ママレード・ボーイ(漫画・アニメ・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ママレード・ボーイ』とは集英社より発刊されている『りぼん』にて連載された、高校生の男女が親の都合により同棲することで惹かれあっていく恋愛漫画である。
2組の両親がお互いのパートナーを交換することで、同居人となるという奇想天外な設定で、社会現象にまでなった。
主人公を中心とした複雑恋愛模様は、同居や家族をテーマにした秘密の恋物語の先駆けともいえる。
作中に登場する交換日記やロボット型ボイスレコーダーも、当時の若い世代では大人気となった。

『ママレード・ボーイ』の概要

『ママレードボーイ』とは、集英社より発刊されている『りぼん』で1992年5月から1995年10月まで連載された、同棲する2人の高校生の様子を描いた恋愛漫画である。

主人公の光希は、高校生活も順調に送る平凡な日々を過ごしていた。
しかしある日、両親から離婚することを知らされる。しかも、とある1組の夫婦とパートナーを入れ替えるというのだ。
破天荒な両親の提案に大反対する光希だが、一緒に住むことになったイケメンの遊と出会い、その気持ちは揺らぎ始める。
いつも憎まれ口ばかり叩くが本当は優しい遊と、中学からずっと親友だったかつての片思いの相手・銀太、教師と禁断の恋愛に走る親友の茗子、遊の元カノ・亜梨実が織りなす複雑な恋愛模様を描いた物語である。

女性なら一度は憧れるシチュエーションに、当時若い世代の間で大流行した。
累計発行部数は1000万部を突破し、1994年から1995年にかけてテレビアニメ化、2001年に台湾でテレビドラマ化、2018年に日本で映画実写化され、大ヒット作品として今でも人気を集めている。
禁断の愛の金字塔として、今もなお人気を集める作品だ。

『ママレード・ボーイ』のあらすじ・ストーリー

波乱の幕開け〜普通じゃない家族〜

遊が登場し、思わずときめく光希。

主人公の小石川光希(こいしかわみき)は、私立桐稜(とうりょう)大学付属高等学校に通う高校1年生。平穏な日々を暮らしていた光希だったが、ある日突然、両親から離婚を告げられる。光希の両親は2人でハワイ旅行に出かけていたが、そこで同世代の松浦要士(まつうらようじ)・千弥子(ちやこ)夫妻と出会い、互いが互いのパートナーに惹かれ合うという事態になっていたのだった。話し合いの結果、それならパートナーを交換しようということで落ち着き、再婚することになったのである。あまりの衝撃に動揺を隠せない光希は当然この離婚に大反対したものの、結局両親に押し切られてしまう。

翌日、大親友の秋月茗子(あきづきめいこ)に両親の愚痴を一通り聞いてもらった光希は、両親の再婚相手の松浦夫妻との会食のためにレストランへ向かった。そこへ、夫妻の息子・松浦遊(まつうらゆう)が遅れて現れる。彼の姿を見た光希は、その整った顔立ちに思わずときめいてしまった。浮かれる心を抑え、光希ははっきりと両家の再婚に反対する。一方の遊は、両家が納得しているのなら別にかまわないという。あり得ないことに、互いの両親たちはパートナーが替わってもひとつ屋根の下でみんなで暮らそうと考えており、光希はこのことにも衝撃を受けた。しかし、反対しているのは自分だけだということを悟り、ついに光希も泣く泣く両家の再婚を認めることになった。

突然のキス

光希と遊は通っていた高校がそれぞれ別々だったため、光希は気兼ねなく学校生活を楽しめると安心しきっていた。ところが、家から遠くなるとの理由で遊が光希の高校に編入してくる。遊の整った容姿はやはり人目を引き、他クラスからも女子生徒が押しかけてくるほどだった。学校中が遊の話題で持ちきりだったある日、遊は光希と同居していることを平然と明かす。当然、2人の仲を「デキている」とからかう者が現れ、光希は激怒していた。その様子を、面白くなさそうに見ている男子生徒がいる。須王銀太(すおうぎんた)だった。銀太と光希は中学時代からのクラスメイト。かつて光希は銀太に振られたことがあったのだが、その後も友人として良い関係を築いていた。

