アリー/ スター誕生(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『アリー/ スター誕生』とは、歌手に憧れる女性の成功と苦悩と愛を描いた、2018年公開のアメリカ映画。主演は、本作が初主演となるレディー・ガガ。監督は、俳優で本作でもジャックを演じるブラッドリー・クーパー。1937年の同名映画4度目のリメイク。劇中の音楽も高い評価を受け、サウンドトラックは全米1位を獲得。自信のないシンガーが才能を見出され、スターダムを駆け上がっていく。単なるシンデレラストーリーだけではなく、依存症や家族のあり方を含めた人の苦節や愛情という側面も深く描いた作品。

ゲイル(演 : レベッカ・フィールド / Rebecca Fieldy)

ジャックのバンドチームのスタッフ。ジャックの自家用ジェット機でジャックのライブに招待されたアリーをバックステージまで案内する。

演じるのは、レベッカ・フィールド。アメリカの女優。TVドラマ2014『グレイズ・アナトミー』2012-2013『クライアント・リスト』等に出演。

ホールジー(演 : ホールジー / Halsey)

アメリカの女性シンガーソングライター。本人役として、カメオ出演している。

ホールジーはアメリカのシンガーソングライター、女優。音楽キャリアは、2014「ルーム93」でデビュー。デビューアルバム2015「バッドランズ」はアメリカBillboard アルバムチャートで初登場2位を記録、アメリカレコード協会(RIAA)よりプラチナ認定を受けた。女優としてゲスト出演で2018『The Voice』や『The Doctors』等のテレビ番組にも出演している。

『アリー/ スター誕生』の用語

カントリー・ミュージック

1920年代にアメリカ合衆国南部で発祥したとされる音楽のジャンル。本作ではジャックと彼率いるバンドが属する音楽ジャンルである。諸説あるが、様々な伝統的音楽をブレンドした労働者階級のフォーク・ミュージックが起源と言われ、シンプルなハーモニーを形成し、バラードからダンス音楽まで幅広い音楽性を持つ。西部開拓時代やカウボーイ等のイメージを強く抱く人も多いが、そのイメージはアメリカのエンターテイメント業界が恣意的に作り出したもので、さらに後に一部のカントリー・ミュージシャンがそのイメージと人気にあやかり、カウボーイハットやブーツを身に付け、西部劇風の演出を取り入れる様になる。本作でも、ジャックはカウボーイハットを身につけているが、これはそのイメージの影響を受けたものだろうと思われる。また、音楽ジャンルはさまざまな要素が融合していくものであるが、本作の楽曲は、ロックミュージックの側面もあり、カントリー・ロックとも言える楽曲が登場する。

ドラァグ・クイーン / ドラァグ・バー

ドラァグ(Drag)とは、一般的には、通常特定の性役割と関連付けられる服装(所謂"女っぽい服装"、"男っぽい服装")を、他方のジェンダーを持つ者が着用することを指し、男性の異性装の意味で使われ、"dressed as girl(女性の服を着る)"の省略語であるとも言われる。諸説あるが、もともとDragという言葉の語源は19世紀の舞台用語から派生したという説がある。本作や本稿では、わかりやすく、ドラァグに近い言葉で一般に浸透しているゲイという言葉を代用している。

ドラァグクイーン(drag queen)は、男性が女性の姿で行うパフォーマンスの一種で、ドレスやハイヒールなどの派手な衣裳を身にまとい、厚化粧に大仰な態度をすることで、男性が理想像として求める「女性の性」を過剰に演出している。もともとは男性の同性愛者が多く行なっていたパフォーマンスだが、近年ではそれを模倣し、男性の異性愛者や女性も、女性性の過剰演出、ドラァグクイーンのパフォーマンスをすることも増えてきており、その内容も趣味からプロまで幅広くなってきている。トランスジェンダー(肉体は男だが心は女である人)が女物の服を着るのは「社会的にも女性になる」または「社会的に女性として他者からも認識される」ことが目的であるのに対し、ドラァグクイーンのそれは「女性のパロディ」あるいは「女性の性を遊ぶ」ことを目的としている。

また、ドラァグ・バーは、そのパフォーマーたちがショーを行い、それを見ながら酒や食事を楽しめるバーである。アリーもドラァグクイーンとして、バーでショーを行っていた。

インタースコープ社(インタースコープ・レコード / Interscope Records)

アメリカの音楽会社、ユニバーサルミュージックのレコード事業部門を担当する組織(レーベル)。エムネム、ゴリラズ、ローリング・ストーンズ、エルトン・ジョン、U2ら、そしてレディー・ガガ自身もこのレーベルの所属。

サタデー・ナイト・ライブ(SNL)

『サタデー・ナイト・ライブ』(Saturday Night Live 省略表記 SNL)は、アメリカテレビ局NBCで、1975年10月11日より毎週土曜日の23時30分から25時に生放送されている、深夜90分の公開コメディバラエティ番組。

