BLACK CAT(ブラック・キャット)のネタバレ解説・考察まとめ

『BLACK CAT(ブラック・キャット)』とは、矢吹健太郎による漫画。集英社。週刊少年ジャンプにて、2000年から2004年まで連載。全20巻。通称「ブラック・キャット」と呼ばれ、秘密結社(クロノス)で暗殺者として生きてきたトレインは、ある人物との出会いを経て、現在は掃除屋として相棒スヴェンと活動していた。だが、そんな彼の前にクロノス時代の因縁のある相手、クリードが姿を現す。自分に執着するクリードと過去の因縁を払拭する為に、トレインは掃除屋として闘いに挑む。

『BLACK CAT(ブラック・キャット)』の概要

『BLACK CAT(ブラック・キャット)』とは、矢吹健太郎による漫画作品、及びそれを原作とするテレビアニメなどの関連作品。週刊少年ジャンプ(集英社)において、2000年32号から2004年29号まで連載。コミックス全20巻、文庫版全12巻。文庫版最終巻には、この漫画の読切版が掲載されている。累計発行部数1200万部を記録している。作者は、この漫画は第一部完扱いであり、いずれ続きを描きたいとしている。本作品で登場しているキャラクターの一部は、作者の次回作『To LOVEる -とらぶる-』『To LOVEる -とらぶる- ダークネス』にも設定を変えて出演している。

秘密結社(クロノス)に暗殺者としての優れた才能を認められ、時の番人(クロノ・ナンバーズ)の13番目に特例として入ることを許されたトレイン=ハートネット。トレインは、その実力から裏社会で抹殺者(イレイザー)として暗躍し、通称「ブラック・キャット」と言われ恐れられるようになる。しかし、とある事情から、現在は掃除屋(スイーパー)として相棒スヴェンと共に活動していた。そして、掃除屋として毎日を送っているトレインの前に、クロノス時代に因縁のある相手クリード=ディスケンスが再び姿を現す。クリードは、世界に対し革命を起こすべく、星の使徒(ほしのしと)を組織し行動を始めた。さらに、かつてトレインが所属していたクロノスも星の使徒壊滅に向けて動き始め、トレインは過去の因縁を巡る戦いに身を投じていくのだった。

『BLACK CAT(ブラック・キャット)』のあらすじ・ストーリー

かつて「ブラックキャット」と呼ばれた男

イヴとスヴェンの出会い。

かつて秘密結社(クロノス)の精鋭部隊、時の番人(クロノナンバーズ)の抹殺者(イレイザー)だったトレイン=ハートネットは、裏社会では「ブラックキャット(黒猫)」と呼ばれ恐れられていた。現在、トレインは相棒スヴェン=ボルフィードとともに、掃除屋(スイーパー)として野良猫のように自由気ままな生活を送っていた。そんなトレインとスヴェンに、泥棒請負人のリンスレット=ウォーカーが仕事を持ちかけてきた。自分たちの力量を試すような物言いをするリンスに、トレインは「黒猫の名に傷がつく」と言ってその話を受ける。リンスがターゲットにしたのは「闇の商人」トルネオ=ルドマン。トルネオはとある研究をしており、リンスはそのデータを盗もうとしていた。トルネオの屋敷に侵入したトレインたちは、そこである少女と出会う。イヴという名の彼女こそ、トルネオの研究であるナノマシンで全身を構成された生体兵器(バイオウェポン)だった。ただ殺戮の道具として生きてきたイヴだったが、スヴェンとの邂逅によって今までの生き方よりも楽しいものがあるということを知る。そして、スヴェンについていこうとするイヴだったが、トルネオはそれを許すはずもなく、イヴを暴走させる薬品をイヴに打ち込もうとする。だが、トレインの銃撃によって防がれる。トレインが持つ装飾銃ハーディスを見たトルネオは、「クリード」の名を口にする。クリードとは、トレインと同様かつてはクロノスに所属していた抹殺者であり、トレインの生き方を変えたサヤを殺した、トレインにとって因縁のある相手の名だった。クリードの名を聞き豹変したトレインは、トルネオに詰め寄ってクリードの居場所を聞き出すが、ナノマシンを提供していたこと以外の情報を得られなかった。トレインたちは、結局トルネオを放置しイヴを連れてその場を後にするのだった。