何をやっても絵になる遊は、体育のバスケットボールでも周囲からの注目を浴びていた。遊との同居生活の中で彼の性格を知っている光希は、なぜ周囲がそんなに遊をちやほやするのかわからない。同様に、遊のことを快く思っていない者がいた。銀太である。銀太は遊に対してライバル心をむき出しにしていた。それを見た周囲の女子生徒たちは、銀太が光希を遊に奪わせまいとしているのではと噂し始める。その噂に、光希は自分がすでに中学時代に銀太に振られていることを告げた。とはいえ、光希にとって銀太はかつては夢中になった相手である。その頃の思い出に耽っていたその時、光希の顔にバスケットボールが直撃。意識を失った光希は、保健室へと運ばれた。しばらくして意識を回復した光希だったが、茗子と入れ違いで遊が保健室に入ってきたことを知ると、慌てて寝たふりをする。光希が寝ていると思った遊は、突然光希にキスをしてそのまま立ち去っていった。寝たふりをしていただけだった光希はキスされたことにも当然気がついており、戸惑いを隠せなかった。家で遊と顔を合わせることが気まずいと感じる光希だが、当の遊は普段と何も変わらない。それを見て、光希は遊からキスされたことは何かの間違いだったと思うことにする。

亜梨実との再会

偶然再会した亜梨実と遊。

夏休みのある日、光希と遊は遊園地に遊びに行くことになった。2人きりとは思っていなかった光希は戸惑いつつも、まるでデートみたいと胸を高鳴らせてもいた。遊園地を思いっきり楽しむ中、そんな2人の姿を見つめる1人の美女がいた。この女性は、遊の元カノ・鈴木亜梨実(すずきありみ)。鏡の迷路のアトラクションに入る光希を遊が追いかけようとしたところで、遊は亜梨実に引き留められてしまう。一方、光希もアトラクションの中に入ってから遊がいないことに気付いたが、鏡の迷路に悪戦苦闘し、15分後にようやくアトラクションから出てくることができた。その時、光希は遊が自分の知らない美女(亜梨実)と一緒にいるのを目撃してしまう。しばらくして別の男性が亜梨実を迎えに来たが、その去り際、亜梨実は遊に対し「やっぱりあなたの方がいい」と言い残す。その言葉に妙な引っかかりを感じた光希は、遊と亜梨実がかつて付き合っていたことを聞かされ、なぜかショックを受けた。その時、遊が突然、自分のファーストキスは光希だと告げる。なぜそんなことをしたのかと問い詰める光希に、遊は「光希が好きだからに決まってんじゃーん」と軽い態度で答えた。からかわれていると感じた光希は思わずカッとなり、遊の頬を叩いて1人で帰宅してしまった。

翌日、光希と遊の遊園地デートは、すでに学校中の噂になっていた。茗子は、光希がなんだかんだ楽しそうに暮らしており、少しずつ遊に惹かれ始めていることに気付いていた。光希の親友として、茗子は光希に幸せになってほしいと心から願う。一方の銀太は、当初はあれほど遊との同居生活を嫌がっていた光希の態度が変わったことが納得できない。実は、銀太は中学の頃からずっと光希のことが好きだった。光希は銀太から振られたといっているが、実際には些細な行き違いから銀太が光希を振ったことになってしまったのである。それが原因で口も聞かなくなった時期がある2人だったが、仲直りしてからは友人として良い関係を築いてきた。その間も、銀太はずっと光希を想い続けてきたのである。

放課後、週番で居残りをすることになっていた光希と銀太。光希が食べている飴が「キスの味」と宣伝されているマスカットキャンディであることを知り、本当にそんな味がするのか試してみようと銀太が言い出す。銀太がいつものノリでからかってるんだろうと思い込んだ光希は「いいよ」と軽く流したものの、銀太の眼差しは真剣そのもの。銀太はついに光希の肩をつかんで、そのまま無理矢理キスをする。光希は激しく抵抗し、銀太の頬を叩いて教室を飛び出していってしまう。後に残されたのは、思いつめた表情をした銀太だった。
翌日、銀太の態度に腹を立てていた光希は、どれだけ銀太が話をしようとしても無視を決め込む。帰り際、校門で亜梨実の姿を見かけた光希は、亜梨実と待ち合わせていた振りをし、追いかけてくる銀太から逃げることに成功する。光希と亜梨実はそのままカフェに入り、光希はそこで亜梨実と遊との間にあった出来事を聞かされることになった。亜梨実は遊園地で遊と再会したことで再び遊への想いに火が付き、今でも好きだという。亜梨実の話を聞いた光希は、自分の遊に対する気持ちがなんなのか、まだはっきりとわからずにいた。

