ゴブリンスレイヤー(ゴブスレ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ゴブリンスレイヤー』とは、蝸牛くもによるライトノベル、およびそれを原作としたアニメ作品である。冒険者になったばかりの女神官が初めての冒険で危機に陥った時に出会ったのは、ゴブリン退治のみを専門に行う変わり者の冒険者・ゴブリンスレイヤーだった。ゴブリンに強い恨みを持つゴブリンスレイヤーと、彼の仲間である冒険者たちの物語を、厳しい冒険者の現実と共に描き出したダークファンタジー。

『慣れますよ。』(第4話)

遺跡に住むゴブリンを退治する時に、ゴブリンスレイヤーはいつものように、ゴブリンの血で女性の匂いを消そうとした。初めてゴブリンの血を擦りつけられそうになった妖精弓手は嫌がり、同じく女性である女神官に助けを求める。しかし、既に何度もゴブリンの血を身に付けてきた女神官は諦めて悟ったような表情を浮かべており、妖精弓手にこの一言を告げた。
ゴブリンスレイヤーと冒険を始めたばかりの時は嫌がっていた女神官だったが、ゴブリンスレイヤーのやり方にすっかり慣れた様子を見せており、一方で戸惑って逃げようとする妖精弓手との対比で、視聴者に笑いを誘う場面だ。

『戻れるわけないでしょ!エルフがあんなことされて!近くには、私の故郷だって…!』(第4話)

ゴブリンに捕まえられ凌辱されたエルフの少女を見た上に、戦いの疲れが出てしまっていた妖精弓手に、ゴブリンスレイヤーは淡々と「行けるなら来い、無理なら戻れ。それだけだ。」と告げる。当然、戻る気などない妖精弓手はゴブリンスレイヤーに怒りを込めて反抗した。その時に妖精弓手が発した言葉である。
同じエルフへの思いと冒険者である自分へのプライドを、妖精弓手が強く持っていることが分かる場面だ。

『落ち着け、耳長の。敵地で騒ぐもんじゃないわい。小鬼どもは、ドワーフにとっても不倶戴天の仇。同朋を弄んだ報いを、必ず受けさせてやろうぞ。』(第4話)

ゴブリンスレイヤーに「無理なら帰れ。」と言われてイライラが募っていた妖精弓手に、鉱人道士がかけた言葉。
エルフとドワーフは種族として仲が悪く、2人も登場直後から頻繁に言い争いをしていた。しかし、妖精弓手が落ち着いて戦闘に参加できるようにと機転を利かせて語りかけており、鉱人道士は妖精弓手のことをきちんと仲間として見ていることが分かる場面だ。

『ドワーフに従うのは癪だけど、正しい意見だわ。ごめんなさい。』(第4話)

ゴブリンスレイヤーと言い争いになって冷静でなくなっていた妖精弓手が、鉱人道士に諭されて返した言葉。
普段は鉱人道士との口論が多く仲が悪いのかと周りに思わせる2人だが、妖精弓手は鉱人道士が自分のために諭す言葉をかけてくれたと理解できるほど、本当はお互いのことをきちんと仲間として見ているということが分かる場面だ。加えて、気が強い性格というイメージがある妖精弓手だが、謝るべき時にはきちんと謝る素直さもあるという、妖精弓手の新たな一面が垣間見えるシーンでもある。

『無茶をして勝てるならするが、それで上手くいくなら苦労はしない。』(第4話)

オーガとの戦闘で意識を失った後にポーションで回復し戦闘に戻ろうとするゴブリンスレイヤーに、女神官は心配して「無茶は…!」と言いかけた。その時、ゴブリンスレイヤーが女神官の言葉を遮って返した言葉だ。
ゴブリンでなくても、仲間を攻撃するオーガを何がなんでも倒すというゴブリンスレイヤーの強い気持ちが感じられる場面である。

『お前なぞより、ゴブリンの方がよほど手ごわい。』(第4話)

ゴブリンスレイヤーがオーガに止めを刺す時にオーガに対して告げた言葉だ。
ゴブリンスレイヤーはゴブリンを退治することしか考えておらず、苦戦を強いられたオーガとの戦いに勝利しても、倒す相手がゴブリンでなければ意味がないと考えていることがよく分かる場面である。

『いつか必ず、冒険させてやるわ。』(第4話)

ゴブリンスレイヤーの動機は分からないが、共にゴブリン退治をしたことで、ゴブリンスレイヤーにとっての冒険はゴブリンへの復讐や恨みのような感情から起こす行動なのではないかと、妖精弓手は考えた。妖精弓手にとっての冒険とは、「未知を体験したり、新たな物を発見したりする喜び、高揚感や達成感」がある物で、ゴブリンスレイヤーはあくまで冒険をしていないように見えたのだ。
そのため、遺跡でのゴブリン退治が終わった後に、ゴブリンスレイヤーの冒険と自分の冒険の違いについてゆっくりと考えて、眠っているゴブリンスレイヤーにかけた言葉である。
一時的なゴブリン退治の依頼で行動を共にしていたが、仲間としてゴブリンスレイヤーに自分が思う「本当の冒険」をさせてあげたいという意識が妖精弓手の中に芽生えた瞬間であった。

『それはその…それでも私は助けてもらったんですから、お礼くらいちゃんと言うべきだと思うんです。ありがとうございました。』(第5話)

昇級審査で黒曜等級に昇級した女神官が、昇級の報告をする時にゴブリンスレイヤーに言った言葉。女神官は最初こそゴブリンスレイヤーのゴブリン退治の方法に疑問を持って反対意見を言うこともあったが、ゴブリンスレイヤーとの信頼関係ができたことで、初めて会った時に助けて貰えたお礼をやっと言えた。
他の人にお礼をきちんと伝えることができる女神官の素直さと、自分の力だけではなくゴブリンスレイヤーのおかげで昇級することができたという謙虚さを持つ好ましい性格が描写されている場面である。

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