『カービィのエアライド』は、2003年に任天堂から発売されたゲームキューブ専用のアクションレースゲームである。3DスティックとAボタンのみという極めてシンプルな操作性が特徴で、このシステムをベースに3つの異なるゲームモードを楽しむことができる。レース中にはシリーズ伝統のコピー能力を駆使した戦略的な駆け引きも可能。本作はアニメとの販促連動を機に企画され、世界観を意識した演出やアニメ版BGMなども導入された。ゲームクリエイターの桜井政博がハル研究所在籍中に最後に手がけた作品としても知られる。
『カービィのエアライド』の概要
『カービィのエアライド』とは、ハル研究所が開発し、2003年7月11日に任天堂から発売されたニンテンドーゲームキューブ専用のアクションレースゲームである。同年10月13日に北米、2004年2月20日に欧州でも発売された。
星のカービィシリーズの派生作品であり、主人公のカービィたちが「エアライドマシン」と呼ばれる乗り物を操ってレースを展開する。操作体系は3DスティックとAボタンのみという極めてシンプルな設計でありながら、このシステムをベースとした3つの異なるゲームモードを楽しむことができる。
レース中にはシリーズ伝統のコピー能力の要素もあり、敵を倒したりスピードアップを狙うといった戦略的な駆け引きが可能となっている。過去には、NINTENDO64向けに同名のスノーボード風ゲームが開発中止となった経緯があるが、本作とは無関係である。また、本作の直接的な開発契機はアニメ『星のカービィ』との販促連動だった。
本編のアクションゲームよりも短期間で制作できるという理由からレースゲームとして企画され、ワープスターでの走行や空中戦などアニメの世界観を意識した演出が各所に盛り込まれている。サウンド面では石川淳や安藤浩和らによる新曲に加え、過去作のリメイク曲や宮川彬良が手がけたアニメ版のBGMが使用されている。また、本作はゲームクリエイターの桜井政博がハル研究所在籍中に最後に手がけたディレクション作品としても知られる。
『カービィのエアライド』のゲームシステム
操作
本作に登場する「エアライドマシン」は、一部の例外を除いて常に地上から数センチメートル浮いた状態で走行しており、そのほとんどが自動で前進し続ける。そのため、レース中の基本操作は3Dスティックとプッシュボタン(デフォルトはAボタン、設定で変更可能)のみで行うことができ、ゲームに慣れていない初心者でも簡単に操作できるシンプルな設計となっている。なお、L・Rトリガーボタンでもプッシュボタンと同様の操作が可能であり、Lトリガーボタンを使用することで片手でのプレイやメニュー画面の操作も行える。
スティックを左右に素早く倒すことで「クイックスピン」が発動する。この状態で敵キャラクターに接触すると、ダメージを与えたり減速させたりできるほか、発動した瞬間は無敵状態になるため敵の攻撃を防ぐ手段としても利用できる。
マシンが段差を越える際に機首を上げることで、空中へ飛び立つ(飛行する)ことができる。飛行性能はマシンごとに異なるが、性能が高いマシンであればコース上の大幅なショートカットを狙うことも可能である。
その他の特殊な効果として、前走車のすぐ後ろを走行することで空気抵抗が軽減され加速するスリップストリーム効果「スタースリップ」や、コース上に設置された細長いレールに乗ることで、そのレールに沿って自動的に加速するシステムが搭載されている。
プッシュとチャージ
Aボタン(プッシュボタン)を押すことで実行される、本作を象徴する特徴的なアクションである。
走行中にボタンを押すと、マシンが地面に押しつけられて減速する(プッシュ状態)。この減速している間にマシンへパワー(チャージ)が蓄積されていき、ボタンを離すことで溜まったチャージが一気に開放され、マシンを素早く再加速させることができる。チャージされたゲージの消費速度はマシンごとに異なる。このチャージは空中を飛行している間にも徐々に上昇し、着地した瞬間に自動で開放される。
プッシュ状態のまま旋回を行うと、進行方向を変えずに機体の向きだけを変える「横滑り・後ろ滑り」の状態(ドリフト)となる。この滑り状態とチャージ解放による再加速を組み合わせることで、急なカーブでもスピードを落とさずにスムーズかつ素早く曲がることが可能となる。
また、コースの床面に設置されている各種ギミックは、単に上を通過するだけでは起動しない。プッシュ操作によってマシンを地面に押しつけ、ギミックに直接接触させることで初めて起動する仕様となっている。
ただし、ボタンを押し続けてチャージを溜めすぎると「オーバーヒート」が発生し、それまで溜まったチャージ量が強制的にゼロに戻ってしまう(ゼロになった後は再びチャージを溜め直すことができる)。なお、プッシュ中であっても、敵キャラクターの吸い込みやコピー能力による技の使用は同時に行うことが可能である。
クリアチェッカー
本作には「クリアチェッカー」と呼ばれる、ゲームの目標となるシステムが搭載されている。「エアライド」「ウエライド」「シティトライアル」の3つのゲームモードにそれぞれ120個ずつ、計360個の課題が用意されており、これらを達成していくことがプレイヤーの目的となる。一般的なレースゲームに見られる「トロフィーやメダルを懸けて競う」といった要素は存在しない。
