ゴブリンスレイヤー(ゴブスレ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ゴブリンスレイヤー』とは、蝸牛くもによるライトノベル、およびそれを原作としたアニメ作品である。冒険者になったばかりの女神官が初めての冒険で危機に陥った時に出会ったのは、ゴブリン退治のみを専門に行う変わり者の冒険者・ゴブリンスレイヤーだった。ゴブリンに強い恨みを持つゴブリンスレイヤーと、彼の仲間である冒険者たちの物語を、厳しい冒険者の現実と共に描き出したダークファンタジー。
人間の身体に昆虫の頭を持つ種族のこと。
闇人(ダークエルフ)
森人と似た容姿に褐色の肌をしている種族であり、森人の亜種。
魔神を信仰する「闇の側の住人」だが、一部の闇人は「祈る者」として冒険者をしており、街に定住する闇人もいる。
鰓人(ギルマン)
魚の頭を持ち、水に住む種族。容姿から「海ゴブリン」と呼ばれて差別されることがある。
魔法
呪文・奇跡
神から授かる力が奇跡で、奇跡を起こすために唱える力ある言葉が呪文。
呪文を唱えて神々や精霊、祖先に呼びかけ、超常現象や物理法則を超える現象を起こしてもらう。授かる力や1日に使用できる回数は自分で決めることが出来ず、神様任せである。
『ゴブリンスレイヤー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
『ゴブリンスレイヤー』は元々「第27回富士見ファンタジア大賞」のために書かれた小説で、途中で落選した。
ゴブリンスレイヤーは元々Webで公開されていた作品だが、作者である蝸牛くもが小説版を書き直して、「第27回富士見ファンタジア大賞」に応募した。しかし三次選考で落選してしまう。
その後執筆した『天下一蹴 氏真無用剣』を「第7回GA文庫大賞(後期)」に応募したところ、最終選考で落選したが、後に書籍化される。そして過去作である『ゴブリンスレイヤー』がGA文庫編集者の目に留まり、小説として刊行された。
登場人物たちが役職名のみで固有の名前を持たないのは、舞台がTRPGの世界という設定だから。
蝸牛くもは『ゴブリンスレイヤー』を執筆する際に、『ソーサリー』や『ダンジョンズ&ドラゴンズ』、『異界戦記カオスフレア』などのTPRGの影響を多大に受けた世界観を設定した。そのため、キャラクター名はゲームと同じように読者が好きに決めて読み進めれば良いと考え、固有の登場人物名を与えないという小説としては前代未聞の設定を取り入れた。
2018年に行われた「第207回青少年委員会」で「青少年に悪影響を与える作品ではないか」と議論されたアニメである。
放送倫理・番組向上機構(略称「BPO」)に『ゴブリンスレイヤー』が「青少年に悪影響を与えるのではないか」という意見が寄せられ、2018年に「第207回青少年委員会」で議論が行われた。
公開された青少年委員会の議事録には、「モンスターを退治するために冒険するというストーリーの深夜のアニメ番組で、少女がモンスターの集団に襲われるシーンについて「女性に対する性的暴力の描写があり非常に不愉快だ。青少年に悪影響を与える」「女性蔑視の内容を公共の電波で流すのは青少年の教育上いかがなものか」などの意見が寄せられました(「第207回議事概要より引用)」と書かれている。
はっきりとした作品名は公表されていないが、『モンスターを退治するために冒険するというストーリーの深夜のアニメ番組』『少女がモンスターの集団に襲われるシーン』などの文言から、生々しい凌辱シーンが含まれる作品である『ゴブリンスレイヤー』のことではないかとアニメファンの間では話題になった。これらの意見に対して青少年委員会からの返答は、「性的暴行や残忍な行為を想像させるようなシーンはあったが、表現上の配慮はなされていた」「深夜の時間帯ということを考えると許容範囲だと思う」(BPO公式ホームページより引用)という文言が公開された。
『ゴブリンスレイヤー』のファンの間からは、放送がギリギリセーフだと見なされたことで安堵した人も多い。
アニメが放送された2018年秋には1クールでゴブリンが出てくるアニメが3作品あることで話題になった。
『ゴブリンスレイヤー』のアニメ放送が開始された2018年10月には、ゴブリンが登場するアニメで同時期に放送が開始されたアニメが他にも2作品あった。それは、『ソードアート・オンライン アリシゼーション』と『転生したらスライムだった件』だ。
さらに『ゴブリンスレイヤー』はTOKYO MXとサンテレビ、BS11の土曜25:30~、『ソードアート・オンライン アリシゼーション』はTOKYO MXとBS11、とちぎテレビ、群馬テレビの土曜24:00~と近い時間帯で放送しており、連続してゴブリンが出てくるアニメを視聴する人も多い。
