ゴブリンスレイヤー(ゴブスレ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ゴブリンスレイヤー』とは、蝸牛くもによるライトノベル、およびそれを原作としたアニメ作品である。冒険者になったばかりの女神官が初めての冒険で危機に陥った時に出会ったのは、ゴブリン退治のみを専門に行う変わり者の冒険者・ゴブリンスレイヤーだった。ゴブリンに強い恨みを持つゴブリンスレイヤーと、彼の仲間である冒険者たちの物語を、厳しい冒険者の現実と共に描き出したダークファンタジー。
『想像力は武器だ。それがない奴から死ぬ。』(第2話)
人を襲うゴブリンとは言え、ゴブリンスレイヤーがしていることは命を奪う行為に他ならない。しかしゴブリンスレイヤーはそのことを歯牙にかけることなく、あくまで黙々とゴブリンを殺戮する。そのことを女神官が指摘した時に、ゴブリンスレイヤーが返した言葉だ。ゴブリンスレイヤーは人々を襲う可能性があるなら子どものゴブリンだろうが殺すし、そのためなら手段は選ばない。そうしなければ将来、他の誰かが生き残ったゴブリンたちに殺害されたり凌辱されたりするかもしれないし、生き残って戦い方を学習したゴブリンに冒険者たちが殺されるかもしれないし、その冒険者たちの中にゴブリンを見逃した自分も含まれるかもしれない。そこまで考えた上で、ゴブリンスレイヤーはゴブリンを皆殺しており、そういう想像力がなく中途半端な慈悲をかける冒険者は、悪戯に死ぬだけだという意味が込められた言葉である。また、ゴブリン相手に決して慈悲を与えない冷淡さは、彼が持つゴブリンへの憎しみの強さが表されている。
『地母神様なぜこの奇跡を私に…』(第2話)
地母神から新たに授かったプロテクションの奇跡を、ゴブリンの殺戮に使うことに罪悪感を感じる女神官が、祈りながら地母神に問いかけた言葉。それまでゴブリンスレイヤーのやり方に少し反発を覚えていた女神官だったが、ゴブリンスレイヤーの過去と信念を知った上で、まるで彼のゴブリン狩りに協力するために与えられたような力を何故自分が授けられたのかと疑問に思い、自分はゴブリン退治にどのように向き合うべきかと悩み始めたことが表されている。
『雑魚狩り専門揶揄されようとも、あなたは誰かがやらなきゃいけないことをやっているんです。もっと堂々としてください。あなたは銀等級の冒険者なんですよ。』(第2話)
ゴブリン退治のみを専門に行う変わり者の冒険者として白い眼を向けられることが多いゴブリンスレイヤーに、かつて受付嬢がかけた言葉。あくまで自分の復讐を糧にして孤独に闘う彼を見てくれている人が、少なくとも存在するということが感じられる場面だ。
『でもさ、もうちょっと待つよ。』(第2話)
幼馴染とは言え、復讐のためにたがが外れてしまっているようにしか見えないゴブリンスレイヤーにあまり関わるなと忠告する伯父に、牛飼娘が返した言葉。ゴブリンスレイヤーが帰ってこない日も夜遅くまで起きて彼を待っている牛飼娘にとっては、ゴブリンスレイヤーはあくまで大切な幼馴染なのだという気持ちが込められている。
『道はいっぱいね。正解なんてないの。難しいからせめて、ご一緒するなら、きちんと自分で、決めなさいな。』(第3話)
ゴブリンスレイヤーのゴブリン退治にいつも着いていく女神官の姿は、冒険者ギルドの中でも目立っており、「ゴブリンスレイヤーが新人である女神官を囮に使ってるんじゃないか。」という悪い噂が立っていた。その噂を耳にした新人のパーティーが女神官を自分たちのパーティーに誘っていたところ、銀等級である魔女が女神官に話があると言い、パーティーのメンバーを遠ざけた。
魔女はゴブリンスレイヤーとは旧知の仲であり、ゴブリンスレイヤーのことはもちろん悪い人だとは思っていない。しかし、女神官がゴブリンスレイヤーとパーティーを組むということは、ゴブリン退治のみに専念するということだ。ゴブリンスレイヤーはそれで良いと思っているし、確かにゴブリン退治をすることで世の中の役には立つ。しかし、女神官が冒険者として本当に世の中のためになることをしたいのなら、勧誘してきたパーティーに加わることも、ゴブリンスレイヤーとこれからも共に行動することも選択肢の1つとして考える事も出来るのだ。他にも、女神官自身が1人で行動すること、勧誘してきたパーティー以外の人々とパーティーを組むことなど、女神官にとっての選択肢はたくさんあり、どの道を選ぶかは自分で決めなくてはいけないと魔女は女神官に諭した。その時の会話で、魔女が女神官に告げた言葉だ。
女神官は今まで、何となく最初の冒険で助けってもらったゴブリンスレイヤーに着いて行っていたが、魔女の言葉を聞いて初めて、「自分で決めること」について考え始めた。
『一緒に行きます。放っておけませんから、あなた。』(第3話)