トレインの因縁の相手 クリード=ディスケンス

トレインたちは、リンスと別れた後エルシダシティにいた。カーニバルを見物していたトレインたちだったが、そこには彼らを監視する不穏な気配があった。トレインは1人、自分たちを監視している相手の場所を突き止めて相対するが、その人物は顔を布で覆い隠した奇妙な姿をしていた。相手が道士(タオシー。異大陸からやってきた者たち)であることを看破したトレイン。しかし、道士シキの、「クリードが君に是非会いたいと言っているがどうする?」という言葉に激しく動揺してしまう。
その夜、トレインは指定されたビルにやってきた。そこで待っていたのは、シキとクリード、そしてなぜか捕らえられていたリンスだった。クリードは、トレインと面識のあるリンスを捕らえることでこれからの交渉を優位に進めようとした。クリードの目的は、無慈悲に敵を殲滅していたクロノス時代のようにトレインを戻し、さらにクリードが組織した革命集団「星の使徒」へ招き入れることだった。トレインはそれを拒否し、クリードとの戦いを望むのだった。クリードは、戦いに勝つことでトレインが手に入るならと考えそれを承諾した。愛銃ハーディスを構えるトレインに対し、クリードが持ち出したのは刃の無い柄だけの愛刀、虎徹(こてつ)。クリードは道(タオ)の力、SWORD(剣)を手に入れており、虎徹に見えない刀、幻想虎徹(イマジンブレード)を生み出した。苦戦するトレインだったが、自分の右腕を犠牲にすることでクリードに一撃を食らわせることに成功したが、激しい戦いで建物が崩れ、トレインは外に投げ出されてしまった。それまで成り行きを見守っていたリンスに助けられ、なんとか生還したトレイン。そこへ見知らぬ男が近づいてくる。その男はドクターと名乗り、クリードの頼みで来たと言う。ドクターも道を得ており、その力でトレインの右手を完全に再生してみせた。トレインは去っていくドクターに、「クリードに腕を治したことをいつか後悔させてやる」と伝言を渡すのだった。

そして、その数日後、クリード率いる星の使徒は表舞台に現れて行動を開始する。クリードが革命の狼煙を上げるのに選んだのは、サンゼルスシティで開かれる首脳会議。クロノスの幹部も数人参加するこの会議が襲撃されたニュースは全世界を震撼させたのだった。その出来事に対し、クロノスは星の使徒壊滅の為動き出す。クロノスは、抹殺者部隊である時の番人(クロノ・ナンバーズ)を向かわせた。そして、星の使徒とナンバーズ、さらにはトレインたちを巻き込んだ戦いが勃発。その戦いで、ナンバーズは1人が死亡し1人が重傷を負ってしまう。星の使徒は戦いの混乱の最中メンバーの2人が脱退してしまう。そして、トレインはクリードから受けた弾丸に入っていたナノマシンによって体が縮んでしまった。

子供トレインの冒険

体が縮み子供のようになってしまったトレインだったが、スヴェンたちの心配をよそに本人は子供の姿を楽しんでいた。しかし、子供の身体能力ではハーディスを完全に使いこなすことができず、元に戻る方法を見つける為に動き出すのだった。トレインたちは、リンスに依頼してかつてナノマシン研究をしていたティアーユ博士の居場所を突き止めてもらい、博士の元を訪れようとしていた。そして、ティアーユ博士の住む家に辿り着いたトレインたちは博士を見て驚く。顔立ちはイヴとあまりに似通っており、イヴをそのまま大人にしたようだった。それもそのはずで、博士はかつてトルネオの元でナノマシン研究の責任者をしており、イヴは、博士の遺伝子を元に創られたクローン体だったのだ。
トレインは、博士から元に戻る為の方法を聞く。それは、トレインの体が縮んだのはイヴのトランスと似ており、体内のナノマシンに元の姿をイメージしてトランスを解除するというものだった。早速トレインは、1人で屋外に出て自分の元の姿を思い浮かべるが、なかなか思うように行かなかった。

トレインが元の体に戻る為に四苦八苦している中、博士の家に星の使徒のエキドナが現れる。エキドナは、使徒の兵士である流星隊と、なぜか猿を連れていた。その猿はエーテスと言い、COPY(複写)という道の力に目覚めていた。エーテスの力は、対象の人物の容姿、知識、力を自分のものにできる。エキドナはエーテスに博士をコピーさせることで、博士の持っているナノマシンの知識を手に入れた。そして、用済みとなった博士と、一緒にいたスヴェン、イヴを始末しようとしたその時、元の姿に戻ったトレインが現れる。トレインは、力を取り戻したばかりか、ナノマシンの力で電気を発生させる能力を得ていた。そして、その電気を利用してハーディスから超高速で銃弾を撃ち出すことができるようになった。スヴェンより電磁銃(レールガン)と名付けられた力は、エキドナに警戒心を抱かせるのに十分な威力を持っており、エキドナは撤退せざるをえなかった。