そのため「空前のゴブリンブーム。」「最近ゴブリンが流行っているのか?」など、アニメ視聴者の間では話題になった。
『ゴブリンスレイヤー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「善良なゴブリンは、探せば居るかもしれん。だが、人前に出てこないゴブリンだけが良いゴブリンだ。」(第1話)
ゴブリンの子どもたちを皆殺しにしようとするゴブリンスレイヤーを見て、女神官は「殺すんですか…?」「善良なゴブリンが居たとしても!?」と思わず彼に問いかけた。それに対してゴブリンスレイヤーが女神官の方を振り向くこともなく、冷たく返した言葉。
少年時代に故郷の村をゴブリンに襲われ、家族が目の前で凌辱された挙句に殺されたゴブリンスレイヤーが持つゴブリンへの強い恨みが表されている。物語のこの時点ではゴブリンスレイヤーの過去は明らかにされていないが、彼が他の冒険者たちのように人助けや名誉、冒険を求める心を満たすためにゴブリン退治をしている訳ではないようだということを視聴者に感じさせる意味深な言葉である。
『俺は奴らにとってのゴブリンだ』(第2話)
ゴブリンは生きる為に村を襲って虐殺と略奪を繰り返し、種族を繁栄させるために婦女子を凌辱する。その習性は人間にとっては許し難い物だが、ゴブリンたちにとっては生きるために当然のことだ。そんなゴブリンたちの根城を探し出して1匹残らず無慈悲に殺戮するゴブリンスレイヤーの姿は、復讐という違う目的を持つとは言え、村を襲うゴブリンとやっていることは変わらない。立場が人間とゴブリンで入れ替わってしまっただけだ。ゴブリンへ復讐を遂げるために、自分もゴブリンのようになってしまったゴブリンスレイヤーが、自分を冷静に見つめ直して皮肉を込めて揶揄している言葉だ。ゴブリンスレイヤーは淡々とした口調で言っているが、復讐のために捧げた自分の人生を捧げた悲惨さが感じられる。
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目次 - Contents
- 『ゴブリンスレイヤー』の概要
- 『ゴブリンスレイヤー』のあらすじ・ストーリー
- 女神官とゴブリンスレイヤー
- 新しい仲間達
- 地下水路に潜む罠
- 牧場を守るための戦い
- 『ゴブリンスレイヤー』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ゴブリンスレイヤー
- 女神官(おんなしんかん)
- 牛飼娘(うしかいむすめ)
- 受付嬢(うけつけじょう)
- 妖精弓手(ようせいゆみで)
- 鉱人道士(こうじんどうし)
- 蜥蜴僧侶(とかげそうりょ)
- 辺境の街の冒険者
- 槍使い(やりつかい)
- 魔女(まじょ)
- 重戦士(じゅうせんし)
- 女騎士(おんなきし)
- 新米戦士(しんまいせんし)
- 見習聖女(みならいせいじょ)
- 圃人斥候(ほじんせっこう)
- 女戦士(おんなせんし)
- 少年斥候(しょうねんせっこう)
- 少女巫術師(しょうじょみこし)
- 辺境の街の住人
- 監督官(かんとくかん)
- 鍛冶職人(かじしょくにん)
- 丁稚(でっち)
- 支部長(しぶちょう)
- 水の街
- 剣の乙女(つるぎのおとめ)
- エルフ王の森
- 女森人(おんなもりびと)→ 侍女(じじょ)
- その他
- 青年剣士(せいねんけんし)
- 女武闘家(おんなぶとうか)
- 女魔法使い(おんなまほうつかい)
- 牧場主 / 伯父
- 吟遊詩人(ぎんゆうしじん)
- 勇者(ゆうしゃ)、剣聖(けんせい)、賢者(けんじゃ)
- 先生(せんせい)
- ナレーション
- 祈らぬ者
- ゴブリン
- 渡り
- ホブゴブリン
- ゴブリンシャーマン
- ゴブリンチャンピオン(小鬼英雄)
- ゴブリンロード(小鬼王)
- 巨大鼠(ジャイアントラット)
- 大黒蟲(ジャイアントローチ)
- オーガ
- 大目玉(ベム)
- 『ゴブリンスレイヤー』の用語
- 地理・国家・組織
- 四方世界
- 辺境の街
- 水の街
- 雪山の城砦
- 王都
- 死の迷宮
- 冒険者ギルド
- 冒険者
- 等級
- 訓練場
- 緑の月
- 連合軍
- 神殿と神々
- 至高神
- 地母神
- 種族
- ヒューム(只人)
- ドワーフ(鉱人)
- エルフ(森人)
- ハイエルフ(上の森人)
- レーア(圃人)
- リザードマン(蜥蜴人)
- 獣人
- 蟲人
- 闇人(ダークエルフ)
- 鰓人(ギルマン)
- 魔法
- 呪文・奇跡
