ミントな僕ら(吉住渉)のネタバレ解説・考察まとめ
『ミントな僕ら』とは、吉住渉による青春少女漫画。集英社『りぼん』にて掲載された、双子の姉弟の恋愛模様を描いた学園ラブ・コメディ。双子の姉・南野(みなみの)まりあが大好きな、双子の弟南野のえるは、初恋の人を追いかけて全寮制の学園に転校したまりあを連れ戻すため、自分も転校しようと決意する。ところが、女子寮しか空きがなかったため、のえるは女子生徒を装って寮生活を送ることとなってしまう。性格の違う双子2人のそれぞれの恋愛模様や、思わず笑えるコメディタッチの作風が魅力的な作品。
『ミントな僕ら』の概要
『ミントな僕ら』とは、吉住渉による少女漫画。集英社『りぼん』にて1997年6月号から2000年2月号まで掲載され、作者の代表作である大ヒット作品『ママレード・ボーイ』はテレビアニメ化、実写映画化された。
コミックスは全6巻、文庫版は全4巻が刊行。
作者の前連載作品『君しかいらない』に続き、2作目の男子が主人公の作品となっている。
初恋の人を追いかけ全寮制の森ノ宮学園へ転入した双子の姉のまりあを取り戻そうと、弟ののえるは女の子のフリをして森ノ宮へ転入を決意する。そこから繰り広げられる姉弟のそれぞれの恋愛模様を描いた学園ラブ・コメディ作品。
作者の吉住渉は本作『ミントな僕ら』誕生の経緯について、コミックス1巻のフリースペースで「前作ではギャグパートを描いている時が最も楽しかったため、次回作はコメディ色の濃いものに仕上げたいと考えた」「『りぼん』でしか描けない、フィクションらしい物語を描きたかった」と語っている。他にも、アイディア自体は連載開始の遥か前から浮かんでおり、構成も練っていたが「女装少年もの」になかなか当時の担当編集者の理解が得られなかったこと、また他の担編集者相手にも、女装は現実味がないのでファンタジー要素の強いものを提案された。しかしファンタジー作品を執筆する自信がなかったために、「女装もの」を推し通したことなどが語られている。
性格の違う双子2人のそれぞれの恋愛模様は斬新で読み手を夢中にさせ、また個性豊かなキャラクターの魅力で広く人気を博している。
読者からは「男子が主人公で、少女漫画には珍しい展開」などの声が多数寄せられている。
『ミントな僕ら』のあらすじ・ストーリー
森ノ宮学園へ入学
南野(みなみの)のえると、南野まりあは双子の姉弟で、大の仲良し。特に弟ののえるはまりあが大好きで、何をするにもまりあと一緒だった。
しかしまりあは、バスケの対抗戦で出会った森ノ宮学園バスケ部コーチの広部(ひろべ)に一目惚れをし、彼を追って全寮制の森ノ宮学園の転入してしまった。のえるはどんどん自分を置いて離れてしまうまりあに焦りを感じ、まりあの恋路を阻止すべく自分も森ノ宮学園へ転入を父親にせがんだ。
ところが、寮の空き部屋は女子寮にしかなく、森ノ宮学園の理事長は「女の子としてなら」と転入を承諾すると言う。のえるは昔から女に間違われることを嫌っていたが、それで自分も転入できるのならと、のえるは女の子になりきって学園生活を送ることを決意する。
のえるが転入した時、まりあは大変驚愕し、のえるを追い返したがっていたが、良心が咎められて彼が男の子だということは内緒にすることにした。さらにのえるはクラスメイトの前で自分を「おれ」と言ってしまい焦ったが、男言葉でも誰も疑わず、内心ホッと胸をなで下ろす。
まりあを取り戻そうと試行錯誤する学園生活だが、ルームメイトの牧村未有(まきむら みゆう)やクラスメイトの佐々龍至(ささ りゅうじ)と仲良くなり、のえるなりに楽しい時間を過ごしていた。
ある日、まりあはバスケ部員と広部コーチと一緒に遊園地に行くことになる。彼との距離を縮めたいまりあは、両思いの第一歩として気合いを入れていたのだが、バスケ部のマネージャーになったのえるも同行することを知って、ひどく落ち込む。
