不思議な少年(A Wonder Boy)のネタバレ解説・考察まとめ
2001年から『週刊モーニング』で不定期連載され、『モーニング・ツー』に2006年から移籍した山下和美の漫画。様々な時代、国、シチュエーションに「少年」が現れ、そこにいる人間たちの営みを見つめ続ける。「人間とは何か」という疑問を投げかけ続けるドラマティック・ストーリー。2014年までで9巻発行されている。
『不思議な少年』のあらすじ・ストーリー
「人間とはなんなのか?」それを観察し続けている少年がいた。
彼の名前は猶治郎であり、エドワードであり、千世丸であり“抱かれる者”である。
そして彼はあらゆる時代、あらゆる国家の中の「ある人間」になりすまし、そこから観察者として人間を見つめ続ける。
人間は殺し合い、憎み合い、愛し合い、傷つけあい、残酷な優しさを持ちながらも自分を乗り越えようとし、少年はそれらをずっと見つめる。
時には家族の一員として、時には天使として、時にはセイレーンとして、時には執事として、観察対象の近くにたたずみ、ひっそりと見つめ続ける。
その行為に意味はあるのか。少年自身も問いかけるが、答えは返ってこない。
ただ、少年は知りたいのだ。「人間とはなんなのか?」それだけを求めて、彼は今日もどこかから人間を見つめている。
少年とは?
「少年」とは、「天使」とも「悪魔」とも呼ばれる、人間を超越した存在。
永遠の生を生き、その流れる先で様々な人々の人生を見つめてきた。
彼の行動原理はただひとつ、「好奇心」。
なぜ自分は人間に惹かれるのか、なぜ人間は復讐や愛情にこだわるのか。
いくつもの世代、宇宙を超えて彼はあらゆる人間に寄り添い、その人生を見つめる。
少年の姿のレパートリー
通常
黒(もしくは紺)のタートルネックにGパン姿という少年のスタンダードな姿。
現代社会に紛れ込む時は常にこの姿で出現する。
この時の名前は「猶治郎」「ビル」「ジェイムズ」など。名前を持っていない時の姿も基本この姿である。
英国貴族風
1巻『エミリーとシャーロット』にて登場。
エドワードと名乗っている。
観音菩薩風
1巻『狐目の寅吉』にて登場。
千世丸と名乗っているが、何百年も前に一度この地に降りて人身御供となった経験がある。
この姿はその時の姿。
ギリシャ風
2巻『ソクラテス』に登場。
“抱かれる者”と名乗っている。
イヌイット風民族衣装
2巻『タマラとドミトリ』にて登場。
ミリと名乗っている。
制服
3巻『末次家の三人』にて登場。
家族の長男「永吉」になりすましている。
制服では他にも4巻『由利香』、5巻『THE MAN』にて登場。
前者では由利香の心の中の情景に現れ、現実世界との違いを際立たせる。
後者では神学校もしくは寄宿制の学校に少年は潜入している。
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目次 - Contents
- 『不思議な少年』のあらすじ・ストーリー
- 少年とは?
- 少年の姿のレパートリー
- 通常
- 英国貴族風
- 観音菩薩風
- ギリシャ風
- イヌイット風民族衣装
- 制服
- セイレーン
- 執事
- 青年姿
- 着物
- 女性姿
- Tシャツ
- バーテンダー
- ターニングポイントとなった回
- 少年自身が少年であるがゆえに動かせない事実
- 人間は自分の満足のために生きている
- 何千何億の奇跡の元に
- 『不思議な少年』の名言・名セリフ
- 「人間って不思議だ……」
- 「僕は君の歌を本気で愛してたんだ」
- 「これからもたくさん人に出会うといい」
- 「いや……死んでも捨てない……」
- 「俺も復讐のために生きる」
- 「それが感情さ」
- 「歌です」
- 「これがわしの仕事なんじゃ!」
- 「あなたは見つからなくても永遠に捜しつづける人だわ」
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