ゴブリン退治を依頼されたゴブリンスレイヤーに女神官が着いて行こうとすると、ゴブリンスレイヤーはそっけなく「いや、俺1人で行く。」と女神官に告げた。女神官はその言葉を聞いて思わずその場に立ち止まり、怒りでブルブル震えながら「そんな!せめて決める前に、相談とか…。」と呟いた。しかし、ゴブリンスレイヤーの「しているだろ。」という的外れな返事を聞いて、女神官は何を言われたのかと一瞬考えた後に、そっけなく告げられた「いや、俺1人で行く。」というゴブリンスレイヤーの言葉は、言葉足らずな相談だったのだと気づいた。
女神官は思わず気が抜けてしまい、「選択肢があるようでないのは、相談とは言いませんよ。」とゴブリンスレイヤーに教えた。そして、戦闘では強いのに、日常生活ではどこか抜けているゴブリンスレイヤーのことが微笑ましくなり、「言葉足らずなこの人は、頻繁に誤解されて危なっかしいから、私くらいは着いて行こう」と女神官は考えて、ゴブリンスレイヤーに着いて行くことを告げた言葉だ。
直前まで魔女と話していて「たくさんある選択肢の中から、冒険者としての道を自分で決めること」を考えていた女神官だったが、やっぱりゴブリンスレイヤーに着いて行こうという結論を出した瞬間の言葉でもあった。
『理解できない未知の存在、ね…。それを見たくて森を出たのよ。』(第3話)
妖精弓手は世界の危機が迫っていることを話してもゴブリン以外には興味を示さないゴブリンスレイヤーに、依頼の話をしている間は怒りを感じていた。しかし、ゴブリン退治となるとあっさりと依頼を引き受けて1人でも行こうとしており、さらにパーティー仲間で戦力では劣るはずの女神官に「放っておけない。」と言われているゴブリンスレイヤーの姿を見て、彼は初めて出会ったタイプの人物だと感じた。
そのため、ゴブリンスレイヤーに対して興味が湧いてきており、もっとゴブリンスレイヤーのことを知りたいと思った瞬間に、妖精弓手が発した言葉だ。
最初は敵対心しか持っていなかったゴブリンスレイヤーへの見方に、妖精弓手の中で変化が起こった瞬間である。
『うぉぉぉ!甘露!甘露!』(第3話)
生まれて初めてチーズを食べた蜥蜴僧侶が、あまりの美味しさに大声で叫んだ言葉で、冷静沈着なイメージがある蜥蜴僧侶の意外な一面だった。
その後、チーズをもらっては喜ぶという可愛い姿を何度も見せており、その記念すべき一番初めのシーンである。
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目次 - Contents
- 『ゴブリンスレイヤー』の概要
- 『ゴブリンスレイヤー』のあらすじ・ストーリー
- 女神官とゴブリンスレイヤー
- 新しい仲間達
- 地下水路に潜む罠
- 牧場を守るための戦い
- 『ゴブリンスレイヤー』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ゴブリンスレイヤー
- 女神官(おんなしんかん)
- 牛飼娘(うしかいむすめ)
- 受付嬢(うけつけじょう)
- 妖精弓手(ようせいゆみで)
- 鉱人道士(こうじんどうし)
- 蜥蜴僧侶(とかげそうりょ)
- 辺境の街の冒険者
- 槍使い(やりつかい)
- 魔女(まじょ)
- 重戦士(じゅうせんし)
- 女騎士(おんなきし)
- 新米戦士(しんまいせんし)
- 見習聖女(みならいせいじょ)
- 圃人斥候(ほじんせっこう)
- 女戦士(おんなせんし)
- 少年斥候(しょうねんせっこう)
- 少女巫術師(しょうじょみこし)
- 辺境の街の住人
- 監督官(かんとくかん)
- 鍛冶職人(かじしょくにん)
- 丁稚(でっち)
- 支部長(しぶちょう)
- 水の街
- 剣の乙女(つるぎのおとめ)
- エルフ王の森
- 女森人(おんなもりびと)→ 侍女(じじょ)
- その他
- 青年剣士(せいねんけんし)
- 女武闘家(おんなぶとうか)
- 女魔法使い(おんなまほうつかい)
- 牧場主 / 伯父
- 吟遊詩人(ぎんゆうしじん)
- 勇者(ゆうしゃ)、剣聖(けんせい)、賢者(けんじゃ)
- 先生(せんせい)
- ナレーション
- 祈らぬ者
- ゴブリン
- 渡り
- ホブゴブリン
- ゴブリンシャーマン
- ゴブリンチャンピオン(小鬼英雄)
- ゴブリンロード(小鬼王)
- 巨大鼠(ジャイアントラット)
- 大黒蟲(ジャイアントローチ)
- オーガ
- 大目玉(ベム)
- 『ゴブリンスレイヤー』の用語
- 地理・国家・組織
- 四方世界
- 辺境の街
- 水の街
- 雪山の城砦
- 王都
- 死の迷宮
- 冒険者ギルド
- 冒険者
- 等級
- 訓練場
- 緑の月
- 連合軍
- 神殿と神々
- 至高神
- 地母神
- 種族
- ヒューム(只人)
- ドワーフ(鉱人)
- エルフ(森人)
- ハイエルフ(上の森人)