蘇る初恋

家の前に銀太がいるのを見つけた光希。話を聞いてもらえるまで帰らないと頑固に言い張る銀太を前に、なぜ友達なのに無理矢理キスをしたのかと、ついに光希の怒りが爆発する。そんな光希に、銀太はかつて自分が光希を振るようなことになってしまった真相を語り始めた。そして2年の時を経て、銀太は光希への本当の想いを告白する。銀太に振られたと思い込んでいた光希は、あの日以来、銀太のことを友達としてしか見ていなかった。突然の告白に戸惑いを隠せない光希は、そのことを茗子に相談する。遊のことが好きになりかけているのではと茗子にいわれ、正直に「そうかも」と答える光希。銀太と遊のどちらかを選ぶことなど、光希にはできなかった。翌日、光希は告白の返事を待ってほしい旨を銀太に告げる。その後、光希はなんとなく銀太と気まずくなり、遊が好きかもしれないと気づいてからは遊のことも変に意識するようになってしまった。

そんな中、学祭の日が近付く。学祭ではテニス部が他校との交流試合を開催、銀太と遊がダブルスでペアを組むことになった。対戦相手は榊学園高等学校の六反田務(ろくたんだつとむ)。この男は、実は銀太の従兄弟であり、小さい頃からのライバルだった。一方、六反田は遊にとっても因縁の相手であった。六反田は長らく亜梨実に恋しており、亜梨実がかつて遊と付き合ったことで遊をライバル視するようになったのである。激闘が繰り広げられる中、最後には銀太・遊ペアが勝利した。

学祭後、光希、銀太、遊の3人が一緒に下校していると、校門に亜梨実の姿があった。彼女が待っているのは遊だと誰もが思ったが、亜梨実が会いたがっていたのは実は銀太だった。銀太のテニスの試合を見た亜梨実はすっかり彼を気に入り、強引に銀太を連れてその場から去って行ってしまう。それを見た光希はおもしろくない気持ちになる。実はこれは亜梨実が仕組んだことだった。自分と銀太が付き合っているかのように振る舞うことで、光希にやきもちを妬かせて銀太とくっつけようとしていたのだ。それはつまり、自分が遊とヨリを戻すことでもある。光希が自分を振り向いてくれるのならと、銀太もこの話に乗った。光希は茗子の助言もあり、自分が亜梨実にやきもちを妬いていることを自覚する。とはいえ、遊も銀太もどちらも光希にとっては大切な存在で、どちらかを選ぶことなどできるはずもない。銀太は嘘を重ねていることが辛くなり、光希にすべてを話した。ホッとした表情を見せる光希に銀太は感情を抑えきれず、光希にキスをしようとする。そこに遊が割って入り、銀太は悔しさを隠せなかった。一方の亜梨実は、自分が嘘を付いていたことを悪いと思っておらず、それどころか遊と銀太との間でフラフラしている光希を厳しく追及する。事実その通りだった光希は、何も言い返すことができなかった。

茗子の恋

光希に全てを話す茗子。

亜梨実が泣きながら遊にキスをする場面を多くの生徒が目撃したことで、学校中が亜梨実と遊との噂で持ちきりになっていた。光希はその噂が気になって仕方がない。一方、銀太と光希との関係は日に日に良くなっていった。これまで通りの良い友達として、言いたいことも言い合える仲になっている。そんなある日、茗子が名村(なむら)先生と付き合っているという噂が流れた。名村先生は光希のクラスの担任である。噂の発端は、茗子が名村の家から朝方出ていくところを生徒の父兄が目撃したことによるものだった。これがPTA会議で大問題になり、茗子は自宅謹慎処分となる。放課後、光希は茗子の家に行き、本人の口から名村先生と付き合っている事実を聞かされた。親友なのに隠し事があったことにショックを受ける光希。

翌日、名村はその日付けで教師を辞め、地元の広島に帰ることが伝えられた。名村は茗子のことを心から愛していたが、だからこそ茗子の今後を考え、身を引いたのだった。それでも諦めきれない茗子は、駆け落ちしようと名村の後を追いかける。間一髪のところで再会できた2人だったが、名村の意思は変わることがなく、車中の人となった。

春休みが明け、無事に2年生へと進級できた光希たち。茗子も謹慎が終わり、吹っ切れた様子を見せていたが、その心の中は深く傷ついていた。茗子は周囲を心配させないために、わざと明るく振る舞っていた。

