月5日、とある小さなラジオ局が「2019年3月5日に世界が終わる」という旨の情報を放送し、そこから爆発的に世界中に感染が広がっていった。世界人口の2%が自殺により死亡し、国の重要な機関も次々と停止していった。財団でも急ピッチでSCP-3519を何としてでも無力化する、もしくはこれ以上の感染を阻止する手段を探るも、ついに財団内にも感染者が現れ、財団の機能も日を追うごとに停止していった。さらに自我を持ついくつかのSCPオブジェクトすらも次々と自殺していた。そして来る2019年3月5日、世界は、SCP-3519によって滅亡してしまっていた。ただ1人、一切の情報を遮断することで生き残った財団所属の博士は、静まり返った世界を眼下に、晴れやかな青空を映し出す空を見ながら「いい天気だ」、と呟いた。

SCP-3519は、SCPオブジェクトによる「情報汚染」の恐怖を描いている。SCP-3519の報告書には、SCP-3519が確認された2018年12月5日から2019年3月6日までの詳細なタイムラインが添付されており、世界や財団が徐々に死んでいく様子を淡々と記している。

SCP-4999 私たちを見守るもの

SCP-4999

オブジェクトクラス:Keter(収容困難、もしくは不能)

SCP-4999は男性のような見た目の人型の存在であり、現在は未収容である。SCP-4999は、死に瀕しており、なおかつ家族や親しい友人もおらず、1人で息を引き取ろうとしている人間(以下、対象者)の前に現れ、対象者が息を引き取るまで側に居続けるという異常性を持っている。SCP-4999が現れることによって、対象者が恐怖したり、拒絶したりといった事例は存在せず、またSCP-4999も対象者に対して何らかの危害を加えるということもない。SCP-4999が対象者の手を握ったり、自身の手と対象者の手を重ねるなどの行為は確認されているが、基本的には対象者が息を引き取るその瞬間を見守っているだけである。また、SCP-4999に関する実験は倫理上の配慮により実施されていない。SCP-4999の起源に関する情報は古く、世界中の民話や芸術作品、神話や伝説に類似の存在が確認され、最も古いもので数千年以上前の文献に類似の存在が確認されていた。

SCP-4999は、危険なものが多いKeter級オブジェクトの中でも珍しい「全くの無害であるKeter級オブジェクト」である。数千年以上前から私たちの歴史を見守ってきたSCP-4999は、今もどこかで誰かの生きた歴史を寂しいものにしないために見守り続けている。

SCP-8900-EX 青い、青い空

SCP-8900の影響下にある写真

諸君、我々は失敗した。SCP-8900の影響はあまりにも広く拡散し、ありふれたものになってしまった。空の自然な青は下品で不自然な色合いに変わり、木々の緑は等しく汚された。SCP-8900は全ての可視スペクトルに荒廃をもたらし、我々は覆い尽くされた。

正反対の影響を及ぼす「感染症」を作り出すという試みもまた失敗した。我々は被験者に対して自然な色彩を復元させることに成功したが、この処置は被験者の口を利けなくしてしまうようだ。その上、今しがた使者がオフィスに到着し、我々の試みが収容違反を起こしたことを伝えてくれた。未来のエージェントはこれ自体をSCPオブジェクトとして扱わなくてはならないかもしれないな。

我々にはたった一つの選択肢が残されたのだ、諸君。私は財団の最終フェイルセーフ手段、アンニュイ・プロトコルを実行する。

適切な権限を持つ君達がこのメッセージを受領する頃には、財団は世界中の資源を動員し、保有する中で最も微細な効果を引き起こす記憶処理薬である化合物ENUI-5、その大量散布を終えていることだろう。世界中のこのような恐怖を味わうべきでない男女が、立ち止まり、困惑し、自らの生活に戻るだろう、この現象が常に存在していたと確信し、何を失ったかを決して知らないまま。ただ一つ、SCP-8900の影響を受けていない写真のみが真実を伝えていくことだろう。私は残念でならない、諸君。本当に残念だよ。

これはやり遂げられねばならない。

出典: scp-jp.wikidot.com

オブジェクトクラス:Explained(科学的に解明済み)

SCP-8900-EXは、かつてSCP-8900として記録されていたSCPオブジェクトだったが、とある事情によりオブジェクトクラスがExplainedに指定された。つまり既に異常なものではなくなったということである。SCP-8900の異常性は、人々の目から見るありとあらゆる色彩が、本来の色とは全く別の色に変わって見える、という現象。最初はほんのわずかな人間にしかこの現象は見られなかったが、徐々に様々な人間に同じような現象が見られ始めた。この異常な現象を抑えるために、財団はありとあらゆる手段を講じてきたが、財団が予測するよりも速いスピードで世界中に広がっていった。そしてついに、財団職員を含むほぼすべての人間がこの現象に襲われ、本来見ていた色彩とは全く別の色をした景色を見ることになってしまった。財団はここで、正式に「敗北宣言」をした。自分たちは異常を封じられなかった、かつて見ていた美しく色鮮やかな世界はもう取り戻せない。財団は世界中で起こっている混乱を鎮めるために、世界中に向けて「今見えている極彩色の景色こそが、本来見ていた景色である」という新たな常識を植え付けるための特殊な薬品を散布。財団は「異常」を「正常」にしてしまったのだった。

今私たちが実際に見ているこの光景は、本来とは違う色をしており、それがSCPオブジェクトによって変化してしまった、という報告書。財団が初めて正式に負けを認めたSCPオブジェクトであり、Explainedというオブジェクトクラスを広く知らしめた代表作。このように、私たちが知っている常識が、実はSCPオブジェクトによるものだった、という内容のものは他にもたくさん存在している。

SCP財団日本支部の代表的なSCPオブジェクト

SCP-040-JP ねこですよろしくおねがいします

SCP-040-JPによって見えるようになる“ねこ”

オブジェクトクラス:Safe(安全に収容されている)

SCP-040-JPは、日本のとある県のとある村に放置された小屋と、その中にある枯れた井戸である。この小屋の中の井戸を肉眼で直視すると、暗闇や隙間などから視線を感じるようになり、またありとあらゆる種類の猫が、「ねこ」と呼称される人間の目を持つ白い猫のような存在に見えるようになる。また「ねこ」が見えるようになってからしばらくすると、視界の端や物陰などからこちらに視線を向ける「ねこ」を視認できるようになり、常に「ねこ」が視界の中に存在し続けるようになる。「ねこ」を視認できるようになった人間は、周囲の他の人々に「ねこ」がいる、と伝えるようになり、この「ねこ」に関する情報を得た人間も、井戸を見ていないにも関わらず「ねこ」が見えるようになる。この「ねこ」に関する情報は、音声や映像、文章、暗号などを介することでも得ることができ、それによって間接的に「ねこ」の情報を知った人間も「ねこ」を視認できるようになり、「ねこ」の存在を周囲に知らせるようになる。

SCP-040-JPは、SCP-3519(静かなる日々)と同じ「情報汚染」に関するSCPオブジェクトであり、SCP財団を知らない人でも、「ねこ」の画像や「ねこですよろしくおねがいします」というフレーズは聞いたことがあるほどの圧倒的知名度を持つ、本物のネットミームになってしまったSCPオブジェクトである。

SCP-268-JP 終わらない英雄譚

SCP-268-JP

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