掃除屋同盟

博士と別れたトレインとイヴは、星の使徒の拠点を探す為同業者が集まるスイーパーズ・カフェにやってきた。2人が星の使徒について聞こうとするが、カフェにいた掃除屋は誰も怖気付いて話をしようとしなかった。そんな中、トレインに話しかけてくる1人の男がいた。リバーと名乗ったその男は、トレインがブラック・キャットであると見抜き、サシで勝負をすることを持ちかける。さらに、リバーの仲間の男から、「勝てばとっておきの情報を渡す」と言われたトレインは、リバーの申し出を受けることにした。
拳打を主とするガーベル・コマンドーの使い手であるリバーは、トレインの銃弾をも簡単に弾き返すほどだった。しかし、トレインは跳弾させることでリバーの死角から虚をついて一撃を与えることに成功した。リバーが負けを認め、仲間の男である情報屋グリンからディスクを受け取ったトレイン。グリンは、星の使徒を壊滅させるべく掃除屋同盟を作ることを目的にしていた。そして、そのディスクから情報を引き出すことができた者たちだけを同盟に迎え入れ、星の使徒の場所を教えると言うのだった。
グリンから渡されたディスクはゲームソフトだった。しかし、今までゲームをしたことがないトレインは苦戦しなかなかゲームをクリアすることができなかった。そこで、トレインに代わりイヴがやってみることにした。イヴもゲームは初めてだったが、ナノマシンの力でゲームの筐体に直接アクセスするという離れ技で、ゲームをクリアすることに成功した。トレインとイヴが、ゲームをクリアしたことで手に入れた情報によって指定の場所へ行くと、そこには数名の掃除屋とリバー、そしてスヴェンの姿もあった。グリンの手に入れた情報により、アドニア海の別荘地に星の使徒の拠点があることを聞く掃除屋たち。そして、トレインたちはグリンの用意した船に乗って本拠地への潜入を開始するのだった。

トレインたちは、本拠地で星の使徒の面々と戦っていた。敵を倒しながら進んでいくトレインたちだったが、本拠地には掃除屋同盟だけでなくナンバーズたちもいた。セフィリアは、ナンバーズの10(テン)のリン=シャオリーに掃除屋同盟を組織させて本拠地に侵入させることで、生じた混乱に乗じてナンバーズを率いて潜入。セフィリア自身がクリードを1対1で仕留めるという作戦を立てた。言わば、同盟は囮としての役割しかなかった。まんまとダシに使われていたことを知り驚愕するトレインたちだったが、そんな中、セフィリアはついにクリードの元へ辿り着く。

最終決戦 トレインVSクリード

セフィリアはクリードと対峙していた。セフィリアは、超スピードで相手を翻弄しながら戦うアークス流剣術によりクリードに攻撃を仕掛けていく。しかし、クリードはセフィリアの剣と互角以上だった。また、ドクターの開発したナノマシン、ゴッドブレス(神の吐息)によって、傷を負っても短時間で再生するという不死身の肉体を得ており、セフィリアから受けた傷もすぐに回復してしまうのだった。さらに、セフィリアの奥義「滅界」を、イマジンブレードをLEVEL3に進化させたことで凌ぎ切り、逆にセフィリアに深傷を負わせてしまった。そして、セフィリアに止めを刺そうとしている中、トレインが姿を現す。

クリードへとついに辿り着いたトレイン。クリードの前に現れたトレインは、あくまでも掃除屋としてのトレインだった。トレインへ数々の困難を与えることで、クロノス時代のトレインへと戻ることを期待していたクリードだったが、その思いは結局トレインへ届くことはなかった。クリードは、ならば自分が戦ってかつてのトレインを取り戻すしかないと思い、トレインと戦うことにした。クリードは、トレインを相手にするのはこれで十分と、イマジンブレードLEVEL1見えない刀身でトレインへ攻撃を仕掛ける。しかし、あの頃とは違って冷静なトレインは、クリードの持っている柄の角度から刀身の軌道を読むことができ、見えない刀を何なく対応して見せるのだった。クリードは、イマジンブレードをLEVEL2人食いサーベルにして、さらに苛烈にトレインを攻め立てる。しかし、トレインはあくまでもクリードを殺さず戦闘不能にすることを目的としていた。そのトレインの甘さが、ついにクリードにトレインへの怒りを覚えさせた。そして、クリードはもうトレインが戻ることはないと悟り、ならばいっそのこと自分の手でトレインを殺そうと決断した。イマジンブレードをLEVEL3にしたクリード。LEVEL3とは、虎徹とクリードとの一体化であり、クリードにセフィリアの奥義を捌き切る程のパワーとスピードを与えた。また、強度も格段に増しており、オリハルコンでできたナンバーズの武器でさえ、傷をつけることはほぼ不可能になっていた。互角の戦いから一気に劣勢になったトレイン。しかし、その目は死んでおらず、クリードに対し不敵な笑みを浮かべるのだった。そんなトレインに対し、クリードは怒りしか湧かなかった。そして、その怒りが頂点に達した時、イマジンブレードはLEVEL.MAXとなり、巨大な光の剣になった。圧倒的な力を目の当たりにし、トレインも自分の全てを賭けることにした。すると、体から電気が溢れ、もうすべて使い切ったはずの電磁銃が使えるようになった。トレインは、全てを1発の銃弾に込め発射させた。銃弾と剣は衝突し、クリードの剣が押し負け破壊されたのだった。
自分と繋がっていた虎徹が破壊されたことで、クリードはついにトレインに敗北した。さらに、イヴによって体内のナノマシンを破壊され、ただの人間へと戻ってしまった。その事で心が壊れてしまい放心状態となったクリード。そんなクリードは、戦いを見守っていたエキドナに連れられ、この地を去っていくのだった。トレインは、クリードが再び事を起こすことはないとし、エキドナたちを行かせるのだった。また、傷をある程度回復させトレインの元へやってきたセフィリアもまた、負けた者が口出しできないとし、トレインの判断を認めるのだった。