チェッカーは格子状のマス目になっており、1つの課題をクリアすると、隣接する四方のマスの課題内容が明らかになる仕様である。課題の内容は「特定のコースを規定時間内に1周する」といった技術を求められるものから、「ゴール時のタイムの下2ケタをゾロ目にする」という運の要素が強いもの、さらには「特定のアイテムを10個以上獲得する」といった運転テクニック以外の要素が絡むものまで多岐にわたる。難易度も様々であり、特定の課題をクリアすると「裏音楽」や「マシンの追加」といった「ごほうび」を獲得できる。課題を達成したマスは、ごほうびがある場合は橙色に、ない場合は黄緑色に光る。
どうしてもクリアできない課題に対しては、そのマスを強制的にクリア扱いにする「紫パネル」という救済措置が用意されている。ただし、紫パネル自体がごほうびの一種であり枚数に限りがあるため、使用には計画性が求められる。なお、紫パネルを使用したマスを後に本来の条件でクリアした場合は、本来のパネルの色(橙色または黄緑色)へと上書きされる。
120個すべての課題を達成すると、紫パネルを使用したマスを除いてすべてのマスが金色に光るようになる。このクリアチェッカーのシステムは、後に開発された『大乱闘スマッシュブラザーズX』以降の桜井政博ディレクター作品にも受け継がれ、活かされている。
ゲームモード
本作に搭載されているすべてのモードは、最大4人での同時対戦に対応している。
エアライド
広大な3Dコースを舞台にレースを行うモードである。複数の周回を重ねて順位を競う「周回制」や、ゴールまでの時間を競う「タイムアタック」、ライバルや敵のいないコースを走る「フリーラン」など、複数のルールが選択できる。初期状態で使用できるマシンは「ワープスター」のみだが、コースごとに設定された隠し要素(クリアチェッカーの課題)を満たすことで、徐々に他のマシンが開放されていく。
ウエライド
見下ろし型のトップビュー(上から視点)で、1画面に収まる小さなコースを4人で駆け抜けるモードである。画面全体が固定されているため、動くのはキャラクターのみとなる。このモードでは操作方法が異なる「ハンドルスター」と「フリースター」という2つの専用マシンを使用してレースを行う。
シティトライアル
広大な「街(シティ)」を自由に駆け巡り、制限時間内にアイテムを集めて自身のマシンを強化(パワーアップ)させ、その後に控える最終決戦「スタジアム」での勝利を目指すモードである。
各メインモード内には、さらに以下のようなルールや個別モードが用意されている。
標準のゲームモード(エアライド、ウエライド、シティトライアル共通):2人から4人で同時に順位や勝利を競い合う対戦モード。エアライドの標準モードでは、規定の周回数で競う「周回制」と、制限時間内での順位を競う「時間制」の2種類からルールを選択できる。
タイムアタック(エアライド、ウエライド):手動で記録に挑む1人用のモード。エアライドではコース上に敵キャラクターが出現し、3周のトータルタイムを競う。ウエライドではコース上にアイテムが出現し、標準モードと同じ周回数でのタイムを競う。
フリーラン(エアライド、ウエライド):敵キャラクターもライバルのマシンも一切出現しないコースを走り、純粋に1周ごとのラップタイムを競う1人用モード。ただし、ステージに備わっている環境変化や仕掛けなどのギミックは通常通り発動する。
スタジアム(シティトライアル):シティトライアルにおける最終決戦のみを行うモード。通常モードとは異なり、アイテムによる強化を行っていない初期状態のマシンで各競技の記録や勝敗に挑む。ステージは任意に選択可能で、対戦相手との接触や戦闘が必須となる「デスマッチ」を除き、プレイヤー1人のみでエントリーして記録に挑むこともできる。
ドライブ(シティトライアル):制限時間や突発的なハプニングなどを一切気にすることなく、広大なシティのマップを自由に走行できるモード。マップ内に強化アイテムなどは出現しないが、街に備え付けられているコピールーレットは通常通り使用可能である。
『カービィのエアライド』の登場人物・キャラクター
プレイヤーキャラクター
カービィ
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目次 - Contents
- 『カービィのエアライド』の概要
- 『カービィのエアライド』のゲームシステム
- 操作
- プッシュとチャージ
- クリアチェッカー
- ゲームモード
- エアライド
- ウエライド
- シティトライアル
- 『カービィのエアライド』の登場人物・キャラクター
- プレイヤーキャラクター
- カービィ
- デデデ大王
- メタナイト
- 敵キャラクター(スカ)
- ワドルディ
- トロッコワドルディ
- キャピィ
- ブルームハッター
- ブロントバート
- デイル
- 敵キャラクター(コピー可能)
- ピチクリ(コピー能力:ニードル)
- ヒートファンファン(コピー能力:ファイア)
- プラズマウィスプ(コピー能力:プラズマ)
- ウィリー(コピー能力:ホイール)
- チリー(コピー能力:フリーズ)
- バルーンボンバー(コピー能力:ボム)
- ソードナイト(コピー能力:ソード)
- フラッピィ(コピー能力:ウィング)
- カーラー(コピー能力:トルネイド)
- ウォーキー(コピー能力:マイク)
- ノディ(コピー能力:スリープ)
- 特別なキャラクター
- スカーフィ
- ゴルドー
- 『カービィのエアライド』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- わずか3ヶ月半での桜井政博による全面作り直し
- システムは『大乱闘スマッシュブラザーズX』にも継承
- 22年越しに完全新作『カービィのエアライダー』が発売
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