- レーア(圃人)
- リザードマン(蜥蜴人)
- 獣人
- 蟲人
- 闇人(ダークエルフ)
- 鰓人(ギルマン)
- 魔法
- 呪文・奇跡
- 『ゴブリンスレイヤー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『ゴブリンスレイヤー』は元々「第27回富士見ファンタジア大賞」のために書かれた小説で、途中で落選した。
- 登場人物たちが役職名のみで固有の名前を持たないのは、舞台がTRPGの世界という設定だから。
- 2018年に行われた「第207回青少年委員会」で「青少年に悪影響を与える作品ではないか」と議論されたアニメである。
- アニメが放送された2018年秋には1クールでゴブリンが出てくるアニメが3作品あることで話題になった。
- 『ゴブリンスレイヤー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「善良なゴブリンは、探せば居るかもしれん。だが、人前に出てこないゴブリンだけが良いゴブリンだ。」(第1話)
- 『俺は奴らにとってのゴブリンだ』(第2話)
- 『想像力は武器だ。それがない奴から死ぬ。』(第2話)
- 『地母神様なぜこの奇跡を私に…』(第2話)
- 『雑魚狩り専門揶揄されようとも、あなたは誰かがやらなきゃいけないことをやっているんです。もっと堂々としてください。あなたは銀等級の冒険者なんですよ。』(第2話)
- 『でもさ、もうちょっと待つよ。』(第2話)
- 『道はいっぱいね。正解なんてないの。難しいからせめて、ご一緒するなら、きちんと自分で、決めなさいな。』(第3話)
- 『一緒に行きます。放っておけませんから、あなた。』(第3話)
- 『理解できない未知の存在、ね…。それを見たくて森を出たのよ。』(第3話)
- 『うぉぉぉ!甘露!甘露!』(第3話)
- 『慣れますよ。』(第4話)
- 『戻れるわけないでしょ!エルフがあんなことされて!近くには、私の故郷だって…!』(第4話)
- 『落ち着け、耳長の。敵地で騒ぐもんじゃないわい。小鬼どもは、ドワーフにとっても不倶戴天の仇。同朋を弄んだ報いを、必ず受けさせてやろうぞ。』(第4話)
- 『ドワーフに従うのは癪だけど、正しい意見だわ。ごめんなさい。』(第4話)
- 『無茶をして勝てるならするが、それで上手くいくなら苦労はしない。』(第4話)
- 『お前なぞより、ゴブリンの方がよほど手ごわい。』(第4話)
- 『いつか必ず、冒険させてやるわ。』(第4話)
- 『それはその…それでも私は助けてもらったんですから、お礼くらいちゃんと言うべきだと思うんです。ありがとうございました。』(第5話)
- 『離れてろ、危ないから。』(第5話)
- 『悪を裁くことではなく、悪があると気づかせることこそが正義なんだよ。』(第5話)
- 『意外に素直!』(第6話)
- 『その、確かに怖いのはそうなんですけど…でもきっと、きっと大丈夫だと思います。』(第6話)
- 『悪かった。』(第6話)
- 『でも、きっといつか消えてしまうのでしょうね。彼も…。』(第7話)
- 『何とかね。だけどね、そっちの方が無事じゃないでしょ?』(第7話)
- 『はい、約束したじゃないですか。一山越えたら、みんなでご飯を食べようって。約束は守らなくっちゃ、ですよ。』(第8話)
- 『だってこれ、ゴブリンスレイヤーさんが最初に褒めてくれた物じゃないですか。』(第8話)
- 『だが、俺は今も怖くて仕方ない。手伝ってくれるのはありがたいと思っている。しかし手伝う必要はないんだ。』(第8話)
- 『だが、ゴブリンが出たなら俺を呼べ。ゴブリンは俺が退治してやる。』(第9話)
- 『それに、冒険者を引退しても死ぬまで生きていく訳ですから、誰にとっても必要だと思うんです。』(第10話)
- 『先のことはゆっくりさ、考えようよ。』(第10話)
- 『だから嫌だってば。だって…、2回目はやだもん…。』(第11話)
- 『お前の命なんざいるか、この野郎!後で1杯奢れ!』(第11話)
- 『悪かった。信頼していたからな…。』(第12話)
- 『少しまとまってきた。俺は多分、冒険者になりたいのだと思う。』(第12話)
- 『これからずっと、助けて欲しいって言ったら助けてくれます。だから、運なんかじゃないです。絶対。』(第12話)
- 『ゴブリンスレイヤー』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):Mili『Rightfully』(第2話 - 第12話)
- ED(エンディング):そらる 『銀の祈誓』(第2話 - 第11話)
- 挿入歌:Mili『Though Our Paths May Diverge』(第7話)
- 挿入歌:Mili『Within』(第12話)