案の定、当日ものえるはまりあにずっとついて回り、全く広部コーチと話せずにいた。しかし、のえるがトイレに行った際にやっと広部コーチと2人きりになることができ、まりあと広部コーチはお揃いのお土産物を購入する。
そしてまりあは広部に告白をするが、広部には彼女がいることが判明する。だが広部コーチと彼女は上手くいっておらず、寂しそうな目をする彼にまりあは、「ずっと待ってますから…!」と彼女候補の1人に考えて欲しいと伝え、広部コーチは笑顔で御礼を言った。
のえると佐々
一方、のえるはまりあが広部を諦めるまで時間がかかると判断し、自分は自分で学園生活を楽しもうという心意気になり、佐々とは休日に釣りに出かけたり、学校でも常に共に行動したりと友情を育んでいた。
しかし端目には、2人が仲良くする姿はカップル同然に見え、のえるだけは男同士の友情と思い込んでいるその状況をまりあは密かに危惧していた。
そんな中、いつものように遊びに出かけたのえると佐々。その時にのえるは佐々に告白され、キスをされてしまう。
のえるは困惑し、佐々のことは好きだが友達として仲良くしたいと佐々に伝えるが、「好きなのにどうして”友だち ”でなきゃだめなのか?」と佐々に悲しそうに言われ、返す言葉が見つからずにいた。
後日、のえるは佐々にだけは自分が男だということを内明けようと決心し、佐々を自室に招き入れる。そこで服を脱ぎ裸になり「だましててごめん、おれ男なんだ」と伝え、こうなった経緯などを一生懸命話すが、佐々は呆然としてしまいそのまま帰宅してしまう。
翌日、学校で会った佐々は頭の整理がついたらしく、のえるの言い分もきちんと納得してくれたおかげで、2人の友情は壊れずにこれからも続いていくこととなった。
未有への恋
街中で未有が中年の男性と仲良く歩いているシーンを目撃したのえる。その時のえるは、クラスメイトの麻生可南子(あそう かなこ)が未有に援助交際の噂があると言っていたことを思い出す。帰宅し未有に問い詰めると、一緒にいたのは自分の父親だと答えたため、余計な心配だったとのえるは安堵した。
数日後、のえるはどうしても気になり、いけないと思いつつ未有の家族写真をこっそり見てしまう。その写真に写っていた父親の顔が、この前の人とは別の人であり、嘘をつかれたことにショックを受ける。
一方、まりあは広部コーチの弟である広部良陽(ひろべ よしあき)とバスケの試合で出会う。広部コーチからまりあの話を常日頃から聞かされていた良陽は、自然と彼女が気になる存在になっていた。
そのため、兄の代わりに自分が付き合うと告白をすると、まりあは一つ返事でOKをし、2人は付き合うことになる。一連の光景を見ていたのえるは大反対をするが、広部コーチの時と違い、今回は両想いだから仕方ないと佐々が宥めると、その言葉にのえるも納得し、泣く泣く2人の仲を認めることとなった。
ある日、未有が出かけた後、まさかあの男性と会うのではないかと焦ったのえるは、佐々と2人で事前に聞いていた未有の外出先に出向いた。
すると、未有が例の男性と仲良くお茶をしている場面に遭遇する。その時佐々が「何やってるんだよ父さん!」と言い、未有と男性に近づく。実は、男性は未有の実の父親でもあり、佐々の現在の父親にあたる人物だった。
佐々は実父とは死別しており、現在の父親は実母の再婚相手が未有の実父であるため、未有と佐々の2人はいとこ関係にあたることが判明する。
男性に家族の問題だから席を外してほしいと頼まれたのえるは、1人帰路に着いた。
未有が帰宅後、のえるは未有から昼間の件について説明を受ける。未有の母は別の男性と結婚し、今は家族幸せに暮らしているが、実の父親に会ってみたいと思うようになり、去年あたりから会うようになったとのことだった。
