BEASTARS(ビースターズ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『BEASTARS』とは2016年より板垣巴留が『週刊少年チャンピオン』で連載している漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。肉食獣と草食獣、爬虫類や鳥類などの様々な動物が共存する世界を舞台に、全寮制の学校チェリートン学園に通う悩めるハイイロオオカミの高校生・レゴシが、恋愛や部活、家族との関係や社会での関わりを通し、種間の違いに葛藤しながら成長していく青春を描く。擬人化された肉食獣と草食獣の対立や異なる種間の相互理解を巡るすれ違いが生み出すドラマは国内のみならず海外にも厚い支持を受ける。

ハルたっての希望でデート先に裏市を選んだ二人。草食獣の肉が売り買いされる場所を自分の目でちゃんと見ておきたいハルは、ウサギ肉専門店で同族の肉に祈りを捧げる。その帰り道、他愛ないことからちょっとした喧嘩になったハルは、常に自分の事を気にかけてくれる面倒くさい恋人に「あんたみたいな厄介な男とこんな険しい道のり つきあってあげられるのは私くらいよ!」と心の中でぼやく。
男女の機微、肉食獣と草食獣の対立など、複雑なものが絡み合うレゴシとハルの関係と、それを飲み込むハルの器量が見て取れる。

ゴウヒン「納得いかねえ奴はぶっ倒す 17歳の男子なんてそれでいいんだよ」

リズとの大晦日の決闘を控え、ナーバスになっていたレゴシにゴウヒンがかけた言葉。リズを警察に突き出す前に私闘に臨む自分のエゴに悩むレゴシを「納得いかねえ奴はぶっ倒す 17歳の男子なんてそれでいいんだよ」と言って奮い立たせた。
いかにもゴウヒンらしい、豪放で大雑把で、それでいて男の子の心にビビッと響く名セリフである。

レゴシ「種族の壁を壊せるのは…愛だけだよ」

正体を暴かれたリズと学園内で戦闘になったレゴシが、相手に圧倒されながらも叫んだ言葉。テムを食殺した記憶を美化し現実逃避するリズへ、暴力では何も解決しない、愛だけが種族の壁を壊せると信念を伝える。
「種族の壁を壊せるのは…愛だけだよ」とはその際にレゴシが発したもので、作品を貫くテーマを端的にまとめたものともいえる。

ヤフヤ「配慮配慮配慮のゴミの山に埋もれて お前ら警察が本当の悪を裁くのは一生無理だ!!」

紛糾するばかりで遅々として進まない警察の会議を見てヤフヤが放った叫び。誰誰への配慮が足りない、現場の住民にも配慮していたと不毛な繰り言を主張する部下たちにヤフヤも怒りを隠せない。
「配慮配慮配慮のゴミの山に埋もれて お前ら警察が本当の悪を裁くのは一生無理だ!!」というヤフヤの言葉は、彼のヒーロー性を表すものであり、同時に“ビースターとはどういう存在か”を読者に効果的に伝えるものともなっている。

ヤフヤ「レゴシくん、この社会で君がどこまで汚れないか僕に見せてくれ!!」

私利私欲から食肉に走る肉食獣ばかりの世間に嫌気がさしたヤフヤは、ビースターの地位にも倦み始めていた。そんな中でレゴシに出会い、肉食獣と草食獣の共存を信じてあがき続ける彼の純粋さに感銘を受け、「レゴシくん、この社会で君がどこまで汚れないか僕に見せてくれ!!」との言葉をかける。
社会の英雄ビースターであるヤフヤのこれほどの期待をかけられたことで、レゴシは新たな事件へと巻き込まれていく。ヤフヤのこの言葉は、物語がリセットされて新章が始まったことを読者に告げている。

『BEASTARS』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

チェリートン学園校長のゴンは短編集にも出演

レゴシ達が通うチェリートン学園の校長であるシベリア虎のゴンは、短編集『BEAST COMPLEX』収録のエピソード「トラとビーバー」で主役を張っている。彼と親友のビーバーの少年時代の話。

短編集にはレゴシ達も1コマ出演

同『BEAST COMPLEX』収録の「ワニとガゼル」にも、レゴシと701号室の寮生達が1コマのみ出演している。本作はワニの料理講師とその助手のガゼルが、クッキング番組の生放送中に舌論を交わすというもので、レゴシ達は寮の部屋に集まって食い入るようにテレビを視聴している。

作者の板垣巴留はレゴムの被り物で授賞式に出席

2018年第22回手塚治虫文化賞授賞式の様子。

2018年手塚治虫文化賞授賞式にレゴムの被り物で出席しスピーチを披露。錚々たるメンバーを前に受賞の喜びを実感、まだ若いがこれからも全力で漫画を描き続きたいと抱負を語った。

板垣巴留&米津玄師の対談実現

natalie.mu

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