セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』とは、1995年から1997年にかけ、『週刊少年ジャンプ』にて連載されたギャグ漫画及びそれを原作としたアニメ作品。作者は「うすた京介」であり、同氏の連載デビュー作である。奇妙な格闘技「セクシーコマンドー」の使い手である主人公・花中島マサルと、彼を中心としたセクシーコマンドー部員たちとの日常が描かれる。突拍子もない展開の続くナンセンスギャグが主だが、随所で当時のテレビ番組などの固有名詞や、様々なパロディも挟まれるなど、緩急ついた笑いが人気を博した。

『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』の概要

漫画版について

『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』とは、1995年から1997年にかけ、『週刊少年ジャンプ』にて連載されたギャグ漫画である。作者は『ピューと吹く!ジャガー』などの「うすた京介」であり、本作は同氏の連載デビュー作である。
県立わかめ高校を舞台に、謎の格闘技「セクシーコマンドー」を操る花中島マサルと、セクシーコマンドー部のメンバーが巻き起こすギャグストーリーである。
作者特有の唐突な展開や独自の世界観が評価され、人気を博した。だが、作者が週刊誌連載による原稿スピード感や周囲からの期待などが高まったことに疲弊し、第79話で急遽連載終了を迎えることとなった。
話数は「コマンドー○○」といったカウント形式で、ここにサブタイトルが加わる。(第1話の場合、「コマンドー1 マサルとヒゲ」となる。)
単行本の形態は、全7巻の「ジャンプ・コミックス版」、全5巻で蛍光色着色や副音声的コメンタリーが掲載された「ウ元ハ王版」、全5巻で第3部ストーリーやあとがきが収録された「集英社文庫コミック版」が存在する。

アニメ版について

1998年、TBS系(一部地域を除く)の深夜帯情報番組『ワンダフル』内で番組内アニメとして放送された。全50話(総集編2話を含む)。監督はギャグアニメに定評のある「大地丙太郎」が担当。
内容は原作に沿っており、原作における1話分がアニメでの1話分に相当している。ジャンプ・コミックス版の5巻までの内容がアニメ化された。
オープニングは、「PENICILIN」の歌う「ロマンス」に乗せ、『サザエさん』や『狼少年ケン』、『サイボーグ009』といった他アニメのパロディがふんだんに盛り込まれた、疾走感溢れるものとなっている。

『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』のあらすじ・ストーリー

第一部

マサルとの出会い

マサル(右)に気に入られる起目粒(左)

県立わかめ高校2年7組に転校してきた藤山起目粒。まだ席が無かった彼が通されたのは、休学している花中島マサルという生徒の席であった。マサルについてクラスメイトは口に出したがらない。マサルのせいでクラス全体が変態呼ばわりされていたからである。マサルとは一体どんな男なのか、起目粒が疑問に思ったその時、鼻歌を歌いながら教室の天窓からマサルが入ってきた。マサルは起目粒と同じ椅子に座ったり、起目粒の教科書の落書きを見てやたらフレンドリーに話しかけたりと、起目粒に絡んでくる。
距離を取ろうと思った起目粒であったが、屋上でマサルと共に昼食を食べることとなった。その際、マサルから「セクシーコマンドー」なる格闘技を極めたことを聞かされる。マサルの説明は要領を得なかったが、その時、マサルに不良たちが絡んできた。マサルは不良たちを前に、おもむろに自らのズボンを下ろしパンツだけになったかと思うと、不良たちに向かって走り出した。それを見て怯んだ不良たちに、マサルは強烈なパンチを見舞い、倒してしまう。そのパンチの威力に驚く起目粒であったが、セクシーコマンドーはパンチの前のズボンを下ろして走っていた動きのことであるとマサルは説明する。起目粒も、セクシーコマンドーの凄さを感じ始めていたが、地面に倒れて伸びている不良たちの顔にマジックでヒゲを書くマサルを見て、格闘技よりもその趣向の方が恐ろしいと感じたのであった。

近藤真茶彦との出会い

以前、マサルに破れた不良・石黒が、逆恨みで起目粒を殴りつけようとする。だがそこに、空手部主将であり3年生の近藤真茶彦が現れ、起目粒の代わりに殴られることで事なきを得た。真茶彦は廃部寸前の空手部を再建すべく、一週間以内に部員5名を集めるために奮闘していた。そこへマサルが現れ、空手部が廃部になりかけているのは、当時新入生だったマサルが真茶彦以外の部員を全員倒してしまったことが原因だと発覚する。真茶彦はマサルを空手部に入れるため決闘を申し込み、マサルもそれを受けた。
マサルが早速セクシーコマンドーを決めようとスキだらけになっているところへ、真茶彦は次から次へと空手の技を叩き込んでいく。しかしマサルからの「卑怯だぞコンチクショーッ!!!」という叫びに怯み、スキだらけとなっているところをマサルに反撃され、敗北する。
落ち込む真茶彦であったが、マサルは教頭に直談判すべく単身職員室に乗り込んだ。やがて職員室から戻ったマサルだったが、その口からは当初一週間だった部員集めの期限が三日に短縮したことが告げられた。わけがわからない起目粒と真茶彦が、マサルが教頭に書かせたという誓約書を読んでみると、そこには「三日以内に5人の部員を集めれば『空手部』改め『セクシーコマンドー部』を設立する事を認める」と書かれていた。マサルは空手部ではなくセクシーコマンドー部の設立に目的を据えかえ、その結果期限も短縮されてしまったのであった。