星の使徒との決戦から8ヶ月後。トレインたちは変わらず掃除屋として活動していた。トレインの手には、ハーディスがあったが、もう電磁銃はあれから使えなくなっていた。トレインは、「役目を終えたんだ」と何事もなさげに言うのだった。

『BLACK CAT(ブラック・キャット)』の登場人物・キャラクター

主要人物

トレイン=ハートネット

CV:近藤隆(スモール時:高山みなみ)
本作の主人公。掃除屋。相棒はスヴェン。一本気な性格で、自分を曲げず自分の信念にのみ従って行動する。トレインのしている首輪は、「自分を飼い馴らせるのは自分だけ」という理由で彼の信念そのものを表す。食べることが好きで、大食漢。食べ物に釣られることも多々ある。掃除屋としての力量もずば抜けており、愛銃ハーディスでの早撃ちが得意技。さらに身体能力も高く、銃なしの接近戦でも十分に強い。
その正体は、元クロノスの精鋭部隊である時の番人(クロノ・ナンバーズ)の13。通り名は「黒猫(ブラック・キャット)」。本来12番目しかないが、抹殺者としての高い実力を評価され特例として13番目に選ばれた。ナンバーズとして活動していく中、トレインはその後の自分の人生に大きな影響を与えることになる人物、掃除屋サヤと出会う。感情を表に出さず冷徹に任務を遂行していたトレインだったが、サヤとの交流を経る中で、自分の中に眠る感情や、自分の知らない世界や生き方があることを知る。しかし、トレインが変わっていくことを良しとしないクリードの凶刃にサヤが倒れてしまう。サヤの死後、トレインは秘密結社(クロノス)を抜け、サヤと同じ掃除屋となる。しばらく1人で活動していたトレインだったが、ある事件でスヴェンと知り合い、意気投合してコンビを組むことになる。その後、イヴとも出会い3人で行動するようになる。物語後半、スヴェンをクリードから庇った時にナノマシンの入った銃弾を打ち込まれて子供の姿になってしまう。紆余曲折あって大人の姿に戻ったが、体内のナノマシンの影響で電気エネルギーを発生させることができるようになる。そして、電気エネルギーをハーディスに蓄積させ発射する「電磁銃(レールガン)」が撃てるようになる。

スヴェン=ボルフィード

CV:藤原啓治
掃除屋。トレインの相棒。元国際捜査局(IBI)所属。自称紳士であり、言動や仕草、好きな物に至るまで紳士に寄せている。掃除屋でありながら、白のスーツに帽子姿の出立ち。手先が器用で、自分で使う武器も自作する。普段から持っているアタッシュケースは武器の山であり、多数の武器を内臓している他、ウォーターカッターなどの特殊な武装も装備している。物語の冒頭からトレインと組んでいたが、物語の途中でイヴが加わり、以降3人で行動するようになる。イヴからは多大な信頼を寄せられており、保護者的な立場となっている。
IBI時代、その時組んでいた相棒ロイドが殉職した際、ロイドの遺言で彼の角膜を移植される。ロイドの目は特殊であり、「予見眼(ヴィジョンアイ)」という対象の人物の先の未来を見ることができる能力を持っていた。その為、ロイドの角膜を移植されたスヴェンも「予見眼」が使える。物語の後半、その「予見眼」が進化し「支配眼(グラスパーアイ)」となり、視界で捉えた空間を最大5秒間スローにし、自分は普段通りに動くことができるようになった。

イヴ

nadal3790
nadal3790
@nadal3790

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