そして未有は父親から常々佐々の話を聞いており、今日初めて佐々と話せたことを心から喜んでいた。
そのせいか以前より楽しそうに会話をする未有と佐々の姿をたびたび見かけるようになったのえるは、嫌な気持ちを抱くようになる。のえるがその一連の出来事をまりあに伝えると、「親友の佐々をとられた寂しさではなく、未有が他の男子と仲良くしていることへの嫉妬心を抱いているのではないか?」とまりあに指摘される。
のえるははまりあの言葉に頷き、男として未有への恋心を自覚した。
未有への恋心を自覚したものの、彼女には女性と認識されたままののえる。諦めて当面の間は友人として接そうとしていた最中、のえるは街で未有と、本来の男子の姿で遭遇してしまう。のえるはとっさに自分を「のえるのいとこの栗原トオル」と誤魔化し、その場を去った。しかし事情を聞いたまりあに、「栗原トオルとしてなら、未有に男と明かさずに堂々とアプローチできるよ」と背中を押される。
早速のえるはトオルが未有とデートしたがっていると電話をするが、未有は人見知りのため、のえると佐々を含め4人なら会ってもいいと言う。その言葉を聞いたのえるは、まりあに1日だけのえるになってほしいと頼み込む。まりあは渋々了承し、のえるは無事にデートの約束を取り付けた。
次の休日、のえるは未有とまりあ、佐々の4人で渓流釣りに出かけた。のえるは栗原トオルとして男子の格好でデートをし、まりあものえるの仕草を数日特訓した成果が表れ、未有にバレることなく楽しい1日を過ごす。
それからのえるはトオルとして、未有と日を改めて2人きりでデートに出かける。たくさん笑顔を見せてくれるようになった未有を見て手応えを感じたのえるは、未有に告白をする。
だが、未有は「のえるに似ているから男の子って感じがしない」と申し訳なさそうに答える。のえるはフラれたショックで内心落ち込むが、これから友情が恋に変わることを期待して頑張ろうと決意した。
夏休みに入り、のえるとまりあは、前の中学の同級生の桜井大輔(さくらい だいすけ)や立原果林(たちはら かりん)とも久しぶりに会い、話に花を咲かせる。
ところが、のえるが恋をしていることや、まりあに彼氏ができたことを聞いた大輔と果林は、とてつもない焦燥感に駆られてしまう。実は大輔はまりあに、果林はのえるに好意を寄せていた。落ち込む大輔をよそに、果林は「絶対に引き下がらない」と、のえるにアピールしていく姿勢を見せた。
後日、果林から話があると言われたため日曜に会う約束をしたのえるだが、未有からも日曜に映画に行こうと誘いの電話がかかる。せっかくの未有とのデートチャンスを逃したくなかったのえるは、彼女との約束の時間をずらし、ダブルブッキングすることにした。
デート当日、先に約束していた果林と会ったのえるは、果林から告白される。のえるは1度フラれたが未有が好きな気持ちがあり、この後も会う約束をしていることを告げ、果林の告白を丁重に断る。
その返事を聞いた果林は、のえるの気持ちを知っていても交友関係を続ける未有に苛立ちを覚え、のえるに抱きつきながら泣き出してしまう。そこへ未有が偶然通りかかり、2人の仲を誤解した未有は「映画はまた今度にしましょ。またねトオルくん」と言いすぐさまその場を去って行く。
焦ったのえるは、果林に「すぐ戻ってくるからそこで待っていて」と言い、未有を追いかける。追いついた未有にのえるは必死に事情を説明し、待たせている果林にもう1度話をしようと急いで戻るが、そこにはもう彼女の姿はなかった。
未有はのえると果林が抱き合う姿を見て怒っていたが、のえるが「怒ったってことは妬いてくれたんじゃないの?」と言うと、未有は顔を真っ赤にしながらいつの間にかのえるに恋をしていたことを告げる。
そしてようやく2人は恋人同士になった。