磯部強との出会い

部員集めに奔走する、マサル・起目粒・真茶彦の3人は、屋上で屯していた男子生徒3人組に声をかける。マサルのことを変態マスターと呼ぶ彼らは、マサルらを警戒し、なかなか勧誘にも乗り気ではない。ついにはマサルのセクシーコマンドーの実演により顔面すれすれのパンチを見舞われ、「一緒に…セクシーコマンドーやろうぜっ!!」というマサルの呼びかけに対し「やっ…やるかアホーッ!!!」と捨て台詞を吐き、3人組のうち2人は逃げ出してしまう。
だが、1人だけ屋上に残っていた。彼は他の2人には怖くて従っていただけであり、強くなるためにセクシーコマンドー部に入れてほしいと言う。本名は磯部強とのことであったが、少し触れただけで脱臼してしまうほどの華奢な身体のため、マサルからは「キャシャリン」とあだ名をつけられた。

セクシーコマンドー部の結成

部員集め期日の最終日、部員はまだ一名足りていなかった。そこへ石黒が現れ、セクシーコマンドー部に入部したいと申し出る。警戒するマサルたちであったが、「反省の気持ちに受け取って欲しい」と石黒から付け髭を渡され、喜んだマサルは石黒の入部を許可してしまう。
こうして無事5名揃ったため、教頭に部の設立を申し出たところ、無事に承認された。マサルは石黒にお礼を言おうとするが、明らかに石黒に変装した別人であった。彼は田中スーザンふ美子と名乗ったが、そこに石黒本人が現れ、スーザンにトイレで襲われたと告発する。だが、スーザンによれば、石黒は教頭の前で大暴れし、部の設立を台無しにしようと企んでいたとのことである。真意を暴かれた石黒はスーザンに襲いかかるが、スーザンの高度なセクシーコマンドーの技術に返り討ちにされてしまう。スーザンはセクシーコマンドー部への入部を申し出、マサルも快諾するが、起目粒・真茶彦・強の3名は、スーザンの正体がわかめ高校校長のさかきばらのぶゆきであることに気づく。校長なのに部員にして良いのか悩む3人であったが、ひとまず5人の部員が揃い、セクシーコマンドー部は正式に設立することとなった。

謎の組織との戦い

マサルが肩につけている謎のリングは、装着した者の髪の毛を一瞬にして伸ばすというものであった。その効果を用い毛生え薬を作ろうと目論む「毛生え薬研究会」がマサルたちを襲撃する。一度は組織メンバーを追い詰める部員たちであったが、組織のボスが持参したこけし型ロボット「コペルニクス1号」により、スーザン・真茶彦・強が次々と倒され、窮地に陥る。しかし、起目粒渾身のセクシーコマンドーにより生み出されたスキにより、マサルがコペルニクス1号のリモコンを破壊したことで、無事に撃退することができた。

マネージャーの加入

演劇部に所属する北原ともえは、今は亡き父の影響で、ヒゲ好きの女子生徒であった。だが、このままでは変な人になってしまうと思い、普通の女子高生になることを自分に誓ったところへ、マネージャーの勧誘にセクシーコマンドー部員たちがやってくる。出会いざまに文鎮やバニラエッセンスを与えようとしてくるマサルを見て、警戒し逃げようとしたともえであったが、誤って自作の付け髭を落としてしまう。また変な人と思われてしまうと身構えたともえであったが、マサルはともえの付け髭のクオリティを絶賛する。初めて他者から認められたことに感動したともえは、誘われるがまま入部を承諾するが、セクシーコマンドー部ではなく「ヒゲ部」であると誤解しており、一夜で部室をヒゲ一色に染めてしまう。

顧問の配属

県立わかめ高校教師の松田達郎は、部員と苦楽を共にする顧問としての青春に憧れていた。女子部員にチヤホヤされている顧問を羨むあまり、一晩寝られなかったため保健室で休んでいると、セクシーコマンドー部員達が養護教諭のマリコに顧問を依頼するため現れた。マリコは既に新体操部の顧問をしていると聞き、部員たちは諦めて退室していったが、松田はその日から顧問になりたいとマサルたちにアピールを始める。最初はなかなか部員たちにその思いを気づいてもらえなかったが、やたらと「こもん」という単語を連発する松田に、部員たちもやがて気づき、顧問を依頼することとなった。早速練習を監督する松田であったが、マサルの指導のもと練習に励む部員たちを前に、何もすることがなくとりあえず笛を吹くしかなかった。

お花見と留年

年度末を迎え、真茶彦は卒業を控えていた。このままではセクシーコマンドー部の部員が足りなくなり、再び廃部となってしまうと考えた校長は、スーザンとしてセクシーコマンドー部の花見を企画する。
花見が始まり、一行はマサルの持ち込んだお酒を飲んでしまう。そこに、スーザンから校長の姿に戻った校長がやってきて、部員に停学を言い渡す。更に、マサルがまるごとバナナで校長を買収しようとしたことに対し、あわせ技で留年を言い渡した。
ショックを受ける一同だったが、そこに酔っ払った男たちが絡んでくる。生徒たちをかばおうとした校長に対し、男たちは頭から酒を浴びせる。それを見た部員たちは、校長の「それ以上やったら退学じゃぞ!!」という静止を振り払い、男たちに鉄槌を下した。
正気に戻った男たちは改心していたが、部員たちも退学を覚悟していた。そんな部員たちに対し、校長は「もう一年学校で鍛え直しじゃ!」と、退学ではなく留年を言い渡した。

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