アメリカ合衆国のバラエティ番組でも最長寿番組のひとつであり、番組はレギュラー出演者の他に、メインゲスト1名と音楽ゲスト1組というのが基本構成である。本作では音楽ゲストとしてアリーが招かれた設定となっている。

ピーボディ賞や全米脚本家組合賞などのテレビ賞を多く受賞しており、プライムタイム・エミー賞の常連ノミネートおよび受賞番組でもあり、日本のバラエティ番組『オレたちひょうきん族』や『ワンナイR&R』(フジテレビ系列)は、この番組をモデルとしていると言われており、日本のバラエティ番組作りにも大きな影響を与えている。

グラミー賞

グラミー賞(Grammy Awards)は、1959年よりはじまったレコーディング・プロフェッショナルらによるアメリカ合衆国の組織が主催する音楽賞。アメリカ合衆国の音楽産業において優れた作品を創り上げたクリエイターの業績を讃え、業界全体の振興と支援を目的とする賞で、今日世界で最も権威ある音楽賞のひとつとみなされており、テレビにおけるエミー賞、舞台におけるトニー賞、映画におけるアカデミー賞と同列に扱われている。

毎年、米国内でリリースされた楽曲とアーティストを対象に、主催組織NARASの会員の投票によって選考される。第1回目でノミネート作品が選考され、第2回目で受賞作品が決定されている。 音楽業界で最も栄誉ある賞だとみなされ、受賞結果はセールスに多大な影響を与える。また、アメリカでは注目度の高い祭典の一つ。

主に4部門で大賞作品が選出される。これらの賞はジャンルで制限されない。
最優秀アルバム賞(Album of the Year) アルバム演奏者および製作チームに授与される。
最優秀レコード賞(Record of the Year) シングル曲演奏者および製作チームに授与される。
最優秀楽曲賞(Song of the Year) シングル曲の作詞者、作曲者に授与される。
最優秀新人賞(Best New Artist) この1年で著しい活躍をみせた新人に授与される。正確な発売日やデビュー日時は考慮されない。

また、各部門ごとの賞もある。その賞は多岐にわたり、全て紹介しきれないので、一部抜粋にて賞の一例を挙げる。
【ポップ部門】
最優秀ポップ・パフォーマンス賞/最優秀ポップ・アルバム賞/最優秀ポップ・パフォーマンス賞(ソロ)/最優秀ポップ・アルバム賞(ボーカル)
【ロック部門】
最優秀ロック・パフォーマンス賞/最優秀ロック楽曲賞/最優秀ロック・アルバム賞
【ラップ(ヒップホップ)部門】
最優秀ラップ楽曲賞/最優秀ラップ・アルバム賞/最優秀ラップ・パフォーマンス賞
【R&B(ソウル)部門】
最優秀R&Bソング賞/最優秀R&Bアルバム賞
【ジャズ部門】
最優秀ジャズアルバム賞(インストゥルメンタル)/最優秀ジャズアルバム賞(ボーカル)
【ダンス音楽部門】
エレクトロニック/ダンス・アルバム賞
ダンスレコーディング賞
【クリスチャン音楽部門】
最優秀ゴスペル&クリスチャンミュージック賞
【技術部門】
アルバム技術賞(クラシック以外)
など

本作においては、劇中でアリーが最優秀新人賞にノミネート・賞の受賞という設定で、
また本作自体のサウンドトラックからシングルカットされた「Shallow(邦題:シャロウ~『アリー/スター誕生』愛のうた)」が、実際の最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞最、優秀ポップ・パフォーマンス賞、ビジュア・メディア楽曲賞の4部門でノミネートされている(受賞発表は日本時間 2019年2月11日)。

『アリー/ スター誕生』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

二人が初めてバーで出会う

トレーラー等でも使われていた、アリーとジャックが初めて出会うシーン。アリーがバーカウンターに寝そべり、ジャックと見つめ合うシーンは、二人の物語のはじまりを予感させる撮り方となっている。アリーの歌う「ラヴィアンローズ」は、実際にクーパーが初めてレディー・ガガと出会ったときに彼女が歌っていたもの。このシーンをつくるときにもアリーに「ラヴィアンローズ」を歌わせることで、二人には実際の初対面を追体験するかたちとなり、出会いのリアリティを追求したシーンとなった。

ポイントとなる鼻と眉

自身の鼻をコンプレックスと語るアリーに、その鼻をなでながら、君は美しいと伝えるジャック。また、バーでのステージを終えて化粧室にいるアリーに、つけ眉毛を取ってほしいとジャックから頼まれ、眉のない素顔をみられたくないというアリーだったが、眉をはずすことに。素顔のままジャックと向き合うアリー。鼻と眉を印象付けるシーンは劇中に度々登場し、自身のコンプレックスを打ち明け、それを受け入れ合うことで信頼関係を気づく二人の様子が、鼻と眉を使った描写で描かれている。

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@akihi0115o4

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