明かされたのえるの嘘
晴れて未有と両想いになり浮き足が立つのえるだが、一方まりあの方は落ち込んでいた。良陽の元彼女である中山晶(なかやま あきら)は良陽に執着し、2人の交際を邪魔するようになった。晶の妨害に耐えきれなくなったまりあは、良陽に別れを告げ2人は破局してしまう。
失恋後に、バスケの試合で会った大輔に告白され付き合ってみるが、大輔に気持ちが向いていないことを見透かされ、上手くいかなかった。そんなまりあの話に相談に乗っていた佐々は、少しずつまりあを意識し始めた。また、まりあの気持ちも佐々へ傾いていき、2人の距離は近づいていく。
夜、森ノ宮学園の女子寮に果林からのえるへ電話が入る。果林は、あの日未有がのえるのことを「トオルくん」と呼んでいたこと、のえるが男子寮ではなく女子寮にいることを不可解に感じ、説明を迫る。
のえるは果林に、女装している事情と未有とはトオルとして付き合っていることを説明し、周囲にはバラさないように理解してもらい、果林は納得し身を引くことになった。そしてのえるは、未有と付き合うことになった以上、秘密を打ち明けようと決意する。しかし未有の過剰な嘘嫌いが発覚し、なかなか言い出せずにいた。
そんな中、のえるはシャワー後の姿で未有と遭遇してしまう。いつもは未有が出かけている間にシャワーを使っていたのえるだが、用事が中止になったために未有が戻ってきてしまったのだ。部屋には何故かトオルがいて、さらに半裸、手にはかつらを持っているところを目撃し、未有はパニック状態になる。
そこから、のえるから未有へ事情を説明し謝罪をするが、未有は嘘をつかれていたことが許せず、すぐさま可南子と同室であるまりあのもとへ向かい、部屋を交換してほしいと話す。まりあはのえるの女装がバレた事態を瞬時に把握し、未有の申し入れに応じた。
可南子とも打ち解け、笑顔で学校生活を送れるようになった未有は、かわるがわる佐々とまりあから謝罪を受ける。そのことで、許せない気持ちでいっぱいだった未有の心は少し心が動き、のえるに声をかけ中庭に移動する。
未有からのえるの嘘に対して、精神的にショックを受けたことを伝えられ、反省するのえる。そして今後嘘の協力はしないことを約束し、のえるは彼氏から友達へ格下げされる。
クリスとのえる
彼氏から友達に格下げされ落ち込むのえるの元に、ある日ラベンダー色の封筒のラブレターが届く。差出人は、周囲からはクリスと呼ばれており、軽音楽部に所属しているボーカリストの栗須 慈朗(くりす じろう)だった。
それからクリスは、のえるに強引に交際を迫るが、ことごとくアタックは失敗する。ある日、体育祭でクリスに足を踏まれた未有は、「気をつけてください!」とクリスを睨み付ける。女子に冷たくされると好きになってしまう性格のクリスはその一瞬で恋に落ちてしまい、次のターゲットを未有に選ぶ。
そのことを知ったのえるは、未有を守るためクリスと敵対関係になっていく。
そんな時、のえるの声変わりが始まってしまう。中庭で未有とのえるが、声変わりかもしれないと話していたところを、クリスが目撃する。そしてクリスは、のえるが自分になびかなかったことも含め、実はのえるが男なのではないかと疑念を抱く。そこからクリスは、のえるをスポーツジムへ誘い水着になるよう仕向けたり、可南子にのえると未有とのルームシェア解消の事情を聴取したりと、決定的な証拠を掴むためにさまざまな行動に出る。
同じ頃、まりあは、良陽と偶然街で出会い、復活交際を求められたことを可南子に相談していた。2人の話を陰から聞いていた佐々は、まりあは良陽に惹かれているのだと勘違いする。佐々はヤケを起こし、のえるを誘い原宿に女の子をナンパしに行く。
