虹色のトロツキー(安彦良和)のネタバレ解説・考察まとめ
『虹色のトロツキー』とは、1990年より1996年まで、安彦良和が『月刊コミックトム』に連載した漫画作品。昭和初期の満州を舞台に、日本人の父とモンゴル人の母との間に生まれた青年・ウムボルトが、レフ・トロツキーを満州国に招く「トロツキー計画」に関わり、自身のルーツに迫っていく姿を描く。舞台となる満州国や日本を中心とする第二次世界大戦直前の世界情勢の中で、トロツキーをめぐって国家や民族、人々の思惑が絡み合い、複雑な人間ドラマが形成される。石原莞爾や辻政信、甘粕正彦といった実在の人物が多数登場する。
尾崎秀実(おざきほつみ)
日本のジャーナリスト。
石原を訪ね、「トロツキー計画」の中止を訴える。
実はソ連のスパイで、のちに「ゾルゲ事件」に連座して絞首刑となる。
ドクター・カウフマン
ハルビン・ユダヤ民会会長。
セミョーノフ
ロシア革命時の白軍リーダーの一人。
満州に亡命しており、安江の家を訪れる。
李香蘭(りこうらん)
歌手・女優。日本人だが中国人として活動している。
戦後は山口淑子(やまぐちよしこ)の名で芸能活動を行い、参議院議員を3期つとめた。
『虹色のトロツキー』の用語
トロツキー計画
ソ連を追われたトロツキーを満州国に迎え、建国大学で教鞭をとらせようとする計画。
レフ・トロツキー
ロシアの革命家・ソ連共産党指導者。
レーニンの死後、スターリンと対立し、党から除名される。
ソ連を追われ、国外追放となり、亡命先のメキシコで暗殺された。
建国大学(けんこくだいがく)
満州国国務院直属の特異な大学。
総長は満州国総理・張景恵、創設委員長は東條英機。
建学の理念は石原莞爾の「五族協和」に立脚している。
学風は自由闊達で、門戸も広く諸族に開かれている。
関東軍(かんとうぐん)
満州(中国東北部)に置かれた日本の陸軍部隊。
遼東半島や南満州鉄道(満鉄)の防衛にあたったが、しばしば政府や軍首脳を無視して行動した。
政府の統制を無視して満州事変をおこし、満州国建国の主体となり、満州を統轄。対ソ連戦争に備えて大兵力を擁した。
1939年のノモンハン事件で大敗。第二次世界大戦では、日ソ中立条約を破って攻めてきたソ連軍の前に壊滅した。
満州国(まんしゅうこく)
満州事変の結果、日本によってつくられた傀儡国家。
1932年から1945年まで、中国東北部と内モンゴルを領域とした。
1945年、日本の敗戦によって崩壊した。
満州事変(まんしゅうじへん)
1931年の柳条湖事件に始まる日本の満州侵略戦争。
日本政府は不拡大を方針としたが、関東軍が独走し、満州を占領。満州国を建国した。
国際連盟はリットン調査団を派遣し、日本に撤兵を要求。
日本は拒否し、国際連盟を脱退した。
血盟団(けつめいだん)
日本の宗教家であり、政治運動家でテロリストである井上日召(いのうえにっしょう)によって結成された右翼団体。
国家革新を目指して「一人一殺主義」を掲げ、政治家・財政家で総理大臣候補でもあった井上準之助(いのうえじゅんのすけ)や、工学者で実業家の団琢磨(だんたくま)を暗殺した。
張鼓峰事件(ちょうこほうじけん)
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目次 - Contents
- 『虹色のトロツキー』の概要
- 『虹色のトロツキー』のあらすじ・ストーリー
- 建国大学入学
- 抗日武力闘争に身を投じる
- 満州国興安軍に赴任
- ノモンハン事件勃発
- 『虹色のトロツキー』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ウムボルト
- 麗花(れいか)
- ジャムツ
- 日本軍