新しい真実

ある日、図書館で本を読んでいた遊の前に、三輪悟史(みわさとし)と名乗る生徒が現れる。彼は光希たちの高校で生徒会長を務める人物であり、そのイケメンぶりから女子生徒から人気が高かった。初めは警戒していた遊だが、相手が「三輪」とわかった途端になぜか態度を変える。その後、遊と悟史は急速に親密になっていき、「2人はゲイなのでは?」との噂が流れるほどだった。そんな遊の態度を不審に思った光希は、茗子とともに遊と悟史の後を付けることにする。辿り着いた先で彼女たちが目にしたのは、有名な建築家で悟史の父でもある三輪由充(みわよしみつ)の姿だった。遊は図書館で建築関係の本を読んでおり、茗子はそのことを知っていたため、由充の息子である悟史と遊が仲良くなったことに合点がいったようだった。一方の光希は、遊が建築関係の本を読んでいたことを知らず、自分が遊のことを何も知らないことにどんどん落ち込んでいく。遊よりも先に帰宅した光希は遊にそのことを話したが、遊からは「お前に関係ないだろ」と冷たく突き放されてしまった。

気まずくなったまま迎えた修学旅行で遊は光希を呼び出し、悟史と仲良くなった経緯を話した。遊は要士の実の息子ではなく、千弥子が結婚する前に付き合っていた恋人の間にできた子どもなのだという。そして、その恋人が三輪由充だった。つまり、遊と悟史は異母兄弟ということになる。遊は、小学生の頃に祖母からの手紙を読んでこのことを知ったのだった。その事実を確かめるべく、遊は悟史とともに由充のもとへ向かう。

両想い

遊と悟史から真実を尋ねられた由充の答えは「遊の父親は自分ではない」というものだった。由充が千弥子に想いを寄せていたのは確かだが、千弥子はその告白を断っていた。もともと気が多い由充の行動が招いた誤解だったのである。

小学生の時に自分が何者であるかを知って以来、ずっと由充を父親、悟史を兄だと思ってきた遊にとって、これは相当にショックな出来事だった。普段のノリと違って悲しみを隠さない遊の姿に、光希は思わず涙を流す。そんな素直で純粋な光希に、遊はいつしか惹かれるようになっていた。遊は光希への想いを告白し、光希も同じ気持ちであることを話す。ようやく気持ちが通じ合った2人はキスを交わした。両想いになった2人は後日、自分たちの口からそのことを銀太と亜梨実に報告する。亜梨実は光希が遊を変えたことに安堵したが、それでも遊が忘れられない。1人になった亜梨実は、人知れず涙を流した。

アルバイト

綺麗な人物が好きで、自由奔放なすず。

また1人、光希たちの前に新たな人物が現れる。その人物とは佐久間すず(さくますず)。すずは今をときめく人気モデルで、光希の母親(遊の義母でもある)留美(るみ)の勤める化粧品会社のCMに出演することになっていた。これになぜか遊も出ることになり、光希は波乱の予感がして気が気ではない。しかも、すずは綺麗なものが大好きな女の子だった。遊の整った顔立ちを見たすずは、すぐに遊を気に入ってしまう。そのことに不安はあったものの、実際には光希と遊との関係は良好で、2人は旅行の計画も立てていた。その資金を集めるために、光希もアイスクリーム屋でアルバイトを始める。そこで出会ったのは土屋蛍(つちやけい)という光希より1歳年下の男の子だった。ある日のバイト中、貧血で倒れそうになる光希を蛍が抱き留める。光希への想いを募らせていた蛍は、つい光希を抱きしめてしまった。その現場を、すずが店の外から目撃する。綺麗なものが好きなすずは、遊と光希を別れさせ、茗子とくっつけようと思い付く。すずの策略、そして光希に想いを寄せる蛍の思惑が絡み合い、光希と遊は嫉妬や誤解ですれ違い始める。しかし結局すずの企みはうまくいかず、2人の仲はより深まることになった。

一方の、銀太と亜梨実。それぞれ好きな人がいながらも失恋し、慰め合っていた2人は次第に惹かれ合うようになっていた。会う回数を重ねながら、ようやく2人は本当の恋を見つけたのである。そんな中、茗子が書いた小説が文学賞を受賞し、茗子は時の人となる。有名になり、幸せの絶頂にあるはずだったが、茗子にとっては名村のいない生活はやはり考えられないものだった。名村に会うため、光希と茗子は広島行きを決意する。光希の計らいでようやく再会できた茗子と名村。茗子の気持ちを当初は頑なに受け入れようとしなかった名村だったが、茗子が去ろうとした時についに自分の気持ちを抑えきれなくなり、ようやく2人はお互いの本当の気持ちを確かめ合った。茗子と名村は後に婚約し、茗子は高校卒業後、広島に来ることになる。

突然の別れ

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