その時、同い年の岩崎理々子(いわさき りりこ)に声をかけられ、逆にナンパされる結果となった。理々子は社交性が高く、趣味も男っぽいため、釣りやスポーツの話題で初対面だった佐々ともすぐに打ち解けた。
理々子は佐々を気に入ったようで、付き合って欲しいと告白をする。佐々はすぐに返事をしなかったが、2人は次も会う約束をして別れた。
その話をのえるから聞いたまりあは、ようやく自分は心から佐々に惹かれていることに気付く。だが、まりあも佐々もお互い素直になれず、お互いの相手を紹介するかたちとして良陽や理々子と一緒に出かけることになり、そこへのえると未有も参加する。
のえるが未有とデートが出来て浮かれている一方で、まりあは暗い表情で良陽の隣に立っていた。4人から離れた場所で、まりあは重い口を開き「好きな人がいるの」と、良陽からの告白を涙ながらに断る。良陽はまりあの言葉を真摯に受け止めて、「今日は楽しく過ごそうよ」と微笑みながら彼女の肩を抱く。その様子を陰から見ていた佐々は、まりあと良陽の落ち着いた佇まいに、2人はよりを戻したのだと思い込み、落胆する。
デートの帰り道、未有が「信吾(しんご)さん」と呼ぶ男子大学生と親しげに話す姿を目撃し、そのまま2人で出かけてしまう。のえるはやはり自分は友達のままなんだと肩を落とす。
後日、クリスは学校の廊下でのえるに「知ってるぞ お前は男だ」を声をかける。クリスを無視しようとしたのえるも、さすがに足を止め、焦りの表情を見せた。
クリスはさらに続け、未有と声変わりの時の話を聞いたこと、同室だった未有はそれに気が付きまりあと部屋を変わったこと、寮の大浴場を使わず、プールにも入らないなど数々の証拠を並べ、のえるに詰め寄る。するとそこへ未有が現われ、「のえるは女の子よ」とのえるを庇う。そのおかげで、のえるは何とかその場をしのぐことができたが、未有には信吾がいるのに優しくしてくれなくていいと突っぱねてその場を去る。
一方、激昂したクリスは再度のえるを手紙で体育倉庫室へ呼び出すことにした。
事情を聞いたまりあは、自分が代わりに女だという証拠を見せつければクリスも黙るだろうと考え、のえるの振りをして1人体育倉庫室へ出向く。そこにはクリスと多数の男子生徒がおり、まりあのスカートとスパッツを脱がそうと掴み掛る。
そこへ物音を聞いた佐々の助けが入り、事は終わったかと思われたが、まりあはクリスを睨み付け「よく見ろ おれは女だ!」とブラウスを脱いで下着姿を見せつけた。クリスと男子生徒達が慌てて退散するなか、まさか仲間を連れてきて下から脱がされそうになるとは思わなかったまりあは、緊張の糸が途切れ泣きながら座り込む。まりあの大胆な行動に驚きと怒りが湧いた佐々だったが、未だにまりあが好きな気持ちがあることを悔しそうに伝える。
そしてまりあも、良陽とはきちんと別れたことや、理想とは違うけど佐々に1番惹かれていることを告白し、晴れて2人は結ばれることとなった。
のえるはクリスの行動には腹が立っていたが、まりあと佐々が付き合うことになってとても嬉しい気持ちを感じていた。すると未有から「連れて行きたいところがあるの」と声をかけられ、放課後2人はレトロな雰囲気が漂う喫茶店へ入る。
店内には先日会った信吾と、聡子(さとこ)という大人の女性が出迎えてくれ、未有は気さくに挨拶を返した。まさか信吾を紹介するために連れてこられたのではないかと勘ぐるのえる。未有は咄嗟にそれを否定し、初めて父親に会った日、1人で街をぼんやり歩いている時に聡子が店に招き入れてくれて親しくなったのだと言う。
そして未有はまだのえるに気持ちが残っていることを伝え、信吾とのことを誤解してほしくなかったためこの店を案内したと零す。その言葉を聞いたのえるは両手を挙げて喜び、のえると未有は再び恋人同士になった。
懲りないクリスは、女装前ののえるの中学時代の写真を手に入れていた。手始めに南野姉弟を信頼している可南子に見せつけることにし、可南子を中庭に呼び出す。