- 石原莞爾(いしはらかんじ)
- 辻政信(つじまさのぶ)
- 東条英機(とうじょうひでき)
- 磯谷廉介(いそがいれんすけ)
- 片倉衷(かたくらただし)
- 三品隆以(みしなりゅうい)
- 植田謙吉(うえだけんきち)
- 服部卓四郎(はっとりたくしろう)
- 安江仙弘(やすえのりひろ)
- 犬塚惟重(いぬづかこれしげ)
- 山家亨(やまがとおる)
- 小松原道太郎(こまつばらみちたろう)
- 花谷正(はなやただし)
- 田中隆吉(たなかりゅうきち)
- 寺田政雄(てらだまさお)
- 矢野音三郎(やのおとさぶろう)
- 安岡正臣(やすおかまさふみ)
- 荻洲立兵(おぎすりっぺい)
- 建国大学
- 作田荘一(さくたしょういち)
- 辻権作(つじごんさく)
- 中山優(なかやまゆう)
- 戸張信一郎(とばりしんいちろう)
- 天竜(てんりゅう)
- 植芝盛平(うえしばもりへい)
- 藤田
- 小島卓夫(こじまたくお)
- 高橋
- セレンズキン
- 星野
- 板東
- 二村(にむら)
- 柴純全(さいじゅんぜん)
- 越智
- 有川隆(ありかわたかし)
- 満州国
- 甘粕正彦(あまかすまさひこ)
- 村岡小次郎(むらおかこじろう)
- 楠部金吉(くすべかねきち)
- 十河信二(そごうしんじ)
- 張景恵(ちょうけいけい)
- 星野直樹(ほしのなおき)
- 岸信介(きしのぶすけ)
- 松岡洋右(まつおかようすけ)
- 満州軍
- 郭立波(かくりゅうは)
- 根本
- ダムバドルジ
- ウルジン(烏爾金)
- 岡本俊雄(おかもととしお)
- 山上(やまがみ)
- 須藤(すどう)
- 寺崎(てらさき)
- ジョンジュルジャップ(正珠爾礼布)
- 野田又雄(のだまたお)
- ウムボルトの関係者
- 深見圭介(ふかみけいすけ)
- ウムボルトの母
- 義父さん
- 抗日聯軍
- 宋丁良(そうていりょう)
- 謝文東(しゃぶんとう)
- 朴基白(ぱくきぺく)
- その他
- ミリューコフ
- ベラロッテ
- ワシリー・カバルスキー
- レフ・ダヴィドビッチ・ブロンシュティン
- 川島芳子(かわしまよしこ)
- 尾崎秀実(おざきほつみ)
- ドクター・カウフマン
- セミョーノフ
- 李香蘭(りこうらん)
- 『虹色のトロツキー』の用語
- トロツキー計画
- レフ・トロツキー
- 建国大学(けんこくだいがく)
- 関東軍(かんとうぐん)
- 満州国(まんしゅうこく)
- 満州事変(まんしゅうじへん)
- 血盟団(けつめいだん)
- 張鼓峰事件(ちょうこほうじけん)
- 抗聯軍(こうれんぐん)
- 五族協和(ごぞくきょうわ)
- 興安軍(こうあんぐん)
- ノモンハン事件
- 『虹色のトロツキー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 石原莞爾将軍時局大講演
- 石原莞爾「だがそれでも日中戦争はやめさせんといかん!でないと日本が滅びる!!」
- ベラロッテ「なにが満州国さ!なにが抗日ゲリラさ!どっちもどっちよ!子供のお遊びよ!」
- ウムボルト「どういう戦いなんだ」
- 朴基白「蒙古民族と共に闘えよ!そうしたらキミはジンギスカンになれる!」
- ウムボルト「人がひとり死んだんだぞ!!平気な顔をするな!!泣け!!」
- ウムボルト「非道な犠牲を人に強いるような大義など正しくはありません!!そんなものは犠牲になった者達の流す涙の万分の一の値打ちもない独りよがりです!!」
- 『虹色のトロツキー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- アニメーターから漫画家へ
- 作品の背景
- いしかわじゅんとの論争