- 『ゴブリンスレイヤー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『ゴブリンスレイヤー』は元々「第27回富士見ファンタジア大賞」のために書かれた小説で、途中で落選した。
- 登場人物たちが役職名のみで固有の名前を持たないのは、舞台がTRPGの世界という設定だから。
- 2018年に行われた「第207回青少年委員会」で「青少年に悪影響を与える作品ではないか」と議論されたアニメである。
- アニメが放送された2018年秋には1クールでゴブリンが出てくるアニメが3作品あることで話題になった。
- 『ゴブリンスレイヤー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「善良なゴブリンは、探せば居るかもしれん。だが、人前に出てこないゴブリンだけが良いゴブリンだ。」(第1話)
- 『俺は奴らにとってのゴブリンだ』(第2話)
- 『想像力は武器だ。それがない奴から死ぬ。』(第2話)
- 『地母神様なぜこの奇跡を私に…』(第2話)
- 『雑魚狩り専門揶揄されようとも、あなたは誰かがやらなきゃいけないことをやっているんです。もっと堂々としてください。あなたは銀等級の冒険者なんですよ。』(第2話)
- 『でもさ、もうちょっと待つよ。』(第2話)
- 『道はいっぱいね。正解なんてないの。難しいからせめて、ご一緒するなら、きちんと自分で、決めなさいな。』(第3話)
- 『一緒に行きます。放っておけませんから、あなた。』(第3話)
- 『理解できない未知の存在、ね…。それを見たくて森を出たのよ。』(第3話)
- 『うぉぉぉ!甘露!甘露!』(第3話)
- 『慣れますよ。』(第4話)
- 『戻れるわけないでしょ!エルフがあんなことされて!近くには、私の故郷だって…!』(第4話)
- 『落ち着け、耳長の。敵地で騒ぐもんじゃないわい。小鬼どもは、ドワーフにとっても不倶戴天の仇。同朋を弄んだ報いを、必ず受けさせてやろうぞ。』(第4話)
- 『ドワーフに従うのは癪だけど、正しい意見だわ。ごめんなさい。』(第4話)
- 『無茶をして勝てるならするが、それで上手くいくなら苦労はしない。』(第4話)
- 『お前なぞより、ゴブリンの方がよほど手ごわい。』(第4話)
- 『いつか必ず、冒険させてやるわ。』(第4話)
- 『それはその…それでも私は助けてもらったんですから、お礼くらいちゃんと言うべきだと思うんです。ありがとうございました。』(第5話)
- 『離れてろ、危ないから。』(第5話)
- 『悪を裁くことではなく、悪があると気づかせることこそが正義なんだよ。』(第5話)
- 『意外に素直!』(第6話)
- 『その、確かに怖いのはそうなんですけど…でもきっと、きっと大丈夫だと思います。』(第6話)
- 『悪かった。』(第6話)
- 『でも、きっといつか消えてしまうのでしょうね。彼も…。』(第7話)
- 『何とかね。だけどね、そっちの方が無事じゃないでしょ?』(第7話)
- 『はい、約束したじゃないですか。一山越えたら、みんなでご飯を食べようって。約束は守らなくっちゃ、ですよ。』(第8話)
- 『だってこれ、ゴブリンスレイヤーさんが最初に褒めてくれた物じゃないですか。』(第8話)
- 『だが、俺は今も怖くて仕方ない。手伝ってくれるのはありがたいと思っている。しかし手伝う必要はないんだ。』(第8話)
- 『だが、ゴブリンが出たなら俺を呼べ。ゴブリンは俺が退治してやる。』(第9話)
- 『それに、冒険者を引退しても死ぬまで生きていく訳ですから、誰にとっても必要だと思うんです。』(第10話)
- 『先のことはゆっくりさ、考えようよ。』(第10話)
- 『だから嫌だってば。だって…、2回目はやだもん…。』(第11話)
- 『お前の命なんざいるか、この野郎!後で1杯奢れ!』(第11話)
- 『悪かった。信頼していたからな…。』(第12話)
- 『少しまとまってきた。俺は多分、冒険者になりたいのだと思う。』(第12話)
- 『これからずっと、助けて欲しいって言ったら助けてくれます。だから、運なんかじゃないです。絶対。』(第12話)
- 『ゴブリンスレイヤー』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):Mili『Rightfully』(第2話 - 第12話)
- ED(エンディング):そらる 『銀の祈誓』(第2話 - 第11話)
- 挿入歌:Mili『Though Our Paths May Diverge』(第7話)
- 挿入歌:Mili『Within』(第12話)