写真を見せられた可南子は驚くどころか、のえるは友達として好きだから性別はどっちでもいいとのえるを肯定した。それでもしつこいクリスに、可南子は冷たい反応を見せると、クリスは可南子にあっという間に恋に落ちてしまい、のえるのことなど頭の中から消え去っていた。
そしてまりあと佐々、のえると未有は、これからも変わらない仲の良さを感じさせるような和気藹々としたやりとりを交えつつ、物語は幕を閉じた。
『ミントな僕ら』の登場人物・キャラクター
主要人物
南野のえる(みなみの のえる)
本作の主人公。 双子の姉であるまりあを追って森ノ宮学園中等部に転校したが、寮の空きの都合で性別を偽ることになってしまう。それ以来、森ノ宮学園では、腰に届くほど長いウェーヴヘアのかつらをかぶり、女生徒として通うことになる。姉のまりあと瓜二つのかわいらしい容姿から転校早々話題になったが、本来のえる自身は女性と間違えられることを嫌っていた。
明るく素直な性格だがシスコン気味で姉離れできず、たびたびまりあの恋路を邪魔していたが、次第に成長していきまりあの恋を応援するようになる。
寮で同室の未有(みゆう)に好意を寄せるようになる。
南野まりあ(みなみの まりあ)
のえるの双子の姉で、森ノ宮学園中等部の女子生徒。部活は女子バスケ部所属。以前はのえると共に東山中学校に通学していたが、バスケットボール部の対抗戦で知り合った森ノ宮学園バスケ部のコーチである広部和陽(ひろべ かずあき)に恋に落ち転校を決意する。
非常に惚れやすい性格のため、いくつか失恋を経験することになる。のえるの恋を応援しており、のえるがトオルとして未有と会う際は自身がのえるを装っていた。
森ノ宮学園
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目次 - Contents
- 『ミントな僕ら』の概要
- 『ミントな僕ら』のあらすじ・ストーリー
- 森ノ宮学園へ入学
- のえると佐々
- 未有への恋
- 明かされたのえるの嘘
- クリスとのえる
- 『ミントな僕ら』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 南野のえる(みなみの のえる)
- 南野まりあ(みなみの まりあ)
- 森ノ宮学園
- 佐々龍至(ささ りゅうじ)
- 牧村未有(まきむら みゆう)
- 栗栖慈朗(くりす じろう)
- 麻生可南子(あそう かなこ)
- 森ノ宮志津子(もりのみや しづこ)
- 日野中学校
- 広部良陽(ひろべ よしあき)
- のえる・まりあの中学時代の友人
- 桜井大輔(さくらい だいすけ)
- 立原果林(たちはら かりん)
- その他
- 広部和陽(ひろべ かずあき)
- 岩崎理々子(いわさき りりこ)
- 中山晶(なかやま あきら)
- 聡子(さとこ)
- 信吾(しんご)
- 栗原(くりはら)トオル
- 『ミントな僕ら』の用語
- 森ノ宮学園(もりのみやがくえん)
- キー坊
- アンブラッセ・モア
- 『ミントな僕ら』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 南野のえる「もう双子なんてやだよ…!!」
- まりあがのえるの振りをして、クリスに女だという証拠を知らしめるシーン
- のえるが声変わりをするシーン
- 『ミントな僕ら』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 作者・吉住渉による前作『君しかいらない』の世界線を共有
- のえるは急遽バスケ部のマネージャーへ設定変更
- 『美少女戦士セーラームーン』の作者・武内直子が一部コマの作画に参加